「スカーレット」 第139回
第24週 「小さな希望を集めて」
後ろ向きなこと言うたらな・・・罰金や
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昭和59年(1984) 2月
(卵焼きを作る喜美子)
(部屋で眠っている武志)
(仏壇に向かい、手を合わせる喜美子)
(回想)
喜美子) 死なさへん。
絶対死なさへんからな。
喜美子の白血球の型が、
武志のものと一致するかどうか、
結果が、今日分かります。
(武志の朝食を用意し、出かける喜美子)
(「食べたら薬!」の書き置き)
**********
<病院の待合室>
白血球の型が一致すれば、
骨髄移植への道が開かれます。
山ノ根) 川原さん。
喜美子) はい。
**********
<診察室>
(ノック)
山ノ根) 先生。川原さんです。
喜美子) おはようございます。
大崎) おはようございます。
どうぞ、お掛け下さい。
喜美子) はい。
大崎) 残念ですが…検査の結果、武志君と
喜美子さんのHLA、つまり、白血球の型は
一致していませんでした。
**********
(待合室の長椅子に腰を下ろす喜美子)
(診察室を出て、喜美子をそっと見る大崎)
**********
(立ち上がり、深野体操を始める喜美子)
大崎) あ…あ、いえ…こんな所で、
体操してる人、初めて見ました。
喜美子) アハハッ、すんません。
あっ、何か?
大崎) あ…もしよかったら、
患者の会というのがあるんです。
喜美子) 患者の会?
大崎) ええ。
白血病の患者さんと、ご家族の会です。
川原さんのように、お子さんと白血球
の型が一致されなかった方がやってお
られます。いつでもご紹介しますので、
おっしゃって下さい。
喜美子) はい。
大崎) 大丈夫ですか?
喜美子) 大丈夫です。もう、一致せん
かったもんはしゃあない。まだ父親の
方は残ってますしね。
**********
<ゲームとビリヤードの店>
店長) 入院してたんやなぁ、
もうどうもないん?
武志) ご心配おかけしました。
また、働かせてもらえたらと…。
(ビリヤードをする店長)
店長) こっちは大歓迎や。
武志) また、よろしゅうお願いします。
店長) 頼むで。
武志) はい。
**********
<かわはら工房>
喜美子) アルバイト続けるん?
武志) うん。
喜美子) ふ~ん、そうか。
あんな、話がある。
武志) えっ、今?
喜美子) まあ今やのうてもええんやけど。
武志) まあええけど。何?
喜美子) 今日病院行ってきた。
武志) あっ、分かった。
喜美子) 分かった?
武志) あかんかったんやろ。
喜美子) フッ、あかんかった~。
武志) まあ、親でも一致する可能性は、
ないに等しいって言うてたしな。
喜美子) うん。役に立たんかった。堪忍な。
武志) 謝ることやないで。もうええ?
喜美子) もうええ。以上。
武志) はい。
喜美子) はい。お母ちゃんもあっちで、
明日の陶芸教室の準備してるで。
武志) ああ、静かにしてや?
喜美子) そっちこそ静かにしてや。
武志) ハハハッ。
あ…なあお母ちゃん。
喜美子) うん?
武志) 検査…受けてくれて、ありがとう。
(武志から目をそらし、グッと堪える喜美子)
**********
<陶芸教室>
子どもたち) 先生、ありがとうございました。
喜美子) はい。ほな豆まきするでえ。
子どもたち) は~い!
喜美子) 怖い鬼来るでえ。用意してやあ。
(はしゃぐ声)
(鬼の面を手に、庭に出る喜美子)
(八郎が来る)
(鬼の面を突き出す喜美子)
喜美子) 鬼やって。
八郎) はっ?
喜美子) 鬼やって、もう。
八郎) え…?
**********
桜・桃) キャ~!
喜美子) 鬼来たでえ、やるでえ!
八郎) あ~あ…。
喜美子) はい、鬼は~外~!
子どもたち) 鬼は~外~!
八郎) うわ~!
桜・桃) キャ~!
(八郎に豆をぶつける子どもたち)
八郎) あ、痛…
ちょっと…ちょっと待って…。
喜美子) 鬼は~外!
八郎) ちょっと…ちょっと待って…。
喜美子) 鬼は外!
八郎) 痛い痛い痛い!
本気で投げたらあかん…。
喜美子) 鬼は外!
八郎) 耳入った耳入った…。
**********
<夕方・工房>
喜美子) 参ったな、
ハチさんもあかんかったか。
八郎) 結果聞かされて…診察室出たあと
どうやって帰ったかよう覚えてへん。
気ぃ付いたら、駅前で…武志とおんなじ
ような年頃の子ぉらおってな…。
喜美子) 罰金とることにしよか。
八郎) はい?
喜美子) 後ろ向きなこと言うたらな。
情けないこと、しんどいこと、
ひどいこと言うたらな、
今度から罰金や。
八郎) フッ…。
(空き瓶を用意する喜美子)
喜美子) これ。これこれ。これにしよか。
八郎) ハハ…。
**********
<母屋>
照子) うちと信作と…あとな、
敏春さんも検査受けるで。
喜美子) ありがとう。
検査料金出させてな。もちろん、
お礼もさせてもらいます。
よろしくお願いします。
八郎) よろしくお願いします。
照子) そんなんするんやったら、帰るで?
喜美子) いや、敏春さんにも声かけて
もろて、ほんまにありがたいねん。
2人とも、ほんまに…。
信作) おいおい…。
喜美子) ありがとう。
信作) 何してんそれ。やめろそんなん。
白血球の型が合うてからにせえ
そういうのは。
照子) そや、なかなか合わへんのやろ?
娘らにも言うてええよな?
上の子らにも、声かけるわ。
信作) 役場の連中にも聞いてみよう思てる。
照子) ほかにも、
力になってくれる人いるで、きっと。
喜美子) ありがとう。
**********
<ゲームとビリヤードの店>
大輔) 病気!?
武志) はあ~薬のんでるやん。
アパートもな、引き払ったんや。
学) 誰が。
武志) いや俺が。
大輔) ちょっ待てえや。真奈さんと付き合う
ことになったいう話か思て…ほやから…
なっ? 俺ら、よかった~言うつもりで…。
学) せや、おめでとう言うたろいうてほら。
(クラッカーを出す2人)
武志) え…何持ってきてんねんそんなん。
大輔) そやのに何やねん病気て。
武志) あ…入院してたやん。
学) 退院したやん。
大輔) ただの貧血とちゃうんか。
武志) まあ…ただの貧血とは、
またちょっと違うな。
大輔) じゃあ何やねん病気て。
武志) うん…。白血病や。
大輔) ハハ…いや…冗談言うなや。
学) 元気やん。
武志) あと、3年から、5年はな。
大輔) 3年から5年て何や…。
武志) 治療が、続くんや。
大輔) 3年から5年治療続いたら、
どうなるんや。
武志) どうなるんやろうな。
大輔) 分からんのか。
武志) あっ、え…ごめんな。
オチのない話してしもたわ。
大輔) 治る!
そん時はこれ(クラッカー)や!
学) おめでとう!
武志) もう分かった分かったから。
ありがとう。なっ? ここ座りやほら。
ありがとう。
学) おめでとう!
(クラッカーを鳴らす2人)
武志) おめでとうって…やめろって。
もうそんな…パンパンうるさいな。
大輔) 武志もやるか?
武志) やらんて。やらんよ。
**********
<川原家>
(検査の協力者名簿を作っている喜美子)
(戸が開く音)
学) こんにちは。
喜美子) ああ、こんにちは。
ああ、どうしたん。
(戸が閉まる音)
(学と大輔、真奈が来る)
喜美子) 上がりぃ。
学) あ…はい…。
大輔・学) お邪魔します。
喜美子) うん。
**********
喜美子) 検査を受けたい?
大輔) はい。
骨髄移植いうのを聞きました。
喜美子) 武志から聞いたん?
真奈) 病名教えてもろたあと、調べました。
ほんで…病院で骨髄移植がどういうもの
なのか、ちゃんと聞きました。
大輔) ドナーになれるかどうか、
検査します。
真奈) うちも検査します。
学) 俺も。
大輔) 今日来たんは、ほかの人に
言ってええか、聞こうと思て。
学) 友達関係は俺らがまとめます。
大輔) 任せて下さい。
学) 任せて下さい。
喜美子) ありがとうございます。
**********
<朝>
(縁側に座っている武志)
喜美子) 武志。
武志) うん?
喜美子) 見て。
(検査の協力者名簿)
多くの人が、力を貸してくれました。
武志) ありがたいなぁ。
喜美子) 連絡はお母ちゃんがするんでええ?
武志) うん。任せるわ。
喜美子) うん。
**********
<昼・居間>
(電話の呼び出し音)
喜美子) や…。
電・喜美子) もしもし、川原です。
ああ直子。うん。そうか…うん。
いやいや、ありがとう。ごめんな。
布袋さんにも、よろしく伝えてな。
(名簿の名前に印をつける喜美子)
**********
<朝・工房>
電・喜美子) はい。そうですか。
ご協力頂きまして、
ありがとうございます。
はい。わざわざ、ご連絡頂きまして、
ありがとうございます。
**********
<夕方・工房>
電・喜美子) 何で照子が謝るねん。
やめえ。敏春さんにもよろしく
伝えてな。うん。ありがとうな。
(電話を切る喜美子)
**********
(縁側で名簿を見る武志)
武志) あかんなあ。
喜美子) あかんわあ。
武志) 全滅やな。
喜美子) 全滅や。
(名簿に向き直る武志と喜美子)
武志・喜美子) ありがとうございました。
(顔を見合わせ、笑う2人)
**********
<居間>
(一人栄養学の本を見ている喜美子)
(電話の呼び出し音)
電・喜美子) はい、川原です。
電・女性) もしもし? 分かるぅ?
電・喜美子) ちや子さん?
電・ちや子) 今な、おいしい
コーヒー飲んでるとこや。
気分転換に、ちょっと出てけぇへん?
電・喜美子) 行きます。
**********
白血球の型が一致しなかったと聞いたあとの
深野体操を始める喜美子と…どうやって帰っ
てきたか分からないという八郎の、「らしさ」よ。
罰金とることにしよか。
後ろ向きなこと言うたらな。
情けないこと、しんどいこと、
ひどいこと言うたらな、
今度から罰金や。
時には弱音を吐いたり吐き出すことも必要だ
けど…後ろ向きな言葉は口にしたくないとい
う気持ちはよく分かる。「言霊」の力は侮れな
いと思うから。心の中で思ってしまうことはど
うしようもないけれど、それを言葉として口に
したくはないというか。ネガティブな響きは心
の健康をジワジワと蝕んでいくものだから…。
武志に大輔と学がいてよかった。真奈ちゃん
がいてよかった。病名を聞いてから自分で調
べて、更に病院でちゃんと聞いてくるって、相
当な行動力というか、頼もしいよ、真奈ちゃん。
ただの天然娘じゃない。やればできる子だ~。
武志) あかんなあ。
喜美子) あかんわあ。
武志) 全滅やな。
喜美子) 全滅や。
(名簿に向き直る武志と喜美子)
武志・喜美子) ありがとうございました。
白血球の型に適応する人がいなくても、その
気持ちに感謝して、笑える2人なのがいいね。
草間流柔道の心は喜美子の中にずっとある。
そして喜美子が困った時には…ちや子さん!
その名前に一番救われたのは視聴者かもw
どうか、武志に力を、喜美子に力を。どうか…。
<追記>
「食べたら薬!」の薬の字が、「茶」に見えて…
(「茶」っていうのは変だよなあ…と思いつつw)
よく見たらやっぱり「薬」だなと…直しました!!
(南高卒さん、ありがとう~!!)
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