ドラマ10「運命に、似た恋」第4回~本当の嘘 | 日々のダダ漏れ

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ドラマ10
「運命に、似た恋」



第4回
本当の嘘

恋の始まりに、心躍らせるカスミ(原田知世)とユ
ーリ(斎藤工)。そんな折りカスミの家に、離婚し
た元夫・ヨージ(小市慢太郎)が訪ねて来る。借
金を抱えていたヨージは、カスミが目を離した隙
にキャッシュカードを盗み、大切な貯金を引き出
してしまう。金策に追われるカスミは、クリーニン
グ店の仕事に加えビル清掃の仕事をする事に。
ユーリは、カスミと連絡が取れなくなったことをい
ぶかしみ、カスミに会いに行こうとするが…。

**********

香澄) 「午前中にね、14軒回る。面倒くさ
    いお客さんも、2軒くらい、いるかな。
    でも、今日はちょっと楽しい」
勇凛) 「楽しいの? どうして?」
香澄 「お天気いいし」
勇凛) 「お天気。あっ、ほんとだ。いいね」
香澄) 「あれ? お天気、見ない?」
勇凛) 「仕事に熱中してると忘れるかな。
    天気とか。下手すると飯食うのも」
香澄) 「そっか。何でも。忘れちゃうね。
勇凛) 「こういうの慣れてないから」
香澄) 「うん?」
勇凛) 「なんていうかその、女の人と、こう
    いうやり取りとか。だからなるべく失
    敗が、あってはいけないと」
香澄) 「やだな。思ったままでいてよ」」
勇凛) 「うん」
香澄) 「私が今日楽しいのは、君のおかげだ
    よ。こうして、君の気配が感じられて…」


**********

勇凛) 「カスミさん、元気ですか? こちらは、
    ミラノ・ビエンナーレの準備でテンパっ
    ています。3週間後にはミラノに飛びま
    す。そちらはどんな感じでしょうか?」


ミラノ・ビエンナーレ…何?

**********

真帆) ねえ~つきあってんの?
    勇凛とつきあってんの?
香澄) ああ…。
真帆) あっ、デートとかしてるんだ。
香澄) いえ、忙しいので。
真帆) うん。今ちょうどミラノ・ビエンナーレ
    の準備だわ。ねえ、知ってる?
    ミラノ・ビエンナーレ。
香澄) いえ…存じません。
真帆) え~ウソでしょ? やめた方がいいん
    じゃな~い? お付き合い。
    ねえ、あいつ女いるわよ。いや、私とか
    そういうんじゃなくってさぁ、本気で好き
    になった女がいるって事よ。
    私見ちゃったのよね~。あいつの部屋
    で、女物の髪留め、置いてあんの。
    大事そうに持ってんのよ~。あの部屋
    に、女が出入りしてるって事よ。バレッ
    タ外して、服脱いで、ベッドで…。
香澄) こちらも、
    ゴールドでよかったでしょうか?
真帆) 刺激強すぎちゃったかな?
香澄) 失礼します。
真帆) 私、ブランシェスにお願いするの
    やめようかな~。
香澄) えっ?
真帆) あなたの店で、うちが、一番のお得意
    様なんでしょ? 社長さんが言ってたも
    の。年間500~600万落とすうちが、一
    番だって。で、2番がほら、あの政治家
    の何とかさんで、3番が…。
香澄) 困ります。
    どうか、うちで、継続して下さい。
真帆) そこまで言うんだったら、
    今日のところはお疲れさま。
    いいわよ、行って。
香澄) 失礼します。


**********

香澄) 来てくれるのね。慌てて。
つぐみ) 当たり前だろ。
香澄) 当たり前か~。
    そっか…ありがたいなぁ。
つぐみ) なに言ってんだよ。
香澄) でもよかった。また働けるって。
    明日から働いてもいいって。
つぐみ) 俺、大人になったら、
     絶対母ちゃん楽にさせっから。
香澄) なに、いきなり…。
つぐみ) いや、マジで。
香澄) そっか…。
つぐみ) うん。
香澄) 君が大人になるまで僕が君を守る。
つぐみ) 何だよそれ。恋愛ドラマかよ!
香澄) うん。
つぐみ) 何だよ、うんって…。だっせ~。
香澄) だっせ~くない。


**********

勇凛) こんにちは。
香澄) こんにちは。
勇凛) 久しぶりですね。こんなとこで
    何やってんですか?
香澄) 見たとおり、ビルの清掃です。
    まだ、何か…用ですか?
勇凛) 何で返信しないんですか?
    電話も出ないし。
香澄) これ、知ってます? ガムがこびりつい
    た時は、こうやって…この溶剤かけて、
    こうすると、取れるんです。早く行ってく
    れないかな。こんなとこ、ず~っと見て
    られたくないんだけど。
勇凛) まだ取れてないじゃないですか。
    …取れた。
香澄) ごめんまだ、仕事残ってるんで。

**********

香澄) うち、来ます?
勇凛) えっ?
香澄) ここ下りて、少し行ったらうちです。


**********

香澄) どうぞ、座って下さい。ここが私のうち
    なの。17歳の息子と、2人で暮らしてる。
    今はバイトに行ってる。
勇凛) うん。
香澄) 別れた旦那がいるの。若い女と結婚
    して…。ああ、でも今は、もう見捨てら
    れちゃってるみたい。仕事もなくてパチ
    ンコばっかり。たまに私にお金を借りに
    来るの。返してもらった事ないけど…。
    この間そいつがね…ああ、元旦那ね。
    つぐみの…あっ、息子の、貯金に手付
    けたの。私が、息子のために、大学の
    ために貯めておいたお金。サラ金に借
    金があるのよ。終わってるでしょ?
    そういう…家なの。
勇凛) なんか怒られてるみたい。こっちが、
    怒られてるみたいに話すね。
香澄) とにかく、そういう事なんで。
    うち見て分かったでしょ?
    何にもない家だし、お金もないし。
    息子もコンビニでバイトやってて。
勇凛) それは、さっき聞いた。
香澄) これが私の現実なの。中性洗剤、薄め
    て使うの。あの…何か、君が作るような、
    かっこいいデザインのボトルとか、関係
    ないの。使えればいいの。食べられれば
    いいの。眠れればいいの。そんなふうに
    暮らしてる私と、あなたが、付き合える訳
    ないよ。
勇凛) 何でそんな事言うの? 関係ないよ。
    俺は好きだよ。何も変わらない。
香澄) こっちは変わったの。変わったっていう
    か、気が付いたの。無理だって。君と付
    き合うのは無理だって。私、恋愛なんて
    してる余裕ないんだ。生きていくだけで
    精一杯。ここ…家守らなきゃ。まだ子供
    高校生だし。忙しいし、会う時間なんて
    ない。
勇凛) 3ヶ月に1回でいい。会うのは。
    それでもいいから。
香澄) 君といると私…みすぼらしい気持ちに
    なる…。同じような人といれば、そんな
    気持ちにならなくて済む。ミラノ・ビエン
    ナーレとか、私、よく分からないし。
勇凛) そこ…重要?
香澄) うん…。
    だから、やっぱり…無理なんだ。
勇凛) 決定? それ。
香澄) うん…。ごめん。もういいかな?
    もうすぐ、息子帰ってくるんだ。
勇凛) 分かった。
香澄) さよなら。あの…あの…。
    短い間だったけど、 
    いい夢見させてくれて、ありがとう。
    楽しかったよ。
勇凛) 勝手な事言わないでよ。俺、クリスマス
    のイルミネーションじゃないから。あなた
    が夢見るための道具でもないから。
    こいでも生きてる人間だから。


**********

(回想)
香澄) これ、あげる。
    そのかわり、絶対返して。
    私たち、また会うよね?
アムロ) うん。大人になって俺、
     香澄を迎えに行く。
香澄) 約束。


(回想)
香澄) 私たち、会った事ありますか?
勇凛) まさか…。


何で…何で気付かなかったの?

(回想)
勇凛) あなた…僕の運命の人なんで。


**********

勇凛) どうしたの?
香澄) あなた…アムロなの? これ…クリ
    ーニングのジャケットのポケットに。
    これ、私のバレッタ…。
    あなた、アムロなの?
勇凛) ああ。久しぶり、香澄。

(勇凛に抱きつく香澄) 
香澄) ああ…! どうして?
    どうして言ってくれなかったの?
勇凛) がっかりされるのが怖くて、言えな
    かった。忘れられてたらへこむし。
香澄) 忘れる訳ない。顔…顔見せて。
    よかった…! アムロに会えた!
    夢じゃないよね…夢じゃないよね?
勇凛) うん。
香澄) アムロ…。勇凛って名前だったのね。
勇凛) 香澄。

(キスする二人)
勇凛) もう離れない。ダメ。もう帰さない。
(香澄をお姫様抱っこする勇凛)
香澄) こんな私でいいの?
勇凛) 世界で一人だけ。香澄でなきゃダメ。
    観念した?
香澄) もういいや…。観念しよう。

(キスする二人)

この時ついた、大きなウソは、
それからずっと、
僕を苦しめる事になったんだ。


**********

真帆のゲスっぷりが見事すぎるというか…ちゃ
んと満たされない女の悲哀も感じさせるのがス
ゴイ。中の人もいい仕事をするようになったね。

原田知世が原田知世であるがゆえに、どうして
も、ドラマ上とはいえ、こんな男を選ぶかなあと
思ってしまうのが、個人的に困ってしまうところ。
(あっ、斎藤工の方じゃなくて、元ダンナの方w)

つまり、ドラマ上ダメンズ好きな、ある意味隙の
あるキャラ設定という訳で、少女っぽく見えるけ
ど、意外と割り切った大人の考えも持っている
女性としての説得力を持たせているともいえる。

香澄が勇凛を自宅に連れてきて、自分の現実
を見せ、現状をぶちまけるところは、極端に振
り切れる女の怖さというか、勇凛が可哀想だっ
た。香澄の気持ちが痛いほどわかるだけに…。
本当は、いい夢だけを見ていたいのに、いいと
ころだけを見せていたかったのに、舞台裏を見
せて諦めさせざるを得なくなった女心が切ない。

真帆のゲス行為のおかげで再び結びつく香澄
と勇凛。「運命」って言葉に、女は弱いよねぇ…。

大きなウソ…勇凛はアムロではないのでしょう。
でも、きっと、勇凛にとっては、香澄が「運命の
人」であった事は、ウソではない気がする私…。


●「運命に、似た恋」HP

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第2回~一夜だけ咲く花
第3回~恋に落ちる
第4回~本当の嘘
第5回~秘密
第6回~君を疑う
第7回~君のいない世界
第8回~ふたりの永遠

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