くるりのジンジャエール

私は甘い派！

甘いものも、辛いものもどちらも好きなんですが・・・。
辛いものを食べなくても我慢できるけど、甘いものが
食べられなくなるのは我慢できないと思うので、どち
らかを選べと言われれば、甘いもの！となりましたｗ

とはいえ、飲み物は、どちらかというと甘くないほうが
好きで、ちょっと辛いぐらいのジンジャエールが好き。
そんな「ジンジャエール」が今回の主役に！(*^^)v

グレーテルのかまど（9月15日放送）
くるりのジンジャエール

独特の存在感で、幅広い世代から支持されるロック
バンド「くるり」。代表曲「ばらの花」で、作詞・作曲を
手がけたボーカルの岸田繁が、「ジンジャエール気
が抜けて・・・」と歌った背景には、一体どんな思い
があったのか？また初期の楽曲にも「気が抜けた
サイダー」が登場。何気ない日常の１コマを飲み物
に託して独自の感性で歌い上げる、くるり・岸田繁
のメッセージとは？岸田好みのジンジャエールほ
か、ﾌﾙｰﾃｨ＆ｽﾊﾟｲｼｰなサイダー２種もご紹介！

「ばらの花」の歌詞を書いたのが、世田谷八幡宮。

あの曲はまあ、ほんまに朝、雨が降っていて、今日、
誰かに会おうと思ってたけど、なんかメンドクサクな
って、ホントに、その一番の歌詞そのままの状況で
書いてたんですよ。

のど渇いて、買おうとしたのが、たまたまジンジャエ
ールの缶があって、これどんなやったかいなって思
って買ってみて、飲んだら思ってた味と違ったんで
すよね、なんか。「甘っ！」って思って。「甘っ！まず
っ！」って思って。想像してた味はもうちょっとビター
な、炭酸がバシっと効いてて、なんかその日のこう
湿っぽい気持ちをちょっとこう、シュワっとこう飛ばし
てくれるような、のを、イメージしてたんですけど。

イメージとは違う、美味しくないジンジャエール。でも、
その残念な印象が、逆に歌の世界を広げてくれました。

普通に人が、生きてて、しんどい時の自分もいれば、
もう凄い元気な時の自分もいて、喜んでいる時も、怒
っている時も、悲しんでいる時もね、もうボケーっとし
てる時の自分もいて、全部を主役にしてあげたいって
いうんですかね。

気が抜けたジンジャエールのように、上手くいかない、
不安なことも肯定したい。どんな自分も主役になれる
はず。岸田さんは、そんな想いをジンジャエールに託
したのだと言います。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

くるりの曲には、ジンジャエールだけでなく、飲み物
から、印象的な世界が描かれているものが、まだあ
ります。たとえば、デビューアルバムに収められた、
「さよならストレンジャー」では・・・

♪真っ暗な昼休み　
気の抜けたサイダーを流し込む

登場するのは気が抜けたサイダー。岸田さんは当
時、京都から東京に移り住んだばかり。
期待と不安が入り混じる、新しい生活の中で、過去
を懐かしむような、懐かしい過去に別れを告げるよ
うな、切なさを感じるこの歌。
時がたって気が抜けたサイダーが、その切なさを彩
っているようにも感じられます。

具体的なキーワードよりも、揺らぐ気持ちとか、季
節とか温度とか、匂いのその五感を働かせて、感
じるようなことの、ささいな移ろいとか、まあそういう
ことをわりと大事に。

五感を働かせて感じる、ささいな移ろい。
そんな情景だけが浮かぶからこそ、くるりの歌は、
聞き手に、さまざまな想像力を与えてくれます。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

五感を大切にする岸田さん好みのサイダーは、
どんなものなのでしょう？

味の薄い果物っていうんですかね。ヤマモモとか
イチジクとか。そういう、ほんのりした味の、サイダ
ーっていうのもいいですね。
昔よくあけびとかを、山で採って、こうやって割っ
てずるずるって食べたりしてました。なんか甘い
んか甘くないんかようわからんぬるっとした味で、
思い出の味ですね。

山椒が大好きで、粉山椒も好きですし、実山椒
も好きですし、葉っぱも好きですし。

香辛料は飲み物とまで言ってしまう岸田さん。
そこまでお好きなら、とびきりのサイダー作っ
ちゃいましょう。

岸田さんのために作った、ジンジャエール(中）と、
いちじくサイダー（左）、スパイシーサイダー（右）。

「ばらの花」に登場する気が抜けたジンジャエー
ル。なんだか上手くいかないことを歌ったこの歌
は、こう続きます。

♪安心な僕らは旅に出ようぜ
思いきり泣いたり笑ったりしようぜ

不安な気持ちを歌う時に、不安だ不安だって
言ってても、より不安にさせるだけですし、
その不安を味わい尽くさないと、安心にはつ
ながらないですよね。

上手くいかない不安も困難も、ありのままに受け
入れて味わい尽くす。そして、前へ進もうよ。
そんな、この歌のメッセージが多くの人々の共感
を呼ぶのです。

●ばらの花　（歌詞）

雨降りの朝で今日も会えないや　
何となく　でも少しほっとして
飲み干したジンジャエール　
気が抜けて

安心な僕らは旅に出ようぜ
思いきり泣いたり笑ったりしようぜ

愛のばら掲げて遠回りしてまた転んで
相づち打つよ君の弱さを探すために

安心な僕らは旅に出ようぜ
思いきり泣いたり笑ったりしようぜ
僕らお互い弱虫すぎて　
踏み込めないまま朝を迎える

暗がりを走る　君が見てるから
でもいない君も僕も

最終バス乗り過ごしてもう君に会えない
あんなに近づいたのに遠くなってゆく
だけどこんなに胸が痛むのは
何の花に例えられましょう
ジンジャエール買って飲んだ
こんな味だったけな
ジンジャエール買って飲んだ
こんな味だったけな
安心な僕らは旅に出ようぜ
思いきり泣いたり笑ったりしようぜ

●ばらの花　by くるり

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

不安は、その不安を味わい尽くしたほうが安心で
きるというのは、よくわかります。不安の正体を自
分なりに理解したほうがいいというか、わけのわ
かならいことに人は恐怖を覚えると思うのです。
何が怖いのか、不安なのか、それがわかると、案
外とたいしたことがないというか、逆説的ですが、
安心して不安と向き合っていられるというか・・・。

実は、くるりの「ばらの花」をちゃんと聴いたことが
なかったので、今回ちゃんと聴いてみて、より好き
になりました。曲の背景を知ると、その曲がもっと
好きになるというか、より親しみが増してきます。

あけびの話も、親近感が増した理由で、もやもや
っとした、あけびのほんのりと甘い実を、ずるずる
っと食べた子供の頃の記憶が蘇って懐かしくて。

ヘンゼルが作っていたジンジャエールも美味しそ
う。市販のジンジャエールは甘めだと感じていた
ので、パンチの効いたジンジャエールをどこかの
会社で作って出してくれないかな～と思いました。
好みのジンジャエールを飲みながら、くるりのCD
を、中でも「ばらの花」を聴きたくなります(*^。^*)

●「くるり」公式サイト
http://www.quruli.net/

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