「無痛~診える眼~」第2話~同じ能力を持つ男が天才に迫る | 日々のダダ漏れ

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「無痛~診える眼~」



第2話

同じ能力を持つ男が天才に迫る


白神) うちの病院では、患者さんを待たせないんで
    す。医師の数を増やし、診察時間にも、余裕
    を持たせています。まっ、人件費は大変です
    けどね。
それをカバーするために、特別料金
    システムを設けています。
為頼) 
特別料金?
白神) ええ。医療保険とは別枠で、様々なオプション
    サービスを設定して、特別料金を頂いています。
為頼) お金持ちが優遇されるということですか?
白神) あっ、いえ、患者さんご自身に選択肢を与え
    ているだけです。
快適、高品質にはお金が掛
    かります。
それを求める方には高額の医療費
    を払っていただき、代わりに質の高いサービ
    スを提供する。
払っていただいたお金は、病
    院全体に還元され、こうして、一般の患者の
    満足度も上げているんです。
為頼) うん。なるほど。
白神) 患者のためになるなら、あらゆる方法を模索
    して、古い慣習は壊します。私が目指してる病
    院は、そんな病院です。

**********

久留米) 人を殺すには、大きなエネルギーがいる。
     人間にとって、殺人という行為は、簡単には
     乗り越えられない、壁なんです。逆に言うと、
     殺人を犯す人間には、それを乗り越える、
     エネルギーが、過剰にあるということです。
     そのエネルギー過多を、私は、「犯因症」と
     呼んでいます。
為頼君は、こう言ってました。
     強い憎悪の感情が、熱となって、脳に、こう
     集中するイメージだと。
早瀬) 強い憎悪…。

**********

白神) 苦しい治療を我慢する必要など、どこにも
    ありません。
例えば注射だってそうです。
    射は痛いという発想を、どうして誰も疑わな
    いんでしょう。
うちの病院では、どの注射も
    痛くないんですよ。
為頼) 注射にも麻酔を?
白神) いえ。そんな大げさなことはしません。
    痛覚まひスプレーを使って、短時間だけ痛み
    を感じない
ようにするんです。まあこれはあく
    まで治療とは無関係のサービスです。
このス
    プレーのひと吹きを、別途購入してもらえば、
    やはり
混合診療にはならない。これらの無痛
    治療の研究に、私は多大な予算を投じてい
    ます。
痛みは人間から、生きる希望を奪って
    しまうんです。
あらゆる苦痛を取り除くことが
    できれば、患者は救われます。
完全なる無痛
    こそ、私の最終目標なんです。

**********

白神) 
そう。私も先生と同じものが診えるんです。
    私はこの力を使って、今の病院を大きくしま
    した。初心の患者は全て私が診察し、全て
    を診たてた上で、治療計画を立てるのです。
    だから治癒率が高い。
そして、助からない
    と分かった患者には、適切な対応をします。
為頼) 適切? 見捨てるということですか?
白神) 治療は治る患者に施すべきです。
    治らない患者にあれこれしても、
    結局は時間の無駄ですからね。
為頼) 私は、治らない患者を見捨てる
    ようなことはしたくありません。

白神) 先生も、患者を見分けてらっしゃいますよね。
    治らない患者ばかりをうちに紹介した。
為頼) それは患者が望んだからです。治らない患
    者でも、私の診察を望む人は最期まで診てる。
白神) 私も同じです。治らない患者には、苦痛を与
    えず安らかに逝けるよう最大限の努力をしま
    す。
全ては患者のためです。どうぞ、誤解なさ
    らないで下さい。
先生、この能力を与えられた
    者は、少しでも患者に
還元するのが使命では
    ありませんか? 
私たち2人が組めば、理想の
    医療にたどりつけるんです。

**********

白神と為頼、それぞれ「患者のため」を思うのは同じ
だけれども、患者の立場によって、望むことも変わっ
てくるのは、当然と言えば当然。お金があれば、お金
で買える、より快適な環境を選ぶ自由が欲しくなるだ
ろうし。お金がなければ、診療の機会だけでも平等で
あってほしいと思うだろうし。白神がいうように、痛み
は人間から、生きる希望を奪ってしまう。慢性的な痛
みが続くと、気持ちがだんだんすさんでくるのは経験
済み。痛みは、体力だけじゃなく、気力も奪っていく。
もし、痛みが強い病気になったとしたら、とにかく痛み
をなくしてくれと願うだろうし、生きる気力をなくすだろ
うと思う。痛みがなくならないと、冷静に考えることも
できなくなりそうだし…。「苦しい治療を我慢する必要
など、どこにもありません」という白神が、まさに神に
見えるかもしれない。寄り添ってくれるのもうれしいけ
ど、痛みがなくなるほうが、もっとうれしいだろうなぁと。
とはいえ、白神は白神で、危険な匂い、怪しい匂いが
プンプンするのだけれど…。正義感がありすぎる刑事
を絡めて、物語はますます面白くなっていきそうです。


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第1話~新ヒーロー誕生…!?病気を見抜く天才は、犯罪を見抜けるか?
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●「無痛~診える眼~」HP


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