「あまちゃん」第13回~嘘でもよかった娘、嘘では嫌だった母 | 日々のダダ漏れ

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「あまちゃん」 第13回(完全版)
第3週 「おら、友達ができた!」
嘘でもよかった娘、嘘では嫌だった母


<駅のホーム>
(発車のベル)
アキ) ママ…。
(アキを列車から降ろす春子)
大吉) あれ? 春ちゃん!
春子) ごめ~ん!
大吉) アキちゃん!
 なして? なして俺だけ?
 春ちゃ~ん!


**********

<天野家>
アキ) ばあちゃんただいま!
夏) え? エヘヘヘ!
 早すぎっぺ!
アキ) ただいま。
(笑い声)



春子) 何で来なかったのよ。
夏) ああ?
春子) 待ってたんですけど!
夏) 何でって、ワカメが岩さ
 いっぺえくっついたがら、
 誰がに取られるめえに。
春子) 今日じゃなくて、あん時だよ!
夏) 「あん時」?


**********

 春子) 待ってたのあん時。
 お母さん追っかけてくるん
 じゃないかと思って。
 
回想・1984(昭和59年)
(列車からホームを見ている春子)
大吉) すいません! 申し訳ないです。
弥生) 春子! なすて乗ってんだ!?
 
春子) どんだけ愛情薄いか知んない
 どさ、18の娘が高校辞めて家出する
 って言ったら、嘘でも止めるじゃん。
 追いかけてくるじゃん!
夏) ああ、あん時か。
春子) あん時嘘でも駅まで来てくれて、
 嘘でも「行ぐな」って言ってくれたら
 考え直したかもしんないじゃん。
夏) 家出するとは知らねがったもんで。
春子) はっ! 嘘ばっかり。
 寝たフリして、全部聞いてたくせに!
 
回想・1984(昭和59年)
春子) 私…やっぱり海女やりだぐねえ。
  東京さ行ぎでえ。

 
春子) あん時ちゃんと応えてくれてたら、
 こんなに拗れなかったんです! 嘘で
 も正月とお盆には、嘘でも旦那と孫の
 顔見せに嘘でも帰ってこれたんです!
夏) 嘘ついてまで帰ってきてほしくね。
 去る者は追わずだ。おらそうやって
 生ぎできた。とうちゃん送り出し、
 娘を送り出し、おらぁここさ残る。
 それが、袖の女だ。

(ワカメの入ったバケツを蹴飛ばす春子)
 夏) 何すんだこのわらし!
春子) 娘とワカメどっちが大事よ!?
夏) ワカメだ! 
 ワカメは食えるが、娘は食えねえ。
春子) 憎ったらしい…。
夏) 何だ? わざわざ文句言いに
 けえってきたのか。
春子) こっちで暮らすって
 決めましたから。
 あんたと暮らしますよここで!
アキ) ママ…。
春子) この子のためじゃないです
 から。私のためですから。
 悔しいからこのままじゃ。
 今度出ていく時は、
泣きながら、
 旗振ってもらいますから。
夏) 春子。
春子) …何よ?
夏) 何か言うごとあんでねえか? 
 言うなら、今でねえか?
春子) …ただいま。
夏) おかえり。
(家に入る春子)
夏) フッ…ア。ッハッハッハッ。
アキ) ただいま!

 
**********
 
(道を走るアキ)
 
**********
 
<漁協>
アキ) ただいま!
かつ枝) えっ!?
美寿々) 早がったな!
弥生) 早すぎっぺ。
アキ) 何かママが急に、
 東京行がねえって。こっちで
 暮らすって言い出したんだ!
安部) 春ちゃんが!?
かつ枝) まあ何だかよくわかん
 ねえけど、いがったな!
アキ) うん! アハハハッ。
かつ枝) 上げれ上がれ。


**********
 
<天野家>
大吉) 春ちゃん。春ちゃ~ん。
 春ちゃ~ん! 荷物だけ宮古さ
 行って帰ってきたど…。
夏) や~がましいなあ。
 灯台の方さ行った。ああ!
 今、ナーバスんなってっから、
 そっとしとけ。
大吉) ナ…ナーバス?
夏) ニヤニヤして…。
大吉) いやだって、
 こっちで暮らすんだべ?
夏) 娘のためでなく、
 自分のためだってよ。
大吉) 春ちゃん…。


**********
 
<灯台>
(昔自分が描いた
 落書きを指でなぞっている)
東京 原宿 表参道

春子) そんなにいいもんじゃないよ…。

**********
 
<駅のロータリー>
ユイ) そっか…。
アキ) そうなの。
 こっちで暮らすことになったの。
ユイ) じゃあ、東京遊びに
 行けなくなっちゃったね。
アキ) あっ、そっか。ごめん。
ユイ) ううん、平気。
 ユイの方がアキちゃんより
 東京の事詳しいみたいだし。
アキ) ごめん。フフフッ。
 あっそうだ! これ。
 お兄ちゃんさ返してけろ。
ユイ) 何これ?
アキ) 西新宿の、カレー屋のサービス
 券、もらったんだけど、使わないから。
ユイ) お兄ちゃんが? アキちゃんに?
アキ) んだ。
 
(回想)
ヒロシ) これ、西新宿の、カレー屋の
 サービス券。あと1枚あれば、カレー
 1杯タダで食えっから。
 
ユイ) 何で?
(考えるアキ)
アキ) わがんねえ。
ユイ) アハハハ…。
 でもいいの? 学校の友達とか。
アキ) いないから平気。
ユイ) えっ?
アキ) 友達も、彼氏も、
 好きな人もいない。
 悩みを打ち明ける相手もいない。
 こう見えで、
 東京だと全然キャラ違うんだ。
ユイ) 私もそうだよ。
アキ) え?
ユイ) 仲いい子はいるけど…
 友達じゃないっていうか。
 みんなそうなんじゃない?
アキ) そっか…。そんなもんか。
ユイ) そんなもんだよ。
アキ) じゃあこの町好き?
ユイ) 好きとか嫌いとか、
 考えたことない。海も、自然も、
 いいなって思った事はあるけど、
 あんまり見ないようにしてる。
 卒業するまでだからね。
アキ) ふ~ん…。
ユイ) ねえ高校どうするの?
アキ) あっ、まだ考えてないけど…。
ユイ) ホント!? 北高にしなよ! 
 ユイの高校。一緒に通えるし…。
 ねっ? そうしよ。
アキ) うん。


**********

9月になって、
アキは北三陸高校に
転入手続きをしました。

(発車のベル)
(制服姿のアキが列車に飛び乗る)
(乗っているユイに微笑むアキ)
ユイ) (制服が) 似合うじゃん。
アキ) え~そうがなあ?
ユイ) 自転車は?
アキ) 大吉っつあんが買ってくれたんだ。


高校は、北鉄の終点から、
更に5kmほど離れているので、
生徒の多くは、
駅に自転車を止めています。

アキ) おはよう!
大吉) あ~来たかアキちゃん。
 ほれ新車だど。盗まれねえ
 ようにちゃんと鍵掛けろ。
アキ) ありがとうね!
大吉) うん。


**********

(自転車に乗るアキとユイ)
アキ) あ~!
ユイ) アハハッ、大丈夫?
アキ) やばい!
ユイ) アキちゃんファイト!
アキ) あっ見えた!
ユイ) ほんと?
アキ) あれ?
ユイ) そう!


**********
 
<教室>
担任) え~東京から越してきた、
 転校生の、天野…。あれ?

(黒板に「黒川 秋」と書くアキ)
アキ) あっ、お母さん、
 天野って言ってました?
 じゃあ天野にすっぺ。
担任) 「すっぺ」って…
 本当はどっちなの?
アキ) どっちでもいいんだ。

(「黒川」を、「天野」と書き直すアキ)
担任) いやいやいや、いぐねえべ。
アキ) アキちゃんって呼んでけろ。
 よろしぐ。

もちろん、喜んでいる人間
ばかりではありません。

**********

電・正宗) そうか…。
 それはよかった。
 アキが元気なのはいいことだ。
 うん。アキのためには…。
春子) だから、アキのためじゃ
 なくて私のためなんです。

春子には、引き続き店を
手伝ってもらう事にしました。

電・春子) 何でわかんないかな…。
 手紙ちゃんと読んだあ?
電・正宗) 読んだよ。
 持ち歩いて、何度も読んでる。
電・春子) 要するにそういう事よ。
 今、私にとって、母親と向き合う時間
 が大切なの。24年間、普通の親子と
 は明らかに時間の流れ方が違う訳
 でしょ? まあ幸いさ、母も、年取って
 丸くなったし。今更なんだけどさ、さん
 ざん親不孝してきたからね。
電・正宗) お母さんに対する君の想い
 は十分に伝わったよ。でもね…。
 僕のことが書いてないんだよ。
電・春子) え?
電・正宗) 離婚の理由を、手紙に
 書いたって言ってたよね。
 なのに、名前すら書いてない。
電・春子) 書いてない?
電・正宗) 正宗の、正も、宗も、
 書いてないよ。
電・春子) ああ…宗っていう字が
 難しいからじゃない?
電・正宗) 全然簡単!
電・春子) さとう宗幸の宗だもんね。
電・正宗) 覚えててくれてうれしいよ…。
電・春子) …っていうかそのさ、まず、
 家族の事を第一に考えるっていうの
 をやめてみようか?
電・正宗) じゃあ、僕は、何を
 第一に考えたらいいのかな?
電・春子) 安全運転とかさ。
電・正宗) 考えるよ。他には?
電・大吉) 再婚とか?
電・正宗) えっ、再婚?
電・大吉) 再婚しろ再婚。
 なんぼ待っても春ちゃんは帰んねえ。
 さっさと再婚相手見つけろじゃ!
♪(通話が着れた音)

**********
 
<喫茶リアス>
大吉) いや~実に気持ちがいい。
 ローカル線が、モータリゼーションに
 勝利した歴史的事件だべ。
春子) 電車乗ってるからって大吉
 さん選んだ訳じゃないし。えっ?
 いやいや…そもそも選んでない
 からね! 勘違いしないで今…。
大吉) もう手遅れだべ。
春子) えっ?

(ドアベル)
春子) いらっしゃいませ~!
大吉) あっ、足立先生んとこの足立…。


あまちゃん(13)

ヒロシ) ヒロシです…。

あまちゃん(13)

ヒロシ) 東京、行かなかったんですって?
春子) うん。ちょっと、気が変わったの。
ヒロシ) アキちゃんは?
春子) 浜じゃないかな?  最近、放課後
 はおばあちゃんにベッタリだから。
ヒロシ) 何だ…。じゃあ監視小屋の
 バイト辞めるんじゃなかった。
春子) 辞めたの?
ヒロシ) はい。暇すぎて…。
春子) で? 辞めて今何してんの?
ヒロシ) すげえ暇です。


**********

とにかく、母春子の決断のおかげで、
アキはこの町に残る事ができました。
しかも、今度は無期限。
大好きな海で、
大好きな海女さんたちと、
好きなだけ泳いで、潜っていいんです。


(絣半纏に着替えたアキ)
アキ) よ~し! 
 今日こそウニ取るぞ!

長く潜れるようになったものの、
アキはまだ、
ウニを取る事ができません。
一番近づいて、この距離です。

 
(ウニははっきり見えるが手が届かない)
 
(回想)
夏) ウニだと思うから取れねえんだ。
 これからは、銭だと思え。


ウニが銭だとしたら、アキはまだ
一円も稼いでない事になります。
アキは、早くも新たな壁に
ぶつかっていました。

**********

18歳の自分(心)をホームに置き去りにした
まま、東京で暮らしてきたのかもしれない
春子。そのことに気づいて、もう一度ちゃん
と親子を、母と娘をやり直そうと決めたの
か。春子の言い分がまるで高校生だし、た
だいまの言い方も、拗ねて照れた高校生
そのもの。子供のまま。でも、やっと言え
た。追いかけてほしかった気持ち。止めて
欲しかった気持ち。それでも東京に行った
かもしれなくても、追いかけてきてほしかっ
た気持ちはわかる。愛されてるって感じた
かったんだよね、わかりやすく示してほし
いのが子供の心。嘘でもいいから、嘘じゃ
嫌だけど、嘘ってことにしてでもいいから、
欲しい気持ちがある。素直になれない意
地っ張りは、似た者同士。娘とも、夫とも
ちゃんと話をしないところも、似た者同士。

子供の、アキのせいにしないで、自分の為
に残ったという春子はなかなか潔くていい。
春子の長い長い反抗期が終わるのは、
いつになることやら・・・フフフ。

それにしても…正宗さんが可哀想。自分の
名前すら書かれていない、たぶん、春子の
母への想いだけが綴られていたのだろう手
紙。それを離婚理由と言われても納得しよ
うがないだろうし。変な男が「離婚しろ」と
か言ってくるし。大吉が、マジウザすぎる!

そして今日のツボは、何といっても、あの、
ヒロシ! 芸人ヒロシのあの音楽に乗って
「・・・ヒロシです」と言わせるセンスに
笑った笑った! 実に・・・おもしろい♪

(ここからは追記、
 全放送終了後の感想となります)
 
春子) 娘とワカメどっちが大事よ?
夏) ワカメだ! 
 ワカメは食えるが、娘は食えねえ。

このシーンでの夏のセリフ、
最初に耳で聞いた時は、
「ワカメは増えるが、娘は増えねえ」
と言ったと思っていて、
面白いなあと思っていて…。
(当初は、字幕を見ないで耳だけだった)

クドカンがテレビで、このセリフについて
語った時に、初めてその間違いに気づい
た訳で。どうやら、同じように聞き間違っ
ていた人が多かったらしく、クドカン自身、
間違いの方が面白いじゃないかと思った
と。うんうん。増えるの方が面白いよね。

何度観てもおかしい、
ヒロシの、「ヒロシです…」。
あの曲は、1970年のイタリア映画
「ガラスの部屋」の主題曲、
「ガラスの部屋」 。
原題:
Che vuole questa musica stasera ↓

Che Vuole Questa Musica Stasera - Peppino Gagliardi

芸人ヒロシと、あまちゃんヒロシの、
リンクがいい!小池徹平が、一皮
むけそうな気がした瞬間だったよ♪


2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(13)~第3週「おら、友だちができた!」

 

2023年の再放送時の感想はこちら↓

第13回~3週「おら、友だちができた!」

 

「あまちゃん」関連ブログはこちらから↓

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