「花子とアン」第100回~甲府に帰った女たちとくんずほぐれつの男たち | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第100回
第17週 「腹心の友ふたたび
甲府に帰った女たちとくんずほぐれつの男たち


花子) どうぞ。
龍一) いつもすみません。
花子) いえ。こちらこそいつも、子連れですいません。
蓮子) 歩君、本当に可愛らしいわ。ごきげんよう。
    はなちゃん。私も、新しい命を授かったの。
花子) てっ…。
蓮子) 何があってもこの子を守るって、
    龍一さん言ってくれたの。
花子) おめでとう!
蓮子) ありがとう。元気な赤ちゃんを産むわ。


**********

1922年(大正11年)・初夏―

蓮子の駆け落ち騒動から、
8か月が過ぎました。
歩もすくすく成長しています。


花子) きんつばは?
英治) それも持った。
花子) お弁当も持ったし…それから…。
英治) 心配しなくても全部持ったって。
    早く行こう。
花子) ええ。
    さあ、蓮様のとこ行きましょうね。


**********

英治) ああ、蓮子さん。
蓮子) いらっしゃい。
英治) どうも。


蓮子と龍一は、龍一の父の古い友人である、
山川弁護士の家に、身を寄せておりました。

英治) 山川先生、度々家族で押しかけてしまって、
    申し訳ありません。
山川) いや~とんでもない。賑やかで私も楽しいで
    すよ。ハッハッハッハ。まあ、外に出られない
    蓮子さんの為にも、遊びに来てやって下さい。
英治) はい。
山川) では、ごゆっくり。
蓮子) ありがとうございます。
(お弁当を広げる花子)
蓮子) まあ、おいしそう。
花子) は~い。
蓮子) あっ、うちの子も…動いたわ。
花子) ねえ、これ、赤ちゃんの名前?


義雄 勉 博 秀夫 隆
サワ 光子 葵 櫻子 咲子


蓮子) ええ。龍一さんも私も、どんどん新しい名前が
    浮かんでちっとも決まらないの。
英治) うちもそうでした。
蓮子) へえ~そうだったの?
判子) そうなの。生まれるまで決まらなくて。
英治) それは花子さんが
    妙に名前にこだわってたからだろ。
花子) だって、人も物も名前って大事だもの。
蓮子) そうよ。「もし、バラが、アザミやキャベツという
    名前だったら、同じように香らないのではありま
    せんか?」。


おや?
昔、どこかで聞いたセリフですね。


(回想)
醍醐) 名前が何だというのであろう。
蓮子) ロミオ様。それはどうでしょうか? もし、バラが、
    アザミやキャベツという名前だったら、同じよう
    に香らないのではありませんか? やはり名前
    は大事なものです。


蓮子) やっぱり、名前は大事よね。はなちゃん。
花子) ええ。そのとおり!

(蓮子と花子の笑い声)
英治) (歩に) ママたちは本当に仲がいいなあ。
花子) 蓮様、どうかして?
蓮子) 最近、時々不安になるの。本当に、この子を
    無事に産んで守れるのかって…。
花子) 蓮様…。
蓮子) 世間はず~っと静かになったけれど、家の者
    たちは今も、私たちを血眼で捜し回っていると
    思うの。


蓮子の事件は、
まだ終わっていないのです。


花子) 「案ずるより、産むが易し」。
    私が歩を産む前に不安だった時に、
    蓮様がそうおっしゃったじゃない。
蓮子) (頷く)
    あっ、おかえりなさい。
花子・英治) お邪魔してます。

(カーテン・戸を閉める龍一)
蓮子) 龍一さん、どうしたの?
龍一) つけられていたようだ。
蓮子) えっ!?
龍一) 滅茶苦茶に走り回ったから、
    まけたと思うんだけど…。
山川) いよいよここも、危険になったようだな。
蓮子) そんな…。でも、どこへ行けば…。
花子) そうだ。しばらく、
    甲府の家に身を隠したらどうかしら?
英治) 君の実家か。あそこなら安心だ。
蓮子) はなちゃん…いいの?
龍一) 蓮子をお願いできますか?
花子) 任せて下さい。
山川) 龍一。お前もどこか別の場所に身を隠した方
    がいい。お前だって見つかったら、どんな目に
    遭わされるか、分かったもんじゃないからな。
龍一) でも、もう行く当ては…。
英治) それじゃあ、宮本さんは我が家へいらっしゃっ
    たらどうですか? ここよりは、安全でしょう。
花子) そうね。
龍一) でも、僕までご迷惑じゃないですか?
山川) 遠慮なんかしてる場合じゃないだろう。
    ご厚意に、甘えさせてもらったらどうだ。
英治) 遠慮なんか、いりませんから。あの…父や弟
    もしょっちゅう来るので、騒がしいかもしれない
    ですけど。
花子) 宮本さん、是非うちにいらして。
龍一) では、お言葉に甘えて。
蓮子) どうぞ、よろしくお願いします。

こうして蓮子は、
花子の実家へ行くことになりました。

**********

醍醐) 先生。やっぱり、
    嘉納蓮子を題材にして書くべきですよ。
宇田川) あなたもしつこいわね。
醍醐) 私、さらに彼女について調べてみたんです。
    調べれば調べるほど、彼女は、今の時代を反
    映してる存在だと思うんですよ。古い因習に縛
    られて、人生を諦めてしまった女性たちに、希
    望を与える為にも。是非、女性の宇田川先生
    が書いて下さい! お願いします!
宇田川) 私は白蓮の事など書きません。
     何度言われても答えは同じ。
醍醐) どうしてですか…。
宇田川) 共感するものがないからよ。それほどご執
     心なら、あなたが書けばいいじゃない。
醍醐) 私が…?
宇田川) 誰もあんな人に共感しないと思うけど。
醍醐) そうでしょうか?
宇田川) まさかあなた、本当に書く気?

**********

花子) おとう。おかあ。ただいまけえりました。
ふじ) おけえり~歩!
吉平) 歩。グッド・イブニング、歩!
ふじ) よしよしよ~し。よ~しよしよし。
花子) よかったね。蓮様、足元気を付けて。
蓮子) ごきげんよう。お父様、はじめまして。
    お母様。大変ご無沙汰しております。
ふじ) おかあでいいだよ。よく来たね、蓮子さん。
蓮子) おかあ…。この度は、お世話になります。
吉平) 自分のうちだと思って、
    くつろいでおくんなって。
蓮子) ありがとうございます。
ふじ) 蓮子さん、くたびれたら?
    さあさあ、上がって休めし。
花子) おとう。ありがとう。
蓮子) ありがとうございます。
花子) おとう、おかあ、ちっと。ちっと、ちっと。ちっと。
    (小声で) わかってるらね。
    蓮様がここにいるっていう事は、
    絶対に誰にも知られちゃいけんだよ。
吉平) おう。任しとけし。おらたちが、守ってやらあ。
ふじ) こぴっと秘密にするさよう。
花子) リンさんだけには、
    絶対に知られんようにしんと。
ふじ) うん。
リン) おらがどうしたって?
吉平) てっ!
ふじ) てっ!
吉平) どっから湧いて出たでえ?
リン) 失礼ずら。人の事を虫みてえに言わんでくれ
   ちゃ。ちゃんとこの戸からへえってきたじゃん。
   あらあら、これがはなちゃんのボコけ。
   可愛いじゃんね~。
花子) ほ~ら、歩。よろしく。リンおばさんだよ~。
リン) リンおばさんだよ~。リンおばさんだよ~。
   なにょう隠してるでえ?
ふじ) あっ!
吉平) あっ!
リン) てっ! あ…あんた…石炭王に嫁いで駆け落ち
   した、伯爵のお嬢様の蓮子さんじゃんけ! こん
   な田舎まで駆け落ちしてきただけ! 相手の帝大
   生っちゅうのはどこでえ? えっ? どこ…。
   てっ! ボコが生まれるだけ!?
蓮子) あ…ご無沙汰しております。
    朝市さんのお母様。
リン) ああ…てっ。こりゃどうも。
花子) おばさん、こぴっと聞いてくれちゃ。
リン) 何でえ? ほんなおっかねえ顔して。
花子) 蓮様がここにいる事は、
    絶対に秘密にしてくりょうしね。
吉平) 誰かに、知られでもしちゃあ、
    蓮子さんの、身が危ない。
リン) て~っ! ほんな危ねえ目に遭ってるだけ!
   分かった。蓮子さんの事は、誰にも言わん。
花子) 絶対に?
リン) うん! 絶対、絶対、絶対に言わんさよう!

**********

(子供の名前を紙に書き出している龍一)

英治) 悩みますよねえ。
龍一) はい。
英治) あっ、風呂沸いてますよ。
龍一) あ…ああ、お先にどうぞ。
英治) じゃあ。


**********

(戸を叩く音)

嘉納) ごめんください。
    おまんは…あん時の…。


(回想) 
龍一) これはこれは、石炭王の、
    嘉納伝助…様では、ありませんか。
嘉納) お前の、知り合いか?
蓮子) …いいえ。


嘉納) 貴様か…。貴様やったんか…。
    蓮子はどこじゃ…。言わんか~!
    蓮子はどこにおるとか!?
龍一) ここには、いません。
嘉納) とぼくんな! 蓮子はどこじゃ。どこじゃ~!
英治) 嘉納さん?
嘉納) 言わんか~!
英治) 嘉納さんいけません! 暴力はいけません!
    嘉納さん! 嘉納さん! 嘉納さん!
    いけません、嘉納さん! ちょっと…あなたも!
    見てないで止めて下さいよ!
嘉納) どかんか! 待たんか! 蓮子はどこじゃ~!
    蓮子はどこじゃ~! 言わんか~!


**********

蓮子) おかあのほうとう、やっぱり天下一品です。
ふじ) 蓮子さん、ボコの名前はもう、考えただけ?
蓮子) それが、まだ迷ってるようで。
吉平) 急がんきゃ、生まれちもうじゃんけ。
蓮子) 生まれるまでには、まだ時間がありますから。
花子) パパたち、どうしてるかね?


パパたちがくんずほぐれつの大格闘をしているとは、
夢にも思わないママたちでした。

ごきげんよう。さようなら。


**********

やはり、全く料理をする気がない龍&蓮カップルに、
親鳥のように、食べ物を届けていたらしい花子の図。
料理は作れなくても子供は作れる2人でありました。

今回、ちょっと驚いたのは、醍醐ちゃんが白蓮の話
を書くことになりそうな、まさかの醍醐ちゃんも作家
になっちゃうのかYO!っていう展開。世間が白蓮に
同情し共感してしまうようなお話を書いちゃうのか?
作家先生になっちゃうのか? 醍醐ちゃん。期待しち
ゃうけど、大風呂敷を広げても大丈夫なのかと心配。

それにしても…どうして、山川弁護士さんの家の次
の隠れ先が、花子の実家、英治の家になるのかな。
英治の家は伝ちゃんも知ってるし、花子の実家も調
べればすぐにわかるし、何より花子が一番マークさ
れてしまう人物だというのに。というわけで、案の定、
さっそく伝ちゃんが訪ねてきちゃって鉢合わせの図。

バカか? バカなのか? わざとなの? 狙ってるの?
話を花子に繋げたい、甲府に繋げたいのはわかるけ
ど…一体どこが用意周到だったのかとナゾすぎる駆
け落ちの顛末がお粗末すぎて、どうにもこうにも…。
龍一と伝ちゃんが英治の家で鉢合わせって…あ・り・
え・な~い! てか、バカバカしすぎるし、アホすぎる。

おしゃべりリンさんに蓮様の事を知られないようにっ
て…正気ですか?って話ですよ。コントも笑えないし。
何だろう? 今まで作り上げて来た設定をぶち壊す展
開で、話を強引に進めようとしているとしか思えない。
白蓮のお話は、史実通りの方がよかったんじゃね?
ここまでとっちらかってしまったら、後はもう、さっさと
白蓮事件が終わるのを待つしかなさそうです(溜息)。


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