「そう、もう気にしないで。彼女は彼女なりに考えて行動してるしね。私もあの子のことよくわからないこともあるし」

 

「そうですか、じゃ止めます」

 

「翔ちゃん、あれ見て」裕美さんが指差した方見るとレッサーパンダがいた。レッサーパンダの畜舎は一つの小屋のようになってて周りからは隔絶されている。そんなところに来たんだ。

 

「嬉しいです!私っレッサーパンダ見たくて北海道まで来たんです!釧路・旭山に続いて円山でも見ることができた、これでもう満足です」畜舎内の名前表示にセイタ・エイタと書かれてる。この二匹は雄なんだろうな。あと、ギン・ココと書かれてる。都合5匹目に入った。明日じっくり見よう。

 

「釧路も旭山もレッサーパンダいたんだ。彼らって人気者だね」

 

「そうですね、あの子たち見てると癒されるんですよね。嬉しいな」

 

「あ、もうこんな時間だ。そろそろ出るね。バスに戻らないと」あぁ、もうお昼か。何か時間経つの早いな。

 

「もうお昼なのか、早いですね。裕美さんと会ってからあっという間って感じです」

 

「白い恋人パークで待ってる。必ず来て。何があるかよりもしょうちゃんがいてくれたほうが楽しいし有難いって気になるの」

 

「白い恋人パークですか、わかりました、とにかくそこ目指してみます」

 

「お願いね、じゃ」そう言って裕美さんは私の前をあとにした。途中私の家族とか拓実君に挨拶して。そのまま拓実君やってきて、

 

「横山さん行っちゃったな」

 

「うん、でも追うわ」

 

「え!?」

 

「お母さん、裕輔さん、聞いてください、私たちはこれから動物園出て白い恋人パークに向かいます。距離はここから3㎞程度なので大した距離じゃないです。できればどこかでお昼食べてから行きましょう」

 

「えらい急だね。その白い恋人パークって何があるの?」姉

 

「スマホ見てないからわかんない、けど旅行者はみんな行くみたいだから私たちも行くの」

 

「飯はどこにする?」

 

「晩が飲み会だから質素なのでいい。例えばマクドナルドとか」

 

「あ、それいい!ハンバーガー食べたかったんだ」拓実君

 

「じゃそれでいきましょう。みんなもそれでいいわね?」母。頷く4人。

 

「あと、白い恋人パーク終わったらモレエ沼公園てとこに行きます」

 

「そこって何があるの?」姉

 

「まだ調べてないんでわかりません。でもきっといいとこだと思う

 

「わかった、じゃ裕輔、運転お願い」姉。運転は裕輔さんに決まったみたい。そうして私たちは円山動物園跡にして北に向かう。途中西町マクドナルドに寄ってドライブスルーでハンバーガー買った。みんな貧相なメニュー(チーズバーガーハッピーセット)でスマホのアプリ使って5人分2,000円で済んだ。

 

白い恋人パークはすぐ着いた。駐車場も無料ということで車置いて車内でハンバーガー食べた。もうおやつみたいな感覚だな。飲み会に備えてってとこだろう。裕美さんたちは来てるんだろうか?多分来てるだろう。そしてここでゆっくりお昼食べてることだろう。急ぐ必要はない。私は白い恋人パークに足を入れた。

 

びっくりだったのはここって中世のヨーロッパの建物みたいなものが数多く並んでることだった。これには正直たまげた。こういうのって多分恋人同士で行くようなところだろう。じゃ拓実君と素直に歩くか?いや、私なら裕美さんと歩きたい。裕美さんもきっとそう思うはず。とにかく、ゆっくり回ろう。