「布団敷くから待っててね」裕美さんの髪乾かさないといけないので、

 

「裕美さん、私がやりますからゆっくり髪乾かしてください」

 

「アリガト、ゆっくりもしてられないね、急いで乾かすわ」裕美さんおベッドの横に布団敷く。裕美さんはドライヤーかけ始めた。

 

「これでよしと、裕美さん、明日はどうします?」

 

「考えてないな、どうしよう?」

 

「三鷹の父に会いますか?なーんてね」

 

「止めてよ、私嫌われてるんだから」

 

「父みたいな人はとっつきにくいとこありますけど、慣れたらこんなに安心できる人はいないって気になりますよ」

 

「その人のことはもういいよ、嫌われてるのわかったし会うこともない、それでいいじゃない」

 

「わかりました、・・・あの、裕美さん、もう寝てもいいですか?」

 

「あ、うん、いいよ、私も終わるし」

 

「ありがとうございます」そう言って私は布団に寝転んだ。今日も色々あったけど無事過ごせて良かったな。

 

「私も終わったよ」そしたら裕美さん私のところに近づいてきた。謝ってたけどまた抱擁とかするのかなと思ったけど、裕美さんは私をじっと見つめてた。目のやり場に困ると思い目を逸らせようとすると、

 

「ダメよ、私見てて」というものだからじっと裕美さん見てた。こういうのも辛いな、だって見るだけってしんどいことだよ、普通何かアクション起こすのが当たり前なのに何もせずじっと見るなんてね・・・。

 

「あの、裕美さん」

 

「黙ってなさい」強靭な言動にたじろぐ。

 

「はい、すみません」裕美さん突然私の頬撫でてゆっくり目を閉じて何か念じた。そして、目を逸らせて、

 

「ありがとう、電気消すね」そう言って自分のベッドに潜り込む。「あ、エアコンは翔ちゃんの言ってた27度にしてるから寒くないよ、お休み」裕美さんよく覚えてくれてたなって想った。裕美さんは有言実行の人なんだ、裕美さんなりの私への接し方なんだろう。頬は触れたけどあとは何もなし、これからは私に触れることもないだろう、一抹の寂しさはあったけど、これが普通なんだって思うと安心できた。何をお祈りしてたんだろう?聞かせてほしいな。2分の短い時間だった。真っ暗の中で目を閉じて眠った・・・。

 

翌朝は7時に目が覚めた。裕美さんも同じく目が覚めた。

 

「おはよう」

 

「おはようございます」

 

「眠れた?」

 

「はい、ぐっすり眠れました」

 

「良かった良かった、じゃご飯作るか」

 

「何でもいいです、喜んでいただきますから」

 

「パンくらいしかないな、悪いけど」

 

「いいえ、十分です」

 

「じゃ顔洗って降りてきてね」

 

「わかりました」裕美さんは下に降りた。私も布団から出てトイレ行って歯磨いた。ついでにパジャマからいつもの服に。急いで降りることもないかと思ってると、裕美さんからご飯できたの声、素早い人だなと思いつつ下に降りた。裕美さんはもう食べてた。お母さんも起きて食べてた。食卓に近づいて、

 

「おはようございます」

 

「おはよう」