「まれ」第136回～今頃今更、昔の自分に腹が立ってきた・・・の巻

「まれ」　第136回
第23週 「いっぱい失敗タルトタタン」

今頃今更、昔の自分に腹が立ってきた・・・の巻

沙耶）　シェフ。
希）　ん？ シェフ？
沙耶）　シェフですよね。
希）　私け！
沙耶）　はい！
希）　いやいや無理無理無理！ シェフは無理！
　　普通に、名前で呼んでま！
　　本当のシェフに殺されるわ。
沙耶）　何言うとるんですか。
　　　　看板オープンにしてきますね、シェフ。
希）　ちょちょ…。
沙耶）　よ～し！オープン！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

客）　この、緑の、ジャン・ドゥ…。
沙耶）　ジャン・ドゥ・ラ・テールですね。
客）　そうそう！ どんなんけ。
沙耶）　中島菜と、ピスタチオのケーキです。
客）　はあ～。
沙耶）　中島菜は、アンジオテンシンちゅう、酵素の
　　　　働きを抑える成分や含まれとって、ビタミンＣ
　　　　と、カルシウムも豊富で、血圧を調整する作
　　　　用やあるんですよ。
客）　菜っぱのケーキけ！
沙耶）　はい！
客）　ほんなら、いくら食べてもいいわいね！
沙耶）　はい！
客）　ほんなら、５個下さい！
沙耶）　はい！ ありがとうございます！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

希）　よう知っとるげねえ、あんな事まで。
沙耶）　何でも調べるがや好きなんです。
希）　へえ～！
沙耶）　この店のケーキも全部食べて、覚えてから
　　　　お願いしようと思うとりましたさけ。
希）　あん。ほんなんけ。
沙耶）　修業させてくれって頼むがに、失礼やし。
希）　へえ～偉いねえ。
　　ほこ終わったら、やってみるけ。
沙耶）　いいんですか！
希）　うん！
沙耶）　やった～！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

希）　手に、粘りつくような感触があったら、泡立て器
　　で、すくう。艶があって、ツノが立って、ボウルを
　　傾けても、滑り落ちなければ、完成です。
沙耶）　なるほど！
希）　ほしたら、やってみまし。
沙耶）　はい！
希）　沙耶さんは、
　　小さい頃からお菓子作っとってんろ。
沙耶）　はい。
希）　ほしたら、メレンゲなんて、
　　もうできるって思とるかもしれんけど…。
沙耶）　思ってませんけど。
希）　ん？
沙耶）　いくら自分でやっとっても、プロとは全然
　　　　違うやろさけ。何か変な事言いました？
希）　いえ…全然。どうぞ。
沙耶）　はい。
希）　うまいね…。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

弥太郎）　力入れ過ぎんとな、ス～。
　　　　　ほうや。上手やな。歩実も上手やね。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

希）　何か、腹立ってきたわ…。
圭太）　すまん！ ほやけど、あれは…。
希）　ん？
圭太）　いや、えっ…何や、腹立ったって？
希）　昔の…私やわいね！
圭太）　あん？
希）　沙耶さんと同い年やったがに、
　　こうも違うかなと思て。
圭太）　何が？
希）　私なんか、シェフのケーキもなあも知らんがに、
　　弟子にしてくれっちゅうて頼みまくって…。

（回想）
希）　修業したいんです。このお店で！
　　シャポーアンコトンっていうケーキや好きや
　　そうです。私が代わりに作りますさけ！

希）　陶子さんには、「メレンゲできます！」。

（回想）
希）　子供の頃からやっとったさけ、陶子さんより
　　キャリアは長いがじゃないですか？

希）　とか偉そうな事言うて…。
圭太）　ああ…。
希）　口ばあかしなんは、
　　お父さんだけじゃないわいね。
圭太）　別にお前は口ばあかしじゃねえやろ。
　　　　お前…気にしとるんか。世界一の事。
希）　気にしとるっちゅうか、びっくりして。
　　あんだけ熱くなって、
　　世界一世界一っちゅうとったがに。
圭太）　忘れとったんか。
希）　忘れとった訳じゃねえけど…。
　　沙耶さん見とったら、何か、まぶしいげ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

沙耶）　きれいですね～！
希）　まだまだ下手くそねんよ。できとらん事や
　　多すぎて、自分でもや～になるげ。
沙耶）　ほんでもきれいです！
希）　ありがとえ！
沙耶）　もっと早よ、この店で働きたかったです。
希）　沙耶さんは、おうち珠洲やったっけ。
沙耶）　はい。この４月から、こっち通うようになって。
希）　通う？ どこに？
沙耶）　あっ…ケーキ屋さんを探しに。
希）　へえ～。
沙耶）　シェフは、地元で店を出すがや夢やったんで
　　　　すか？ うちは、絶対フランスに行きたいんです。
　　　　フランス菓子の本場で勉強して、コンクールに
　　　　も出て、池畑シェフみたいに、世界で通用する、
　　　　パティシエになりたいんです。
希）　うん。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

徹志）　匠、どうしてん？
匠）　……。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

希）　あっ、いらっしゃいませ！
葉子）　沙耶！ あんた、こんなとこで何しとるがいね！
希）　ん？
葉子）　あなたも一体どういうつもりですか！
希）　あの…。
葉子）　沙耶の母です！
　　　　あんたはまあ、親だましてこんなとこで働いて。
　　　　お父さんもカンカンやさけね！
沙耶）　やめてま、お母さん。
客）　ここのケーキがまんでうまいげんよ！
希）　こんにちは。いらっしゃいませ。
　　とりあえず、あちらに。
葉子）　結構です。沙耶、帰るよ。
沙耶）　嫌や。
葉子）　何言うとるがいね。来なさい！
沙耶）　や～わいね！
希）　ちょちょ…とりあえず、事情を。
女性客）　なしたんけ。
希）　私が聞きたいです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

葉子）　この子は４月から、
　　　　輪島の理容学校に通うとるんです。
希）　あん！？ 学校さぼっとったんけ？
葉子）　うちは美容院やっとって、この子が継ぐ約束
　　　　になっとるんです。あんたも納得したはずやな。
希）　納得しとらんかったんけ？
沙耶）　言うても聞いてもらわれんし。
希）　いや、ほんでも嘘は駄目やよ。授業料かって、
　　ご両親に払てもろとるんやろ？
葉子）　ほれ見なさい！
　　　　誰や聞いてもほう言うわいね！
希）　世界一のパティシエになりたいがなら、隠れて
　　修業なんかせんと。ちゃんと、ご両親説得するぐ
　　らいの気持ちやなかったら、やっていかれんよ。
葉子）　大体、ほの世界一っちゅうがやもう話になら
　　　　んわいね。夢みてえな事ばあかし言うて。
沙耶）　　夢と違うし！
葉子）　夢やわいね！
希）　あの、嘘ついとったんは問題やと思いますけど、
　　世界一っちゅうがは、別に…。
葉子）　あん？
希）　一流のシェフの店で、勉強したり、フランス行っ
　　たり、世界的なコンクールに出したり、いいがに修
　　業をちゃ積めば、全くありえん夢でもないがでは。
葉子）　ほんなん特別な才能ある人の話やろいね。
　　　　普通はこうやって、現実的に店やったり…。
　　　　世界一？
希）　一応、目指しとって。
沙耶）　えっ、あれ、本当に世界一のパティシエ
    　　っちゅう意味やったんですか！？
希）　何やと思とったんけ。
葉子）　ほんなすごい人なんけ。
希）　いえ、全然すごくないです！
葉子）　さっき言うとった、ほの、世界的コンクール
　　　　とかにも、出したりしとるんけ。
希）　いえ、一度も…。
葉子）　あっ、ほんなら、フランス行ったり…。
希）　いえ…一度も。
沙耶）　横浜の、まんで有名なシェフの店で、
　　　　修業されとってんわいね。
葉子）　ああ、ほこで長い事…。
希）　いえ…４年間ぐらい。
葉子）　ほして、この店は…。
希）　７年ですね。
葉子）　ほして、これから世界け？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

藍子）　これからじゃもう遅いんけ、世界っちゃ。
希）　これからっちゅうより、ブランクの問題やね。
　　後悔しとる訳じゃないげんよ、今までの事。
藍子）　うん。
希）　ほんでも、子どもと店と、バ～ッって前だけ
　　見てやってきて、いつの間にかに７年たって。
　　何か、ザワッとするげ。
　　私のフランス菓子は、まだまだ全然本物に
　　なっとらんがに。いつかいつかで、
　　終わってしもうんじゃねえかなって。
（携帯の着信音）
電・希）　もしもし、みのり？
電・みのり）　あっ、希ちゃん、ほっちに匠来とるけ。
電・希）　匠？ 来とらんけど。
電・みのり）　おらんげよ、こっちにも。徹志と歩実
　　　　　　　もどこ行ったかわからんちゅうとって。
電・希）　えっ！？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「まれ」を楽しくご覧になっている皆様は、

この先は華麗にスルーでお願いします。

何か、腹立ってきたわ…。

まんで怖かった～。猫なで声に聞き慣らされた耳に
はまんできつかった。キツイ口調にビビっちゃったよ。
（ほとんどの人が沙耶に対してだと思ったはず～ｗ）

世界的コンクールに出た事もないし、フランスにも一
度も行ってないし、有名なシェフの店での修業もたっ
た４年、能登に店を出してから７年。ただ、それだけ。
世界一を目指してるというシェフの経歴のすべて…。

過去の自分の愚かさを、今頃？今更？ やっと気づ
いたらしい希。いやいやいやいや、遅すぎるからっ。
わざとそう描いてきたって言っても、その狙い、あき
らかに失敗してるからっ。これから反省しても遅いし、
ヒロインのキャラが酷すぎて、今更感が半端ないｗ
31歳になるまで、自分の愚かさに全く気が付かない
って…。そして、その気付きもどこまで分かっている
のか怪しいという…。おそらく、最後まで変わりよう
がないと思われるヒロイン。残りあと１か月だという
のに、全く魅力がないヒロインって、ある意味凄い！

沙耶ちゃんと並んで明らかに見劣りするのも残念。
せめてシェフらしく見えるように努力してくれていれ
ば…いまだに下手くそな手つきで、バイトの子の手
つきに負けているなんて…。せめてメレンゲのシー
ンぐらいは、プロっぽく見せてほしかった…(＠_＠;)

ヒロインが残念すぎる分、沙耶ちゃんがまともなキ
ャラでよかった～。やっと登場した普通の女の子が、
希あげする道具として使い捨てされませんように！ 

いつの間にかに７年たって。

何か、ザワッとするげ。

ハハハハ……。いつの間にか７年たって…
ザワッとしてるのは見てるほうだって！！！
もう、ず～～～～っと、ザワッとしてるよっ！

何か、腹立ってきたわ…。
（…と、冒頭に戻るｗ）

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