映画 「きいろいゾウ」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

映画 「きいろいゾウ」



周囲の生き物たちの声が聞こえる能力を持つ
天真爛漫
な妻の“ツマ”こと妻利愛子(宮崎あ
おい)
と、背中に入れ墨のある売れない小説
家・“ムコ”こと
無辜歩(向井理)は、出会って
からたちまち結婚。二人
とも互いに言えない
秘密を抱えていたが、至って平穏な
日常を送
っていた。そんなある日、ムコに差出人不明
手紙が届いたことから、二人の関係にさざ
波が立ち始め…。

**********

ソテツ) 月が好きな人だって、いるんです。
ツマ) ふ~ん。
    うちは満月になると、不安になるね。

ソテツ) そんな人だって、いますよ。

**********

大地) これから、恥をかくことが、どんどん増
    えていく。それが怖いんだ。だって、僕
    まだ11歳だよ。
姉さんを、姐さんって読
    んだだけで、
みんな、それに夢中になっ
    てる。
これから、どれだけ、恥ずかしい
    ことが
増えていくのかって思うと、怖くて
    怖くて…。
もう、身動きができないんだ。
ツマ) 怖いんか?
大地) うん。
ツマ) 「欠けていってるから、
    月。大丈夫ですよ」。
大地) 何?
ツマ) うちな、満月が怖い。
大地) へえ~。
ツマ) 怖いっちゅかもう、
    ようわからへんのやけど。
大地) うん。
ツマ) あのな、うちがバイトしとった喫茶店にな、
    満月の夜、ムコさんがうちにそう言うた。
    「欠けていってるから、月。大丈夫ですよ」
    って。何か、めっちゃカチリときてな。
    その言葉。
そやからうちもそんな風に、
    大地君に言うてやりたいんやけど。
大地) ムコさんは凄いね。
ツマ) せやろ? で、そのあとに、
    「結婚して下さい」って言われた。
大地) へえ~。

**********

ツマ) ソテツは、奇跡って信じる?
ソテツ) 奇跡…ですか。
ツマ) うちなぁ、気付いたんよ。ムコさんはなぁ、
    おじいさんとか、そのまたおじいさんとか
    が、誰かと愛し合って、その子供が育って、
    また誰かを愛して。辛い事とか苦労とか、
    めっちゃいっぱいあっても、懲りずに誰か
    を好きになってくれたから。今ムコさんが
    うちの側にいてくれるんやって。

ソテツ) 奇跡…奇跡とは、日常ですね。
ツマ) …日常。日常…。
ソテツ) 痛くないですか?
ツマ) ないです。

**********

ツマ) アフリカから来たの?
ゾウ) アフリカ? そうだねぇ。
    まあ、そんな事もあるだろうね。

ツマ) いいな。
    私いつか、アフリカに行けるやろか?

ゾウ) アフリカなんて、
    僕の背中に乗ればピュ~だよ。

ツマ) ほんまに? ピラミッドに登れる?
ゾウ) ピラミッド? そんなものお安い御用さ。
    じゃあ僕の耳に、ギュ~って捕まってて。

ツマ) うわ~こんな大きなお月様、
    見た事ない。

ゾウ) お月様が太陽みたいに明るいね。
月) やぁ、楽しいかい?
   でも時間を気にしておいでよ。君が空を
   飛べるのは、私がいる間だけだからね。

ツマ) そうなんだ。それは悲しいね。
ゾウ) ちっとも悲しくないけどね。
    少しだけ悲しいね。
    じゃあ、もうひとっ跳びしてみようか。


**********

手紙・大地) ツマさん。勇気を出して言います。
       僕は、ツマさんの事が好きです。
       分かる? スイカが好きとか、
       海で泳ぐのが好きとか、
       そういう好きではありません。
       ムコさんの事が、羨ましいです。
       僕が、超スピードで大人になっても、
       絶対追いつけないから。悔しいです。
       僕は、ツマのさんのせいで、初めて、 
       早く大人になりたいって思うように
       なりました。あと、ムコさんが、
       その気持ち、プラス、
       「恥かしい事は、怖くないんだ」
       という気持ちを、教えてくれました。
       ムコさん、あんなに音痴で、
       変な格好なのに、
       すごくカッコよかったから。だから、
       僕はこれからたくさん恥かしい事
       をして、
きちんと子供をやってから、
       大人になろうと思います。
       ツマさん、分かる?
       これはきっと、ラブレターです。
       やぶって捨ててください。


**********

ムコ) 長い間、この鳥は飛ぶのを諦めて、
    うずくまっているのだと思ってました。
    でもある時、
    それは間違っている
と気づきました。
    鳥が飛ぼうとしたのです。
    背中の鳥が羽を広げようとしたのです。
    この鳥は、飛ぼうとして、
    羽根を集めていたんです。
    そんな時、僕は、ツマに出会ったんです。

(回想)
ムコ) 欠けていってるから、月。
    大丈夫ですよ。
大丈夫ですよ。
    あの…結婚してください。

ムコ) 僕は、この鳥に、
    あなたに、救われました。
    僕もあなたと同じように、
    過去に、からめとられていた。
    だから僕は、その過去から初めて、
    前に進もうと決めたんです。
    今日はそのために、ここに来ました。


**********

ツマ) 鳥は、これを使って空を飛ぶんだよ。
ゾウ) うん。こんな綺麗な羽根で、空を飛ぶん
    だね。それでゾウは、灰色の体で、ああ
    やって身を寄せ合って、旅をするんだね。

ツマ) やっぱり、独りぼっちはさみしくない?
ゾウ) さみしい? 僕、僕は、あそこに、
    みんなのとこに帰ってもいいの?

ツマ) うん。いいんだよ。
ゾウ) もう君と会えなくなるけれど、いい?
ツマ) うん、いいよ。私は体をうんと丈夫にする
    から。早く、病気を治して、アフリカにいる
    あなたに、会いに行くから。

ゾウ) 灰色だけど。
ツマ) みんなとおんなじ色。
ゾウ) 空を飛ぶのは。
ツマ) 鳥に任せて。

**********

手紙・大地) ツマさん。
       僕が、一番言いたい事を、言います。
       ツマさん。幸せで、いてください。

**********

僕にはもう、
日記は必要なくなったから。
一番大切なものは、
もう書かなくても忘れない。
それはいつもここにあるものだから。
それは、いつもずっと僕のそばにいて、
笑ったり泣いたり、怒ったり拗ねたり、
でもまた、すぐに笑ったり。
ちょっと面倒だけれど、
何よりも大切で、愛しくて、
大好きな大好きな人。僕のツマ。


**********

憂歌団の木村の歌声どころか、本人の姿を見
られるなんて、びっくりというか…得した気分。

原作は読んでいないけれど、映画を観たら、本
も読んでみたいと思った。何となく手を出さずに
きたけど…読んでみたら好きになりそうな予感。

宮崎あおいが、すごくいい。彼女だから、「ツマ」
というキャラにリアリティを感じられた気がする。
繊細で、得体のしれない不安、つかみどころの
ない空気感。実に魅力的な、「ツマ」という女性
がそこにいた。キリキリした痛みが伝わって…、
ツマの涙が、叫びが、痛々しくて、辛くなるほど
心が揺さぶられた。私はムコさんにはなれない。
ムコさんが欲しい。ムコさんが必要な側にいる。

そういえば、子供の頃、月を見るのが怖かった。
月があまりにきれいで、冷たくて、空があまりに
蒼かったから…今、自分は宇宙にいるんだと…
わけもなく不安になって、心もとなくて怖かった。
学校で恥をかくことを想像するだけでもとてつも
なく怖いのに、宇宙規模の怖さは手に負えない。

満月は日々欠けていき、また満ちて欠けていく。
少女はいつか大人になり、少年も、大人になる。
恥かしいことなんて山ほどあって、恥ずかしくて
も、自分が思うほど他人は気にしていないから。
安心してください。大丈夫ですよ。怖くないから。

一番大切なものは、
もう書かなくても忘れない。
それはいつもここにあるものだから。

一番大切なものが分かった人は…幸せだよね。
分かる人に、分かればいい。分からなくても、何
か感じられたなら、それでいい。…そんな、映画。


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