ドラマ10「運命に、似た恋」第5回~秘密 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

ドラマ10
「運命に、似た恋」



第5回
秘密

ユーリ(斎藤工)はマホ(山口紗弥加)に別れを
切り出し、マホは強がりを言って出て行く。彼女
の動向が気になりつつも、カスミ(原田知世)と
ユーリは正式に交際を始める。その頃ユーリは、
病院のキッズルームをデザインするという仕事
に取りかかっていた。その病院が、思い出の地
・能登にあると聞いたカスミは、ユーリに「一緒
に行かないか」と提案する。そんなある日、カス
ミはトイレ清掃の仕事中、マホと鉢合わせしてし
まう…。

**********

勇凛) もうこの関係を終わりにしたい。
真帆) どうして? うん?
勇凛) 好きな人がいる。
    その人とちゃんとやっていきたい。
真帆) 私は? 私はどうするの? ねえ!
    なんてウソ~! 手持無沙汰だった
    から、ちょっと遊んであげただけよ。
    「遊ばない?」ってあなたを誘って、
    「うん、まあいいですよ」って、答え
    て、そして…。あなたには何も育た
    なかったのね~。
勇凛) どういう事?
真帆) 最後に聞くけれど、一度でも、
    私を本気で愛した事はあった?
    一度でも、
    私を愛しいと思った事はあった? 
    私に恋した事あった?
    私は、全部、イエスよ。
    その目で分かんのよね。
    愛がないよ。私を見る目に。
    全部分かっちゃうのよ…。
    その目…つぶしたい。
勇凛) ごめん。
真帆) ごめんと来たか…。

**********

香澄) 何かあった?
勇凛) 何も。
香澄) よく来てくれたね。
勇凛) まだこれからオフィス戻って仕事。
    でも家まで、一緒に歩けたらなぁと思って。
香澄) うれしすぎる。
勇凛) うっ…。

(勇凛の腕をとる香澄)
香澄) うって何だ? ダメ?
勇凛) いや。
香澄) いいのか…。
勇凛) うん。

(腕を組む二人)

**********

真帆) どうして?
海知) いや…真帆さん、泣いてたんで。
真帆) 泣いてる女は抱けないんですか~?
海知) そうじゃなくて…
    幸せにならないと思って。
真帆) はぁ? どういう事?
海知) 俺と寝ても幸せにならないと思って。
真帆) なんかあの人難しい事言ってる~。
    全然意味分かんない。
海知) 俺みたいなもんが何言ってんだって  
    事かもしんないけど。
真帆) (笑)
海知) 俺…真帆さんに憧れてたんで。ずっと。
真帆) どうして?
海知) きれいだし。
真帆) 見せかけだけじゃん。
海知) でもいつも寂しそうで。
    ちょっと、気持ち分かるっていうか。
    勇凛さんに、もっと初めから、自分の
    気持ち素直に伝えたらよかったんじ
    ゃないですかね? そうしたら、こんな
    事にはならなかった…。
真帆) やめてよ! 
    あんたさ、なに対等に口きいてんのよ。
    あんたごときにね、言われたくないわ!
    帰って。

**********

莉々) 夢ですね。
勇凛) うん?
莉々) 夢だった仕事。
    病院のキッズルーム。
勇凛) うん。


**********

真帆) ウケる~! え~ほんとだったんだ。
    ここで夜清掃のバイトしてるって。
    お似合いだね~。あんたスゴイよね。
    ほんとに何でもやるんだね。   
香澄) どういう…意味でしょうか?
真帆) あんたみたいな女が一番ムカつくん
    だよね。「私不幸です」みたいな顔して、
    ほんとは何でも持ってる女。こんな事
    までして、勇凛の気を引いたの?
    「みすぼらしいです。あわれです~」
    って。捨てられた犬ですか~?
    拾ってもらえてよかったね~。
香澄) (ため息)


**********

香澄) 待ちなさいよ! これ…忘れ物。
真帆) 何すんの? 
香澄) 私は自分で働いてんのよ!
    お金のために働いてんのよ!
    生きてくために、食べてくために働いて
    んのよ! それが、他人からどう見える
    とか、かっこ悪いとかかっこいいとか、
    そんな事どうでもいいのよ! 言ってら
    んないのよ! 待ちなさいよ! ねえ!
    あなたも、トイレ掃除してみなさいよ。
    自分ちじゃないのよ。他人が汚したトイ
    レ、掃除した事ある? あなたみたいに、
    自分のトイレすら掃除した事ない人に、
    何が分かんのよ!
真帆) はぁ? お客様に向かってその
    口のきき方許さないからね!
香澄) 離してよ。
真帆) 勇凛はね、あんたみたいな…あんたみ
    たいな女が見合うような男じゃないの!
香澄) 関係ない! 知らない、そんな事! 
    私はただ生きてるだけだ!
真帆) あんたのね、その「私正しいです」って
    とこがムカつくって言ってんだよ! お金
    ないんだったらさ、借りればいいじゃん!
    勇凛金あんだからさ! 
    それをさ、言わないあんたが
    わざとらしいって言ってんの!
香澄) わざとらしくない! 
    私は人からお金借りるのが嫌なの!
真帆) 借りればいいじゃん!
香澄) 借りない!
真帆) 何で?
香澄) 借りない!
洋治) おい! おいおい、おい…! おい!  
    ちょっと、やめてやめて、やめて…!
    えっ? どうしたの? 2人、友達?
真帆) とんでもない!
香澄) なに言ってんのよ。
洋治) 分かりました、分かりました。
    すいません。
    あっ…私、こういう者です。
真帆) 週間群青? 記者さん?
洋治) いえ、カメラマンです。これ。
香澄) えっ?
洋治) 仕事先見つかったの。週刊誌。いや、
    まさか、グラビアとか表紙とか撮らせて
    もらえる訳じゃないけど。スクープとか、
    まあ、いろいろあるから、仕事も。
    だから…香澄に、もうここで働かせなく
    て済む。おふくろと相談して、家担保に
    して、ちゃんとしたとこから金借りて、借
    金返す算段ついた。
香澄) そう…。
洋治) 申し訳なかった。
真帆) ちょっと…これ、何? 何かいい話?
    「私旦那に愛されてます」って話?
香澄) えっと… 
    どう聞いたらそうなるんですか?
    底辺の話ですよ。この人元旦那さんで、
    息子の、学費に手付けたんで、仕方な
    く私が代わって、借金を返すために、
    このビルで、働いてました。
真帆) うっわ…。
洋治) 底辺の、底の底の話ですよ。
真帆) 帰るわ。
    でもさぁ、地獄って一つじゃないもんね。
    いろいろあるんだもんね。私の地獄に、
    あんたも引きずり込みたいわ。


**********

勇凛) もともとね、ここ、自分が、
    入院してた場所だから。
香澄) ああ、前に言ってた…。
勇凛) 香澄に会ったのも、ここ。
香澄) えっ、どういう事?
勇凛) この病院の目の前が…あの海。
香澄) 病院抜け出して海に来てたの?
    あっ…気が付かなかった。
    元気そうだった。ごめんね。
    気付いてあげられなくて。行くの?
勇凛) うん?
香澄) 病院。
勇凛) ああ…来月行こうと思ってる。
香澄) 私も行きたい。
勇凛) えっ?
香澄) あの海、もう一回見てみたい。
    あの海に、君と行きたいよ。


**********

香澄) でも灯さん…。
灯) はい?
香澄) 私…こんな事、いいんでしょうか?
灯) えっ?
香澄) 男の人とつきあったり、
    旅行に行ったり…。
灯) どういう事?
香澄) 私もういい年だし、母親だし。ああ、もう
    そういう事は、ないんだろうなぁって。
    ず~っと昔に、諦めてた気がします。
灯) 香澄さん、怖いんでしょ?
香澄) えっ…?
灯) 恋するのが怖いのよね。
香澄) 灯さん。鋭い…。
灯) ダメよ。恋しなさい。人生一度っきりよ。
  このおばあさんの私が言うんだから、
  説得力あるでしょう?
香澄) 灯さん。
灯) 香澄さんの、心の中に、アムロくんの
  事がず~っと残ってたのよね。で、きっと、
  彼も、あなたの事が、心の中にず~っと
  残ってた。


**********

麗子) 生きてないものはきれいですよね。
    年老いない。
香澄) 死んでしまえば、美しいままじゃない?


**********

香澄) ここで、別れた。
勇凛) うん…ここでバレッタもらった。


**********

香澄) アムロ、久しぶり!
勇凛) 久しぶり。
香澄) アムロ! あれ? 
    アムロ…勇凛…アムロ…。どっち?
勇凛) どっちでもいい。
香澄) 誰か見てる?
勇凛) 見ててもいいよ。

(抱き合う二人)

**********

香澄) すごい景色ね~。
勇凛) ここは生と死が交わる
    場所って感じがする。
香澄) 生と死が交わる場所?
勇凛) そんな気しない?
香澄) ああ…。
    私たち、生と死が交わる場所で
    出会ったのね…。


**********

香澄) ここでオルゴール作ってくれた
    のよね。この辺だっけ?
勇凛) うん。


(回想)
香澄) 何作ってるの?
アムロ) 秘密。
香澄) 手先、器用だね。
アムロ) お前よりはな。


勇凛) 天使かと思った。
香澄) 私たち…
    もう一度会えるまで、長かったね。
勇凛) ごめん…。
    迎えに来るのが遅くなって。
香澄) 遅すぎだよ。
    私、オバサンになっちゃった。
勇凛) かわいいよ。
香澄) 調子いい。
勇凛) 変わってなくて…。
香澄) 勇凛?
勇凛) ずっと会いたかった。
    ずっと会いたかった…。(泣)
香澄) 勇凛。
勇凛) やっと会えた…。(泣)
    ごめん…。(泣)
香澄) ううん。勇凛。


**********

ここで育った。
ここで暮らした。
ここが、
僕の家だったって言ってもいい。


**********

香澄) ガン?
勇凛) 小児がんだった。
香澄) なぜあの頃言ってくれなかったの?
    私と出会った頃。
勇凛) ヒーローになりたかったんじゃない
    かな? 強くいたかったんだと思う。
    なんせ、アムロだからね。
    香澄を守りたかったんだ。


(回想)
アムロ) 俺は、アムロ! 英雄だからな!


香澄) ここをリニューアルするの?
勇凛) うん。ここさ、
    夜になると静かになるじゃん。
香澄) うん。
勇凛) 波の音が聞こえるんだ。
香澄) うん。
勇凛) それが怖くて、寝れない時もあった。
    あっ、見て。見て。
香澄) あ~!
勇凛) キッズルームは、光を取り入れた部屋
    にしたい。昼間は、日の光。夜は、ライ
    トを消さずに、いつも僕たちを、迎えてく
    れる場所にしたい。
香澄) 僕たち?
勇凛) ここにいた頃、仲間が亡くなった。
    そいつと約束してたんだ。
    ここを将来作り替えたいって。


**********

芳孝) 私はね、常々思うんだが、神様がつく
    った自然ほど、美しいデザインはない。
    しょせん、人はかなわない。
香澄) でも私…あっ、美しい自然も好きです
    けれど、人が創ったもの、美しいもの
    好きです。
芳孝) (笑)
香澄) だってその人は、世界の醜さも、痛さも
    知ってるから。それでも、美しいものを創
    ろうとして、そこにあるものだから…。私、
    勇凛さんの作品を見た時、そんなふうに
    思ったんです。あっ…私は素人だから、
    よく分かってないのかもしれないけど。
芳孝) いや~素人も玄人もない。
    心が感じれば、それが全て。乾杯。


**********

香澄) ほんとはちょっと怖かった。こうなるの。
勇凛) どうして?
香澄) もう、だって年だし…。でも、そういう
    事でもないのかなぁって思った。寝る
    って…帰る所に、帰っていけるみたい。
    戻る所に戻るっていうか。
勇凛) じゃあ俺は…香澄の海だ。
    人は海に戻ってくって言うから。
香澄) そうか…。勇凛は私の海かぁ。
    ずっと浮いてたいな。何?
勇凛) よくしゃべるなぁと思って。
香澄) ほんとはおしゃべりよ。
    聞いてくれる人がいなかっただけ。
    でも、裸で抱き合うとかって、この世
    でふたりきり、って思えるんだろうね。
勇凛) そう?
香澄) 勇凛は?
勇凛) 深~く沈んでいく感じ。ゆっくり。
    それがすごく気持ちいい。
香澄) 触れるっていいね。遠くからず~っと
    思ってるのは切ないよ。聞けるし。
勇凛) 何を聞くの?
香澄) 声とか…心臓の音とか。
    触れて、匂いが嗅げて。
勇凛) どんな匂い?
香澄) ナツメの匂い。

(手術の痕を見つける香澄)
香澄) 手術…?
勇凛) うん。

(傷痕に口づけする香澄)
香澄) ごめんね…あの頃知らなくて。
(勇凛を抱きしめる香澄)
香澄) 勇凛、大丈夫?
勇凛) 何が?
香澄) 波の音、もう、怖くない?
勇凛) 香澄がいれば…。
    香澄がいれば怖くない。

(口づけする二人)

**********

芳孝) ヨシユキ…勇凛君が来てくれたよ。
    なぜ、死んだ…。なぜ、死んだんだ…。
    生きてれば、お前は必ず、俺を超える、
    デザイナーに…。
勇凛) 先生…。
芳孝) ヨシユキは、天才だったんだ!
    俺なんかよりずっと!
    ああ、お前より! お前なんかより!
    すまん…すまん…。
勇凛) いえ、先生…本当の事です…。
    ヨシユキ君が生き延びて、僕が…
    僕が死ねばよかったんです。
芳孝) すまん…。
    すまん…許してくれ!(泣)
    忘れてくれ。忘れろ。


**********

何だろう…。
聞き慣れた、大好きだった、
「禁じられた遊び」が、遠くに感じた。
何か、私は、大きな間違いを…。

思い出の輪郭が、ぼやけてゆく…。

**********

痛い、痛い。真帆が痛すぎてツライ…。こういう、
素直になれない、愛し方が下手な女の人って
いるよなぁって。かなり苦手なタイプではあるけ
れど、ちょっと可哀想にもなってしまう。自分で
自分を変えないと、ずっと不幸のままなのに…。

今回香澄の中の人が頑張ったなあと思ったの
は真帆との取っ組み合いのケンカ。原田知世
のキャラ、今までの原田知世の辞書にはなか
ったたろう、体を張った女同士のケンカが新鮮。

でもさぁ、地獄って一つじゃないもんね。
いろいろあるんだもんね。私の地獄に、
あんたも引きずり込みたいわ。

そうだね。地獄は一つじゃない。地獄も幸せも、
感じる人次第ってところはある。ある人には地
獄でも、ある人には羨ましく見えたり、ある人に
は幸せに思えることが、ある人には地獄に見
えることもあるかもしれない。他人にはどう見え
ようと、本人にとってツライものはツライ。真帆
の地獄は、その全貌が見えてくるのだろうか?

勇凛とともに思い出の地を訪れる香澄。そこで
勇凛の過去が見えてくるのだけれど…。ヨシユ
キ君の存在が、彼にとっては天国であり、地獄
なんだろうなぁ…。香澄についたウソも、そのへ
んだろうし。「僕が死ねばよかった」…そんな風
に思いながら生きるのは悲しすぎる。香澄の思
っていた「運命」と、勇凛の「運命」が、どこかで
いつか、緩やかに重なっていけばいいなぁと…。

それにしても、息子とストーカー女子の、余計な
話にしか見えない話は、香澄と勇凛の恋に影響
するのかオチはあるのかが気になって。個人的
にはそこだけスルー、心の中で飛ばしてるので。
意味がないわけ…ないよね。 どうするんだろ?


●「運命に、似た恋」HP

「運命に、似た恋」関連ブログ↓
第1回~禁じられた遊び
第2回~一夜だけ咲く花
第3回~恋に落ちる
第4回~本当の嘘
第5回~秘密
第6回~君を疑う
第7回~君のいない世界
第8回~ふたりの永遠

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