「カムカムエヴリバディ」第94回~ちょっと、迷子になってしもうたんじゃ | 日々のダダ漏れ

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カムカムエヴリバディ 第94回
第19週「1993-1994」
ちょっと、迷子になってしもうたんじゃ

 

 

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<クリスマスイブ>

ひなた) ただいま。

錠一郎) ああお帰り。

ひなた) ハハッ、サンタが店番?

錠一郎) ああ・・・。

ひなた) フフフッ。

(サンタクロース姿の錠一郎)

ひなた) うん? お客さん?

錠一郎) うん。

 

**********

 

(居間をのぞくひなた)

るい) どうぞ。

サンタ) ああ・・・すまんのう。

ひなた) サンタさん?

算太) お~ひなたちゃんじゃ。

 久しぶりじゃのう。

ひなた) どこ行ってたんですか!?

算太) あ? どこて?

ひなた) そうかてほら。

 いつか回転焼き買いにうちの前まで

 来たのに、こつ然と姿消してしもて。

算太) う~ん、あ~・・・。ちょっと、

 迷子になってしもうたんじゃ。

ひなた) 迷子?

算太) ああ。

ひなた) 10年間?

算太) ああ。

ひなた) はあ~まあええわ。こない

 して食べに来てくれたんやもん。

 あっ、お母ちゃん。

 この人、サンタさん。

 あっ、ほら、条映のコマーシャルある

 やん? あれの振り付けしてくれはっ

 た人なん。

るい) ひなた。

ひなた) うん?

るい) お母ちゃんの伯父さんや。

ひなた) 誰が?

(自分を指さす算太)

算太) フフフフ・・・。

ひなた) えっ?

算太) いやまあまあまあ、いろいろ

 なあ、不思議もあるじゃろうが、

 まずはこの、回転焼きゅうもろうて

 もええかのう?

ひなた) えっ? あっ、どうぞどうぞ。

算太) あっ、ほんなら。

(両手で回転焼きを持ち、かぶりつく)

ひなた) どないですか?

算太) 間違えねえ。

 こらあ、たちばなのあんこじゃ。

ひなた) え・・・たちばなって?

算太) ああそうか・・・。そりゃあのう・・・

 どっから、説明したらええかのう。うん?

錠一郎) あの、るいの伯父さん。

算太) ああ?

錠一郎) 京都に、住んではるんですか?

算太) いや・・・ううん・・・わしゃあもう、

 50年近う、住所不定じゃ。

錠一郎) 今日は?

算太) 今日?

 あ~う~ん・・・今日は・・・。

錠一郎) そしたら、泊まってってください。

算太) はあ?

錠一郎) 積もる話もあるでしょうから。

算太) ちょちょちょ・・・

 そねえなつもりゃあ・・・。

ひなた) そうや、そないしてサンタさん。

 何やびっくりしたけど、サンタさんが

 親戚やったなんて私うれしい! なっ?

(互いに目をそらしている算太とるい)

 

**********

 

(ちゃぶ台にクリスマス料理)

ひなた) ホンマサンタさん・・・

 いや大伯父さん! 何でもっとは

 よ現れてくれへんかったん。私ら、

 親戚がいいひんて聞いてたし、

 小さい頃なんか、ちょっとしか

 お年玉もらわれへんかったん!

算太) うん?

ひなた) あのころ名乗り出てくれて

 たら、私、空き瓶集めなんかしい

 ひんでも、モモケンさんのサイン

 会行けたかもしれへんのに。

錠一郎) ひなたそこか? 

 そこなんか?

算太) おい、あの・・・。

桃太郎) うん?

算太) 桃太郎は、

 クラブ活動しょんか?

桃太郎) おっ、野球部です。

算太) おっ、野球部。

 強(つえ)んか?

桃太郎) どやろ。

ひなた) 桃は強いえ。こないだ

 レギュラーに返り咲いたんや。

算太) ああてえしたもんじゃが。

 勇ちゃんに似たんかのう。

桃太郎・ひなた) 勇ちゃん?

算太) いや・・・おめえらのその・・・

 父方の、大叔父さんじゃ。

ひなた) うん? うん?

 算太大伯父さんは、何やったっけ?

算太) わしゃあ、

 母方の、大伯父さんじゃ。

ひなた) あ・・・何か急にぞろぞろ

 親戚ができるんやけど。

桃太郎) 大体それ、どこの言葉?

算太) うん? 岡山じゃ。

ひなた・桃太郎) 岡山?

算太) おう。

ひなた) えっ、お父ちゃんも

 お母ちゃんも、大阪出身や思てた。

桃太郎) 僕も。

るい) あんまり覚えてへんの。

 岡山にいた頃のことは。

 それに・・・もう縁も切れてるさかい。

桃太郎) ふ~ん・・・。

算太) わしが、あ・・・一緒に暮らし

 ょうったん・・・るいが、小学校上が

 る前じゃったからのう。

ひなた) えっ、それでそっから

 どないなったん?

算太) どないて?

ひなた) いや、そやから、大伯父さん

 はどこでどうして暮らしてたん? お

 母ちゃんはいつ大阪に出てきたん? 

 あっ、あと、お母ちゃんの、お母さん

 いうか、あの~大伯父さんの妹いう

 か、すなわち、私と桃のおばあちゃ

 んはどないなったん?

錠一郎) 伯父さんは、

 ダンサーなんですよね?

算太) ああそうじゃ。

 もう・・・そらあもういろんな

 ステージで踊りょうった。

ひなた) ハハッ、そや。踊って踊って。

 もっかい見たいわあ。

桃太郎) いやお姉ちゃん、

 むちゃ言わんとき。

ひなた) 何が?

桃太郎) 何がて・・・。

算太) ええか。

桃太郎) うん?

(左右の手にフォークを持ち、

 パンに突き刺す算太)

算太) ほれ。見とけ。

桃太郎) うん。

(リズミカルにパンを動かす算太)

桃太郎) ヘヘッ。

ひなた) ハハハハッ。

 すごい! パンが踊ってる。

桃太郎) ホンマや。すごい!

ひなた) 何それ。

 ハハハッ、パンが踊ってんねん。

(子供の頃の安子のように喜ぶひなた)

桃太郎) すごい。

(笑い声)

 

**********

 

<12月25日の朝>

るいの声) 小豆の声を聴けえ。

 時計に頼るな。目を離すな。

(算太が目を覚ます)

るいの声) 何ゅうしてほしいか、
 小豆が教えてくれる。

 

**********

 

<店の調理場>

安子・るい) 食べる人の、
 幸せそうな顔を思い浮かべえ。

るい) おいしゅうなれ。

 おいしゅうなれ。
安子・るい) おいしゅうなれ。
るい) その気持ちが、小豆に乗り移る。
 う~んとおいしゅうなってくれる。
 甘えあんこが、出来上がる。ハッ!

(廊下に立ち、るいを見ている算太)

るい) おはようございます。

算太) ああ。おはよう。

 あ~よいしょ。

(丸くなった背中で鍋をのぞき込む算太)

算太) はあ~変わらんのう。

(鍋にふたを置くるい)

るい) 算太伯父さん。

 どこへ行ってたん? あれから。

 雉真の家から消えてから。

 伯父さん。ホンマのこと教えて。

 あの時、伯父さんは、

 何で姿消したん? 

 何でお母さんは、あないに慌てて、

 伯父さんを追って大阪へ行ったん?

算太) そねん昔の話あもう・・・

 ええじゃろう。
 わしもよう、覚(おべ)えとらん。

(算太を目で追うるい)

 

**********

 

(福引き会場にサンタクロース姿の算太)

錠一郎) お~。

算太) お~。

(ベルを鳴らす算太)

算太) 3等。大当たりじゃ。

錠一郎) これどうぞ。

女の子) ずっと欲しかったやつや!

ひなた) 大伯父さん。

算太) おうひなたちゃん。

ひなた) 何かごめんな。

 商店街の手伝いまでさせてしもて。

算太) 一宿一飯の恩義じゃ。

ひなた) 何言うてんの。親戚やろ。

 あっこれ。

 お母ちゃんが引いといでって。

錠一郎) ああああ。 

ひなた) あ・・・大伯父さん。

 引いてくれへん?

算太) 何や・・・ひなたちゃんが

 引きゃあええじゃろ。

ひなた) いやお父ちゃんも私も

 ハズレしか引いたことないん。

算太) ほんなら・・・。

 よいしょ。

錠一郎) あっ、当たり!

ひなた) えっ!

(ベルを鳴らす錠一郎)

錠一郎) えっと、4等賞。

ひなた) えっ、えっ、何?

 4等って何?

錠一郎) えっと・・・。

算太) ああ、これじゃこれ・・・。

ひなた) いや・・・。

錠一郎) これ?

ひなた) 子供やあらへんし。

吉右衛門) 今年はおもちゃの

 賞品が多いんや。おもちゃ屋

 さんが、店じまいしたさかいな。

ひなた) さすがケチエモン。

 よその店じまいにつけ込んで・・・。

吉右衛門) 人聞きの悪いことを

 言うんやない。

錠一郎) あっ、町内会長さん。

 こちら、るいの伯父さんです。

吉右衛門) 奥さんの。

錠一郎) はい。

吉右衛門) あっ、それはそれは。

 初めまして。町内会長の・・・。

 

(回想)

算太) うわっ!

吉兵衛) おめえか!

 わしのラジオ盗んだん!

 

(サンタクロースの帽子を取り、

 あかにしの看板を見上げ、

 商店街を振り返る算太)

(そこには、水田屋豆腐店も見える)

 

(算太に見える幻)

安子) お兄ちゃん。

 お兄ちゃん。お兄ちゃん。

(女の子が抱きつく)

算太) お~安子じゃ。

安子) お兄ちゃん。

 ダンサーになれた? 踊って!

(安子の前で、商店街の真ん中で

 踊るサンタクロース姿の算太)

(橘の庭で、ダンスホールで、

 終戦直後の南の島で、

 いろんな所で踊ってきた算太)

(ラジオを囲んだ家族と、

 笑顔と、おはぎ)

 

(商店街が、算太のステージになる)

(いつの間にか人々が集まっている)

(るいも清子も店から出てくる)

(福引きで当てたトランペットを吹く少年)

(算太が福引きで当てたおもちゃの

 ピアノを弾く錠一郎)

♪(おもちゃのピアノ)

(錠一郎を見るるい)

(軽やかなステップで幸せそうに

 踊っている算太)

(そこにいる全ての人に笑みが溢れる)

(空を見上げ、眩しさに目を細める算太)

(太陽の下に、「たちばな」の看板)

(目に一筋の涙、倒れる算太)

 

**********

 

錠一郎) 申し訳ないけど、

 財布の中探させてもらった。

(錠一郎の手に算太の診察券)

るい) 電話したん?

錠一郎) うん。

るい) 何て?

錠一郎) 入院してたのに、

 逃げ出したらしい。

 

**********

 

(居間に寝かされた算太)

(見守るひなたと桃太郎)

 

**********

 

るい) 病気やの?

錠一郎) いつどうなっても、

 おかしくないって。それは、

 本人も知ってるって。

 

**********

 

ちょっと迷子になってしまったと言って・・・10年。

あの日も、迷子になってしまったと言うのかな?

ある意味、確かにずっと、迷子だったのかもね。

 

安子が8歳だった時、算太は13歳だったらしく、

現在73歳。お金を持ち逃げしたのは31歳の時。

長かったねえ。長すぎた。それでも、ひなたに

めぐり会えて、るいに辿り着けて・・・よかった!

 

福引きの賞品として、おもちゃのピアノが気に

なっていたけれど、ジョーがそのピアノでセッ

ションするためだったのね。かなりご都合のい

い設定ではあるけれど、そこは目をつぶるとし

て・・・。おもちゃであっても、ジョーが楽器を手

にして音楽を楽しむ姿を見られたのは嬉しい。

 

算太のダンスは・・・ちょ~っとやりすぎ演出だ

ったかなと(個人的な好みの問題ですw)。某

テレビ番組で、老人の仮装をして現れ、油断

させた後で本来の力を見せつけるというシー

ンを連想してしまったのが敗因なのだけれど。

ちょ~っと没頭できなかったのが本当に残念。

直前まであんなにヨボヨボしてて、心臓も悪か

ったらしいのに・・・急にあんなに元気に踊り出

すっていうところがね・・・モニタリングすぎて。

 

最後の力を振り絞った、束の間の輝きなんだ

ろうっていうのも分かるし、たちばなの幻を見

ながら、一筋の涙を流した算太の表情もいい。

小さい安子のために踊った算太。次は、大き

い安子のために、安子のことを、あの日のこ

とを、本当のことを、るいに話してあげて~!

 

 

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