土曜ドラマ「トットてれび」第4話 | 日々のダダ漏れ

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土曜ドラマ
「トットてれび」



第4話

NHKを辞めフリーになった徹子は、ますます
多忙な日々。ラジオドラマの現場で出会い親
しくなった脚本家・向田邦子(ミムラ)に、一度
ゆっくり休みたいと心境を打ち明ける。休養宣
言をした徹子に、NHKの朝ドラ「繭子ひとり」
の仕事がくる。徹子の役は青森から上京して
家族のため必死に働くおばさん・田口ケイ。
徹子は役作りに打ち込む。田口ケイは大人
気となったが、徹子は伊集院の説得を振り切
ってニューヨークへ旅立つ。


**********

徹子) 皆さんこんにちは。「はてな劇場」の
    お時間です。今日は、こちらの動物に
    ついて、皆さんとご一緒に考えた
いと
    思っております。何だかお分かりにな
    りますか?
熊だと思う方。
子供達) は~い。
徹子) あら結構いらっしゃいますね。
    では、日焼けしたシロクマだと思う方。
子供達) は~い。
徹子) あら、こちらも多いですね。
    では、実際に、お会いした事がある方。
    いらっしゃいませんね。私とても興味が
    あるんですの。皆さんとご一緒に、考え
    たいと思っております。

嘘のような話だが、
かつてほとんどの日本人が、
パンダの事を知らなかった。

今日はテレビが白黒から
カラーになった頃のお話。

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昭和39(1964)年

東京オリンピックをきっかけに、
カラーテレビは、爆発的に普及した。
民放各局も、次々と開局。
ドラマの仕事は山のように増えた。

テレビドラマは、
やっと生放送から収録になり、
撮影時間はすごく延びた。

沢村さんとは共演が多かったので、
トットちゃんはふだんから、
母さん、と呼ぶようになった。

徹子) 毎晩帰ってからご飯作ってるの?
沢村) 私にはとうさんがいるでしょ。
    だからね、家の事70%、仕事30%
    でやってんのよ。それでいいの。
徹子) ふ~ん…。
沢村) 何にしよう…。もしかしたらさ、女優は
    いつかやめるかもしれないけど。とうさ
    んの妻である事はやめないって決めて
    るから。
そっちの方が大事だから。

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そんなある日、トットちゃんに、
思わぬ仕事が舞い込んだ。

篠山) 衣装なんていりません!
男性) 篠山紀信…。
篠山) 黒柳さん。是非、あなたのヌード
    写真を、撮らせて下さい!

**********

渥美) あ~あ~あ~。お嬢さん、
    脱いじゃったらおしまいよ。

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篠山) 自分らしく。
徹子) 自分らしく。

**********

森繁) 女優黒柳徹子。バスト、ウエスト、
    ヒップ、
年齢を感じさせず、若々しく
    て柔和。テレ
ビの世界で生きてきた
    彼女がヌードを披
露する。これ自体
    がドラマだ。ドラマだね、
こりゃ!

**********

篠山) 自分の内面を見る。
    ゆっくりのぞいてって。

**********

その頃トットちゃんは、
向田邦子さんと毎日会っていた。
毎日のようにじゃなく、
本当に毎日会っていた。

徹子) どう思った?
向田) 徹子さんらしくて、
    とってもいい写真だわ。
徹子) そうかしら。
向田) うん。
徹子) 私らしいってどういう事かしら?
向田) え?
徹子) 何かね、自分で自分の事が
    分かんなくなっちゃった。
向田) どうしたの?
    ちょっと疲れてるんじゃない?
徹子) あのね、一度くらい休んでね、
    「明日どうしようかな」とかね、「明日
    の予定が決まってないな」なんて生
    活してみたいなとか思うのよ。
向田) 休めばいいじゃない。
徹子) え?
向田) 徹子さん、
    早くおばあさんになっちゃいなさいよ。
徹子) え!? フフフフッ。
向田) 私ね、徹子さんみたいなおばあさんの
    お話が書きたくて、楽しみにしてるの。
    だから、休んでも
いいからちゃんと戻っ
    てきてね。早く面白いおばあさんに
なっ
    てちょうだい。

**********

テレビ女優になって15年。
ここら辺で一度、
汽車がレールから外れて、
引き込み線へ入ったような
時間を持ちたかった。

トットちゃんは、テレビの仕事を
しばらく休む事に決めた。

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休養する直前、
朝ドラ「繭子ひとり」に登場する、
田口ケイという役をやることにした。
田口ケイは、
青森に残した息子のために、
東京に出稼ぎに出て、
必死に働く家政婦だ。

徹子) 伊集院さん。私ね、戦争中にね、
    疎開先の青森で、田口ケイのよう
    なおばさんに何人も出会ったの。
伊集院) それが何なのよ。

**********

昭和20(1945)年 青森
徹子11歳。

女性) あれ、見た事ねえわらしっこだな。
    東京のわらしっこか? うん?
    東京。東京から来た?
    ああ。やっぱりなあ…。あれ? これ、
    おめえ、転んだのか? これ。
いやい
    やいやいや…ぬれてるべえ、こりゃ。
    冷たかべ。あれれれ、これ、手さも泥
    ついて、うわ、いやは…なんぼか、い
    やいや、これ。
ひゃっこくなってら。
    ん? これ。
はあ~。はあ~。はあ~。
    はあ~。

徹子) 身なりは汚いけど、心はものすごく
    きれいで、みんな、とっても温かかっ
    た。
私が今あるのは、あのおばさん
    たちのおかげなの。
つらい時だの、
    心細い時だの、
親切にしてもらって、
    何回もは、助けてもらったすけ。
    だすけ、どやっても、この役だけは
    最後に演じたかったのえ。頼むすけ、
    この格好でやらせてけねべか。
伊集院) ……はい!
     田口ケイさん入りますよ~!
     よろしくお願いしま~す。

**********

「繭子ひとり」は、随分好評で、
最高視聴率が55%を超え、
田口ケイは、大人気となった。

**********

伊集院) でも、休んで、どうするの?
徹子) 私ね…
    ニューヨークに行ってきます!
伊集院) ニューヨーク!?

**********

ニューヨークに渡った時、
トットちゃんは、38歳になっていた。

徹子) 徹子の部屋。フフフッ。

**********

(沢村貞子宛ての徹子の手紙)
沢村貞子様。
母さん、お元気ですか?
私は毎朝インスタントじゃないコーヒーを
飲んで、昼間は公園でぼんやり過ごす
っていう生活を、
初めて経験しています。
この街で、普通の人と同じように、
笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら、
自分の人生をきちんと作っていこうと
思います。ブロードウェイの演劇スタジオ
にも通い始め、
すてきな先生や仲間たち
にも出会えました。

**********

渥美) 腹いっぱい食ってんのかなあ。
    アメリカ人の男は、手が早いってい
    うけど、大丈夫かい? お嬢さん。

**********

4か月後

電・伊集院) もしもし。黒柳君。実はさ、「田口
       ケイさんのその後は
どうしてるか」
       って、視聴者の声がすごいんだよ。
       例えばね「田口ケイさんは、ニュー
       ヨークで、どうしていますか?」「 田
       口ケイさんに逢えなくて
寂しいです」。
       他にももう、収拾がつかないくらい
       だよ。フフフ。言ってなかったっけ?
       田口ケイさんはね、
ニューヨークに
       行った設定にしたんだよ。
だから大
       丈夫。帰ってこいなんて言わないか
       ら。
そのかわり、ニューヨークから出
       演してほしいんだ。
最後のお願いだ
       からさ。
みんな、ニューヨークにいる、
       君の姿を見たいんだよ。

**********

田口ケイ) 皆さ~ん、こんにちは。ニューヨー
     クです。田口ケイは、アメリカ人の、お
     医者さんのお屋敷で、
家政婦ばして
     おります。あっ、洋平! こんにちは。
     こんにちは! 見てみろ、洋平!
     おめえ母ちゃんの髪の毛つかまえて、
     汚えだの、恥ずかしいだの言うけど。
     ニューヨークじゃな、このヘアスタイル
     がはやってんだぞ。見てみろ、この頭!
     ほれ。アフロヘアーか。アフロか。
     ストップ、ストップ、ストップ。というわけ
     で、田口ケイは元気でやっております。
     もしが今度お会いすることがあったら、
     その時は、もう少しばかり、私も幸せに
     なってるかも分かんないですよ。
     長い事、お世話になりました。
     皆様も、お元気で。
は、グッドバイ!

**********

渥美) 何が「グッドバイ」だ。おい。
    早く帰ってこいよ、お嬢さん。

**********

徹子) 「思えば15年間、
    テレビ女優をやってきたけど、
    私にそもそも女優の才能があるのか、
    ずっと迷い続けていました。
    でもこの街に来て、
    そんな迷いは吹っ切れました。
    人生に必要なものは、修練と勇気。
    あとは全て、ゴミなのかもしれません。
    日本に帰ったら、私にしかできない、
    これまでとは全く違う事をやりたいと 
    思っています。向田さん。
    この街で得たものや失ったものは、
    とても書き尽くす事ができないけど、
    ただ一つ、分かった事は、
    女が一人で生きていくのは大変!
    いつかね、向田さんが書きたいような、
    いいおばあさんになれるよう頑張ります。
    追伸。洋服にも和服にも合う、
    私らしい髪型を、開発しました」。

**********

徹子さんが、朝ドラに出ていたとは~!
ウィキペディアの記事はこちら→繭子ひとり

私の朝ドラの最初の記憶は、昭和49年度の
「鳩子の海」なので、「繭子ひとり」はたぶん、
見ていなかったと思われ…。もう映像は残っ
ていないらしいので、見る事ができないのが
本当に残念。田口ケイとなった徹子さんを見
てみたかったよ~。面白かったんだろうなぁ。

「繭子ひとり」はかなりの人気ドラマだったよ
うで、主人公の出身地の青森県三戸町の城
山公園には、繭子像が立っているとのこと!
繭子像

いつか、徹子さんの銅像もどこかに作ってほ
しいな~。上野にパンダと一緒の像とか…♪

ヌードになったり、ニューヨークに行ったり…。
さすがトットちゃん。トットちゃんらしさを追求
した結果があの玉ねぎヘアーになるのかな。

人生に必要なものは修練と勇気。

修練に自信はないけど、勇気は持ち続けて
いたいなあと思う。自分らしく生きられるよう。


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「トットてれび」第1話
「トットてれび」第2話
「トットてれび」第3話
「トットてれび」第4話
「トットてれび」第5話
「トットてれび」第6話
「トットてれび」第7話

●「トットてれび」HP

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