「半分、青い」 第53回
第9週 「会いたい!」
東京にやって来た晴とおじいちゃんの歌
鈴愛) 金魚…。すくって下さい。
(鈴愛の頬にキスをする正人)
(目をつぶる鈴愛)
鈴愛) ん? 正人君、燃える!
燃えとる! 燃えとる!
正人) あ?
(正人の着ている上着に花火用
のろうそくの火がついている)
鈴愛) 脱いで脱いで! 早く早く!
正人) あっ、死ぬ。俺、死ぬ。
鈴愛) 大丈夫、死なない! 死なない!
あの時、正人君の上着が
ろうそくにくっつかなければ、
キスしてたんだろうなあと、
鈴愛は今も思う事があります。
半分で終わってしまった花火。
夏は、もうそこまでやって来ていました。
**********
<オフィスティンカーベル>
先生、富士山以西じゃないのに、
なぜ着物?
菱本) 先生。
秋風) ん?
菱本) 襟元が…。
秋風) 何だ?
裕子) あっ、いや、何も。
秋風) うん。
**********
<オフィスティンカーベル・表>
鈴愛) ここや。
晴) え~!
すごいね。美術館みたい。
鈴愛) はい。
晴) はあ~。
(キョロキョロする晴)
晴) これが個人のお宅かね?
**********
<オフィスティンカーベル>
鈴愛) 戻りました!
母来ました!
秋風) いらっしゃい。
晴) あら、先生。どうもどうも。
あら、また、すてきなお着物。
秋風) いえ、そちらも。
晴) あっ、いえ、
おしゃれ木田原ですよ。
秋風) ん?
鈴愛) あっ、梟町のブティックです。
おしゃれとうたっていますが、うたって
いる時点で全っ然おしゃれじゃない事
に気が付けないんです。
晴) その中では、まともな方です。
秋風) お似合いです。
晴) あっ、これ、今日の朝、おじいちゃん
が焼きました、五平餅で。どうぞ。
秋風) ありがとう。
菱本) ありがとうございます。
晴) 皆さんで、是非。
菱本) 本当ですか? いつも先生が
お一人で食べてしまうもの…。
秋風) おい。
菱本) 皆さん、鈴愛さんのお母様から、
五平餅頂きましたよ。お礼を。
藤堂) 初めまして、藤堂誠です。
ボクテって呼ばれてます。
あっ、僕、「ボクって」って
よく言うんで、ボクテです。
晴) あ~あなたがボクテ君?
よく、娘からお噂…。
あっ…娘が、お世話になってます。
藤堂) あっ、いえいえ。
裕子) 小宮裕子です。
晴) あなたが裕子ちゃん?
よくお電話ではねえ。
あ~思ったとおり美人さんやわ~。
裕子) 鈴愛ちゃんとは仲よく
させてもらってます。
噂の五平餅ですね。
秋風) 仙吉さんは、お元気ですか?
晴) ええ、相変わらずです。
秋風) あの時は本当によくして頂いた。
お料理みんなおいしかった。
ふきのとうも、うなぎの蒲焼きも。
あの時の事を、私は、
何かよく思い出すんです。
晴) そうですか?
でも、本当に、お元気になられて、
よかったです。
秋風) いろいろ、ご心配をかけたようで。
鈴愛) お母ちゃん、もう、仕事の邪魔。
晴) ん? あっ、そうかそうか。
ごめんごめん。
菱本) では私が、鈴愛さんの
お部屋をご案内致します。
**********
<喫茶・ともしび>
弥一) そうですか。
今日から東京行かれた。
宇太郎) は~い! フフフッ。
あっ、焼酎ロックで。
まさこ) あ? まだ4時やよ。
そんなに飛ばして大丈夫?
宇太郎) 大丈夫、大丈夫。
五郎) うちも今日、
あれでいないの。例の。
鬼のいぬ間の何とかってやつやね~。
鬼か? アハハハッ。
五郎) 嫁は鬼やね~。
弥一) 一生退治できない鬼。
**********
<ボクシングジム>
和子) どうしてやろ。
何か今日、メラメラと闘志が湧く。
幸子) うん。
貴美香) よっしゃ~!
和子) おお。
(サンドバッグを打つ和子)
貴美香) おお~。よかったねえ、
和子さん。元気になった。
和子) うん。体動かすのが薬や。
見て。それに、二の腕がフルフル
しんくなった。
幸子) えっ、何それ?
和子) 晴さんが言っとった。
ドレッシング振る時に、二の腕がフル
フルしよら~す。これはいかんって、
ボクシング、始めたって。
幸子) ハハハハッ!
私はいろんなとこ、フルフルするわ。
何やったら、腹も波打つわ~。
貴美香) 打つべしやよ、幸子さん。
和子) 打つべし!
幸子) 打つべし。
和子) べし!
貴美香) 打つべし! 打つべし!
(サンドバッグを打つ和子たち)
**********
菱本) こちらがリラクゼーション
ルーム。みんなで休んだり、
くつろいだりする所です。
晴) はあ~。
**********
菱本) ここが、
秋風のプライベートルームです。
(鍵を開ける菱本)
(部屋を見回す晴)
晴) ほう~。
**********
(中庭に出たところで足を止める晴)
菱本) そして、こちらがあの…。
晴) あの、これは…。
菱本) トピアリーです。
最も美しいと言われている恐竜の、
プテラノドンです。ゴジラの、もとに
なったと言われているティラノサウ
ルスと迷ったのですが、やはり、美
しさを取りました。秋風は美しいも
のが好きなので。
晴) この、壺は?
菱本) 謎です。そして、こちらが、
鈴愛さんの住む家です。
晴) えっ!?
あっ、倉庫か、何かと…。
**********
菱本) こちらがお部屋です。
(散らかった部屋を慌てて片づける鈴愛)
菱本) では私は、ここで失礼致します。
どうぞ親子水入らずで。鈴愛さん、
お母様と少し話されてからでいいんで。
お仕事。
鈴愛) はい。
お母ちゃん、今初めて名前知ったんや
けど、そのプテラノドンが天国と地獄の
分かれ道や。こっち側は貧乏。あっち
側は超お金持ち。
晴) ほういう事か…。秋風先生、ニコ
ニコしとったけど、油断できんな。
鈴愛) でも贅沢言ったらあかん。
お風呂もあるし、台所もあるし、
トイレもある。住めば都や。
晴) うん。よし分かった。
ほしたらあんた、仕事戻って。
鈴愛) えっ?
晴) おかあちゃんは、あんたの住む
ところを整えるために来た。
あ~このカーテンも、日に焼けとる。
鈴愛) 前の人が使っとったのを
そのまま使っとる。
晴) そんな事やないかと思った。
おかあちゃん、掃除道具も持ってきた。
鈴愛) おお~。
**********
<楡野家>
(ギターを弾きながら歌っている仙吉)
仙吉) ♪君とよくこの店に来たものさ
わけもなくお茶を飲み 話したよ
あの時の歌は聴こえない
人の姿も変わったよ 時は流れた
草太) いい歌だね。
仙吉) うん。草太が生まれた年、
1972年にはやっとった歌や。
生まれたばっかの草太を抱っこして、
レコード屋に、買いに行ったもんや。
ハハハハッ。
おじいちゃん、年がいもなく、
フォークソングが好きなんや。
ハハハハハッ。
(仙吉に酌をする草太)
仙吉) おお。
草太) ねえ、じいちゃん。
じいちゃんが僕くらいの時の、
青春の歌? 歌ってよ。聴きたい。
仙吉) う~ん…。おじいちゃんの青春
時代の歌は、ろくなもんなかった。
あんまり、好きやなかった。軍歌とか。
そう。あれは草太がまだ小学生の時…。
学校の宿題で、身内に戦争の体験を
聞いてくる、というのが出た時に、
仙吉さんは言いました。
(回想)
仙吉) ごめんな、草太。
戦争の話はしたない。
草太) え…。
仙吉) おじいちゃんは、草太の頭ん中で、
幸せなおじいちゃんのままでいたい。
戦争の事は、いろんな本や、体験談や、
出とるやろ? それ読んでくれ。
仙吉さんは、兵隊として満州に行き、
終戦後、なんとか生きて日本に帰り着き、
そして、私とお見合いして結婚しました。
逆に、あの時、何も語らなかったおじい
ちゃんに、草太は、おじいちゃんの戦争
の深~い傷と、濃い闇を感じていました。
仙吉) そうだ。サザン歌おうか。
草太) えっ、サザンの何?
(ギターを弾く仙吉)
仙吉) ♪涙があふれる 悲しい季節は
誰かに抱かれた 夢を見る
泣きたい気持ちは 言葉に出来ない
今夜も冷たい雨が降る
(仙吉の脳裏に蘇る戦争の記憶)
仙吉) ♪遠く離れても黄昏時は
熱い面影が胸に迫る
四六時中も好きと言って
夢の仲へ連れて行って
忘れられない Heart & Soul
声にならない
砂に書いた名前消して
波はどこへ帰るのか
通り過ぎ行く Love & Roll
愛をそのままに~
こんな歌が、おじいちゃんの青春
時代にあったらよかった。
そしたらじいちゃん、廉子さんに、
おばあちゃんに歌ってやった。
仙吉さん、ちゃんと届いてますよ。
聴いてますよ、空の上から。
仙吉) ♪こんな夜は涙見せずに
また逢えると言って欲しい
**********
キスは未遂になると思ってたけど、思ってた
以上にコミカル路線で終わったのに笑った。
上着に火がついて「あっ、死ぬ。俺、死ぬ」
って言うのが正人っぽくて、ジワジワくるw
さすが鈴愛。正人との初デートは半分ロマ
ンティック、半分エロ、半分お笑いだった。
鈴愛らしいといえば、実に鈴愛らしい展開。
散々ドキドキハラハラさせておいての今日
は、クールダウンタイムというか、晴さんの
娘の職場&お部屋参観と、仙吉さんリサイ
タル&仙吉さんの闇をちょい見せ(笑)と、
盛りだくさんのサービスタイムだった模様。
ほとんど何も語らないのに、仙吉さんの歌
と戦争の映像だけで、いろいろと想像の翼
が広がって、何だかグッときてしまった…。
仙吉) おじいちゃんは、草太の頭ん中で、
幸せなおじいちゃんのままでいたい。
語れない、語りたくない記憶の重み、辛さ
を思うと泣けてくる。孫の頭の中では、戦
争を体験していない自分でいられると思う
気持ちが切なくて…。戦争はダメ、絶対!
恐らく、この世界に原田知世と中村雅俊は
存在しない。似ているようでちょっと違う世
界なんだから、「真夏の果実」の発売日が、
ちょっと早まっていたって不思議じゃない。
そもそもリアルじゃないのだから、ほぼほ
ぼ合ってればいいんじゃね?と思う私…w
ガロもいいけど…真夏の果実もいいけど、
私の青春のドラマにはいつもあなたがい
たよ、中村雅俊さ~ん! というわけで…
やっべ~。すっかりノスタルジーワールド
に引き込まれてしまった~。でも…いい!
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