「あさが来た」第150回~みんなで笑て暮らせたら・・・それで十分だす | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「あさが来た」 第150回
第25週 「誇り高き人生
みんなで笑て暮らせたら・・・それで十分だす


あさ) 旦那様。
新次郎) ん?
あさ) やっぱり、どっか調子お悪いのと違いま
    すか? 今日の朝も、あんまり食べては
    れへんかったみたいだすし…。
新次郎) うん…。せやな。
     尼崎行くのやめとこかな。亀助。
亀助) へぇ。
新次郎) ちょっとなぁ、尼崎の川井さんに、明日の
     都合悪なったてお伝えしといてくれへんか。
     また来月の会には、行くさかい言うてな。
亀助) へぇ。分かりました。商業会議所の方は?
新次郎) せやな。あっこはなぁ、森さんに言うてな。
亀助) 森さん?


あさの不安は、
日に日にましていくのでした。


**********

明治36年。
2年前の恐慌を乗り越えた
加野銀行の預金高は、
右肩上がりに増え続けていました。

また淀川生命も、
飛躍的に契約を伸ばしていきました。


榮三郎) 今ある終身保険、養老保険、開運保険
     のほかに、生存保険は男子修業、女子
     結婚に分けたらどないだすやろか?
平十郎) へぇ。品目が増えると、契約が取りやす
     くなります。いいと思います。
榮三郎) うん。


**********

あさ) はぁ…。見とくなはれ、これ!
新次郎) ん?
     「とかく女学生の堕落は、
     梅に鶯のごときもの」て。
あさ) まるで街で学ぶおなごの事を、堕落の温床
    みたいに書いてありますのや。もう、みんな
    あないに頑張ってるいうのに!
新次郎) ほれ、あさが怒ったかて
     しょうがあれへんがな。
あさ) そやけど、悔しおます!
新次郎) へぇへぇ。ほれ、よちよち、よちよち。
(あさのほっぺをむにゅむにゅする新次郎)
あさ) もう、子供やあらしまへん!
新次郎) ハッハッハ…。
あさ) そやけど…おおきに。
新次郎) うん。…で、今日は、日の出の
     学生さん達どないしましたのや?
あさ) ああ、みんな内国勧業博覧会見に行きまし
    た。ほら、今、色電球が、きれいだすやろ?
新次郎) ああ。あっこの茶臼山なんかなぁ、
     ちょっと前まで、キツネやタヌキもいてて、
     さみしいとこやったのになぁ。
あさ) そないゆうたら、江戸の時分の夜は、
    暗おましたなぁ。旦那様が、こう…こない
    してちょうちんで照らしてくれはって。
新次郎) ハハハッ。
     2人でな、こないして歩いてなぁ。
     はぁ、懐かしなぁ。
あさ) へぇ。


**********

藍之助) 養之助。お前、これから、どないする?
養之助) どないするて…。
     お兄ちゃんこそいつまでいてんのや?
藍之助) この先、もうお前一人じゃ
     やっていかれへんやろ?
養之助) お前がすぐ大きなってくれたらなぁ。
節) アホ言うて。
藍之助) 僕は、長男や。
     やっぱり、僕がこっちに帰って…。
はつ) あきまへん。そらあきまへん。
藍之助) いや、そやけど…。
はつ) おおきにな。うちはもう大丈夫や。
    山かてなぁ、半分売ったかて、かましまへん
    のや。一家みんなで、身の丈に合うた暮らし
    したら、それでええのや。みんなで笑て暮ら
    せたら…それで十分だす。あんたは、立派
    なお商売人になりなはれ。
養之助) せや。
     行ってええのやで、お兄ちゃん。
     お互いええとこ、
     お父ちゃんに見せちゃあろ。
はつ) そうだす。みんな、あんたがやりたい事に
    向こで頑張ってほしいて、そう願てます。
    うちもや。なぁ? 旦那様。


**********

千代) うち、子供のためにも、いつかは緑の森に
    囲まれたとこで、暮らしてみたいわ。
うめ) それもよろしおますなぁ。
新次郎) それやったら、
     芦屋辺り、ええのと違いますか?
千代) はぁ、芦屋なぁ。
新次郎) せや。あの外国のお方やったら、いつか
     日本と西洋の両方のええとこ生かした家、
     建ててくれるかも分かりまへんな。
千代) はぁ…ええなぁ。
    ええけど…ウッ。おなか、痛い。
新次郎) へ?
うめ) お千代様? お千代様!?
新次郎) ああ…千代!


**********

あさ) え~本日は、成澤先生が、皆さんの前で
    お話をと言うてくれはりましたので、一つ、
    お話しさしてもらお思います。
    先週出ました、この新聞の記事読みました
    か? 東京で学ぶ女子学生がこのような書
    かれ方をしてる事は、私は心外でなりませ
    ん。この大学校に、ここにあるような、堕落
    した学生がいてるやなんて決して思いませ
    んけど。それでもここで学ぶ者は、己の行
    いにもっと深う責任持たなあかんのだす。
    「ああ、女子大学校なんて、あない立派な
    建物や、理想を持ってても、ちょっとも実が
    上がれへんのやなぁ。やっぱり女子高等
    教育なんて意味ないなぁ」やなんて思われ
    たら、決してあかんのだす。
明) (小声で) 話長いなぁ。
あさ) 成澤先生も絹田先生も、女子教育のため
    に、身を犠牲にして働いてくれはりました。
    私が望む事は、誠実に日々を過ごし、勉学
    にいそしむ事だす。あなた方の行い一つで、
    たちまち世間からの信用落とす事を、お忘
    れになりまへんよう!
明) フッ。いけ好かない傲慢おばさんですこと。


この学生の名前は、平塚明(はる)。
のちの、平塚らいてうです。


**********

あさ) すんまへん。ちょっとも一つや
    あれしまへなんだなぁ。
成澤) いいや。感謝しています。
    女子学生を前にあれだけはっきりものが
    言える女性はあなたしかいません。
亀助) そやけど、あないズバズバ言うてたら、若
    い子達に、嫌われてしまいまへんやろか?
あさ) うちは別に、自分が好かれようが、嫌われ
    ようがかましまへんのだす。うちはただ、せ
    っかく出来たこの大学校やその学生を、も
    っと世間に認めてもらいたいだけなんだす。
宜) あさ先生! 今、教務科に電話があって。
  千代ちゃんが!
あさ) ん?


**********

新次郎) ゆっくりな。
千代) (荒い息遣い) どないしよ…。
    予定より、まだ10日も早いのに。
新次郎) 予定日やなんて気にせんかてよろし。
     昔なんかなぁ、いつ生まれるか、ちょっと
     も分からへんかったんやさかい。
うめ) そうだす、そうだす。
千代) ん~…。

**********

亀助) ああ、えらいこっちゃ。
あさ) えらいこっちゃ。
亀助) えらいこっちゃ。
あさ) あ~えらいこっちゃ。


**********

あさ) あっ! 千代は、どない!?
啓介) お母さん。それがまだ…。

(産声)
うめ) 生まれた!
あさ) はぁ、よかった! やりましたなぁ!
新次郎) おめでとうさん。
啓介) ありがとうございます!
    ありがとうございます!
亀助) おめでとうございます。


**********

啓介) 小さいなぁ。
うめ) そやけど元気な女の子だすなぁ。
新次郎) あさ。啓介さんに抱かしたげ。
あさ) へぇ。啓介さん。ここな、ここ。
新次郎) ここやここ。ほれ、頭な。
あさ) 千代。よう頑張りましたなぁ。
千代) はぁ、お母ちゃん。
あさ) ん?
千代) こらほんまえらい事だす。
    よううち、産んでくれはりましたなぁ。
あさ) ようよう分かりましたか。そやけどなぁ、
    ほんまにえらい事なんは、これからだす。
千代) あ…ハハハ。
啓介) お父さん、どうぞ。
新次郎) ああ。はぁ…。
     ありがたいなぁ。なんて美しいのや。

(雨音)
あさ) ああ…。
千代) ん?
あさ) フフッ。また雨や。
新次郎) ほんまやな。

**********

榮三郎) 三ツ割制度?
平十郎) あの、近江商人の、
     伊藤さんが実行した制度ですね?
あさ) そうだす。その制度やったら、
    利益が直接お給金に響きます。
    店の者も、経営の一端を担う
    覚悟が増すやろ思て。
榮三郎) う~ん。そら励みにもなりますわな。
     いや、お姉さん、孫まで生まれたいうのに、
     よう働きますなぁ。
あさ) いや、ほんまはず~っと
    見てたいんだすけどなぁ。
啓介) 今は代わりに、お父さんがず~っと面倒を
    見ながら、名前を考えてくれてます。
榮三郎) アハハ! お兄ちゃんらしいわ。
あさ) こら、何だす?
平十郎) へぇ。お医者さんに作って頂きました。
     病気の初期症状には、こういうものがある。
     保険に入る前には、きちんとお医者さんに
     診てもらわなあかんいうて。


(回想)
あさ) 今日の朝も、あんまり、食べて
    はれへんかったみたいだすし…。

新次郎) お茶の香りがなぁ、
     何やこう…ちょっと違てますのや。

**********

(赤ん坊の名前を考えている新次郎)
新次郎) おお、あさ。
あさ) 旦那様。
    うちと一緒に、病院行っとくなはれ。
    どうか、お願いします。
新次郎) うん…分かった。ほんなら行こか。


**********

「あさが来た」を見ていると、人生、いろいろあって
も、最後は「みんなで笑て暮らせたら…それで十
分だす」と言えたなら、十分に幸せだと思えてくる。
それぞれの身の丈に合った幸せ、自分の性にあ
った道を選んで笑って生きられたら…それでいい。

初孫が生まれ、千代が生まれた時にはなかなか
抱かせてもらえなかった新次郎が、真っ先に啓介
に抱かせてあげるようあさを促すやさしさに萌え。
あの頃の、あわあわした新次郎を懐かしく思い出
しながら、大事な大事な宝物を、壊れ物を抱くよう
に、愛おしそうに孫を抱く新次郎が神々しくて泣け
た。「ありがたいなぁ。なんて美しいのや」というセ
リフは、そのまま孫を抱く新次郎にこそ捧げたい。

そして、新次郎がうれしいことがあるたびに降る、
まるでうれションのような(ごめんなさいw)雨が。
いやいやいや…もしかして、どんどん神々しさが
増してくる新次郎は、龍神の生まれ変わり、地上
に降りた天使なんじゃないの?と思えてきたよ。
雨は恵みの雨。柔らかく慈しむように大地を濡ら
すやさしい雨は、いつでも新次郎の喜びとともに
ある。天地の祝福を受けるなんて…すごくない?

出産を経験して、改めて母親に感謝する千代も
好感度ア~ップ。そうそう、大変なのはこれから。
今度は千代が、自分とは真逆のタイプの娘との
育児に奮闘することになったりして。あさに似た、
やんちゃ娘だったら…今度はあさが、その子の
良き理解者に、おばあちゃんになるのかもね~。
そう、♪めぐるめぐるよ、時代はめぐる~ってね。

今回登場した、近江商人の「三ツ割制度」とは、
店の純利益を、本家納め、店積み立て、店員配
当に均等に三分割して処分)という利益三分主
義。本家納めとは…いわゆる、株主配当のよう
なもの。店員配当とは…ボーナスのようなもの。
なるほどね~。配当も、ボーナスもやる気の源。

そして、今につながる、保険に入る前の健康チェ
ック表のようなものを見て、新次郎の異変を確信
するあさの流れがお見事! 頭を下げて、お願い
するあさの本気に、「うん…分かった」と受ける新
次郎の潔さ、妻の愛情を受け止める柔らかい心
に惚れ惚れしてしまう。はぁ…何とも切ないわぁ。


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●「あさが来た」HP


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