「わろてんか」第13回～当たるも八卦当たらぬも八卦、運命の人は誰？

「わろてんか」 第13回
第３週 「一生笑わしたる」
当たるも八卦当たらぬも八卦、運命の人は誰？

てん）　藤吉さん？

藤吉）　おてんちゃん？

てん）　藤吉さん…どすか？

藤吉）　あ…ああ。

　　え…ホンマに、おてんちゃん？

てん）はい！

藤吉）　お…いや、びっくりした～。

　　大きなったなぁ。

　　ホンマにおてんちゃんか。

　　あ、いや…べっぴんさんになったなぁ。

てん）　何でここに？

藤吉）　え？ あ…いや。

　　新京極の寄席に出てるから。

てん）　寄席？

藤吉）　おお、南北亭でトリ務めてから

　　もう引っ張りだこで。

てん）　南北亭ならこないだ行きました。

藤吉）　え？

てん）　そやけど…

　　出てはらへん言われて…。

藤吉）　あ～あ…あん時はあれや、あ～

　　八卦、八卦。八卦で…う～方角が悪

　　いて占い出てな、寄席出るんやめた

　　んや。ちょうど、風邪気味やったし。

　　「ハッケション」いうて、くしゃみも。

てん）　ハッケション。（笑） 

　　そやったんどすか。

藤吉）　変わらへんな。

てん）　へ？

藤吉）　いや、おてんちゃんの笑顔。

（頬に手をあて、俯くてん）

風太）　てん！ てん！ 何してんねや。

藤吉）　ああ、どうも。

風太）　われ～！ あん時の

　　泥棒芸人やないか、お前！

藤吉）　は？ おお～っ。

風太）　あ？ 何や！

藤吉）　あん時のイガイガ坊主か！

　　お前も大きなったなぁ。

風太）　おい、こら、やめろ！

　　おいてん。こんなどこの馬の骨とも

　　分からん、泥棒芸人とつきあうな！

　　もう。おい、行くぞ。おい行くぞ！

（てんの手を引っ張っていく風太）

てん）　ほな…失礼します。

藤吉）　あ…おてんちゃん、鈴。

（離れたところから睨んでいるリリコ）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

てんと藤吉が再会した一方、

藤岡屋は、新しい船出をしました。

儀兵衛の念願だった、

洋薬の専門店となったのです。

平助）　いや～これも新一坊ちゃんと、

　　伊能様のおかげどすな。

儀兵衛）　うん。あとはてんに、立派な

　　　婿さんが来てくれはったら、万歳

　　　万歳万々歳や！ ハハハハ…。

風太は、どういう訳か

急にせっせと働きだし…

ドイツ語の勉強まで始めました。

でも藤吉と再会したてんは、

動揺を隠せないままで…。

りん）　姉さん、どないしはったん？

てん）　へ？

しず）　何や、昨日からポ～ッとして。

　　熱でもあるんか？

てん）　ね…熱なんかあらへん。

（わさびの塊を食べてしまうてん）

確かに熱があるようです。

ハツ）　そら縁談が流れてしもたらなぁ。

　　伊能はんとの事、

　　どないかならへんやろか。

（懐から伊能の写真を取り出すハツ）

ハツ）　こんなええ条件の婿はん、

　　どこ探してもいてはらへんえ。

風太）　（せきばらい）

しず）　そないせかんでも

　　ええんとちゃいますやろか。

儀兵衛）　いや、わしもこの先どうなるか

　　　分からへん。そやさかい、てん、お

　　　前は、一刻もはよ婿さん取って、お

　　　前がこの家を継ぐんや。ええな？

てん）　へえ。

儀兵衛は、それが、

てんが笑って生きられる、

一番の道だと信じているようです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

儀兵衛）　てんやのうて、

　　　りんの縁談ですか？

男性）　いや、それがな、伊能様並みの

　　条件で、入り婿いうのはなかなか…。

　　おりんさんは、次女で器量よしやと

　　評判やし。逆に、嫁にほしいいうて、

　　頼まれてしもて。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ハツ）　ひゃ～！

しず）　ひゃ～！

てん）　ひゃ～！

ハツ）　てんの話やなかったけど、

　　これはこれ。ありがたいお話や。

りん）　そやけど、姉さんの事が先に

　　決まってからやないと…。

てん）　うちの事はええさかい、

　　先に決めよし！ ウフフフ。

儀兵衛）　そういう訳にはいかへん！

　　　これはもう、あれこれ条件つけてる

　　　場合やあらへんな、これ。

てん）　え？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

儀兵衛）　ほれ。ほれほれほれ。

　　　皆、申し分ないお相手や。

　　　よう、吟味しとけ。な！

てん）　へえ…。

（五通の釣書を置き、出て行く儀兵衛）

てん）　ああ～ホンマに

　　熱が出てきてしもた。

りん）　もしかして姉さん、

　　お婿さん取るのが嫌なん？

てん）　へっ！？ あっ、ああ…。

　　そ…そんな事ないえ。

トキ）　ん？ 何ぞおましたんか？

てん）　じ…実はな、藤吉さんと、

　　神社で再会したんや！

りん・トキ）　ええ！？

トキ）　なんちゅう

　　運命のいたずらですやろ！

てん）　運命とか、そういうんや…。

りん）　まさかそのお熱は…。

りん・トキ）　恋煩い！？

てん）　ちゃうちゃう！ ちゃうて！

トキ）　わあ～。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

一方、藤吉は藤吉で、

熱があるようで…。

藤吉）　べっぴんさんになってた。

ｷｰｽ）　は？

藤吉）　いや、べっぴんさんになって

　　たんや。こんなちっちゃい子ども

　　やったのに。

ｷｰｽ）　何や、恋煩いか。

藤吉）　え？ ちゃうちゃう。俺はただ…。

ｷｰｽ）　運命やで。

藤吉）　運命？

ｷｰｽ）　ああ、運命以外ないやろ。

　　幾とせの時を超え、

　　出会た祭りで偶然再会。こら運命や。

藤吉）　運命か。

ｷｰｽ）　おお。

リリコ）　な～にが運命や。

藤吉）　リリコ。

リリコ）　そんなに運命運命いうんやっ

　　たら、八卦で２人の相性占うてもろ

　　たらええんちゃうん？

藤吉）　八卦？

リリコ）　ええ八卦見いてるから

　　紹介するで。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

（娘義太夫のリリコが語る浄瑠璃）

客）　待ってました！

客）　リリコ様！

リリコ）　♪今頃は 半七っつぁん

　　どこに どうしてござろうぞ～

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

八卦見）　う～ん、これはアカンわ。

藤吉）　へ？

八卦見）　その女との、再会は、まれに

　　　見る大凶の相と出ておる。

藤吉）　大凶？

八卦見）　うん。これ以上２人で会えば、

　　　災いは次々と襲いきて、命に関わ

　　　る事に、なるであろう。

藤吉）　命に関わる！？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

（回想）

リリコ）　頼むわな。

（リリコから金を受け取る八卦見）

リリコ）　♪去年の秋の煩いに～

リリコの心の声）　ウフッ。ちょっと　

　　　　　お灸が効き過ぎたかなぁ。

　　　　　けど藤吉はうちのもんや。

　　　　　誰にも渡さへんも～ん。

リリコ）　♪こうした難儀は

　　　出来まいものを～

（泣きまねをするリリコが落とした

 かんざしを奪い合う男たち）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

藤吉）　運命やなかったんや…。

トキ）　ここどす、ここどす。

　　おてん様、はよう！

藤吉）　おてん様？

てん）　うちは見てもらわんでもええて。

藤吉）　アカンアカン。

（身をひそめる藤吉）

（隣の八卦見を案内するトキ）

トキ）　ここどす。どうぞ。

てん）　おおきに。どうも。

　　お願い致します。

（５枚の写真を見る八卦見）

八卦見）　う～ん、これはアカン。

てん・りん・トキ）　へ？

八卦見）　これもアカン。これもアカン。

トキ）　この中には、おてん様に合う方が

　　一人もいてはらへんいう事どすか？

八卦見）　そうやなぁ。

トキ）　え！

（てんの顔を見る八卦見）

八卦見）　あんたほかに

　　　好きな人おるやろ？

てん）　へ？

八卦見）　それが運命の相手や。

トキ）　おてん様が、ずっと恋してはった、

　　お手紙の君や。旅芸人さんが運命の

　　お人なんや！

てん）　え！？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

藤吉）　おてんちゃんが、俺を…？

（ついたての陰でうろたえる藤吉）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

客）　リリコ様！

客）　リリコ様！

りん）　姉さん、

　娘義太夫さんみたいどすえ。

てん）　ひゃ～きれいやなぁ。

娘義太夫は、今で言うアイドル。

親衛隊もいたほど人気がありました。

リリコ）　あれまぁ、お久しぶりやなぁ。

　　てんてんてんごの、おてんちゃん。

てん）　へ？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

リリコ）　藤吉っつぁん、

　　会えて喜んではったで。

てん）　そうですか？

リリコ）　そやけどこんなかわいいお嬢さん

　　をからかうやなんて、悪いお人やなぁ。

てん）　え？

リリコ）　苦節８年、旅を続けて売れっ子

　　芸人になったて？ 売れっ子どころか、

　　旅なんか全くしとらんのになぁ。

てん）　へ？

リリコ）　とうの昔に芸人やめてな、

　　大阪のうちに帰ってたんよ。

　　ちょっと前にばったり会うてな。

　　運命の再会やいうて大喜びしはって。

　　うちにひっついてきはりましてん。

　　困ったもんや。

　　こっちは迷惑なんやけどなぁ。

てん）　ほな、あの手紙は…。

リリコ）　全部作り話。真っ赤な嘘や。

てん）　嘘？

（笑って立ち去るリリコ）

（泣きそうな顔のてん）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

都合がいい展開でロマンスを引き寄せた後

は、運命という万能ワードで引っ張るのか。

まあね、物事が都合よく進む時点で、それを

運命…と言ってもいいのかもしれないけど。

藤吉と再会し、わかりやすく動揺を隠せない

てん。前回、恋だ、ロマンスだとけしかけた

反省をすることなく、またもや、運命のいた

ずら、恋煩いだと、てんを煽るトキとりん。

どうも、トキと風太の立ち位置がおかしすぎ

て、話に入り込めない。使用人の立場から

はみ出し過ぎるというか…な～んか違う…。

変なお笑いを意識しすぎて、当たり前にあ

るべき人間関係が描かれていなさすぎる。

トキがお付きの女中としての役目を全うし

ていれば、風太が丁稚として、真面目に仕

事をしていれば、話がもっと締まるのに…。

おっと、いけない。まともに感想を書いてし

まうと、うっかり毒が漏れてしまいそうなの

で、なるべく考えないようにしているのにｗ

当たるも八卦当たらぬも八卦、リリコの策

略があってもなくても、どうせ２人は運命っ

ってことになるんでしょ？ 運命の恋には、

障害がつきもの。ライバルあり～の、親の

反対あり～の。幾多の障害を乗り越えて

こそ、運命の２人の絆はより深まっていく

…はず。たぶん、ほどほどに、都合よく…。

思ったとおり、新一兄さんと栞さんがいな

い場面に萌えはなく…。でもでも、今週は、

ロマンス週のはずなので、今週だけは何

とか頑張ろうとは思う…。頑張れ、私～！

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