「鬼滅の刃」を海外の人が観たら、「鬼」という存在を理解してくれるかしらと思います。いわゆるmonsterともghostとも違うんですよね。
恐れるべき者ではあるけれど、それがそうなったのにもそれなりの理由があって、お経に触れたりすると心穏やかに消えていく・・・みたいな感じ。西洋の、例えばドラキュラなどは十字架に触れると断末魔の声を上げて、苦しみながら消えるでしょう?仏教と、その他の宗教との違いですね。
「鬼滅の刃」でも、その要素はしっかりあって、そこが深みになっているのでしょう。
ほとんどの場合、悪役は理由もなく意地悪で残酷で、死後も変わらないと扱われていることが圧倒的に多いように思うのですが、「泣いた赤鬼」や「美女と野獣」の例もあるし、醜い姿をした者が必ずしも悪役とは限らない。愚か者とは限らない。『戦士』としての正しい誇りを持つようになるかもしれない・・・。それこそが『物語』を読む醍醐味なのではないでしょうか。