恋をした


私の好きな人は

私を緊張させた


あなたには

少しでも綺麗な私を

見せたくて

無理して 背伸びして

いつも笑って

苦しいって吐き出せなくて

助けてって言えなくて


好きだからという建前と

ずっと格闘していた


それでもね、

それでも 私は あなたが

良かった


苦しくて あなたに愛されなくて

それでも

それでも


あなたが良かったんだ


他の誰かを 心に受け入れた

今も


心の片隅に

住み続けるあなた

白が降る 私の足跡 いつもの景色

全部 真っ白にして

何もなかったように


あなたとも

最初からやり直せればいいのに


白が消える 後から現れる 鮮やかな景色

周りはこんなにも 色に溢れてる


そして


綺麗とはほど遠い 

泥にまみれた 私の足跡


ずっと消えない

私が辿ってきた 道

泥靴のまま進む 私の 道

ふわふわと タイミングよく 人の気を惹く

ある子供を笑顔に

ある大人を苦笑いに

つかみどころのない

あやふやな 冷たさ


ゆきをこの手にやっと掴んだら

次の瞬間もう

なくなった


なくなったんだ

それに気付くまでに

どれだけ そうして佇んでいただろう


また 降って欲しいと

上を向いてみたけれど


冬の夜は

白がなくなるとただの闇で


容赦なく 私を淋しさで包んだ

私が どれだけ 嬉しかったか

あなたに 出会えた

あなたと話せた

毎日が大袈裟じゃなく

輝いて温かくて生きてるって思えた

あなたが 笑うようになって

あなたが 泣くようになった

あなたが 私を見なくなって

私も見ないように 頑張った


もう

もう充分だよって


何度感謝しただろう


あと一回

最後に一度だけって

何度 区切りをつけようとしただろう


私が唯一見つけた 本物の「恋」

私の心が本気で あなたを好きだって

胸はって言えた


こんな相手

一生に二度は現れてくれないだろうけど

それなりに 上手く人生

生きてみるよ

カタ カタ カタ カタ カタ トン

画面にうつる こんなに甘い5文字も

私に響かない


私がひねくれているからかな


その文字の後ろに

見え隠れする

溜息が 聞こえるようで

表情が 曇っていくようで


打ってる文字が滲む


表示されるまでの「間」で

何もかもわかってしまった


「あいしてる」を打ちながら

「あいしてた」に変換した


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