1日目は、コースタイムの2倍かかって三斗小屋温泉大黒屋旅館に到着した。
Yちゃんの歩き方が危険すぎて、後ろから見ていてハラハラ
何度言ってもポールに頼って、前かがみで下りようとする。
飛び込み前転必須な歩き方だ
上りは苦しいから嫌いで、下りは楽だと言った。
でも、その歩き方だと、上りは転倒のダメージが少なくても、下りは致命的なんだよ。
本人の自覚がないのと、何度言っても身体を前に倒してポールに頼って歩くので、2日目はポールを1本にしてもらった。
靴の履き方もよくわかっていなかったようで、今までこうだったと思うと事故がなかったことが幸いだ
足元もよく見ないから、ひっくり返ってしまうような小石に乗ってよろける
あたしが、あまりにも足元のことを言うので、同じ場所で何度もググッと確かめて歩くようになって、前になかなか進まない。
こんな大きな石はYちゃんの体重では動かないから、そんなに確かめなくて平気よ。
それより、膝の下に足を置くように、小股で確実に踏んで
あたしは、まるでライザップのトレーナーのように叱咤激励しながら歩いた
大黒屋の上にはテント場兼ヘリポートがあった。
昨夜お風呂で一緒になった女性は、ツアーでここにテントを張っていると言っていた。
重いテント装備と食料、大変だね
テントも、各自が2人用をひとりで使っているらしい。
あたしたちは、温泉神社経由で隠居倉を目指す。
最終的には、三本槍岳から朝日岳を経てロープウエイの下の駅がゴールだ。
煙草屋さんの裏側に出たよ
温泉神社への石階段をよちよち上るmahinaおばさん
温泉神社で、良い温泉だったことに感謝し、ここまで来れたこと、無事に下山できることを祈る
しばらく歩くと源泉までやってきた
(13秒)
Yちゃん、下で待っていればいいのに、見に行くとついてきた
(8秒)
余計な体力消耗は避けたいけど、来るなとも言えない。
そっか~
ここは、煙草屋の源泉なのね。
って言うことは、あたしたちが泊まった大黒屋の源泉は別の場所にあるのね。
なかなかの迫力だったよ
お天気もまずまず
隠居倉とのほぼ真ん中付近だけど、ここから先が大変なんだと思うわ
笹藪はマダニがいるから、早く通過したいけど、上りだから当然Yちゃんのペースは激遅
でも、ケガするより良い
一応、早く通過したいことは伝えたよ。
放っておくと、どんどん遅くなるから、「ポンポン」と声でリズムを刻みながら歩く
(ポンポンと靴でスタンプを押すイメージって伝えた)
彼女的にもその方が歩きやすいようだ。
でも、ずっとポンポン言っているのは厳しいよ
でも、mahinaおばさん頑張る
ポールを1本にしたら、右手でしか持たないから、右側が谷になっているところは危ないの
笹藪に見えても、切れていることがあるから、必ず山側にポールを突いてと何度も言った。
(先にポールを突く場所をよく見ているとは思えないから)
沢筋にある三斗小屋から標高を少し上げたら茶臼岳が見えた
隠居倉に到着
Yちゃんに、頑張って歩いてきたから見られる風景だよって言った
西側にはこれから歩くポイントが書かれていたね。
砂礫の尾根を歩く
茶臼岳から下りて、峰の茶屋跡避難小屋からのトラバースはこんな感じの砂礫だった。
でも、ここはトラバースじゃないので怖くないらしい。
さっきの砂礫の尾根を見た
その左側が隠居倉。
Yちゃんに「あそこを歩いてきたんだよ」って言った。
「小さくても、1歩前に出れば、いつかは着く」
あたしは、いつも苦しい時にはそう思いながら歩く
すばらしいお山だと思う
シラタマはサロメチールの味がするのよね。
見つけたら味見してみて
なぜか高確率でブルーベリーもそばにあったりする。
ここは、熊見曽根付近かな。
ここから先は歩いたことがあるよ
これから歩く道
熊見曽根から歩いてきた道
1900m峰
清水平が見えた
でも、なんだか茶色いね
ここから激下り~
ポール1本、大正解
清水平は池塘が無くなっていた
こんなだったかなぁ
これじゃ木道いらないよね。
清水平を渡りきったところで休憩。
Yちゃんの後ろから、歩き方を褒めたり注意したりを繰り返して歩いてきた
「腿あげて、つま先上げて、膝の下に足置いて、小股だよ、下りはつま先意識して、足元よく見て、ポールに頼らないで」
「その調子。今のイイ感じ。そのリズムすごく良いよ」
ホントに、ライザップのインストラクターのようだ
隠居倉手前だったと思うけど、1箇所だけ、クライムダウンしないと厳しそうなところがあった。
Yちゃんには「赤ちゃんが段差を下りるみたいに、背中を向けて下りて」と伝えた。
そして、先に下りて、ポール、ザック、サコシュを受け取った。
サコシュなんか、一番危ないものね
先に背中を向けてといったのに、Yちゃんは下りながら方向を変えようとする
この時ばかりは声を張って、「先にお尻向けて、手はこことここ、足はそこじゃない、足で探さないでよく見て、足はこことここ」って感じでサポートした。
数回、後ろから不安定な石に乗ってよろけるYちゃんを支えた。
スライドや追い越される時には、体の向きを正してホールドしていた。
でないと、人に背を向けてしまう
ザックが接触したら、お互いに危険だ
「登山道で避けるときは、通過する人が歩きやすいところを空けてあげて、その方が安全に通過してもらえる、でもまずは自分が安全な広いところで停まってね。」と言ったら、「あのグループ、そんな風にしてなかったね」って言った。
「そだね~教えてくれる人がいないんじゃないかな?」
そんな会話をした。
Yちゃんも少しずつ分かってきていたね
「慣れもあるから」と言ったあたしに、「慣れるほど行かないもん
」と言っていたYちゃんも、歩き方で疲労度が変わることを実感しつつあるようだった。
確かに、1日目よりはマシな歩き方になってきていた。
miliちゃんの眉間の毛流れが好きだった
よく指でぐりぐりして渦巻を作っていたな
指や手で顔をいじるのは喜ぶんだけど、ティッシュは嫌がったな