化粧品を使いすぎると美肌になれない理由は？
大川明伸（はるのぶ）です。
長い間
化粧品開発に携わっておりますと
たくさんの肌を拝見させていただく
機会があります。
必要な方々に
肌分析もおこなってきました。
肌を分析しておりますと
少し気になる傾向に気がつきます。
それは、、、
スキンケアに
お金と時間をかけられている人ほど
肌トラブルに悩まれていることです。
一見透き通るほどきれいにみえる肌ですが
健康な肌ではない…
“ビニール肌”といわれる
肌状態の人が多くおられます。
確かにツヤがあり
透き通るような透明感のある肌は
憧れの肌かもしれません。
しかし
もしそれが正常な角質層を
削ったことによってできている
肌の透明感であれば、、、
それは
決して健康な肌とはいえませんよね…
少し想像してみてください。
皮膚に
切り傷や擦り傷がついてしまったときに
慌ててつくられた新しい角質層。
つまり
傷口に3日くらいでできた皮膚です。
水がしみたり
触れるだけで痛いような肌…
少し極端な例にはなりますが
イメージされやすいかと思います。
当然、肌は敏感になっています。
わずかな刺激に痛みを感じたり
赤みやかゆみもおこしやすくなります。
これは
未熟な状態の角質細胞が
肌に育ってきてしまったことで
あらわれる現象です。
未熟な状態の角質細胞。
一般的には“不全角化”といわれる
肌状態になります。
極端な不全角化は
一見肌にツヤがあり美肌にみえるので
気がつきにくいかもしれません。
しかし
マイクロスコープで拝見しますと
肌のキメがほとんどありません。
敏感肌の人には
この傾向が多くみられます。
これは
美意識の高い化粧品マニアの人こそ
陥りやすい落とし穴かもしれません。
バリヤ機能が低下した
みせかけだけの美肌づくり、、、
あなたは
そのような肌になることを望まれて
化粧品をご使用されているでしょうか？
不全角化になりやすいのは
クレンジングや洗顔の回数が多かったり
顔を強くこする機会が多かったり、、、
また
ピーリングをすればするほど
肌に透明感が増すことから回数が
増えてしまっていたり、、、
フェイスパックの回数が多かったり、、、
不全角化は
これらもスキンケアが原因のひとつになります。
健康な肌の角質層は
死んだ細胞でできている層です。
触れても痛く感じないのは
死んだ細胞がからだを最前線で
守ってくれているからです。
それだけではなく
角質層がつくられる際に
細胞が死ぬときには
ＮＭＦ（天然保湿因子）やセラミドなど。
わたしたちのからだを
外敵や乾燥から守るための大切な
保湿成分がつくられます。
表皮の基底層で
新しく細胞がつくられるごとに
徐々に層が上に上がっていき
新しい皮膚に入れ替わっていきます。
これが
肌の新陳代謝（ターンオーバー）です。
しかし
不全角化状態の未熟な角質層が
つくられたときには、、、
これらの大切な成分が
肌の角質層でつくられません…
肌のターンオーバーによる排泄を
スムーズにしてあげるほうが
はるかに美肌をつくることに繋がります。
その美肌づくりは
美容にとどまらずバリア機能を高め
からだを守ることにも繋がりますからね。
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