「あまちゃん」 第3回(完全版)
第1週 「おら、この海が好きだ!」
もやしが落ちる音、餅まきと海開き
春子) アキ! 東京帰るよ。
アキ) やだ…帰りたくない。
初めてやって来た母のふるさと。
アキがここに残りたいと言うのには、
そこそこ大きな理由がありました。
**********
<天野家>
春子) あっ、そう…。
好きにしなさい。ママ一人で帰るから。
アキ) えっ…。
春子) お邪魔しました~。
大吉) 春ちゃん!
夏) ふん。年食ってちょっとは
マシになったかと思えば…
はっ、相変わらずだなあ。
アキ) ねえねえ、ママとおばあちゃん、
何かあったの?
大吉) ど~れ、ちょっくら見でくっか!
(出て行く大吉)
アキ) ねえねえおばあちゃん、
明日も潜るの?
夏) ああ、海開きだ。
客もいっぺえ来っぺ。
アキ) 客?
夏) 観光客だ。だから明日からは、
ウエットスーツではなく、
絣半纏で潜るんだ。
アキ) …絣半纏?
夏) そこさ出てっぺ。
(仏壇の前に「北の海女」と書かれた
はちまきと、赤い帯、紺色の絣半纏
が置いてある)
大吉) どうするべ!?
春ちゃん、ホントに行ったじゃ!
バスに乗って行ってしまったじゃ!
**********
(事務所からバスのロータリーを
見ている菅原)
菅原) うん? ありゃりゃ…。天野
春子もう帰るのか。まあ、観光
客っつう事で、本日の、3人目~。
大吉) 行くな~!
春子) えっ?
大吉) 行くな~!
菅原) うん?
大吉) どうやっても行くんだら、
北鉄さ乗ってけ。
春子) 何でわざわざ。
大吉) わざわざ来たんだから、
わざわざ帰ればいい。
ちょっとすいません。
(春子の荷物を運ぶ大吉)
春子) ちょ…ちょっと待って。
ねえ、ちょっと待って。
ちょっと待って。待って!
ちょっとちょっとちょっと!
**********
<天野家>
(珍しそうに家をあちこち見回すアキ)
**********
<喫茶・リアス>
春子) あの子…あんまり学校が好き
じゃないみたいなんです。中学から
は頑張って、私立の進学校に通って
るんだけど、ついていくのがやっとで。
大吉) 成績なんかどうでもいいべ。
アキちゃん器量もいいし。
美寿々) んだんだ~ 性格さえ
よけりゃあ嫁さ行げっぺ。
春子) 性格さえよければね~。
美寿々) えっ、悪いの?
春子) 暗いの。誰に似たんだか。
今野) まあ、春ちゃんではねえべな。
春子) そうなの! 旦那に似たのよ!
**********
(回想・黒川家)
(音を消し、ゲームをするアキのそばで、
春子の夫・黒川政宗が、本を読んでいる)
ひげを取る春子)
(一本落としてしまう)
♪(もやしの落ちる音)
春子) あんまり静かで、床にもやしが
落ちる音が聞こえたのよ。
大吉) そりゃあ静かだ…。
弥生) おれなんか、もやしのヒゲなんて
取った事ねえもの。面倒くせえから。
今野) 取れや~。ハッハッハッハッ。
春子) …っていうか、何で私こんなに
喋っちゃってんだろう。
大吉) 打ち解けてきた証拠さ。
春子) 違うね。電車が1時間に1本
しかないからだね。次の電車は?
吉田) 今、出たところさ。
春子) えっ!?
大吉) 19時28分発、上り最終列車さ。
吉田) 今夜はもう、帰れないさ。
春子) ふざけないでよ!
大吉) まあまあ!
のんびりしていけばいいさ。
春子) やだね。だってここさ、
うちの母親の店でしょ?
大吉) 大丈夫。ここには来ねえから。
最近は弁当が売れたら帰るんだじゃ。
吉田) 僕や美寿々さんが交代で、
店番やってます。
大吉) あっ、後輩の吉田君。こう見えて、
北三陸駅の副駅長な。ついでに紹介
すると、琥珀掘りの勉さん。
春子) 琥珀って、あの琥珀?
勉) そうなんです。あんまり知られて
いないですが、北三陸一帯、日本有
数の、琥珀の産地なんです。ただ、
使いみちが…。
大吉) 琥珀の話は面白く
ねえからやめるべ!
弥生) うちの旦那、知ってんべ?
今野) 商工会長の今野です。ほらあの、
銀座通りのブティック今野、わかる?
大吉) 大体、こんな感じの、
蛾みたいな服が置いてある店。
(笑い声)
夏) は~い、皆さ~ん。
閉店時間過ぎてますよ~。
(夏が来る)
春子) 嘘ばっかり!
大吉) まあまあ、こういう事もあるさ。
夏) あららら、東京のお客さん、
まだいたのすか?
大吉) すっかり話し込んで、
終電行ってしまったんだじゃ。
夏) だったら駅前に
ビジネスホテルがありますよ?
春子) 言われなくてもそうします!
夏) ありがとうございます。
大吉) 春ちゃん! 春ちゃん!
**********
大吉) 春ちゃんちょっと待ってけろ!
春ちゃん! もう一軒だけ!
いい店知ってるから。
春子) もう何にも
話すことないんですけど。
大吉) いや、そう言わずに!
**********
<スナック梨明日>
大吉) さあさあこっちゃこっちゃ。
さあ、着いた! さあさあ! ここここ。
(不機嫌な顔で店に入る春子)
夏) いらっしゃい!
7時半からはスナック営業なんです。
春子) …どういう事?
夏) そっちから出ていって、
こっちから入ってきたって事だね。
何かお飲み物は?
喫茶リアスと、
スナック梨明日は、
入り口は別々ですが、
中は同じ店なのです。
春子) 嫌ぁ~~~~~!!!!!
**********
ここで私こと、天野夏、
64歳の一日の流れを、
簡単にご紹介します。
午前4時起床。
顔を洗ってぐるっと散歩。
午前4時半、作業小屋で、
ウニ丼の仕込みを始めます。
出来上がった丼を、
大吉さんの車で
北三陸駅まで運びます。
午前9時、喫茶リアス開店。
その後、浜へ出て
午前中いっぱい潜ります。
正午。その日売れ残った
ウニ丼を車内販売。
売り切ったら家さ帰って、
午後3時まで昼寝。起きたら
浜に出て日没まで潜ります。
午後7時半、スナック梨明日開店。
飲んだり食ったり歌ったりして、
午後11時閉店。
大吉さんの車で帰宅。
風呂さ入って、
午前0時すぎに就寝で、
午前4時起床。
**********
<天野家>
(玄関を出る夏)
夏) あ~いい天気だ!
スピーカー) 「おはようございます。
夏といっても三陸の海は冷たく、
水温が、15、6度。
ウニが好んで住み着く岩場は、
特に水が冷たいので、
続けて潜るのは、2時間が限度です。
弥生) じぇじぇじぇ、
**********
春子) これまだ出るから打っていいよ。
ヒロシ) えっ? いや、でも…。
春子) いいからいいから。
**********
夏) アキ、けえるぞ!
アキ) ねえ、
夏) は? 何で? 哲学か…。
何でって…おもしれえからだべな。
アキ) 潜ってる時は、
夏) な~んも考えてねえ。
ほかの事考えったら、
アキ) ふ~ん、怖いね…。
夏) 食うために、ただひたすら潜って
アキ) フフフフッ!
夏) 潜りてえか?
アキ) えっ?
夏) 潜ってみっか、一緒に。
アキ) 無理無理無理!
夏) なして? おもしれえど。
息継ぎができないの。素潜りもダメ。
春子) アキ…。
夏) 自分で取ったウニ、
**********
いや~やっぱり、いいです!
朝ドラはこうあってほしい。
1本のもやしが落ちる音が響きわた
ウニがお金に見えてくる。なんかそれ、
海開きの前の「餅まき」。東方で多い
喫茶リアスと、スナック梨明日のリバ
そして・・・
「なにすんだ、このババア!」
落としたババア本人が
…って、たった15分のドラマに、つい
ホントすみません。
↑…と、ここまでが、
セリフと画像を加えた完全版の
やっぱり能年ちゃんは可愛い! 眩しすぎる
2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(3)~第1週「おら、この海が好きだ!」
2023年の再放送時の感想はこちら↓
第3回~第1週「おら、この海が好きだ!」
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