「黒の女教師」第10話(最終回)~さよなら黒の女教師 | 日々のダダ漏れ

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私はやらない派!


迷ったらやるか、やらないか。迷った時点で、動機
が足りないと思うので、やらないほうが多いかもし
れません。絶対にやりたいとか、やらなければいけ
ないと思っていることは、迷わないだろうし、迷う時
点で、(心情的に)無理にやるほどのことでもない
と思ってしまうから。本当に欲しいものがあったら、
迷ったりしないと、なんとなくそう思っているから。

最終回、校長がどちらか一つを選ぶように、生徒に
突き付けた選択。Aは、無事卒業して進学する、確
かな未来。Bは、自己満足の正義感によって、進学
をふいにする、浅はかな未来。AかBかを、選べと。
現実を考えれば、迷うことなくAだと思いますが・・・


「黒の女教師」  

第10話(最終回)
さよなら黒の女教師

今回が最後。高倉(榮倉奈々)、内田(市川実日子)、
藤井(小林聡美)先生による、恒例のお食事トーク。


内田) ここに3人で来るのも最後ですかねえ。
高倉) そうですね。
内田) 教師、こんなに続けると思わなかったなあ。
藤井) そうなの?
内田) 藤井先生は、続けると思ってました?
藤井) 1年で辞めようと思った。
高倉) どうしてですか?
藤井) いきなり担任したクラスにも最悪の不良
    がいて、もう手がつけられなかったのよ。
内田) それって、もしかしてノグっち?
藤井) (頷く)
内田) へ~~悪かったんだ。
高倉) なんで辞めなかったんですか?
藤井) あのバカ野口が、卒業式の日に一升瓶
    持ち込んで職員室にたてこもったの。
    校長にお礼まいりしてやるとか言って。
内田) なにそれ。大迷惑。
藤井) ねえ~。でもね、5時間もたてこもって
    ベロベロになったあいつがあたしに一言、
    「ありがとうございました」って。その後が
    大変だったけどね。
    校長が卒業取り消すとか言って。
内田) どうしたんですか?
藤井) 思わず土下座?
高倉) 藤井先生が?
藤井) うん。
高倉) 土下座ですか。
藤井) うん。
内田) は~。それじゃあノグっち、
    頭上がらないわけだ。

**********

水野葵(上間美緒)の弟・利生(松村北斗)は、
長嶋瑞穂(中西美帆)に償いを求め、高倉、内
田、藤井、そして青柳(木村文乃)が屋上に集
まり、こで明かされた真実とは・・・


利生) 俺はただ、償ってほしいだけです。どう償う
    かは彼女が決めることです。
内田) 償うって・・・
利生) 仕方ないでしょう。あんたたち教師は、誰も
    本当のことを教えてくれない。
瑞穂) 教えられるわけないよ。ホントのこと。先生
    たちは知らないから。私と葵は、仲良かった
    んだよ。バレーもずっと一緒だったし。
    でも私と付き合っていた彼が、葵を好きにな
    って、あたし、振られたの。悔しくて、葵が親
    友の彼と浮気したせいで別れたって嘘つい
    た。被害者ぶって、葵を悪者にしたの。噂は
    あっというまに広がって、嘘だなんて言った
    ら、今度は私が軽蔑される。葵は一言も責
    めないで黙っててくれたのに。
利生) サイテーだな。
瑞穂) 彼のほうが葵をかばって、ホントのことみん
    なに話したの。私はもう終わったって思った。
    学校にもいられない、死にたいって、ホントに
    思った。

(回想シーン)


瑞穂) 来ないで。
葵) 瑞穂、やめて。
瑞穂) 私、葵のこと妬んで、嘘ついて、
    バカみたい。
葵) 私の方がずっと妬んでた。バレー部のエ
  ースで学校のアイドルで、羨ましくて。私ね、
  瑞穂の一番のファンなの。一生応援する。
  オリンピックにだってついて行っちゃうから。
  だから、死なないで。
瑞穂) 葵・・・
葵) 瑞穂・・・


利生) そんな話、信じられるわけねーだろう。
    嘘にきまってる。だったら、なんで屋上
    にいたこと隠したんだよ?
瑞穂) それは・・・
校長) 私が・・・
    言う必要がないと言ったからです。

(回想シーン)

校長) あの日、屋上にいる二人が、廊下から
    見えました。



校長) これは事故よ。事故。ねえ、いい? 
    あなたはね、ここにはいなかったの。
    いいわね? 

青柳) どうしてそんなことを?
校長) 生徒の未来を守るためです。もしもあの
    とき、事実を公表したら、女子バレー部は
    全国大会に出場できなかった。生徒たち
    はもっと動揺したはずです。
高倉) それが、彼女をどれだけ苦しめるか、
    わからなかったんですか?
校長) 私は生徒の未来と、
    学校を守っただけです。



高倉) 長嶋さん。私は水野さんしか見えていま
    せんでした。水野さんを助けたい助けたい
    って。未熟な熱意を振り回して、あなたが
    どれだけ後悔して、どれだけ悩んだか、
    何も、気づけませんでした。
    あなたと水野さんは、
    加害者と被害者じゃない。
    チームメイトで、一番の、友達だったのね。
瑞穂) ごめんなさい。ホントにごめんなさい。
高倉) お姉さんは、ずーっと頑張っていました。
    辛い時でも泣くのは水の中って。
    一人で泣いて。そんな彼女に、私は・・・。
    頑張れ、頑張れとしか、言えなかった。
    もう十分頑張っていたのに。
    強い、強い女性でした。私が未熟な教師で
    なければ、水野さんは死なずに済んだ。
    あなたが苦しむこともなかった。そして戸田
    君の高校生活が復讐に染まることもなかっ
    た。すべて、私の責任です。
    ホントに、もうしわけありませんでした。


瑞穂) 私、葵に会ってあやまりたい。
高倉) 長嶋さん!
利生) 償うなら、生きてくれよ。
    姉ちゃんもきっと、応援してくれてる。


**********


利生) これ、俺が盗みました。
藤井) いい笑顔でしょ?
    水野さん、いつも笑ってた。
    どんなときも笑ってた。


利生) はい。


藤井) これね、水野さんが描いてた自画像なの。
    なんだか、どうしても完成してあげたくて、
    勝手に手加えちゃった。ごめんね。
利生) いえ、
    藤井先生に完成させてほしいんです。


*********

そして、課外授業の件について、校長は生徒たち
に冒頭の選択、AかB、どちらか一つを選ぶように
迫り・・・Bを選ぶという生徒には退学を、教師には
退職するように命じ、「全校生徒400人を守るため、
悪影響を3年D組全てを排除する。何も間違って
ない」と・・・


高倉) すべて、生徒の未来のためですか。
    問題のある生徒を排除し、面倒なことに
    教師を関わらせない。
校長) 未熟な教師から生徒を守るためです。
    今の保護者は、子育ての責任を教師に
    押し付け、サービスが悪いと学校を訴え
    る。教師への評価は厳しくなり、ますま
    す萎縮するばかり。一方で、問題ある教
    師、覚悟のない教師がいるのも事実。
    結局、数少ない優秀な教師に仕事が集
    中し、激務となり、果ては心を病んで、
    現場を離れてゆく。毎年100人もの教師
    が自殺してるんです。そして多くの生徒
    たちは、優秀な教師に出会えないまま、
    卒業していく。これが今の教育の現状。
高倉) それで、チャイムトウチャイムですか。
校長) そうです。教師の仕事をマニュアル化し、
    能力格差を失くす。これは生徒のためで
    す。今の教師に生徒は救えない。
青柳) 私はそうは思いません。
校長) 一番危険なのは、力もないくせに、未熟
    な熱意だけで生徒を追い詰める教師です。
    そうですよね? 高倉先生。
    水野葵も、長嶋瑞穂も、先生に力があれ
    ば、もっと違う未来があったはず。家庭内
    暴力、不登校、援助交際、私がこれまで
    の教員生活の中で、あやまった熱意で、
    教師が生徒を追い詰めるのを、嫌という
    ほど見てきました。
高倉) いじめの末に亡くなった、
    芹沢未来君もですか?
藤井) 息子さんの小学校の卒業文集です。
    僕のお母さん。6年3組。芹沢未来。
    お母さんはいつも生徒のために頑張って
    います。僕は、僕だっていろいろお母さん
    にしてほしいことがあるのに、と思ったり
    もするけど、毎年、生徒からたくさん年賀
    状が届くお母さんをすごく尊敬しています。
    大きくなったら、お母さんみたいな先生に
    なりたいです。
校長) あの子も・・・あの子も同じ。担任教師が、
    頑張れ頑張れって追い詰めて。
高倉) 今の校長は
    未来君がなりたかった先生ですか?
校長) 私は、あの子を、学校から守ってやれな
    かった。だから決めたのよ。どんな未熟な
    教師に当たっても、幸せな未来が掴める
    学校を、教育システムを作るんだって。
    それを邪魔するもの全てを排除する、何
    が悪いの?

愚か者っ!


校長) 蹴りなさい。蹴りなさい。
高倉) 私も、校長も同じ。教育の現状から目を
    背けた、愚か者です。校長は教師から熱
    意を奪い、私は、課外授業に歪んだ熱意
    を向けた。今のままでは生徒は救えない。
    そう。あきらめたんです。

校長) 教師は、学校は、どうすればいいの?

高倉) わかりません。でも、私たち教師だけは、
    あきらめてはいけない。あきらめてはいけ
    ないことだけは、確かです。課外授業が
    正しいとは思っていません。
    教師として、失格です。


高倉) これで、課外授業は終わりです。

**********


内田) 最後の課外授業、
    終わっちゃいましたね~
藤井) そろって首だね。
高倉) 今日でよかったです。教師を辞める日が。
    藤井先生のおかげです。
藤井) え? 私?
高倉) 辞めて逃げるのか、愚か者って。
    教師を辞めようとしていた私には、
    かなり、こたえました。
藤井) そんなこと言ったっけ?
内田) 言いましたよ。
藤井) 愚か者なんて、言わない、私は。
    言わない言わない。
高倉) ありがとうございました。
内田) じゃ、行きますか。


**********


利生) 先生、俺・・・ありがとうございました。
生徒全員) ありがとうございました!


生徒たちが追いかけてきても、立ち止まっただけで、
最後まで一度も振り帰らなかった3人がカッコイイ!


「未熟な教師の熱意」の弊害が強く語られた最終回
でした。校長が語った教師の現状はその通りなんだ
ろうと思います。今教師をやっている人は本当に大
変だろうなあと、生徒だけじゃなく、保護者との問題
もたくさんありそうだし。未熟な熱意と、経験者の知
恵と、どの世界でも、ほどよく取り入れて上手く活か
していければいいのだけれど。若い人だけでも、年
老いた人だけでもいけない。いろんな世代の、いろ
んな価値観や意見を総合的に尊重しあって、その
時に一番いいと思える答えを探していくしかないん
だろうなあって。最後に3人の笑顔が見られてよか
った。それにしても・・・水野葵と長嶋瑞穂の問題で、
一番悪いのは彼氏じゃないのー?って思ったんだ
けど・・・・。もっと男を見る目を養おうよ!って。そち
らの教育こそ、課外授業でしてほしかったりして。


●「黒の女教師」HP

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