「はい、お願いします」

 

「あと、しょうちゃん飲みたいなら飲んでいいよ」

 

「お酒ですか?」

 

「うん、買ったビール飲みなよ、ただし多分お母さんとも付き合ってもらうから控え目にね」

 

「お母さん今日飲むんでしょうか?」

 

「もうほとんど毎日飲んでるわ、だからあなたが来ても問題ないでしょうね」

 

「わかりました、じゃ早速ビール取ってきます」私はソファから離れて冷蔵庫のビール取って戻る。裕美さんは再生の準備に取り掛かる。

 

「あの、裕美さん、始める前にあらすじでも教えてください」

 

「いいよ、えーっと、アラサー女子の黒田みつ子(のん)は何年も恋人がいないが、脳内にいるもう一人の自分『A』に様々なことを相談しながら独り身でも楽しく暮らしていた。常に的確な答えを導き出す『A』と一緒に平和なシングルライフが続くと思ったいたある日、別の会社の年下の営業マン多田くん(林遣都)に恋してしまう。独身生活に慣れたみつ子は勇気を出せない自分に不安を抱えつつも、多田くんを両思いだと信じて一歩踏み出す」

 

「アラサー女子のお話か。面白そうですね」

 

「もういいから黙ってて」私は黙ってビール飲み始めた。おかずが欲しい・・・。

 

「はい」

 

こうして映画始まった。いきなり街中歩く黒田みつ子(のん)。街中で河童の像に出会う。いきなり『A』が話始める。そのままマンション(705号)に帰って天ぷら食べる。もちろん独りで。終始『A』と話し込んで。これはこれまでの玲奈ちゃんにはない演技だと思った。独り芝居みたいだ。

会社ではお茶くみだけの詰まらない仕事。お茶出しの際、取引先の多田くん(林遣都)がいる。その多田くんはみつ子のマンションの近くに住んでて晩ご飯分けてもらう。今晩は肉じゃが。んでまた『A』との会話。『A』は多田くんがみつ子の会社に来るようになってから多田くんに恋してると断言する。多田くんがコロッケ屋で待ってるとみつ子が通りかかって多田くんからコロッケもらう。その時の玲奈ちゃんの笑顔がいい。多田くんはその後みつ子の晩ご飯を貰いに来るようになる。

で、また肉じゃが作るみつ子。前回と違って今回はきちんと化粧して身綺麗になってる。でも多田くんは愛想ない。

会社では先輩のノゾミ(臼田あさ美)の愚痴を聞くみつ子。

で、また独りの時に独りで焼き肉屋行くなんてね。『A』も少しみつ子バカにしてた。

翌日、部屋の掃除。掃除機かけて洗濯機回す。大瀧詠一の曲流れる。その中でみつ子はリビングに寝転ぶ。大の字で。音符が外の電柱にかかってる。

いきなり街中で多田くんと会ったみつ子。多田くんをウチに呼ぶことに。全く浮かれてるみつ子。

遂に多田くん来た。下着干したままだったの見てすぐに隠す。多田くんとの晩ご飯は天ぷら(かき揚げ)とコロッケ。二人とも結構喋ってる。食事終わって多田くんは部屋の電灯取り換えてくれた。で、お終い。

翌日、会社でノゾミと昼食、そのまま家に帰る。

裕美さん突然ビデオポーズする。始まってから43分頃だ。

 

「あー、疲れた、どうだった?」裕美さん突然話しかけてきた。

 

「そうですね、ありふれたアラサー女子の日常扱ってますけど玲奈ちゃんは変わってます、どこか普通じゃないって感じがします」

 

「そうだね、あの人も独特のパフォ-マンスあるし」

 

「今回彼女の映画観れて良かったです」

 

「まぁこのまま続けよう、あと、私もビール飲もうかな」