東日本大震災から6年目-生徒さんから学んだこと- | Pi坊日記ブログ『舞うごつよかばい』

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作曲家・シンガーソングライター・ゴスペル指導・ヴォイストレーナー・食いしん坊
音楽家のPi坊による日々のあれこれや、音楽のお仕事についてのエッセイブログです。

僕は去年、故郷の熊本地震を受けて、被災地応援ソング『もらってる』という楽曲を発売したのですが、とある生徒さんに、
『この曲を人前で歌えるのも今年までかな。やっぱり震災の記憶は薄まるし・・・。』
などと話していたら、
『先生、違うよ。やり続けることが大事なんだよ。やり続けて歌い続けて、思い出して思い出させて、それで支援の輪は広がるんだから!いつまでだって広がるんだから!期限を自分で決めちゃダメなんだよ!』
と、喝を入れられました。

ほとほと、反省。
確かにそうだなと思います。
風化するのは、致し方のないこと。
でも、風化を言い訳にして、反応が薄いことや結果が出ないことを、いじけたり拗ねたりしてはいけないよな。
風化を言い訳にして、やめてしまったら、元も子もないよな。
それって、自分のことは棚に上げて、やれ社会が悪い、やれ他人が悪いと言っているのと同じだよな。

『歌ってない』というのは、私たちにとっては『心を使ってない』ということ。
『心を使ってない』ものに、反応も結果もあるはずがない。
それって、誰のせい?
全部、自分のせいなんですよね。
知らず知らずのうち、時間の経過や風化のせいにしてたなと気付きました。
被災地から、『もういいよ、歌わなくていいよ。』と言われるまで、音楽家は歌わなきゃ。
音楽家は心を使わなきゃ。

時間は、改めて怖いものだと思いました。
時間という風は、すぐに私たちの心を流し、記憶を葬り去ってしまいます。
時間という風は、『もういいかな』という妥協や諦めを、次々と運んできます。

熊本地震から1年。
東日本大震災から6年。
時間の風は、ビュービューと吹いて、ますます勢いを増していくでしょう。
その風に立ち向かって歌い続けてこそ、本当の復興支援なんだと、生徒さんから教えられた気がしました。