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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
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人間らしさや魂の裏づけができてしまったがゆえに、ある意味製品としての品質が保証されてしまうという皮肉が悲しい。登場人物たちは臓器提供の運命に逆らわない。それはなぜか。子供時代があったからだ、という意見をどこかで見て妙に納得した覚えがある。映画版を先に見てしまったのだけど、原作を読めばなぜ運命に逆らわないのか詳しくわかるのではないかと思い読んでみたが、自分の読解力ではよくわからなかった。残念。映画版ではラストの「私たちと私たちが救った人々に違いが?皆”終了”する。”生”を理解することなく」 といった独白シーンがけっこう印象的だったのですが、原作ではそういう記述はなく下手にわかりやすいメッセージ性をもたせてない印象。
最後にものごとのネタばらしのような対話が行われることや設定はどこかオルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』に通じるものがあるかも。
著者の作品は「記憶は捏造する」「運命は不可避である」というテーマが共通しているそうで他の作品にも興味がわきました。ただつい先日著者がノーベル文学賞を受賞したので、図書館で手に取るのはもう無理そうかな(汗)


