「半分、青い」第25回~いつもポケットに名刺(夢の種) | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「半分、青い」 第25
第5週 「東京、行きたい!
いつもポケットに名刺(夢の種)

 

 

秋風) これ、とても、おいしかったです。

鈴愛) あっ、五平餅といいます。

 炊きたてのごはんを熱いうちに潰して、

 串にこう…握ってつけて、タレをつけて

 から、炭火で焼きます。

秋風) ほう…これが五平餅。

 うん、聞いた事はあった。

 これは、どちらの?

鈴愛) あっ、うちで。

秋風) えっ、すごいな。

  おいしかったです。売れますよ、これ。

鈴愛) いや、そんなには売れない…。

秋風) いやいやいやいやいや、

 売ったらいいですよ。

鈴愛) えっ、もっと?

秋風) あっ、2人とも掛けて。

(秋風の近くのソファーに座る律と鈴愛)

秋風) 食べますか?

鈴愛・律) いえいえ。

鈴愛) クルミが入ってるんですが、それ、

 1個1個うちで潰すんです。こんなんで。

律) クルミ割り器。

秋風) ああ、クルミ…いい仕事してる。

菱本) どうぞ。

(律と鈴愛にお茶を出す菱本)

律) ああ、すいません。

鈴愛) ありがとうございます。

 あの、先生。

秋風) 先生はやめて。

鈴愛) 秋風さん。

 写真、撮ってもらってもいいですか?

秋風) ああ、どうぞどうぞ。

 

**********

 

小杉) では、まいりま~す!

 はい、五平餅!

(3人の写真を撮る小杉)

鈴愛) ありがとうございました、

 写真まで。

(戸口へ向かう鈴愛と律)

秋風) 五平餅ありがとう。

 これは、紛れもなく、真実の五平餅。

(戸惑いながらお辞儀をする鈴愛)

(菱本が開けたドアから出ていく律)

(ドアのところで足が止まる鈴愛)

鈴愛) あの…先生!

 私、漫画描いてるんです!

 あっ、今日、持ってきてるんです。

律) えっ…。

(五平餅を食べながら鈴愛を見る秋風)

 

**********

 

(鈴愛と律をソファに座らせ、鈴愛が

 描いた漫画を読んでいる秋風)

秋風) あの…

 一つ質問してもいいですか?

鈴愛) はい。

秋風) あの、この、ギザギザは、

 もしかしてスケッチブックを破った?

鈴愛) はい。最初はスケッチブックを

 開いて描いてたんですが、描く時に、

 こうあたってしまって、邪魔なんで…。

秋風) 画用紙に、鉛筆で、漫画が

 描いてある。ベタは何で?

鈴愛) ベタ?

秋風) こう…黒く塗り潰すところ。

鈴愛) あっ、それは筆ペンで。

秋風) そこだけは奇跡的に合ってる。

 漫画はね、インクで描くんだ。

 Gペンとか、丸ペンとかケント紙とか、

 知らない?

鈴愛) まるペン?

秋風) 律君だっけ?

律) あっ、はい。律です。

 苗字は萩尾ですが、どちらでも。

秋風) この人、バカなの?

律) え?

秋風) だってこれ、トーン、スクリーン

 トーン、みんな手で描いてある。

鈴愛) スクリーン…トーン?

秋風) これ貼るの。

 透明なシートに模様がついてて売って

 て、それカッターで切り抜いて、貼るの。

鈴愛) えっ…?

律) あ~すいません。うち田舎でして。

 近所にスクリーントーンを売ってるよ

 うな所はなく、まあ、本人が手で描く

 と思ってるんだったらそれでいいかと、

 ほっておきました。

秋風) あっ、君は少し賢い。

(律を見る秋風)

秋風) タジオ。

律) タジオ?

菱本) 映画「ベニスに死す」に出て

 くる美少年です。美しい少年は、

 全て彼は、タジオと呼びます。

秋風) あとこれもう一つ聞きたいのは、

 漫画ってまず、ネームっつって、まず

 ストーリー考えて、シナリオみたいな

 の書いて、コマ割りしてアタリつけて、

 鉛筆で下描きしてそのあと、本番な

 んですよ。

 

解説しますと、まずネーム。

大体の下描き。

そのあとに、鉛筆で下描き。

そのあとにペン入れ。完成。

このようになっております。

 

鈴愛) 知りませんでした…。

 いきなり描くと思っとった。

秋風) 君、漫画描くの、初めて?

鈴愛) あっ、2作目です。

 まあ、1作目もこんな感じで。

秋風) 何も考えないで、いきなり本番。

鈴愛) はい。

 

(画用紙に一コマずつ鉛筆で

 完成させていく鈴愛)

 

こういうことです。

 

秋風) 天才?

鈴愛) えっ?

律) あ…秋風先生、大丈夫ですか?

 あの、こいつが規格外すぎて何か、

 やられてません? 本当に天才

 かどうかは、この漫画が面白い

 かどうか…かと。

秋風) タジオ、君はやっぱり君は賢い。

鈴愛) 東大受けます。

 タジオじゃないけど。

秋風) ん?

鈴愛) あっ、

 京大に格下げしたところです。

秋風) そう、それは素晴らしい。

 私は美大中退だからな。

 ところで、君、えっと…名前は。

鈴愛) あっ、鈴愛です。楡野鈴愛。

秋風) そう、楡野鈴愛さん。

 私の弟子に、なりませんか?

鈴愛) なります。

律) え?

 

**********

 

<喫茶・ともしび>

律) なぜ名古屋まで出て結局ここで

 お好み焼きを食べるのだ…。

鈴愛) 作戦を立てるのだ。

 ソウタ、センキチ、ウタロウ、ハル。

律) でもさ、お前本気なの?

鈴愛) はい。もう決めました。

律) すげえね。

 鈴愛って脳みそあんの?

鈴愛) 失礼やな。生まれた時から

 猿だと思っとるやろ。あ…もしくは、

 センキチ、ソウタ、ウタロウ、ハル。

律) いきなりじいちゃん行って大丈夫か?

 じいちゃんには荷が重すぎないか?

鈴愛) いや、じいちゃんは年だから若干

 ボケ気味だ。冷静な判断ができないか

 もしれない。そこを狙う。このプロジェ

 クトは、説得の順番が鍵や。

律) まあ、でも、最大の難関は晴おば

 ちゃんだよな。晴おばちゃんが、錯乱

 する事は間違いない。

鈴愛) 錯乱!?

律) 激怒して錯乱やろ。

鈴愛) ほやな…。

律) でもお前ももう一回ちゃんと

 考えたほうがいいよ。

 本当に東京に行けるんか?

 秋風先生の弟子はやれるんか?

 あの人明らかに変人や。

鈴愛) 律、天才が変人なのは当たり前や!

 それより、「いつもポケットにショパン」

 が出来上がるところを、「おしゃべり

 階段」が出来上がるところを、横で見

 られるんやぞ。「アンコールが3回」を

 描くところを。「海の天辺」が作られる

 ところを。すごい事や!

 夢の世界が作られてくのを見られる!

 私は、秋風先生の漫画で世界を知った!

 世界が作られるのを見られる!

 絶対に行く。東京に行く。

 先生の仕事を見る。

 農協で野菜は売らん!

 そして、やがて私は、

 自分の世界を描くんだ!

 私は、漫画家になる!

律) えっ、いつ決まったの?

鈴愛) 今、決めました。

律) なんかお前すげえな。

鈴愛) ん?

律) もう、アホなんか天才なんか分か

 らん。あっ、これさ、ウルトラCでうち

 の和子さん使うって手あるんやない?

鈴愛) おっ、それナイスアイデアやな。

律) ワコ…。

鈴愛) ワコ…。

 

私が生きていたら、

何番目に説得されたんでしょうね…。

なんて。フフッ。

でも、鈴愛、

おばあちゃんは賛成ですよ。

なんとかなりますよ。

だって人生って、

一度きりしかないんだもん。

そんなに血沸き胸躍る事があったら、

飛び込んだらいいんですよ。

あれ? 血沸き、肉躍るか…?

でも、胸躍るの方が感じよね。

 

**********

 

<オフィス・ティンカーベル>

菱本) 先生、

 どういうおつもりなんですか?

 岐阜行って、猿一匹拾ってくるなんて。

 まさか、五平餅目当てじゃ…。

秋風) ん? まあ見てなさい。

 面白い事になりますよ。

 

**********

 

しかし、鈴愛も人の子。

結局誰にも言い出せないまま、

あの日から、

一週間が過ぎようとしていました。

何せ就職祝のあんなパーティーも

やってもらった訳だし。

 

でも、鈴愛のポケットにはいつも、

お守りのように、秋風羽織の名刺

が入っておりました。

それは、鈴愛の夢の種です。

いつでも電話すれば、そこにつながる。

 

菜生) スズ!

鈴愛) あっ…。

菜生) 行こ。

 

**********

 

<楡野家>

晴) うわ~ええねえ。

幸子) やっぱり既製品と違うやろ?

(入社式のスーツを見ている2人)

鈴愛) ただいま~!

晴) 帰ってきた。

鈴愛) あっ、おばさん、いらっしゃい。

晴) これ出来た。ほらあんた、着てみて。

 

**********

 

(スーツに着替えた鈴愛)

晴) うわ~似合うわあ。やっぱりこの

 ウエスト、ちょっと絞ってよかったねえ。

幸子) うん。モデルがええもん。

 フフフフッ。本当鈴愛ちゃん、大人に

 なったね。美人さんやわ。フフッ。

 これで春から、農協勤めるね。

 よかった、晴さん。

晴) ひと安心や。うん。

幸子) あ~似合うて。

鈴愛) お母ちゃん。私農協には勤めん。

晴) ん?

鈴愛) 私、農協には行かん。

晴) 何言っとる?

鈴愛) 明日にでも、

 農協行って内定取り消してもらう。

 鈴愛は、東京に行く。

晴) はあ?

鈴愛) そいで…。

 それで、漫画家になる!

晴) はあ!?

 

**********
 

タジオ! 「ベニスに死す」のタジオが~!

中の人は、ビョルン・アンドレセン。そうか、

美少年は全てタジオか。気持ちは分かる。

彼を知らない人は、こちらをどうぞ↓

ビョルン・アンドレセンの美しい画像集

 

わだばゴッホになる!(by 棟方志功)

ではなく…。アイドルになる!でもなく…

東京に行く! 私は、漫画家になる~!

と叫ぶ鈴愛。ヒロインらしくなってきた~。

 

夢の世界が作られてくのを見られる!
私は、

秋風先生の漫画で世界を知った!
世界が作られるのを見られる!
絶対に行く。東京に行く。
先生の仕事を見る。
農協で野菜は売らん!
そして、やがて私は、
自分の世界を描くんだ!
私は、漫画家になる!

 

バカなのかアホなのか、脳みそあるのか

天才なのか、猿なのか。(圧倒的にディ

する言葉の方が多かったりしてね…w)

 

一度きりの人生だもの。やてみなはれ!

いつもポケットにショパン…じゃなくて、

秋風羽織の名刺…夢の種が入ってる。

いいねいいね、物語が始まる予感~♪

 


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