スマブラの世界に朝が来た。
-スマブラメンバー共同寮-
「ふわぁ・・・」
いつもより早く目が覚めたリンクは服を着替え、練習場へ向かう。
リンクが剣の練習をしていると、マルスとロイがやってきた。
「おはよう、リンク。今日は早いんだね」
「いつもより早く目が覚めてさ、朝ご飯までまだ時間があるから少し長めに練習しようと思って。それより、2人が朝早くからここに来るなんて珍しいな」
「僕たちもリンクと同じでいつもより早く目が覚めたんだ」
「せっかく3人そろったし、組み手でもやるか?」
「いいね」
リンクがマルスやロイと組み手を始めた頃・・・
「ふわぁ~・・・」
こどもリンクがいつもより少し早く目を覚ました。
そしてベッドの横にある時計を見る。
「・・・ネスたちはまだ起きてないだろうし、朝ご飯まで外に出てよう」
こどもリンクは着替えを済ませて寮の外に出る。
「そう言えば、リンク兄ちゃんは朝ご飯の前に練習場で練習してるんだっけ」
もしリンクが練習場にいるなら一緒に組み手をしてもらおうと思い、練習場に向かった。
「やっ!」
キィン!
「はっ!」
キィン!
こどもリンクが練習場に着くと、リンクとマルスとロイが組み手をしているところだった。
しばらくその様子を見ていたが、やがてリンクがこちらに気づき、動きを止める。
「今日は早いんだな」
「いつもより早く起きちゃったんだ。それで、リンク兄ちゃんが毎朝ここで練習してるって聞いてたから行ってみようと思って」
「せっかくだからリンクとこどもリンクの2人で組み手したら?」
「そうだな。やるか?」
「うん」
その後リンクとこどもリンクで組み手をし、マルスとロイも組み手をしつつリンクたちの組み手を見ていた。
「おはようございます」
食堂で朝食の準備をしていたゼルダの元にリンクたちが来た。
「今日は4人で練習ですか?」
「うん」
「リンクとこどもリンクの組み手はすごかったな」
「同じ人が2人いて、その2人が組み手をするなんて普通は見られないからね」
リンクとこどもリンクは同一人物である。
こどもリンクは元々リンクがいる世界にいたのだが、時空のゆがみによってこの世界に来てしまった。
その後全員でこどもリンクを元の世界に帰す方法を考えていたが、マスターハンドからこどもリンクもファイターの1人であることを伝えられたため、こどもリンクはこの世界にいることになった。
「やっぱりリンク兄ちゃんは強いや。でも、オレも大人になったらこんな風になるんだよな」
「後、牛乳をいっぱい飲まないとな」
しばらくして、全員が食堂に集まった。
「いっただっきまーす♪」
カービィはそう言った後、勢いよく食事を食べ始めた。
「相変わらずすごい食欲だな・・・」
「兄さん、早く食べないとカービィたちに全部食べられるよ」
「大丈夫よ、まだたくさんあるから」
「あいつらはもう少し落ち着いて食えんのか・・・」
「無理だろうな」
「まあ、カービィたちが静かだと逆に違和感があるけどな」
朝食の後、全員が自分の部屋に戻って掃除を始めた。
寮内の掃除はマスターハンドが月に一度行っていたが、部屋の掃除は各自でした方がいいということになり、週に一度自分の部屋を掃除することになったのだ。
部屋の掃除ができているかどうかはマスターハンドが判断し、マスターハンドから掃除を終わってもいいと言われると昼食の間までは自由時間になる。
「・・・これでよし、と」
部屋にあまりものを置いていないリンクは素早く掃除を済ませた。
「マスター、部屋を見てもらってもいいか?」
リンクがそう言うとマスターハンドが部屋に現れた。
「・・・きれいにできているな。よし、昼食までは自由にしてもいいぞ」
「他の部屋を手伝っても大丈夫か?」
「いいぞ」
掃除を終えたリンクがまず向かったのはピチューの部屋。
ピチューはピカチュウと一緒に掃除をしているが、それでもなかなか終わらないことがある。
「あ、リンクさん」
「どうだ?」
「後はここだけでちゅ」
「ピカチュウはもう終わったのか?」
「終わったでチュウ」
「今日は手伝わなくてもよさそうだな」
次に向かったのはクッパの部屋。
自分の城の掃除は基本的に手下たちがやっているため、自分で掃除をすることがない。
そのため誰かの手伝いが必要なのだ。
「助かったぞ」
「掃除の仕方、少しは覚えたのか?」
「半分くらいはワガハイ1人でやったぞ」
「・・・そろそろ1人でもできるようになりそうだな」
「次までは手伝いを頼むぞ」
「分かった」
「リンクさん、いつもありがとうございます」
「ゲームウォッチの部屋はいつ見ても不思議な感じだな・・・」
平面世界からやってきたMr.ゲーム&ウォッチの部屋にある荷物はベッドを除いて全てが平面である。
そのため、この部屋にあるほとんどの荷物はリンクたちにとっては軽いのだが、Mr.ゲーム&ウォッチはそれなりに重さを感じているらしい。
「ネスたちもここに来ては「軽ーい」って言ってます」
「そうだろうな」
その後全員の部屋の掃除が終わり、昼食の前。
プリンとナナが食堂に向かおうとするサムスの元へやってきた。
「サムスしゃん、料理を教えてほしいでしゅ」
「いいわよ」
「わたしも!」
「じゃあ、今日の昼ご飯を一緒に作りましょう」
-庭-
「あれ?プリンとナナは?」
昼食までの間庭で遊ぶことにしたポポが庭に向かうと、プリンとナナがいないことに気づいた。
「サムスたちに料理を教わるからって食堂に行ったよ」
「プリンの料理、だんだんうまくなってるよね」
かつてプリンの作る料理はものすごくまずかった(どのくらいまずいのかというと、ヨッシーが煙を吐いて倒れてしまうほど)。
だが、ピーチやサムス、ゼルダといった料理の上手なメンバーから料理を教わり少しずつ上達している。
そしてプリンの上達ぶりを見たナナも料理を教わることにしたようだ。
「ナナも料理、うまくできるといいね」
「うん」
「ねえ、今日はなにして遊ぶ?」
「久々にホームランコンテストやろうよ」
「今日こそはヨッシーの記録を追い抜くぞー!」
「僕も頑張るでチュウ」
「頑張るでちゅ」
「ん?」
食堂の前を通りかかったヨッシーは調理場からおいしそうな匂いがするのを感じた。
「おいしそうな匂い・・・お昼ごはんが楽しみです」
そしてヨッシーが食堂の調理場をのぞくと、プリンとナナがサムスたちに料理を教わっているところだった。
「あ、ヨッシー」
直後、ヨッシーの姿に気づいたナナがヨッシーに声をかけた。
「ちょうどよかったわ。これ、味見してくれないかしら?」
そう言ってピーチが小皿に盛った食事を渡す。
「おいしいです」
「よかったわ」
「これ、プリンとナナの2人で作ったんですよ」
「そうなんですか?」
「もうプリンの料理をまずいとは言わせないでしゅ」
「じゃあ今度はプリンの作ったケーキが食べたいです」
「楽しみにしてるでしゅ」
「そろそろ食堂の準備をしましょう。ヨッシーも手伝ってくれる?」
「いいですよ」
「・・・う、うまい」
昼食の時間、プリンとナナが作った料理を食べたメンバーは驚きを隠せなかった。
「プリンがここに来た頃に食べた料理と全然違うぞ・・・」
「いつの間にこんなにうまくなったんだ?」
「対戦のない時に教えてたんだけど、思った以上に上達が早くて私も驚いたわ」
「わたしも料理上手になれるかな?」
「ええ」
やがて料理は全てなくなった。
「ごちそうさまでしたー!」
食事の後、リンクが食器の洗い物を手伝った。
「ありがとうございます」
「そうだリンク、今日の買い出し手伝ってくれないかしら?」
「いいですよ」
「じゃあ、片づけが終わったらゼルダと2人で行ってきてね」
食器の片づけが終わり、リンクはゼルダとともに今日の買い出しに向かう。
いつもは2人だけで行くのだが、今回はネスとこどもリンクも一緒に来ることになった。
「今日はみんなで遊ばないのか?」
「ポポとナナとピカチュウとピチューはこれから対戦で、カービィはダークリンクと出かけるって」
「また新しい店見つけたみたい」
「2人とも食べすぎないといいんだけどな・・・」
「それと、プリンはピーチ姫からお菓子作りを教わるって言ってた」
「そう言えば、ヨッシーにケーキを作る約束をしていましたね」
「じゃあ、今日のおやつはケーキだな・・・それも大量の」
「大量?」
「剣をうまく使えるようになるまでいっぱい練習しただろ?」
「うん」
「料理だってうまくなるためにいっぱい練習するからな」
「そうだね」
そして買い出しを終え、部屋に戻ったリンクはおやつの時間までの間休むことにした。
おやつの時間、食堂のテーブルには大量のケーキが並んでいた。
「うわぁ~、おいしそう!」
「リンクの言った通りになったね」
「うん」
「たくさん食べてね」
「これ、全部プリンが作ったのか?」
「私たちが作ったものもありますが、ほとんどはプリンが作りました」
「こんなにたくさん食べきれるのか?」
「みんなで食べれば大丈夫よ」
「それとカービィ、あそこにあるお菓子を明日ダークリンクに渡してきて。お腹がすいても食べちゃダメよ」
「うん」
カービィを除く全員「(大丈夫かな・・・)」
そして大量のお菓子は(ダークリンクに渡すものを除いて)全てなくなった。
翌日、カービィは約束通りダークリンクにお菓子を渡した。
「ありがとな」
「これ、プリンが作ったんだよ!」
「プリンが作ったって・・・煙吐いたりしないよな・・・?」
「昨日みんなでケーキを食べたけど、おいしかったよ」
その後カービィからプリンがピーチたちに教わってお菓子を作ったことを聞き、ダークリンクは袋に入っていたクッキーを手に取り、食べた。
「・・・ん?うまい」
「でしょ?」
「いつの間にこんなにうまくなったんだ・・・」
「あ、そうだ。ピーチ姫が今度食べに来てねって言ってた」
「じゃあ、次行った時にでも食べるか」
「楽しみにしててね」
後日、ダークリンクはプリンが作った大量のお菓子を食べさせられることとなった。
The End
あとがき
スマブラDX発売15周年ということで久々にDXの小説を書きました。
ファイターたちの日常生活はこんなイメージかなと思って書いてたら予想以上に長くなりました 汗
後、DXの小説でマスターハンドを初めて出しました。
(スマブラメンバー共同寮はマスターハンドが作ったという設定にしてるけど、実際にマスターハンドを小説に出したのはforになってからなので・・・)
改めて、スマブラDX発売15周年おめでとうございます!!
2016.11.21