ゲゲゲの山登り ② | PIGCのブログ

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PIGCのこと、ゴルフのこと、プライベートも。

そんな身も心も開放的になれる三朝温泉。


まだ訪れたことのない方は、是非一度行ってみんさい。


やや上から目線の鳥取弁で物言ってすみません(笑)


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翌日曜日は午前11時にチェックアウト。



親戚のなかでも特にその後の予定が決められていなかったので、


それならばと私は長年やりたかったことを実行することに決めました。



せっかくここまで来たので、三徳山を登って国宝の「投入堂」を見に


行くことを予定に組み込みました。



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三徳山は三朝温泉の近くにあり、平安時代から信仰の対象として崇められている霊山。



遠い昔から、修験道(しゅうげんどう)という厳しい自然に身をおいて悟りを開く


修行が三徳山の中でおこなわれていました。



一度、その神秘的で好奇心くすぐる山の中を見てみたかった。


道なき道を登って三徳山中腹にある投入堂を拝んでみたかった。




私は車で早速現地に向かいました。


厳粛な気持ちになりながらも胸は高鳴ります。


車を停めて、その場所まで歩いて行きます。




いかにも独りで難関に立ち向かってゆくように書いていますが、


実はとっても心細かったので、現役高校ラグビー部で体力に自信がある


甥っ子に頼み込んでついてきてもらいました(笑)



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登山の受付窓口でまず大きな困難が。


なんと靴にNGがでました。


会社で履いている革靴なので当たり前ですね(笑)


ちなみに、甥っ子はスニーカーでもNGでした。



で、用意されたのが・・・




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 わらじ。


 笑じ。


 これは何かの冗談?


 ドッキリかなにか?

 

 大丈夫かいな・・・


 

 かなり不安でした。


 これだったら革靴の方がまだいいんじゃないの?


 


 ・・とおもいきや、そんなことはありません。


 ワラジのグリップ力は素晴らしい。


 
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こんな崖もすいすい。



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こんな急こう配の悪路もスイスイ~~♪



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少し手をすべらせたら、命を落としてしまうような「クサリ坂」もらくらく~~~♪




なわけない。


めちゃくちゃハードです。


たしかにワラジは優れた機能を持っていますが、


本当に革靴やスニーカーよりも優れているとは思いますが、


こんなところを人が通るには無理があります!(笑)



山伏(修行者)たちは、そのむかし「 懺悔懺悔 六根清浄(ざんげざんげ ろっこんしょうじょう)」


という念仏を唱えながらこの山道を進んで行ったそうです。



この念仏を唱えることで今までの自分の罪や悔み、六根(眼、耳、鼻、舌、身、意の6つ)


を清めておられました。



・・・なるほど、これは罰か(笑)


つらすぎるわ。



けど、前に進まんとしゃーないしな・・・


これは煩悩のままに生きる私への罰なんや。


などと自分に言い聞かせて、しかし妙に納得しながら歩を進めていきました。



強い日差しのうえに風がない。水分もなくなってしまった。


かるい目まいと激しい喉の渇き。


肩にかけたタスキがビショビショ。


受付で配られた「六根清浄」のタスキは、私の汗をすっかり吸いこんでしまって


ポタポタ滴を落としています。


私の心のアレが絞られているのか。



「さんげざんげ  ろっこんしょうじょう」



モウロウとした意識の中で、繰り返す私。





そんななかでも要所要所、心が洗われるポイントがございます。


例えばこれ。



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鐘楼堂(しょうろうどう)。


登山者、いや修行者が順番に鐘を突きます。


その音は暑さや疲れを優しく包み込み、溶かしてゆきます。



昔の人は山に神が宿っていると考えていた。


国土の多くが山におおわれた日本では、山は恩恵をもたらす命の源だと考えていた。


時に荒々しい姿を見せつけられ、人間の力の及ばない神仏の世界だと考えられていた。



けれど、私たちはいつの間にか山に大きな敬意を払わなくなった。


少なくとも普段の生活において山に感謝したりしない。



ほんのわずか、人間は自然に追いついたからか。


われわれ日本人は、神仏の在り処を否定するかのように発展してきたとさえ思える。


もっと山に感謝しないとあかんよな。



鐘の音をききながら、そんなことを考えていました。


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そのあと、ヘトヘトになりながらも何とか目的地へ到達!



投入堂が拝めるところにつきました。


完全に甥っ子のリードで辿り着くことができました(笑)




標高500メートルの断崖の洞窟内に建ち、1000年ものあいだ風雪にたえてきた投入堂。



修験道の本尊、蔵王権現を安置する御堂。



手前の建物を蔵王殿、奥の建物を愛染堂という。



重要文化財 投入堂はこれだ!




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いや~案外かるく辿り着いちゃった~!



のど元すぎればなんとやら(笑)



周囲にいる修行者たちは、何も言わずにこの景色をしばらく眺めています。


私も甥っ子も、しばらくは放心状態でこの景色を眺めていました。



そして、思い出したように携帯の写メでパチリ。



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自分たちの力が及ばないところに神が宿っていると考えるのは現代もそうですね。


私たちの多くが、相も変わらず 『運・不運』 というものを信じています。


たくさんの星座占いや血液型占いなどの本があふれていることからも、


自分たちの力が及ばない、自分たちの未来を支配する何かに畏れを抱いているようです。



力の及ぶ(つもりの) ことを当たり前としてと受け入れ、及ばないことに有難みを感じる。


このことにはいささか矛盾を感じます。



特に、山の恩恵を受けて港島という地に住み、山の恩恵を受けてゴルフを楽しんでいる私は、


「深く感謝しなさい」 と山に言われているようでした。




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ちなみに、三徳山は最近開山1300年を迎えて現在は世界遺産登録運動を展開しています。



感じ方は色々ございましょうが、是非一度訪れてみてくださいませ。



筋肉痛でゴルフどころじゃなくなること請けあいです(笑)




懺悔懺悔 六根清浄。






                              おわり