「そうだね、ハンバーグ焼くわ」そう言って裕美さん台所に。飲み会もおしまいだな。短かったけどこれで良かったと思う。

 

「小山内さん、食卓に行こう」おばさんが言ったので食卓に。ホントはもうちょっと飲みたかったな。別にいいけどね。

 

「小山内さんも裕美と同じW大?」

 

「いえ、J大です」

 

「そうなんだ、裕美とはどうやって知り合ったの?」

 

「はい、私達は熱海で知り合ってお互いの大学に行き、友だちになりました」

 

「J大ってW大から近いの?」

 

「すぐです、歩くと時間かかりますけど・・・・。あの、横山さんの議員さんの仕事ってどうですか?」

 

「毎日大変よ、問題事ばっかり持ってこられてその処理ばっかりね。ストレス溜まるわ」

 

「大変なんですね。私じゃとてもできませんね」

 

「お待たせです」裕美さんハンバーグ持ってきた。

 

「あ、裕美さん、手伝いましょうか?」

 

「いいよ、3人なんだし」裕美さんはテキパキとハンバーグ・お茶碗・ポタージュ持ってきた。

 

「じゃ、いただきます」ポン酢ハンバーグいただこう。初めてだし楽しみ。2つも焼いてくれたし。大根おろしも付いてるしな、本格的だ。

 

「いただきます」お箸取って食べる、うん、美味しい、ポン酢ハンバーグもいける。

 

「美味しいです、裕美さん」

 

「良かったね、私も美味しいよ」

 

「ええ、こんなハンバーグもいいわね」しばらくは3人共食事に向かい沈黙。このハンバーグも記念になるな。残り1個になったハンバーグの写真スマホで撮る。

 

「翔ちゃん、何してるの?」

 

「今日の記念に写真撮ってるんです」

 

「そんなのが記念なの?」

 

「私にとっては記念になりました」

 

「変なの、お母さん、今晩、いや、明日まで翔子ちゃんウチに泊めるけどいい?」

 

「いつまでもいてくれていいわよ」

 

「そうも言ってられないの、明日までね?」

 

「明後日はどうするんですか?」

 

「翔子ちゃんの家に行く、で、泊まる」

 

「裕美さん、それ本当ですか?」

 

「もちろんよ、食べてない『山賊焼き』食べたいの」

 

「嬉しいです!裕美さんが来てくれるなんて。・・・ただ、あの裕美さん」

 

「何?」

 

「実を言うと、今日父が家に帰ってくるんです」

 

「翔ちゃんのお父さんが帰るんだ」

 

「はい、帰ってきます」

 

「で、お父さん私が来るの嫌だったんだ」

 

「おっしゃる通りです。父はとても厳格な人でして、家庭の和が乱れるの誰よりも嫌う人なんです」

 

「私が来たら和が乱れるってことか」

 

「おっしゃる通りです」

 

「いいよ、わかった。 でも明後日はいないんでしょ?」

 

「多分大丈夫に思います」