「『信長協奏曲 映画版』」

 

「わぁ、私観たことなかったです、TV版しか。信長の最後どうなるか楽しみです」

 

「わかった、DVD取りに行ってくる、あ、翔ちゃん、ビール飲みたかったら飲みなよ、おかずも用意するから。私も飲むんでね」

 

「わかりました」裕美さんは自分の部屋に行った。しばらく一人の時間。ふぅー疲れたぁ。ホントのこと言わなきゃいけないな。あんな嘘で塗り固めた言動じゃ裕美さんも納得しない。きちんと家出ていった訳話さないといけない。じゃないと裕美さんは二度とウチに来なくなる。うーん・・・。そう思ってるうちに裕美さん戻ってDVD入れて再生。映画終わるまでに考えよう。『信長協奏曲 映画版』観る前にTV版『信長協奏曲』のおさらいしておこう。

勉強が苦手な高校生のサブローは、ひょんなことから戦国時代天文18年(1549年)にタイムスリップしてしまい、そこで出会った本物の織田信長に、瓜二つの容貌をしていたことから、病弱な自分の代わりに信長として生きてくれと頼まれ、信長として生きていくこととなる。

当初は、周囲から困惑され裏切りや暗殺されかかるも、偶然が重なり飄々と切り抜ける。そうしたことから家中や領民に支持され、家臣の平手政秀の死をきっかけに本気で天下統一を志す。室町幕府第13代将軍の足利義輝との謁見をはじめ、尾張、美濃を制覇し京に上洛後、敵対した足利将軍家・朝倉家浅井家武田家など隣国大名を打ち破っていく一方、楽市楽座・産業振興・兵農分離などを推し進め、領地経営も成功し、安土城を築城して、史実の通りに天下人へ駆け上がっていく(Wikipediaより)。

 

私は裕美さんに甘えてビール冷蔵庫から2本出して裕美さんにも渡した。裕美さんも心得てたようでポテチとチーズ持ってきてくれた。よし、じっくり観よう。

 

映画版信長協奏曲のあらすじは、家臣が増え国が大きくなった織田家は「安土城」を建設する。サブロー(小栗旬)の意思は変わらず「戦のない世の中」を実現する事だった。城が建ち喜んでいた織田家だが、サブローの元へサブローと同じく現世からタイムスリップしてきた松永弾正久秀(古田新太)が訪ねくる。久秀は、サブローに「残る人間の為に建てたのか」と聞かれサブローは意味が分からずにいた。

教科書をサブローに見せた久秀は、明智光秀(小栗旬)が羽柴秀吉によって信長を殺した罪で切られるという文章だった。信長の死因や場所に関する記事は、斎藤道三(西田敏行)の手で破り捨てられていたのではっきりとはわからずサブローは混乱する。混乱するサブローだったが、考える暇もなく急いで兵士が駆け込んできた。敵軍が織田家を潰すために手を組み、四方から攻め込んでくるという知らせが入る。

上杉謙信と毛利元就と石山本願寺が手を組み安土城を攻め落とす作戦を聞き、家臣たちは討伐隊に立候補する。裏でサブローを殺そうとしている秀吉と信長の作戦を知らないサブローは、秀吉の提案を受け入れ光秀に戦を任せた。上杉謙信を前田利家と柴田勝家(高嶋政宏)に任し、秀吉は毛利元就を任される。秀吉と光秀は、手薄になる安土城を乗っ取りサブローを殺す計画を立てた。

城に残った市(水原希子)は、帰蝶(柴咲コウ)とサブローに祝言を挙げる提案を持ちかけた。サブローは、自分が死ぬ事を知っているので挙げる事ができないと言う。ショックを受ける帰蝶だったしたが、サブローは「もうすぐ死ぬんだ」と話した。その言葉を受け入れる事ができず激怒する帰蝶に、現世のスマホや持ち物を見せ全てを打ち明けますが、帰蝶は信じず「美川に逃げろ」というサブローの提案をはねのける。

秀吉の作戦通りに安土城へ戻るつもりの光秀だったが、松永が敵に情報を流していたせいで敵が優勢になってしまいサブローの元へ向かう余裕が無くなる。明智の軍が劣勢になっている事を知ったサブローと家臣たちは、光秀の援護へと向かった。戦っている光秀の元に、サブローが援軍に来て先頭で戦っているという知らせが入る。サブローと家臣達の援護によって、無事に勝利を収める事ができた。

光秀は、家臣やサブローが駆け付けた事が理解できなかった。家臣とサブローの姿を見た本物の織田信長は、自分がサブローに嫉妬し見失っていた事に気づく。本物の織田信長は、再び明智光秀としてサブローを支える事にする。秀吉(山田孝之)に暗殺は取りやめると話し、手柄を上げたくて村に無暗に火を放った事を話した。秀吉は激怒しますが、何も言わず自身で天下を取る事を決める。

秀吉は、本願寺に密告をした松永の元へ兵を連れて奇襲をかけた。秀吉からの攻撃を受け、松永の城は炎に包まれてしまう。秀吉は、何でも知っているという松永から情報を聞き出そうとした。松永は隙を狙って攻撃するが返り討ちに合い、秀吉に殺されてしまう。

光秀を救ったサブローは、城に戻り帰蝶に「祝言をあげよう」と言った。この時代で生きていく事を決心したサブローは、歴史なんて気にせずに精一杯生きていく事を決め、「もう生きる事を諦めないから、僕と生きてください」と帰蝶に言う。帰蝶は、サブローのプロポーズを喜びながら受け入れ祝言を上げる事になった。

サブローと帰蝶は、祝言を挙げる事を家臣たちに報告した。場所はどこにするのかと問われ「本能寺」で挙げると言い、祝言にはあまり兵を連れて行かないと言う。サブローが兵を置いていく事を知った秀吉は、サブローを暗殺する場所を「本能寺」に決める。暗殺を止めると言った光秀だったが、本性を表した秀吉は許さず、妹や帰蝶達を殺されたくなければ命令に従いサブローを殺せと言った

帰蝶は、家臣の佐々成政からサブローが持っていた「スマホ」を持っている人物が大阪で見つかった事を聞いた。祝言の前に大阪に向かった帰蝶は、海岸で発見され捕えられた異国の男性ウィリアム・アダムスと話をする。ウィリアムは「カッパ」と呼ばれ、幽閉されていた。カッパは、自分がタイムスリップしてきたと帰蝶に話す。

帰蝶は、カッパが日本の歴史に詳しい事を知り「織田信長の最後」を質問する。カッパは帰蝶に「織田信長は、本能寺で明智光秀に殺される」と話し、それを聞いた帰蝶は急いでサブローの元へと向かおうとした。帰蝶は本能寺へ向かう途中で、羽柴秀吉から守ろうとした本物の信長に保護された。

ウェディングケーキの準備をしながら幸せいっぱいのサブローの元に現れたのは、帰蝶ではなく明智光秀として生きている織田信長だった。明智光秀は顔の布を取り、兵士に「本物の織田信長は私だ」と言い、本能寺へ偽物を打ちに行くと言った。明智軍は、サブローの居る本能寺へ火の矢を放つ。サブローは、信長に対して「なんでこんな事をするんだ?」と尋ねる。

本能寺の変の結末は、明智光秀として側にいるうちに嫉妬心に支配されてしまい秀吉の作戦に乗ってしまい、暗殺を企てていた事をサブローに打ち明ける。光秀はサブローを織田信長として生かすために代わりに本能寺へ残ると信長は言った。本物の織田信長は、自分を置いて逃げるようにサブローに頼む。サブローは、納得できなかったが帰蝶や家臣の為に信長を取り残し逃げる。

信長は、秀吉に会って自分の首を差し出すからサブロー達に危害を与えないように頼む。が、復讐に燃える秀吉にはもはや本物の織田信長もサブローも関係がなかった。秀吉は、自分が天下を取る為に織田信長を殺し、兵士達に織田信長と明智光秀の2人の顔が同じ事を告げ、逃げたサブローを逆賊の明智光秀として殺す事を計画した。

本能寺での出来事を聞いた家臣達は、織田信長の元へ急ぐ。池田恒興(向井理)は、帰蝶の他にサブローの正体を知っている人物だったので焦り兵士を走らせた。本物の織田信長によって保護されていた帰蝶だったが、羽柴秀吉の兵士達に攻撃され城から逃げ出す。

逃げていた帰蝶が捕らえられそうになるが、サブローが現れ2人は無事にお寺に逃げ込む。帰蝶はサブローに「遠くで一緒に暮らそう」と提案した。帰蝶の言葉を聞きサブローは、迷ってた。一晩お寺で過ごした2人の元へ兵士が訪ねてきて、焦りますが秀吉の作戦に気づいた光秀家臣が送ってきた兵だったのだ。

兵の話によると、兵士達はほとんど秀吉の話を信じていてサブローの事を光秀だと思っていた。帰蝶と話し合ったが、サブローは自分の為に戦う家臣の為にも羽柴秀吉の元へ向かう事を決める。帰蝶は「一緒に生きると約束したではないか」と言い放つが、サブローの決心は揺るぎなかった。帰蝶は、涙をこらえサブローを妻として送り出す。

サブローを見送った帰蝶は、家臣と城へ戻った。城へ戻った帰蝶の元へ池田恒興が現れる。恒興は、サブローから預かった「結婚指輪」を出した。恒興は「この指輪があれば2人はずっと夫婦で、指輪はその証だ」とサブローからの伝言を伝える。恒興は帰蝶に向かって「いつも殿は、帰蝶様の側にいます」と言った。

秀吉は、サブローを捕らえ反逆者として処刑しようとする。サブローは秀吉に向かって、織田信長に固執するわけを聞いた。秀吉が復讐の為に生きている事を知り、サブローは「平和な時代が必ず来る」と言う。秀吉はサブローの言葉に効く耳をもたず、サブローを処刑した。

処刑されたサブローは、目を開けるとタイムスリップした場所にいた。信長協奏曲の結末は、道を通っている人にサブローは声を掛けられ、トラクターを見たことで戦国時代ではなく自分が現世に戻った事に気づく。

映画の結末では現世に戻ったサブローの元へ、一枚の封筒が届き中身を確認すると手紙とSDカードが入っていた。手紙は、サブローと同じようにタイムスリップし帰蝶に助けられたという人物からの手紙だった。手紙の内容には、帰蝶に世話してもらい徳川家康に仕えながら幸せに暮らしたという事と、サブローの遺体があの後消えてしまった事が書いてあった。

帰蝶は、サブローが現世に帰ったのだと思い、ウィリアムが現世に帰った時にSDカードを届けて欲しいと頼んでいたのだ。封筒に入っていたSDカードには、帰蝶からのメッセージが入っていた。帰蝶のメッセージには、サブローが残した想いが残された家臣達に受け継がれていき平和な時代が訪れた事や、指輪があれば2人は繋がっているという事や感謝の気持ちがこもっていた。

映画の信長協奏曲の結末では、サブローが帰蝶からのSDカードを何度も再生し涙を流していた。サブローは、戦国時代にタイムスリップした場所へと向かう。木のふもとへ行ったサブローは「殿」と呼ぶ声がして振り返りますが、そこに家臣の姿はなかった。おしまい。