母の日です。
ジョージ・クルーニー主演のファミリーツリーを観ようと映画館へ行ったものの、見事に時間に間に合わず。
他に何か観るものはないかと探してみると、宇宙兄弟と我が母の記がありましたので後者を。
役所広司さんと中井貴一さんの主演映画に間違いはないですから。
それに母の日に観るにはうってつけかなと。
若い人がみんな宇宙兄弟の劇場に入って行く中、じいさんばあさんと僕だけが我が母の記の劇場へ。
テーマがテーマだけに若い人にウケは良くないのかもしれません。
さて。
原作は井上靖さんの自伝小説。
舞台は伊豆の湯ヶ島、世田谷、軽井沢。色鮮やかな花や緑の映像がちりばめらています。
売れっ子作家の兄弟や家族が老いてボケが始まってきたお婆ちゃんとの姿を温かく描いた作品です。
何よりもスゴイのは樹木希林さん演じるお婆ちゃんの演技。ボケてからの掛け合いや間は秀逸です。
そして僕が映画において一番大切に思う、一人一人の登場人物の機微というものを見事に描いています。
ほんと最近の映画(特に邦画)は主要キャストばかりが目立って脇を固める人物がぞんざいに扱われています。
たぶん僕が群像劇が好きだからそう感じてしまうのだと思うのですが。僕は主人公というのは観る人が決めるものだと思っています。
話が逸れたので戻すと、我が母の記では自分を投影できる対象が多いのです。
ボケたお婆ちゃんに対して、わだかまりを持った長男。
最後まで面倒を看る長女。
独身だがいつも家族をまとめようとする二女。
大好きなお婆ちゃんの面倒を看るのを厭わない孫たち。
義母と夫の間の秘密をずっと秘め、2人を支えてきた長男の嫁。
などなど。
僕自身、かつては痴呆を患っていたお婆ちゃんの孫であり、現在は老いた母を持つ身です。
親というものは緩やかにだけれども確実に死に向かって確実に老いてゆきます。
誰しもその呪縛から解かれることはなく、また解かれることを望んでもいません。
ただひたすらに向き合うこと以外はできんのです。
この作品のテーマは人間が抱える究極のあるあるです。
だから現在親がいる人、またはかつて親がいた人は観た方が良いのです。
iPhoneからの投稿
ジョージ・クルーニー主演のファミリーツリーを観ようと映画館へ行ったものの、見事に時間に間に合わず。
他に何か観るものはないかと探してみると、宇宙兄弟と我が母の記がありましたので後者を。
役所広司さんと中井貴一さんの主演映画に間違いはないですから。
それに母の日に観るにはうってつけかなと。
若い人がみんな宇宙兄弟の劇場に入って行く中、じいさんばあさんと僕だけが我が母の記の劇場へ。
テーマがテーマだけに若い人にウケは良くないのかもしれません。
さて。
原作は井上靖さんの自伝小説。
舞台は伊豆の湯ヶ島、世田谷、軽井沢。色鮮やかな花や緑の映像がちりばめらています。
売れっ子作家の兄弟や家族が老いてボケが始まってきたお婆ちゃんとの姿を温かく描いた作品です。
何よりもスゴイのは樹木希林さん演じるお婆ちゃんの演技。ボケてからの掛け合いや間は秀逸です。
そして僕が映画において一番大切に思う、一人一人の登場人物の機微というものを見事に描いています。
ほんと最近の映画(特に邦画)は主要キャストばかりが目立って脇を固める人物がぞんざいに扱われています。
たぶん僕が群像劇が好きだからそう感じてしまうのだと思うのですが。僕は主人公というのは観る人が決めるものだと思っています。
話が逸れたので戻すと、我が母の記では自分を投影できる対象が多いのです。
ボケたお婆ちゃんに対して、わだかまりを持った長男。
最後まで面倒を看る長女。
独身だがいつも家族をまとめようとする二女。
大好きなお婆ちゃんの面倒を看るのを厭わない孫たち。
義母と夫の間の秘密をずっと秘め、2人を支えてきた長男の嫁。
などなど。
僕自身、かつては痴呆を患っていたお婆ちゃんの孫であり、現在は老いた母を持つ身です。
親というものは緩やかにだけれども確実に死に向かって確実に老いてゆきます。
誰しもその呪縛から解かれることはなく、また解かれることを望んでもいません。
ただひたすらに向き合うこと以外はできんのです。
この作品のテーマは人間が抱える究極のあるあるです。
だから現在親がいる人、またはかつて親がいた人は観た方が良いのです。
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