朗読者 (新潮文庫)/ベルンハルト シュリンク

¥540
Amazon.co.jp
僕はハンナの犯罪を理解すると同時に裁きたいとおもった。 p180
第二次世界大戦が終わってもなお過去の清算に振り回される戦後の人の話、という印象でした。
主人公にも、戦時中の行為や世代を糾弾してよい、すべきという戦後世代として自意識が
あるように感じました。そういう意識は安保闘争時の若者にもあったと聞いたことがあります。
でも、当事者ではないが故にそういう態度には奢りがある、とも言えるのかもしれません。
ハンナは主人公を坊や扱いしてはいるが、自分が文字を読めないことを隠し、
それに強いコンプレックスを持っている。
主人公はハンナのプライドを傷つけんがために、文字が読めないことをしってはいるが
それを悟られないように立ち回る。
が、その行為がハンナのプライドを最も傷つけることになってしまう、というのが
なんというかもどかしいですね。