夕日が赤い訳 | 夜な夜な思い出す苦笑いの日記たち

夕日が赤い訳

ピーすけ 画像1
「夕日が赤いのはね

 たくさんの光の中で

 赤が一番遠くまで届くからなんだよ」


夕日で真っ赤に染まった顔の彼女は
僕に向かってそう言った


二人で自転車を押して
荒川の土手までやってきた


いつもは学校のみんなに見つからないように
バラバラに帰っていた

僕の方が部活で遅いから
彼女はそれを見越して自転車を押す

僕は部活が終わるとダッシュで自転車をこいで
彼女に追い付く

変える方向が分かれ道となる橋までの時間が
僕たちのデートの時間だった

5分の時もあったし
1分も話せない時もあった


でも
それだけでも二人はわかりあえていた


でもそれが今日で終わる


彼女が明日転校してしまう

だから今日は一緒に学校を出た
ホントはいつも通り部活に出るはずだったけど
みんなが

行けよ

って後押ししてくれた

いつもは厳しいラグビー部の顧問も
グランドで不発弾が見つかったからとか行って
部活を休みにしてくれた


みんなには内緒にしてたのに
ばればれだった・・


学校を出て1時間
僕たちは自転車を押していたけど
会話という会話はほとんどしていなかった


いつもの分かれ道が見えてきた

日もだいぶ傾いてきた
その時彼女が言ったのがさっきの夕日の話だった


僕の顔も夕日に照らされていた・・・

きっと赤く染まっているだろう

でもそれだけじゃなかった
次の言葉をずっといいたくて
顔が真っ赤にしていたんだ

「ゆいちゃん

 ぼ

 僕ね

 今までずっと言えなかったけど

 僕、ゆいちゃんのことが・・・」
ピーすけ 画像2
その時だった
何かが光った


そして

ドカーーーーーン!!


学校の方向からものすごい音が聞こえた
音の後にはものすごい爆風が

見ると学校の方向には
キノコ雲が・・・

ピーすけ 画像3
「ま、まさか」


そう、そのまさかだった
嘘だと思っていた不発弾は本物だったのだ


もうもうと上がる煙を見上げる僕たち


僕は学校がなくなってしまったことよりも
告白ができなかったことにショックを受けていた