まるで巨大迷路のように入り組んだ道をひたすらに進んで行き、
ようやっとサン・ロッコ大信徒会へ到着。ふぃ~。
サン・ロッコ大信徒会のお隣にあるのは、サン・ロッコ教会。
本日は礼拝日ではなかった(?)らしく、中に入ることはできませんでした。
さて、サン・ロッコ大信徒会へ足を踏み入れると、そこは別世界。
1階には窓が少なく、入り口以外自然光がほとんど差し込むことがなく真っ暗闇。
「ヴェネツィア 最高~!」
織田○二ばりの昇華熱だしまくりのテンションも、
冷え冷ますのに1秒もかからなかったことは言うまでもなく。
ここからは、ティントレットの絵画を堪能することにいたします。
1階フロアに掲げられた「The Flight of Egypt(エジプトへの逃避)」
2階に続く階段。天井、壁には絵画で埋め尽くされている。
彼らの表情は決して穏やかでなく、笑みはない……。

こちらは2階フロア。天井に飾られた絵画たちは、首が攣りそうになるまで見上げる必要もなく
フロアにある鏡を使って観るんだそうな。
柱に施された彫刻も見事なもので、細部にまで気の配られた芸術品。
ここでもやはり、作り手の怒と哀の感情のみが埋め込まれている気がして、言葉を失う。
2階フロア隅にある「The Last Supper(最後の晩餐)」
ちょっと暗いけど……、これがあの最後の晩餐ね。
(よく目にする最後の晩餐は別の場所にて出会うことになる)
出口付近にて。ここがスクオーラであることを象徴しています。

メモ
■スクオーラとは
ヴェネツィア特有の制度。
商人や貴族を中心とした慈善事業を行う友好団体を指す。
専用の礼拝堂や集会場を持ち、中には救済院や病院などを所有する団体もあったとか。
そして、経済力を増した信徒会は、貴重な絵画を飾り、価値ある建物を建てた。
その名残で、現在は美術館として利用されているところが多い。
(参考文献:「新個人旅行」昭文社)
■エジプトへの逃避
「マタイ福音書」より。ヘロデ王が幼子キリストを殺そうとしていると夢のお告げで知ったヨセフ。
その結果、ヨセフはイエスとマリアを連れて無事エジプトまで逃れた。
■サン・ロッコ大信徒会フロア図