卵城を出る頃には日も暮れはじめ、ナポリ散策もいよいよ大詰め。
そろそろ駅に向って歩こうかと彼と話していたら、
突然、パトカー数台が目の前に現れ、警察官がどっと降りてきた。
んん?手にしてるのは、ピストルですか!?
一瞬、目を疑ったけど、間違いなく本物のピストルをお持ちです。
ナポリの治安は悪いと聞いてはいたけれど、まさか巻き込まれるとは。
幸い、発砲することなく無事切り抜けられましたが
生のピストルを見られるとは思ってなかったよ。
いやぁ~怖かった怖かった。助かった。
竜巻のような一件が通り過ぎ、再び歩きはじめて国立考古学博物館へ入場。
ナポリ最後の思い出だ。
この頃。彼も私も“手持ち”が心細くなってきており
入場料€6.50を支払うのも憚れた。
すると、チケット売り場で€2.50のインフォメーションが。
「なんだ、€6.50はガイドブックの誤植か」
と思っていたら、受付の女性に「€6.50です」と言われ、めまいが。
「€2.50って書いてますよ?」
と伝えるとジェスチャーすると、
「これは学生料金です」と受付嬢。
お金もないし、疲労度もピークに達していたしで
どうする?どうしよう?と話していたら、
「OK、€2.50で」とお情けをくれた。
受付嬢、私たちを日本の学生だと勘違いしたのかしら?
せっかくの機会を無駄にせん、と歩を進めました。
まずは1階の彫刻室から。
石棺です。
外側に描かれた人間模様がその人の人生を表すのだとしたらちょっぴり驚き。
殺伐とした当時の様子が表現されています。
こちらは、男性同士が手をつなぎ……はっ!
この世にも同性愛があったのね。
現代では、同性愛者のみが暮らす地区があったりと、
包み隠さず愛を貫くカップルが増え、また認める人も増え、
当事者には暮らしやすい世になりつつあるけど、
この時代の人々はいかほどだったのだろうか。
さらに奥へ進みます。
■ファルネーゼのヘラクレス
■ファルネーゼの牡牛
中央奥に立っている正妻(見づらいけど)が
左手前に倒れている愛人に嫉妬して牡牛をけしかけたら
愛人を恋慕する男が牡牛を押しとどめて助けに入っているというシーン。
■以下、その他彫刻
これから2階へ。まだまだ続きます。