「最後から二番目の恋」第2話~ひとりって切ないくらい自由 | 日々のダダ漏れ

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「最後から二番目の恋」

最後から二番目の恋

第2話(再放送)

ひとりって切ないくらい自由


祥子) バカじゃないの?
啓子) 何考えてんのよ?
千明) だってさあ。
祥子) 千明、あんたさ、いい男で若いんでしょ?
    ワイルドで癒し系なんでしょ? ね、そうなん
    でしょ? それがしようって言ってんでしょ?
啓子) もったいない!
千明) だってさ。
祥子) だって、何? 人生であと何回セックスできる
    かどうかわかんないのよ。
    ゼロかもしれないのよ。
千明) だってさ、お隣りさんだよ。しょっちゅう顔合わ
    せんだよ。後腐れあり過ぎじゃん。それに私さ、
    有り金はたいてあの家買っちゃったんだよね。
    だからあそこにずっといるしかないわけ。
    それあんたたちのせいでもあるわけ。
祥子) それは別の問題。
啓子) 体と家は別の問題だから。
祥子) そんな事でひるむような女じゃないでしょ?
    あんたは。
千明) まあ、そうですね。
祥子) 結婚とか子供とか諦めて、一人で生きてくつ
    もりで引っ越したんでしょ? もう男に食わせて
    もらおうとか思ってないわけでしょ?
千明) 思ってないすっね。はい。
祥子) だったらさ、そんな都合のいい男いないじゃ
    ない。ボランティアしてくれるって言ってるんで
    しょ?
千明) 何か言ってんですよね。
祥子) だったら、ありがたく頂きなさいよ。45にもなっ
    たら、据え膳食わぬは女の恥なのよ!
    わかった?
千明) わかりました。

**********

啓子) 最後の恋か。もう、終わってんのかなあ?
    私こないださ、夜中情けないなと思ったんだけ
    ど、昔付き合ってる男をね、ネットで検索して
    みたの。
千明) うわ~。で? どうだった?
啓子) 凄く偉くなってて、嬉しかったり、
    ちょっとこう、切なかったり、みたいな。
千明) 何か分かる気がする。
啓子) 分かる?
千明) あれ? ちょっとやってませんか?
    何?何?何?
啓子) あ~いたね、シュウちゃん。
祥子) 分かる? 覚えてる?
千明) シュウちゃんね。
祥子) ヒットしない。
啓子) 年下だよね。育たなかったね。
祥子) え? そういうこと?
千明) そういうこともあるんだねえ。
啓子) ちょっと残念ね。
祥子) いや、がっかり~。
千明) ちょっと私も。
祥子・啓子) 誰?
啓子) あ~! いたいた。渋いとこいくね。
祥子) ねっ。ごにょごにょんの。
啓子) うにょうにょって感じの。
    わかる、そのニュアンス。
祥子) 分かるでしょ? どした?
千明) …死んでるね。
啓子) わっ。

**********

千明) どんなに辛い事があったか分かんないけどさ。
    まだ若いしさ、絶対取り戻せるよ。いきなり元気
    出せって言われても、そんな簡単にはいかな
    いかもしれないけどさ。もしもさ、恋なら、まだ
    絶対に次があるから! ねっ! ほら。私なんか
    の年になっちゃうとね、なかなかはい次って訳
    にはいかなくてさ。素敵だなあって思う人がい
    たら絶対結婚してるしさ。そうじゃない人と出会
    っても、仕事が忙しくて、いつの間にか振られ
    ちゃったりさ。もしかしたらさ、もうこの先、恋も
    しないで終わっちゃうのかもしれない。でもさ、
    万理子ちゃん、まだ若いから。ねっ、まだまだ
    取り戻せる。傷ついたって大丈夫。だってまだ
    35でしょ。いい年頃じゃないの。戻れるものな
    ら戻りたいもん。私だってそのくらいに。ねっ。
    だから大丈夫だから。絶対に次があるから。
    失敗したって、もう絶対大丈夫だから。私だっ
    てね、もういっぱい失敗して生きてきたんだよ。
    ねっ。最後の恋なんかさ、ホントにひどい終わ
    り方でさ。あれが最後かと思うと、私も結構き
    ついんだよねえ。年下の子とさ、何かちょっと、
    いい感じになってさ。もうじゃ一緒に住んじゃえ
    って、暮らし始めたのね。でもさ、まあ、なんか、
    こう重いって思われるのがやだからさ。ちょっ
    とこう、あくまでも軽いノリみたいにしてたんだ
    けどさ。実は私結構浮かれててさ。ありゃ、私、
    本気だったんだよね。出来もしない料理いそい
    そと作っちゃったりさ。寝てていいよっていうの
    にじとーっと、待っちゃったりさ。ついつい仕事
    場に電話しちゃったりさ。うざいでしょう? ねえ、
    もう今考えただけでも恥ずかしいもんね。でね、
    付き合って、そうだね。2週間ぐらいたった時か
    な。仕事早く終わったからさ、お肉とかさ、おし
    ゃれな野菜とかさ、ワインとかさ、いっぱい買っ
    たわけ。若いからサーロイン好きだろうなあっ
    て感じでさ。もういっぱい包みかかえてさ、帰っ
    たらね…。いなかったんだよね。荷物もきれい
    になくなっててさ。「ごめん。無理」って、玄関と
    こにさ、ぺたって貼ってあったの。ポスト・イット
    が。ポスト・イットだよ~。あれが、私の人生の、
    最後の恋になっちゃいそうなんだよねえ。
    …ハハッ。私、何話してんだろ。ごめんごめん
    ごめんごめん。ねっ。だからさ、それに比べた
    ら、万理子ちゃんなんかまだ若いんだしカワイ
    イんだし。まだまだ取り戻せるよ。ねっ、ほら、
    元気になってきたでしょう。ほら、万理子ちゃん
    には、まだ未来があるんだから。ねっ、さあ元
    気になってきた。そろそろ扉を開けてみようか。
    …普通開けるよね? このタイミングで。何よ?
    今の全部無駄? 今の、全部無駄ですか?
    ねえお願い。お願い、開けてよ。私ね、開けて
    くれないと今ね、死ぬほど恥ずかしいの。
和平) いや。
千明) 恥ずかしくて死にそうなの。

**********

千明) 私何か、途中から変な事言いましたよね。
    ハハッ。恥ずかしい。あのう、笑って下さいね。
    あの、後でも、思い出して笑って下さい。
和平) 笑いませんよ。笑いません。いいじゃないで
    すか。どんな形であれ、ちゃんと恋が終わった
    んだ。好きだったんでしょ? その、ポスト・イッ
    トの彼のこと。
千明) ええ。
和平) じゃ、いいじゃないですか。
    それに比べて、私はダメです。妻に、先立たれ
    た男はダメですね。突然、事故でいなくなって
    しまったんで、何だか、結論が出てないんです
    よ。私は、妻との恋が最後だったのか、そうじ
    ゃなかったのか。私の恋は、もう終わりなのか。
    よく分からないんですよ。フッ。だからあんな
    風に、笑える…いや、笑えるっつったら失礼で
    すけど、最後の恋ネタを持ってるあなたが羨ま
    しいです。
千明) そうですか?
和平) ええ。それに、最後かどうかなんて分らない
    ですよ。まだ若いんだし。45と、50は違うんで
    すよね。
千明) ええ。そうですねえ。

**********

千明) あのさ、真平君。
真平) うん?
千明) こないだのお誘いってさ…。お断りしといて今
    さら言うのもあれなんだけど…。
    あのお誘いって…。まだ、いきてる?

**********

45にもなったら、
据え膳食わぬは女の恥なのよ!

思わずウフフと思っちゃう台詞。処女が切り札になる
年齢じゃないし、まして恋愛の機会もめっきり減って
くるお年頃となれば、目の前に据え膳があったら、と
りあえず食っておけ!って、言っちゃうね、私もきっと。
恋愛もSEXへの価値観も、年齢とともにというか、経
験によって変わっていくもの。20代と40代の恋愛とで
は、やっぱりちょっとメンタリティが違う。同じ恋は恋
でも、自分の優先順位も相手の優先順位も変わって
くるし、何が幸せかと考えることも、違ってきたりする。
若さで突っ走れる恋もあるし、中年だから出来る恋も
あるかもしれないなあと。そこらへんが、年を取って
いく面白さだったりもするし。恋とは結構、奥が深い。

今回万理子を部屋から出すために、千明が語った、
恋バナに出てきた「ポスト・イット男」が、「続・最後か
ら二番目の恋」に登場。あの恋の真実が、明かされ
るのか、焼けぼっくいに火はつくのかが、お楽しみ♪


●第2話のリアルタイム視聴時のブログ↓
第2話~ロールキャベツ男

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●「最後から二番目の恋」HP


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