「そう、あんたもお父さん好きなんだね」
「そりゃ好きよ、お父さんいるから私もいるんだもん」
「そう、で、裕美さんて子のことなんだけどね」
「うん」
「姓は何て言うの?」
「横山」
「横山って・・・」
「そう、お父さんと同じ姓」
「もしかして、翔子、その子って・・・」
「世田谷の豪徳寺に住んでる、お父さんの子供かもしれない」
「そうか、そうなんだ・・・」
「お母さん、私は・・・私の出生のこと知ってる」こんなとこで真実言うなんてね。
「・・・ゴメンね」
「だからと言ってお母さんお父さん恨んだりしない、それだけはわかってほしい」
「ちょっと待って、これは沙織にも話さないといけない」
「わかった、じゃ姉さん待つ」
「そうして頂戴」もう少し待たないといけない。姉の入浴時間はそれほどじゃないけど、待った。その間にブログは終了した。パソコン消してテレビに目をやった。見てないけどね。
「・・・あの人、裕美さんに初めて会ったのは熱海のときだった」
「そう」
「私にそっくりだから変なのって思った。で、拓実君連れて裕美さんの通ってるW大行って会った。そしてそのまま彼女と友達になった」
「そう、翔子も全然話さないから知らなかった」
「そのまま彼女も学童に入って楽しくやってる。彼女夏休みは彼氏さんの実家に関西行くって言ってたのに何故か北海道に来ててびっくりした」
「学童にね。あの子もあんたみたいに真面目な子なんだ」そうしてると姉が出てきた。
「あーすっきりした、翔子、お茶頂戴よ、あ、水ないか」姉はカップ取ってお水入れて沸かし始める。「どうしたの、そんなシリアスな顔して?」
「翔子、あんたもお風呂入りなさい」
「え、でも」
「いいから。そのあときちんと話します」
「わかりました」夏なのでシャワーでいい。髪の毛を念入りに洗って体洗う。すぐ終わってシャワーで体と頭洗う。こんなもんでいい。急いで部屋に戻る。姉は何も知らないようで、私の腰かけた椅子に座ってお茶美味しそうに飲んでた。私はベッドに座った。
「お母さん、終わった」と言うと、
「ええ、じゃ話すわ。沙織、翔子、私がこれから話すことに驚かないで聞いてほしい」母
「何?今更何聞いても動じないけどな」姉
「・・・あなたたちは私生児なの」母
「・・・・・・」姉と私 。まさかこんなとこでこんな話聞くなんてね。
「・・・今まで黙っててゴメンなさい。言う機会はいくらでもあったけど言えなかった」母
「お母さん、そんなのもう知ってたよ」姉。知ってたのか、流石姉さんだ。第一お父さんとお母さんの姓違うもんね。自ずからわかるか。
「どうして知ったの?」
「簡単だよ、お父さんとお母さんの姓が違う、それだけでわかることじゃない」姉