忘れてしまっていたけれども。マイブームでした。
僕は映画を観るのが大好きで様々なジャンルに手を出している。
高校生の時にチャップリンから始まって、フランス映画、小津安二郎、ハリウッドのモノクロ時代、そして今はアジア映画。
そうアジアンムービーがマイブームだったのだ。
アジアといっても邦画は含んでいない。どうも邦画はちょっと・・・苦手というか、たぶん僕にはまだ早いのだろう。
90年代前半までの邦画は狂おしく好きなんだけどれど。
さて。
最近じゃ何かと話題のインド映画や韓流が持てはやされていますが、忘れていませんか?眠れる獅子を。
そう中国ですよ!
政治外交では何かと肌が合わない中国ですが、中国4千年の文化は一流のチャイニーズムービーを作り出しています。
かつてはワイヤーアクションを駆使した作品ばかりが目立ちましたが、ここ数年ではドラマ作品が数多く輸入されています。
その先駆けとも言うべき作品がチャン・イーモウ監督の「あの子を探して」です。
何度も観かえしている作品なのですが、観る度に胸が熱くなります。
10年近く前の作品なのですが中国の貧富の差を掘り下げています。小さな日本では考えられない世界です。
とはいえ日本でも過疎化が進んでいる地域がある以上、決して目を背けられない問題でもあります。
劇中にて。
貧困な村から街に出稼ぎに行ったもののはぐれてしまい街を彷徨う少年ホエクー。乞食同然の生活をしていたホエクーが、ようやく見つけてもらい村に帰る際に言った一言がこの映画のすべてだと思う。
リポーターは様々な質問をホエクーに問いかけ、一番最後にこれを聞いた。
「街で一番思い出に残っていることは?」
リポーターとしては何もない村から街に来た少年に、発展した街のこと、つまり自分たち都会人が住む生活のことを憧れを持って説明してもらいたかったに違いない。もちろんイヤミな意味ではなく。
それはあるいは、「TV」や「たくさんの車」、「立ち並ぶ高層ビル」といった都会的というシンボルを求めたのかもしれない。
しかしホエクーは少し考えたあとボソリと言った。
「食べ物を恵んでもらえたことは一生忘れない」
さらにラストシーンで生徒が黒板に1文字づつ書いていきます。
子供たちが書いたものは全て”何もない村”にあるものばかりでした。とても印象的です。