「花子とアン」第132回~事実を曲げてはいけない。それが放送というものです | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「花子とアン」 第132回
第22週 「新しい家族
事実を曲げてはいけない。それが放送というものです


花子) 「さて次は、犬の兵隊さんに、功労賞が贈られ
    たというお話です。この軍用犬の中には、皆さ
    んの
おうちで飼われていた犬もたくさんいます。
    その中の、あ
るおうちで飼われていた犬…
    テルは、戦地で元気に兵隊さんのお役に立っ
    ています。テル号は、隠れていた敵を見事に
    探し出し、兵隊さんをお守りするという、大変
    立派な働きをしましたので、この度、功労賞を
    与えられました」。

黒沢) テル…?


**********

美里) テル! テルだ! テルがニュースに出たよ!

美里を元気づけようと、
花子はニュースの原稿に書かれた軍用犬を、
テルという名前にして伝えてしまいました。


**********

有馬) 「これにて、「コドモの時間」を終わります。
    JOAK東京放送であります」。
    
有馬) 読み合わせの時と、
    原稿の内容が違いましたね。
花子) えっ…あ…。
有馬) テルとか、テル号とか。問題になっても、私は
    一切関わり合いになりたくございませんので。
    では、ごきげんよう。さようなら。
黒沢) 村岡先生。お話があります。
花子) はい。

**********

黒沢) 先ほどの放送で、原稿にない事をお話しされ
    ましたよね。犬の名前を、テル号と。
花子) はい…。申し訳ありませんでした。
黒沢) 先生はこれまで、子供たちが理解しやすい様
    に言い回しを変える事はあっても、今日の様に、
    本番で内容を変える事はなさらなかったのに。
    なぜ、テル号と付け加えたんですか?


まさか、自分の娘を元気づけたかったからとは、
とてもじゃないけれど言えません。

花子) 本当に申し訳ありませんでした。
黒沢) 子供向けのニュースであっても、事実を曲げ
    てはいけない。それが放送というものです。
    それに、政府の放送への統制が、一層厳しく
    なっている事は、先生もご理解頂いています
    よね。逓信省の検閲を終えた原稿を変更した
    となると…。
漆原) 何!?
黒沢) あ…漆原部長…。
漆原) 検閲済みの原稿は、変えてはならないと、何
    十回も申し上げているのに! 勝手に変えて
    逓信省に目をつけられたら、私の首が…番組
    に関わった、全職員の首が飛ぶかもしれない
    んですよ。
漆原) 局長は何て?
黒沢) 会議中だったので
    聞いてらっしゃらないと思います。
漆原) そう…。この際だから、申し上げておきます。
    村岡先生は、我々ラジオ局の立場というもの
    を理解してらっしゃらないようだ。
    いいですか?
    我々は、国民に、国策への協力を促す立場に
    あるんです。先生は、そういう社会の事には、
    全く興味がないかもしれませんが。
花子) いえ…そんな事ありません。
漆原) ご婦人というものは、家のことや子供のこと
    で頭がいっぱいで、他のことは何にも見ない
    で生きてますからねえ。
花子) お言葉ですが、女性の関心は、家の中だけ
    だけではなく、確実に社会に向いています。
漆原) では、我々組織の立場も、
    配慮して頂きたいですね。
黒沢) 村岡先生のお話を楽しみにしている子供たち
    のために、この番組は続けていきたいんです。
花子) 本当に申し訳ありませんでした。
    以後気をつけます。
漆原) …ったく、これだから女は。

**********

花子) ただいま帰りました。
美里) お帰りなさい。
    お母ちゃま! テルは元気なのね!
    テルは偉いのよ。
旭) うん。
美里) 戦争に行って、兵隊さんのお手伝いをした
    から、テル号っていう名前になったの。
    テルより偉い名前なのよ。
英治) 今日、お義兄さんが、美里に…。
花子) 兄やんが何か?
美里) テルはもう戻ってこないって言われて。
英治) 美里、泣いてしまったんだ。
花子) そ…それで?
英治) でも、放送を聞いてからすっかり元気にな
    った。テル号は、テルだと思ってるよ。

**********

(回想)
黒沢) 子供向けのニュースであっても、事実を曲げ
    てはいけない。それが放送というものです。

花子) (ため息)

**********

英治) 今夜は、テルテルって大はしゃぎだったから、
    すぐ寝ちゃったよ。…花子さん。
花子) 本当はね…今日の放送でお話した、軍用犬
    に、名前は付いていなかったの。私が勝手に
    テル号って付けてしまって…。ラジオを聞い
    てくれた子供たちに申し訳ない事をしたわ。
英治) 確かに、テル号なんて言わないほうが、犬を
    連れていかれた他の家の子供たちも、みんな
    喜んだだろうね。
    自分の犬も、戦地で活躍してるんだって。
花子) ええ…。
英治) でも…テルの事を想像してる時の美里は、
    本当にいい笑顔してた。
    瞳をキラキラ輝かせて。花子さんは今日、
    美里に素敵な贈り物をしたんだよ。
花子) そうかしら…。
英治) 僕はそう思うな。
花子) 私…たとえ世の中がどんな状況になっても、
    この子たちの夢だけは守りたい。
英治) ああ。

子供は、いつの時代も、美しい夢を持っています。
それを奪ってはならないと、花子は心に誓いました。

**********

花子) はい。青凛社でございます。
電・宇田川) 宇田川満代です。
花子) 宇田川先生。ごきげんよう。
電・宇田川) 報告したい事があるの。3時に
       かよさんのお店に来てちょうだい。
花子) てっ…今日の3時ですか?
電・宇田川) 必ず来るのよ。

(電話が切れる音)
醍醐の声) ごめんください。ごきげんよう。
花子) あっ、醍醐さん。
醍醐) 宇田川先生からのお招き、
    はなさんのところにも来たでしょう?
花子) ええ、たった今。

**********

子供) あっ、ラジオのおばさんだ!
子供たち) ごきげんよう!
花子) ごきげんよう。

(飛行機のエンジン音)
花子) ねえ醍醐さん。
    前にもここで飛行機を見た事があったわね。
醍醐) ええ。


(回想)
(飛行機のエンジン音)
ブラックバーン) Hana.
          (英語) これからの飛行機の進歩は、
          世界を平和に導くか、戦争をもっと悲
          惨なものにするかのど
ちらかです。
          我々人類は、この飛行機をどのよう
          に使おう
としているのか。
          平和か、戦争か。


花子) 最近よく、あの時のブラックバーン校長の言
    葉を思い出すの。「平和か、戦争か。それは、
    我々の上に懸かっている課題である事を、

    く考えておきなさい」。


**********

かよ) お姉やん、こっち。
蓮子) ごきげんよう、はなちゃん。醍醐さんも。
花子) 蓮様もいらしてたの?
蓮子) ええ。お招きの電報を頂いたの。
醍醐) やっぱり結婚なさるのかしら?
蓮子) まあ、ご結婚の報告?
    それはおめでたいわね。
かよ) それにしては宇田川先生、
    今日は地味ないでたちですよ。
男性) それでは、先生方、お願い致します。
宇田川) 私このたび、長谷部汀先生をはじめとする
     諸先生方のご推薦を頂まして、ペン部隊とし
     て、大陸の戦場へ向かう事と致しました。
花子) ペン部隊?
長谷部) 宇田川先生には、従軍記者として、
     戦地に赴いて頂きます。
宇田川) お誘いを受けて、すぐに決めました。日本
     軍の躍進ぶりを目の当たりにできる、またと
     ない機会ですもの。
長谷部) 私たちのために、命を懸けて戦って下さっ
     てる兵隊さん方の事、しっかり取材して書い
     て下さい!
宇田川) はい。
男性) 宇田川満代先生、万歳!
一同) 万歳!
男性) 万歳!
一同) 万歳!
男性) 万歳!
一同) 万歳!

時代は大きく動き始めておりました。

ごきげんよう。さようなら。

**********

子供向けのニュースであっても、事実を曲げ
てはいけない。それが放送というものです。

うんうん。ニュース番組である以上は、それが原則。
事実となれば、それがどんなへんてこな事実であっ
ても、納得せざるを得ないというか…。「事実は小説
より奇なり」と、感心して、受け入れるしかないし…。
これが創作部分であれば、思う存分、ツッコムところ
なのだけれど。事実なんだよね~。村岡先生、やる
なあ…(いい意味じゃないけどw)。愛息を亡くしてい
る事もあって、どうしても子供には甘くなってしまうの
か、普通に親バカだったのか…。それでも、ラジオを
聞いている他の子供たちの気持ちを思いやることで
反省する花子。そして、真っ当な発言をした後で、や
っぱり親バカ嫁バカぶりを発揮する英治。「テルの事
を想像してる時の美里は、本当にいい笑顔してた」っ
て…。それはラジオで嘘を言わなくてもできたんじゃ
ないの? 個人的に、こっそりと、嘘をつけばよかった
のでは? 公共の電波を使うなよ~!…とは思うぞw
あまあまな英治の発言に、ちょっとイラっとしてしまっ
た。叱るべきところは叱ろうよ~大人なんだから~。
自分の子供のためだけに、他の子の夢を奪っちゃダ
メだよ~。守るなら、みんなの夢を守ってくりょう~!

そして、久々に宇田川先生の登場。なるほど~戦場
の様子を書く「ペン部隊」ですか。確かに必要かも。
生活の中で、いろんな事が戦争に向けて変わってい
くんだなあと。戦争というものが、暮らしをどう変えて
しまうものか、まだまだ知らない事が多そうだなあと。

たくましい男性に弱そうな宇田川先生ならば、戦場で
また新たな恋に落ちるんじゃないかと、秘かに期待w
来週は、いよいよ「アン」との出会いが待っていそう♪


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