「さて、FF10発売15周年に管理人がオレたちの話を書いてくれたっス」
「久しぶりに書いたのでうまく書けたかどうかは分からないけど、見てくれるとうれしいです、だそうです」
FF10発売15周年記念小説「初めてのデート」
「ねえ、ユウナんとデートとかしないの?」
「・・・は?」
「みんな知ってるよ、お互いに好きだってこと」
「そりゃ、したいって思うけど、ほら、お互い忙しいだろ」
「そこをなんとかして誘えばいいじゃん!」
「簡単に言うなよ・・・」
「しょうがないな~、あたしがなんとかしてあげる!」
「・・・というわけなんだけどさ」
「そういうところ、リュックらしいね」
「それで・・・どうっスか?」
「・・・うん、行く」
3日後、ティーダとユウナは2人きりで出かけることになった。
「・・・よし、大丈夫だな」
ティーダは辺りを見回し、仲間たちがいないことを確認する。
なぜそんなことをしているのかというと、かつてマカラーニャの森での出来事を仲間たちに見られていた(かもしれない)のを思い出したからだ。
「それじゃ、行くっスよ!」
「うん!」
そう言って2人は出かけていったのだが・・・
「・・・あたしたちのこと、バレてないみたいだね」
「それよりも、あいつら大丈夫なんだろうな・・・」
「ワッカは心配しすぎよ・・・」
ティーダの努力もむなしく、仲間たちが2人の後をついてきていた。
ティーダとユウナはしばらくの間、話をしながら歩いていたが、突然ティーダが立ち止まった。
「・・・どうしたの?」
「・・・走るっスよ!」
ティーダは小声でそう言うと、ユウナの手を取って走り出した。
「あ~!!」
「やっぱり気づいてたか!」
ティーダとユウナが走り出したのを見たリュックたちは慌てて後を追うが、やがて2人の姿は見えなくなってしまった。
「・・・逃げられちゃったね」
「ユウナになにかあったらただじゃすまねえぞ・・・」
「だからワッカは心配しすぎよ・・・」
「・・・ごめん、いきなり走ったりして」
「もしかして、みんなついてきてた?」
「見つからないようにこっそり出てきたつもりだったんだけどな」
「きっとわたしたちのこと心配してるんだよ」
「だからってオレたちの後をついてくるとか、心配しすぎだっつーの!」
ティーダはそう叫んだ後、「多分ワッカが一番心配してるんだろうな・・・」とつぶやいた。
ユウナはそんなティーダを見て思わず笑ってしまった。
少しして2人は再び歩き始めたが、ユウナが突然ティーダの手を握った。
「どうしたっスか?」
「・・・こうしたら、デートしてるみたいに見えるかな」
ユウナの言葉に、ティーダの顔が少し赤くなる。
「そ、そうっスね・・・」
「(こんなキミを見られるのは、わたしだけなんだろうな)」
ユウナは顔を赤くするティーダを見ながら、そんなことを思った。
その後旅をしていた頃とは違う買い物をしたり、ユウナの希望で流行りのものを食べたりと旅をしていた頃にはできなかったことを楽しんだ。
「ごめんね、いっぱい付き合わせちゃって」
ユウナがやりたいと思っていたことを一通りやった後、2人は並んで座った。
「気にしてないっスよ。オレも楽しかったし」
「・・・よかった」
ユウナがそう言った後、2人はただ景色を見ているだけで一言もしゃべらなかった。
その沈黙を破ったのはユウナ。
「・・・もうそろそろ、帰る時間かな」
「そうだな・・・さすがに帰らないとワッカたちが心配するよな・・・」
「・・・もう少しだけ、2人きりでいたいな」
「・・・オレも、もう少しだけこうしてたい」
そう言ってティーダはユウナを抱きしめる。
ユウナは抱きしめられている腕に自分の手を添えた。
やがて2人の顔が近づき、そして・・・
2人が戻ると、ワッカたちが待っていた。
「た、ただいま・・・」
直後、ワッカはティーダの両肩をつかんでこう言った。
「お前・・・俺たちを置いてよくも逃げたな~!!」
「あれはワッカたちがついてくるのが悪いんだろ!!」
「2人とも、静かにしなさい」
「「すいません・・・」」
「ね、楽しかった?」
「・・・うん」
「楽しかったって!」
「なっ・・・?!」
リュックはユウナの感想をティーダに伝えるとティーダは顔を赤くする。
「その反応・・・さてはなにかあったな~?」
「なに?!お前ユウナになにかしたのか?!」
「なな、なにもしてない!!」
「うそつけ!だったらなんでそんな顔してんだ!!」
「だからなにもしてないっつの!」
「ねえ、あたしにも聞かせてよー!」
そして追いかけっこを始めた3人にルール―は呆れ、ユウナは笑顔でそれを見ていた。
あとがき
前に別のCPでデートする話を書いていたのでティユウのデート話を書いてみたいと思って書きました。
FF10の小説自体が久々なので微妙なところもあると思いますが・・・
マカラーニャの森での出来事(ピュアキス)を仲間たちに見られていた(かもしれない)ことについては作者の想像です。
もし仲間たちが見てたらワッカは内心穏やかじゃなかったに違いない 笑
19日に間に合わなかったので7月中の更新を予定してましたが、更新できなくて申し訳ありません・・・
2016.8