「アンナチュラル」第8話~遥かなる我が家 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「アンナチュラル」

 

 

第8話 遥かなる我が家
謎のビル火災!

焼死体が語る最後のメッセージ

 

 

六郎) うち、一族郎党医者なんですよ。

 兄2人は大学病院の医者で、祖父は

 開業医で、いずれはそこで働く。

 だから、俺も当然医者になるもんだっ

 て思ってて。いつだっけ…中三の時、

 受験勉強に疲れたことがあって。

ミコト) うん。

六郎) ホントに軽い気持ちで、ふざけて

 父親に言ったんすよ。俺医者になんの

 やめた」って。そしたら…「なら、私の

 子供じゃない」って。ふざけて言ったの

 に、父親マジなんすよ。本気で言って

 て…。ああ…俺、この人の息子でいる

 ために医者になんのか~って思ったら、

 勉強とか、分かんなくなっちゃって。そ

 れからず~っと分かんないまんまです

 よ。みっともないっすよ。

ミコト) 腹立つな~。

 腹立つね、六郎の父。

 「うちの優秀な六郎に

 何を言うんだ!」って。

六郎) できそこないの息子ですよ。

 六郎の「ろく」は、

 「ろくでもない」のろく。

ミコト) ああ…

 認めさせるか、法医学で。 

 お父さんの仕事は、11番の命を救う事

 でしょ。だったら私たちは、あのビルで

 何があったのか、身元不明の10人は

 一体誰なのか、11番目の男が、どう関

 わっているのか。

六郎) 9番は、なぜ、縛られて殴られて

 いたのか。それを解明する。

ミコト) そう。

 私たちは、私たちの仕事をしよう。

六郎) はい!

 

**********

 

電・秋彦) ああ…

 それはさ、母さん気にしてんの、

 姉ちゃんが結婚やめたこと。

電・ミコト) まだその話? どれだけ

 たってると思ってるの。

電・秋彦) 自分の育て方のせいで、

 そうなったんじゃないかって。

電・ミコト) 何でそうなるの…。

電・秋彦) 姉ちゃんここんとこ、

 うちに来なかったろ。

電・ミコト) それは忙しかったから。

電・秋彦) 気にしてんだよ。

 三澄の家が、姉ちゃんが帰れる家に

 なれてんのかって。うちじゃないとし

 ても、どっか、安心できる場所とか、

 人とか、姉ちゃんにあんのかって、

 心配してんだよ。

 

**********

 

六郎) この遺骨、ゴミ屋敷の…。

神倉) 奥さんの美代子さんです。路上

 で突然倒れて亡くなって、小銭入れし

 か持ってなくて。身元が判明するまで

 3ヵ月もかかってしまった。

 

(回想)

ヤシキ) 俺はそんな骨は知らねえよ。

神倉) 奥様の遺骨です。

ヤシキ) 知らねえよ! 持って返れよ!

 バチが当たっただよ。

 

六郎) バチ?

神倉) 最後の日はゴミの分別で揉めて、

 腹を立てた美代子さんがプイっと出て

 ってそれっきりだそうです。ゴミ屋敷に

 なってしまったのは、美代子さんが出

 てってから。遺骨を引き取らないうちは、

 どこか遠くで生きていると思えるんでし

 ょう。でも、このままにはできません。

 帰してあげないと。

六郎) そうですね。9番のご遺体も…。

 早く身元を調べて、帰してあげたいです。

 

**********

 

六郎) でも…被災地でもあったって

 言いますよね。ほら、友達とか、

 肉親の霊見るって話。

ミコト) まあ、それは…またちょっと

 違うんじゃない? 死んだ人に、もう

 一度会いたいっていう、強い思いが、

 見させるもの?

 

**********

 

修子) 警察から、息子は殺された

 可能性があると聞きました。火事は、

 それを隠すための放火やったって。

ミコト) まだ、断定は…。

雅次) こんボンクラ息子!

 悪さばっかり。なんばしとるんか!

 殺されるなら殺されるで、まわりに

 迷惑かけんで一人でくたばれ!

 おめえのせいで、9人も死んどるんぞ!

 この、バチ当たりの、ろくでなしが!

修子) ううっ…(泣)

 

*********

 

六郎) あのお父さん、あそこまで

 言わなくてもいいのにな~。

夕子) ろくでもない息子だったんでしょ。

六郎) ろくでもない息子でも、

 被害者ですよ。刑務所出てから

 真面目に働いてたんだし。

夕子) ねえ、

 恐ろしいことに気づいちゃった。

ミコト) うん?

夕子) うちらって、

 独身で子供いなくって、この先両親が

 死んじゃったら、遺骨、どうなんの? 

 無縁仏まっしぐら~。

ミコト) うちの親が心配してんの

 そういうことか。

夕子) うちの親なんてさ、会う度

 会う度「孫はまだか~?」って。

 孫の前に結婚だっつうの。

六郎) その前に彼氏ですけどね。

夕子) うるさい!

六郎) すいません。

ミコト) 私達どこへ帰るんだろうね?

 怖~い!

 

*********

 

中堂) 会いたいって思いが、

 死者に会わせるなら…

 俺は思いが足りないんだな。

ミコト) 会いたいですか?

中堂) ああ。会って聞く。

 お前を殺したクソ野郎は誰なんだ?

 体を切って開いても、分からなかった。

ミコト) 会えたら聞きましょう。

 「ピンクのカバ」の話。

中堂) クソが! 

 そんなもん聞いてどうする。

 ハハハ…。

ミコト) フフフ…。

 

**********

 

ヤシキ) 所長、最初に来た時

 そう言ったんだよ。

 

(回想)

ヤシキ) 持って帰れよ。

 バチが当たったんだよ。

神倉) 奥様を、そんなふうに

 言わないで下さい。

ヤシキ) いやいや、

 俺のこと言ってんだよ。

 俺がろくな亭主じゃないから、

 神様に取り上げられたんだよ。

神倉) おんなじことです。美代子さん

 はクモ膜下出血で亡くなったんです。

 誰のバチでもない。

 死ぬのに、いい人も、悪い人もない。

 たまたま命を落とすんです。

 そして私たちは、たまたま生きている。

 たまたま生きてる私たちは、死を、忌

 まわしいものにしてはいけないんです。

 

ヤシキ) そう言われてさ、俺もあんまり

 意地張っててもしょうがねえと思ってさ。

 所長が将棋に勝ったら、骨受け取って

 やろうと思ってんだよ。ところがさ、お

 宅の所長弱いんだよ。ぼくどうする?

六郎) 俺、勉強したくないトキ、メッチャ

 将棋やってました。ネットゲームで。

 

**********

 

ミコト) 消防士の、背負い搬送縛りと

 いう結び方でした。

六郎) そのあと、三郎さんは再び

 ビルの中へと戻りました。

修子) 何で…。

六郎) 火事のあったビルが、三郎さん

 の大切な場所だったからです。

 

(回想)

結城) さんちゃん言ってました。「俺は

 若い時に家を飛び出して、前科作って、

 もう帰れないんだ」って。でも…あのビ

 ルで、お酒飲んで、麻雀して、みんなで

 お正月も集まって…。

 

六郎) 「まるでここが…自分の家みた

 いだ」と、言っていたそうです。だから、

 みんなを助けに中へと戻ったんです。

 煙を吸って、気を失った人達を背負っ

 て、下へ降ろそうとしたけど、炎で上

 に逃げるしかなかった。

ミコト) 三郎さんの体には、食い込む

 ほどのロープの痕が残っていました。

 何往復もして、何人もの人を、上に

 運んだ証拠です。だから遺体のほと

 んどが、4階にあった。ギリギリまで、

 救出を待っていたんだと思います。

 全員で、助かる望みを捨てずに。

六郎) 三郎さんは…酔っ払うと言って

 いたそうです。「親父と…お袋、何し

 てるかな~」って。「今頃餅食ってる

 かな~。故郷の餅は、うまいんだ」

 って。本当は…帰りたかったんじゃ

 ないかと思います。

修子) ううっ…。

 帰ってくればよかったとに。

 毎年…待っちょったんにね。

 バカな子たい。

雅次) 私は…消防士でした。

 ロープは…私が教えました。

 覚えとったんやな…三郎。

 

**********

 

ミコト) 生きているうちしか、

 話せないんだよね。

 

**********

 

六郎) 倒産を尊敬してないわけじゃない

 んだ。ただ…どうして医者になるのか、

 俺自身なりたいのかも分かんないまま

 で。そんな気持ちで、医者ってなってい

 いのかなって。そんな気持ちで…命っ

 て扱っていいものなのかなって。ずっと

 分かんなくて。

久部) だから死体に逃げたのか?

六郎) UDIに入ったきっかけは、逃げだ

 ったかもしれない。けど…俺今、少しだ

 けど、死ぬこととか生きること、大切に

 できそうな気がするんだ。まだ、どこに

 進んでいいのか分からないけど…。

 UDIで考えたい。これからのこと。

久部) 分かった…好きにしろ。

 ただし! 二度とうちの敷居をまたぐな!

 

**********

 

六郎) 美代子さん…

 帰れてよかったね。よかった…。(泣)

 

**********

 

ヤシキ) 小さくなっちゃったな。

 美代子、お帰り。

 

**********

 

ミコト) あっ、お帰り!

東海林) お帰り。

神倉) お帰り。

 ちょうどよかった。

 みよしのお団子食べましょ。

 ゴミ屋敷のヤシキさんが

 くれたんですよ。

ミコト) ゴミ屋敷のお団子?

夕子) ゴミなんじゃない?

神倉) 失礼なこと言うね。

 じゃ食べなくていいよ。

中堂) 久部! 先週の解剖の写真、

 整理してまとめとけっつったろ!

 いつになったら…。

六郎) ハハハ…。ハハハ…。

東海林) 壊れた?

神倉) みんなこき使い過ぎ

 なんじゃないの?

六郎) いやいや違います。

 そんなんじゃないっす。(泣)

東海林) どうしたの?

六郎) 何でもないっす。

 食べましょう。食べましょう。

 

**********

 

電・夏代) もしもし…。

電・ミコト) もしもし。

電・夏代) ミコト? 何、どうかした?

電・ミコト) いや、どうもしない…。

 今ね、大仕事が終わって、みんなで

 ラボで飲んでるの。楽しいよ、毎日。

電・夏代) 心配する事なさそう…ね?

電・ミコト) うん。でも…ありがとうね。

 

**********

 

「遥かなる我が家」という副題が、とても

秀逸で、深い内容だったなぁと感心した。

帰れる家、帰れない家、帰らない家…。

 

帰りたいと思い、帰ることができる場所。

そこに帰れば安心できる場所、安心で

きる人がいる場所がある人は、幸せだ。

「おかえり」って、やさしい言葉だと思う。

そこは、帰ってもいい場所なんだよね。

迎えてくれる人がいる場所なんだよね。

 

ドラマには全く関係ないのだけれど…

好きだった漫画のセリフを思い出した。

 

家ってのは、

お前が行くことができ、

人々がお前を

受け入れざるをえない所なのだ。

(三原順「はみだしっ子」より)

 

(ものすご~くマニアックな漫画なので、

分かる人だけ分かってもらえれば…)

 

良くも悪くもありのままの自分を受け入

れてくれる家族がいて、そういう家族が

いてくれる家…だったらいいなぁと思う。

 

そして今回、何よりも心に響いたのは、

このセリフ。優れたドラマは時に現実

とリンクしてしまったりするものだけれ

ど…それにしてもこのタイミングで、松

重さんにこのセリフを言わせるとは…。

撮影はアンナチュラルの方が先に終

わっていたはずなので、偶然というか、

勝手に感情移入してしまっているだけ

だと分かっているのだけれど…。つい、

先日急逝してしまった大杉漣さんの死

を思わずにはいられなくて(…合掌)。

 

誰のバチでもない。

死ぬのに、いい人も、悪い人もない。
たまたま命を落とすんです。
そして私たちは、たまたま生きている。
たまたま生きてる私たちは、死を、忌
まわしいものにしてはいけないんです。

 

「アンナチュラル」のシリーズ化を、熱烈

希望! どうかお願い、TBSの偉い人!

 

 

●「アンナチュラル」HP

 

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第7話~殺人遊戯

第8話~遥かなる我が家

第9話~敵の姿

第10話~旅の終わり

 

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