ちょんまげぷりんのプリン | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

グレーテルのかまど (アンコール放送)
ちょんまげぷりんのプリン




プルンプルンの食感と、香ばしいキャラメルの香
り。大人から子供まで、み~んな大好きなスイー
ツ、プ
リン。そのプリンをタイトルに銘打った、
物語があり
ます。その名も・・・ちょんまげプリン。

江戸時代から現代にやってきた侍が、
主夫として
慣れない家事や子育てに奮闘するお話。
今回は、真面目で誠実な侍がプリンを通して、
私たちに教えてくれる事を探ります。

**********



現代に、侍がタイムスリップしてくるという、
奇想天外な小説、ちょんまげプリン。
映画にもなり、話題に
なりました。



安兵衛) プリンとは・・・
     これはまたなんとも・・・
     かように甘く、とろける美味。
     味おうた事はござらん。
          「映画ちょんまげぷりん」より

33歳のシングルマザー、ひろ子と、
6歳の息子、友也のもとに、
突然、江戸時代からタイムスリップしてきた侍。
その名も、木島安兵衛。親子の家に居候する
間、主夫として家事を行い、料理の腕が上達す
るうちに、その腕が認められ、パティシエになっ
てしまうという、奇想天外なお話です。

**********

その安兵衛が現代に来て、
親子の家に招き入れられた時、
差し出されたのが、プリンでした。



牛乳と卵の、まろやかさと、
カラメルの香ばしい香り。

日本人になじみ深いこの味に、時代を越えて
出会った安兵衛は、度肝を抜かれるのでした。

**********

ひょんな事から、ひろ子と友也の家に居候する
事になった安兵衛。生真面目な性格から、働く
ひろ子を、主夫として支える事になります。

そのストーリーを生み出した作者、荒木源さん
のご自宅を訪ねました。

きちんと整頓されてますね~。



(荒木源)
映画はイケメン俳優さんの主演で、映画化され
てしまったので、言うのが非常に恥ずかしいん
ですけど、モデルとして、自分なんですよね。


実は、荒木さん自身も、家事に取り組む主夫。

(荒木源)
1階は、拭き掃除するんですよね。
必ず、風呂の残り湯でやるわけ。
掃除の最後には、風呂も洗うし。

こだわりを持って、誠実に家事に取り組む姿は、
確かに、安兵衛を彷彿とさせます。

(荒木源)
ついでに、
風呂おけや風呂椅子なんかを干したりもします。

もともと新聞記者だった荒木さん。事件担当で、
休みの日でも携帯が鳴り、常に臨戦態勢。そん
な日々を送る中、転機が・・・。1996年、小説家
になるため、新聞社を退社したのです。働く妻
に代わって、家事は自分の役目。中でも大変だ
ったのは、子育てだったと言います。

どこのお母さんも体験している事でしょうけど、
寝てくれない、夜中に起こされる。正直、新聞
者やってて、真夜中に、ポケベルがピコピコ鳴
ったりするのと一緒ですよね。こっちとしては。
いつ来るか全然わかんないし、あと・・・いつ、
平和になるのかも、先が読めないんですよね。

そんな風に、息子を育てた経験も、
物語には生かされています。
例えば、子供のお手伝いについては・・・



安兵衛には辛抱強く見守る忍耐と、
「やらせなければいつまでたってもでき申さぬ」
と失敗を恐れない度量があった。
またやらせるからには子供だからといって
いいかげんに終わらせない。
             「ちょんまげぷりん」より


その結果、友也は、進んでお手伝いをするよう
になり、わがままな行動も減っていきます。
仕事が忙しく、子供となかなか時間がとれない
母、ひろ子は、子供相手に手抜きをしない安兵
衛に、いつも感心し、反省します。

(荒木源)
誤魔化しがきかないんですよね、子供の場合
は。その他の、おさんどんっていうのは、誤魔
化しようはいろいろあると思うんですよ。でも、
子供は誤魔化しがきかないと思いますね。
から、そういう意味では、誠実に取り組まない
といけない。

そんな荒木さんが、誤魔化しがきかないお菓
子として選んだのが、プリンだったのです。



牛乳、卵、砂糖を混ぜ合わせて加熱するとい
う、シンプルなスイーツ、プリン。



だからこそ、真面目に手を抜かない、安兵衛
にふさわしいお菓子だといいます。

では、安兵衛の作るプリンって、
一体どんな味なのでしょう? 荒木さん。

(荒木源)
案外ね、あっさりしてる方がいいんじゃないか
なと思ったんですよね。上等なプリンっていう
のは、濃厚なのが定番だと思うんですけど、
安兵衛さんが凄く上手に、思い通りのプリン
を作ったら、何かね、水ようかんみたいなキレ
のいいプリンみたいなもの。爽やかな凛とした
プリンみたいな感じですよね。

キレのいい、凛としたプリン。
安兵衛が誠実に取り組むプリンは、
そんな味わいだったのです。

**********


【Tea Breake】

ここでちょっとTea Breake。
日本のプリンの歴史をご紹介!



どれどれ。明治初期の文献に、「ホッディング」
という名称で既に紹介されていますよ。 
             「西洋料理通」(明治5年)
でもよく見ると・・・
ショウガ入りのジンジャーホッディングとか、ポ
ッデング干柿とか。ええっ?こっちは、プデン? 
プリンに落ち着くまでは、いろんな呼び名があ
ったのね。        「食道楽」(明治37年)

何と言っても、日本のプリンにとって革命的
な出来事が、昭和39年からお菓子メーカー
各社が発売した、
インスタントのプリン。



水や牛乳を加えるだけで、家庭で簡単にプ
リンが出来ちゃう優れもの! プリンは一躍
家庭の人気スイーツに!



その後、簡単に型から外せる、あのプリンが
登場。日本のみならず、世界中で日本生れ
のプリンが広まり、世界で1番売れているプ
リンとして、知られるほどになったのよ~。今
ではとっても沢山の種類が出てるわよね。日
本人って、ホントプリンが大好きなんだから。

**********

家事を真面目に続けるうち、プロ顔負けの
スイーツを作るまでになった安兵衛。
その腕が認められ、なんと、人気パティシエ
になってしまうのです。安兵衛はもちろん、
パティシエの仕事にも手を抜けません。
そのため、家事をしたり、友也との時間をと
る事ができなくなってしまいます。

仕事と家庭は両立するのか?
ちょんまげぷりんでは、その事が、
大きなテーマだと荒木さんは言います。

(荒木源)
パティシエを続ければ、ひろ子さんや友也と
の間にいろんな軋轢や問題が生れる事もあ
るだろうな。といって、ずっとまた専業主夫に
戻ったら、パティシエとしての道を追求した
いという気持ちが、高まってきて苦しい気持
ちになるだろうな。という風な気分だったの
ではないかと、想像します。

仕事に真面目に取り組むあまり、
家事がおろそかになってしまった安兵衛。
そして、事件は起こります。
友也が、寂しさのあまり、たった1人で安兵
衛に会いに出かけて、大騒動となるのです。

友也と無事出会えたものの、安兵衛もひろ
子も、子育てに割く時間の事を、改めて考
える事になります。帰宅する途中、安兵衛
はなんでも好きなお菓子を作ってあげると、
友也に約束します。
友也の答えは、やっぱり、プリン。

「オレ、プリンが好きなんだ。その中でも
 やすべえさんのプリンが一番好き」
         「ちょんまげぷりん」より

安兵衛は、この時ばかりは、
明日にでも作ろうと約束するのです。

(荒木源)
家事と仕事というのが、完全には両立しない
ように、世の中にはいろいろうまくいかない事、
うまくいかないがために、しんどい思いするっ
ていうのはたくさんあると思うんですね。その
しんどさ、苦しみというものを、ちょっと慰めて
くれる。ホッとさせるような存在である。
人生の面白みエッセンスのようなものとして
も、プリンは存在してるかなと思っています。


友也が大好きな安兵衛のプリン。それは、
2人の心を、ずっと繋いでくれていたのです。

**********

誠実に、丁寧に仕上げたプリン。
まさに侍にふさわしく、凛としてるでしょう?



生姜と緑茶でキレのある味わい。
グレーテルもうなってくれるかしら?

**********

友也に、プリンを作ると約束した日の夜、
安兵衛は、忽然と姿を消してしまいます。
やってきた時と同様、突然のタイムスリッ
プで、江戸にもどってしまったのです。

しばらくして、ひろ子と友也は、
老舗の和菓子屋で、
ちょっと珍しいお菓子を見つけます。



江戸阜凛(えどぷりん)。



由来を聞いてみると、木島安兵衛という、
創業者が作ったというのです。



似ているどころではない。
ちょんまげ姿の安兵衛を知っている
ひろ子と友也には、肖像画の人物がまさに
あの安兵衛だとはっきり分った(中略)
「やすべえさん向こうでも
 お菓子屋になってたんだ」
           「ちょんまげぷりん」より



プリンは、牛乳がない江戸時代に、豆乳を
使って生み出されたもの。江戸にタイムス
リップしても、友也との約束を
果たそうとし
た安兵衛。プリンは、その誠実さの、証で
もあったのです。


**********

「ちょんまげぷりん」は、小説も映画も観ていない
のですが、映画は子役が鈴木福君だというので、
観てみたいなあとずっと思っている映画でした。

キレのいい凛としたプリン。う~ん、食べてみたい。
生姜と緑茶が隠し味のプリンってどんな味なんで
しょう? 大昔に自分でプリンを作ってみた時には、
少し固めの、甘い茶碗蒸しみたいな感じだったよう
な・・・。インスタントを使ったプリンの方が美味しく
て、ちゃんとした手作りプリンはそこでやめてしまっ
たような気がします。今ならちゃんと出来るかな?
夢のバケツプリンも、いつか、食べてみたいなあ♪


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