新春ドラマ特別企画「わが家」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

新春ドラマ特別企画
「わが家」

わが家

「家に帰ろう。一緒に帰ろう。」
バラバラに暮らしていた4人の家族が
海辺の「わが家」で繰り広げる
珠玉のヒューマンドラマ!

人材レンタル会社「友情物語」のスタッフ・桜木一歩
(向井理)は、都会の片隅で他人の孤独や心の傷を
埋める稼業を何となくこなす日々を送っていた。器量
がよく
客からの人気も高い一歩だが、30歳を過ぎて
も、自らは
家庭を持つ気は全くない。その理由は、子
どもの頃に父
・武士(長塚京三)が突然家を出て行っ
たという過去が
あるからだ。そんな一歩の実家は三
浦半島の海辺にあり、
今は母・鯛子(田中裕子)が一
人で暮らしている。一歩
にはバスガイドをする妹・ほ
の香(村川絵梨)がいるが、
同じ東京にいながら互い
に連絡先さえ知らない。鯛子は
正月さえ戻ってこな
い子供たちに不満を募らせつつも、
音信不通の夫や
子供たちがいつ帰ってきてもいい様に
気丈に家を守
っている。そんな鯛子のもとへ、ほの香から
「結婚す
るので先方の家族と会って欲しい」と電話が
入る。同
じ頃、常連客の一人暮らしのお年寄り・琴子
(草村礼
子)のもとで疑似家族を演じていた一歩にも
“ある仕
事”が舞い込んでいた。
「家族」とは? 「本当の親孝
行」とは? バラバラだった
家族の失われた絆が取り
戻される日は来るのだろうか…。

**********

一歩) ウサギってさ…。あんまり人に構われないと
    さみしさで死んじゃうんだって。
麗美) 構われ過ぎても死ぬって言うわよ。
一歩) へえ~。ウサギも人間も、めんどくせぇ。
麗美) めんどくせーね。
一歩) 顔見たら、何て言おうかずっと考えて
    たんだけど。無駄だった。

**********

武士) おやじを、3つの頃に亡くしてさ、自分の子に
    どう接していいかわからないんだよ。妙にくっ
    ついてみたり、ほっぽってみたり…。我ながら
    不安定な親だったと思うよ。うん。家庭っての
    がいまいち、腑に落ちてないんだよな。
    ハハハッ。
鯛子) 一歩と同じようなこと言ってる。
武士) えっ? へへっ。

**********

武士) 遺言残しとくかな。
一歩) えっ?
武士) 人間、無事に生まれて、無事に死ぬ。それだ
    けで一大事業なんだ。だから、あとはおまけだ。
    出世するのもいいが、あっちには、銭も名前も
    持ってけねぇ。へへへへっ。
    最近とみにそう思う。じゃあな。


**********

おやじの写真を1枚、引き剥がすたび、
胸に走った痛み。痛みは愛に似ていた。
憎しみの背中に、恋しい叫び声が、
張り付いていた。

**********

一歩) 親に捨てられた子供の気持ちが分かるか!?
    あんたに分かんのかよ!?

(武士を殴る一歩)
一歩) 世界中から、突き放されたみたいに、
    さみしくて、心細くて!

(武士を殴る一歩)
一歩) 親に捨てられた子って、生きてく自身もなくす
    んだよ! 「お前は要らねぇ子だ」って言われた
    んだから!
鯛子) そうじゃないのよ!

(武を殴る一歩)
一歩) でも…まだ…まだ胸ん中で、子供の俺がうず
    くまってんだよ。おやじの名を、呼びながら…
    泣き続けてんだよ! あんたに分かんのかよ?
    分かんのかよ!?
ほの香) お父さん、抵抗してないじゃないの!
一歩) やり返せ、ほら! やり返せ! やり返せよ!
    何黙って打たれてんだよ! おやじ~!
    うっ…うぅ…おやじ…。うっ…。


**********

(アルバムから剥がしてあった父親の写真)

一歩) 捨てようとした。破ろうとした。
    でもできなかった! ううっ…うっ…(泣)
鯛子) お父さんが家を出た理由は私なの。
    私…お父さんが船に乗ってる間、
    ほかの男の人と…。
    お父さん、モテる人だったから、あっちこっちで
    そりゃあ…。離婚を考え始めた時、船に乗り込
    んだのよ。相談もなく。はぁ…そんな時、クラス
    会で高校の先輩だった人と再会して。
ほの香) 長かったの? その人と。
鯛子) いいえ。お父さんには黙ってればよかったの
    かもしれないけど…。復讐の気持ちもあったの
    かもしれない。喋っちゃった。そして、お父さん
    は家を出たの。
ほの香) 浮気はお互いさまなんじゃないの?
鯛子) 男と女は違うもの。男は…
    電信柱に犬がおしっこ引っ掛けるようなものよ。
    女は気持ちが伴うから。
一歩) なんで待ち続けてたんだよ?
鯛子) 最大の恋文もらったからよ。殴るでもなく、怒
    鳴るでもなく、私が初めて見た涙ひと筋こぼし
    て出てったの。それ、最大のラブコールだもの。

**********

武士) 今日は、楽しかった。家って、家族のそれぞ
    れが懸命に努力しないと、壊れちゃうもんなん
    だな。一歩も、ほの香も、本当にいい子に育っ
    た。お母さん、ありがとう。あっ。俺の名前は書
    いて、ハンコは押してある。家は…入れ物だけ
    は、みんなに残してく。はぁ…。

**********

一歩) ずるいよ。
武士) えっ?
一歩) 人に後悔残して、
    自分は、カッコよく消えるのかよ。

(写真を一歩に渡す武士)
一歩) 俺とほの香?
    こんな写真見たことないけど…。
武士) こっそり様子見に来たことがあったんだ。
    その時写したんだ。かっこ悪いだろ?
一歩) 家に帰ろう。一緒に帰ろう。
    育ててもらった恩義は、返させてもらうよ。
武士) 恩義?
    そんなものはとっくに返してもらってるよ。
一歩) えっ?
武士) 3つ4つくらいまでの子供ってのは天使だよ。
    その愛らしさ、愛しさで、一生分の孝行はして
    もらってるんだ。いいことばっかりじゃない
    世の中に、勝手に送り出すんだしな。
一歩) 家を与えられ、食べ物を与えられここまで育
    った。命をもらった。生まれてきたことを感謝し
    ている。子の親への義理として、返さなきゃな
    らないものがある。
武士) じゃあ、その写真返してくれ。お守りなんだ。
一歩) おやじ。帰ってきてくれ! なあ、頼むよ!
    一緒に帰ろう。うちに帰ろうよ! お父さん!

**********

一歩) なんで?
武士) パスポートなくしてた。
一歩) 嘘だよね?
武士) へへっ。

(地面に線を引く一歩)
武士) またぎゃいいだけだ。
一歩) はぁ…。


**********

インターホン・鯛子) は~い。どなた?
インターホン・武士) ♪包丁一本 さらしにまいて
             旅へ出るのも 板場の修行
             待っててこいうさん 
             哀しいだろが ああ 若い…
鯛子) よっ!
    今だから言っちゃう。勢いで言っちゃうよ。
    もう一生言わないから。回り道して気が付いた。
    生涯にたった一人の男なんだよ。
    あんたに惚れてる。


**********

おやじと共に、わが家に、
季節ごとのしきたりと、正月が戻ってきた。


**********

向井理君が、思いのほかよかった。父親に捨てられ
た痛みを抱いて、今もうずくまって泣いている子供が
ずっと自分の中にいる、そんな息子を好演していて。

3歳で父親を亡くして、父親としてどう子供に接して
いいかわからなかったという父・武士。人は、愛され
て、愛することを学んでいくから。愛することに不器
用な父と息子の関係が、もどかしくも、切なくて…。

父親が出ていった本当の理由が明かされ、母親の
裏切りを知る子供たち。全くそう見えない人に限っ
て、案外と秘密を抱えていたりするんだよね~なん
て、リアルに思わせる展開にちょっとビックリ。でも、
夫婦の関係は、他人にはわからないものだから…。

地面に線を引かれ、来るなと言われ、その先に行け
なかった一歩。子供って真面目だよね。真に受ける。
ずっと父親に言いつけを守って、我慢してきた一歩。
その親父が戻ってきて、一歩は父親の前に線を引く。
一歩が越えられなかった線を、父親は、あっさり軽く
またいでしまう。あはは。うんうん。地面に描かれた
だけの線なんて、またいで越えちゃえばいいんだよ。
見えない境界線の先に、行っては行けないと思い込
んでいた一歩の心の境界線を越えてしまう父・武士。
子供は、自分が置いて行かれたと…愛されてないん
じゃないかと怖くて動けない。親が越えてくれないと。

一歩が気を利かせて、父親を一人で家に帰したあと
の、夫婦のシーンがよかった。思い出の歌を唄う父。
そこで、一生に一度の愛の告白をする母。なんだそ
りゃ!って、子供の立場なら呆れてしまうけれど、夫
婦にはそういう不思議な絆があるかもしれないって、
いや、あってほしいと思う、そんな、印象的なシーン。

「家族」とは? 「本当の親孝行」とは?
その答えは、人それぞれだと思うけれど…なんだか、
昔読んだ、大好きな漫画のセリフを思い出したりして。

家ってのは お前が行くことができ
人々がお前を 受け入れざるをえない所なのだ
        
三原順「はみだっ子」シリーズより)

重すぎず、軽すぎもせず、いいドラマでありました♪


●「わが家」HP


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