荼毘に付した後、ドライブをしました。
彼がいつも通っていた「打ちっぱなし」。
「ここは美味しいんだよ、一緒に来ようね。」と話していた居酒屋。
子供たちが小さいころ通った公園などなど。
息子が運転をし、彼は私の膝の上。
景色を見てもらうためにちょこっと持ち上げるたびに
娘がこう言いました。
「 まあまあ、すっかり小さくなっちゃって。」
ガンが見つかってから彼はどんどん痩せていきました。
体重が増えたのは、腹水がたまった時と浮腫んだ時。
そんな理由でも、彼は体重が増えたことを喜んでいましたっけ。
見た目は小さくなったけれど、
私たち家族の中での存在感は増すばかりです。
以前は、父になど決して相談しなかった息子が
写真に向かってブツブツ話しかけている姿が多くなりました。
「 何話してたの?」と聞くと、
「 う~ん、仕事の事をちょっと相談した」と笑っています。
夕食を作る時も、子供たちは必ず
「 ○○ちゃんパパ、何食べたい?」と声をかけています。
何をするにも彼に尋ねてからの日々。
いつか尋ねることがなくなる日が来るのでしょうか。
時がたてば「悲しみ」は薄らぐかもしれないけれど
「寂しさ」は増すばかりのような気がします。
すっかり小さくなったのに、
あなたはしっかり傍にいますよ、○○ちゃんパパ