極私的洋楽生活 -11ページ目

 

 

 

 

先日久しぶりにキュアーの
「トリロジー」というDVDを見た
キュアーの暗黒3部作と言われるアルバム
「ポルノグラフィー」
「ディスインテグレーション」 
そして「ブラッドフラワーズ」を
丸ごとライブで再現するという
3時間近くに及ぶ映像作品
正直体力が必要だ

 

 
1983年頃
ラジオで日本の洋楽ヒットチャート的な番組を
聴いていた時にキュアーに初めて出会った
The Love Catsという曲だった
ニューウェイヴの名のもとに
様々なバンドが勃興する中
ヘタウマ感漂うボーカルの魅力が
不思議と耳に残った
それ以上詳しく知ろうとも思わなかったけれど

 

 
1984年頃
テレビ神奈川で音楽番組を見ているときに
動いているキュアーに初めて出会った
その時の曲がこの「The Caterpillar」だった
ロバートスミスの独特の風貌と
不安定な声に圧倒され
アヴァンギャルドで民族音楽的でありながら
ポップで哀愁を帯びたサウンドがせつなく温かい
この曲をきっかけにキュアーを聴くようになった



前出の3部作がダークで美しい世界観を

描く名作であることは誰もが認めるところだし

自分も大好きなのだけど
ポップでファンタジーな面も

あってこそのキュアーだろう

前出のライブ作品はその意味で
「暴挙」といえなくもない


 

「芋虫」と名付けられたこの曲を聴くと
妙にノスタルジックな気分になる。
四半世紀も隔てた過去の風景へ
引き戻されてしまう

 

 

 

 

 

from album
 [The Top]
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豚袋でございます。
 
 
またちょっと間があいてしまいました。お仕事が少しだけ忙しかったので、一日中パソコンと向き合う仕事のせいか家でブログと向き合う気力がありませんでした。土日は久々にゆっくりできましたので、気力も戻った感じです。しかしもう月11月も半ばなのですねぇ、今年ももうひと月半。早い。
 
 
ところで金曜日の夜、実はツイッターの方で知り合ったお仲間の方々とのリアル飲み会に参加してきました。オフ会って自分は初めてでしたが、初めて会っても全く違和感がないのが不思議。ネットでのコミュニケーションをしているから話題にも事欠かないですし、非常に楽しく過ごす事ができました。やはり共通の言語として音楽があることの幸せってあるんだなぁという事と、同じような音楽が好きだと、経験してきた映画とか本とかそうした嗜好も共通点があるんだなぁという事を感じ、妙に納得してしまいました。またぜひ行きたいと思います。
 

 

さて、ブログ本編の記事ですが、今回は10ccの「オリジナル・サウンドトラック」を取り上げたいと思います。10ccの代名詞ともなっているこの曲が入っている盤として有名ですね。
 


I'm Not In Love - 10cc

 
 
全英No.1、全米No.2に輝いたこの曲を知らない人の方が少ないのではないかと思う名曲です。美しいメロディとどことなく漂う寂寥感。しかしバックで流れるコーラスの分厚さと女性のささやきに代表される随所に見られるコラージュやサウンドエフェクトの圧倒的な存在感。実験性を大いに感じさせながらもマニアックに収める事無く「極上ポップ」に仕上げてしまったその力量。全てが完璧としか言いようのない名曲だと思います。
 
 
あまりにこの曲が突出してしまったために、このアルバム全体の事に触れられる機会が少ないのが唯一残念な事です。しかしながら、このアルバムは本来コンセプト・アルバムで、アルバム全体としてのストーリーと流れで完成する世界観を持つ名盤です。タイトルが示すように映画のサントラなのだけれども、実際には存在しない映画を想定してサントラ風に仕上げた「架空の映画のサウンドトラック」というまた捻って面倒臭いコンセプトであるのも、英国人らしい偏屈さが出ていて楽しめるのではないかと思います。
 

 

アルバムの冒頭からいきなりオペラ風ミュージカル的な導入で驚かされます。
 


Une Nuit A Paris (One Night In Paris) - 10cc



 
「パリの一夜」と題された映画の冒頭という感じがします。わざとフランス語でタイトルを付けるあたりがまた心憎い。といってもいきなり9分近くにものぼる曲で、しかも一曲なのに3部構成。まるでプログレみたい、と思わせるところも既に計算済みなのでしょうか。一聴していただければわかりますが、これは明らかにクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」との共通点を感じると思います。ちょうどリリースされた年も一緒ですが10ccのリリースが半年ほど早かった事を考えると、クイーンが影響を受けたのは間違いないと思われます。当時の音としてはかなり異質であったことは言うまでもないでしょう。
 

 

この曲以降、前出の「アイム・ノット・イン・ラブ」を経て、「ゆすり」「二度目の最後の晩餐」「ブラン・ニュー・デイ」「フライング・ジャンク」とまるで映画のシーン構成のようなタイトルの曲が続きます。そのどれもが機知とウィットに富んだ感触で、コーラスワークを中心とした展開重視志向により、まさにロック・ミュージカルを見ているかのような錯覚を催させます。そしてラストの「我が愛のフィルム」という曲で、映画は幕を閉じるという構成になっています。ただ単なるストーリー仕立てであるだけでなく、言葉の遊びや英国的な偏屈と斜視的視点が全体を飽きさせないスパイスとなっているようでもあります。
 

 

このアルバムの優れているところはやはり、「メロディ」と「サウンドメイキング」の素晴らしさにつきるのではないでしょうか。10ccはもともとスタジオミュージシャンの出自であるメンバーだけに力量があり、またエリック・スチュワート とグラハム・グールドマン による卓越したメロディーメーカーとしての才能と、ケヴィン・ゴドレイ とロル・クレーム による実験的かつ先進先駆的なサウンドメーカーとしての才能が集まったバンドでした。メロディとサウンド、そのふたつが見事に調和し完璧なまでに昇華されたのが本作であり、その象徴が「アイム・ノット・イン・ラブ」なのでしょう。
 

 

あの分厚いコーラスが現在の技術を持ってしても作られないニュアンスを持っているのは、シンセによる合成でつくられたものでなく、肉声を合成するというアナログの限界にまでのぼる偏執狂的多重録音で実現したがゆえの産物であるからです。またシンプルながらも美しいメロディであったからこそ、そのコーラスを生かす事ができたのも事実。しかも普遍的な極上ポップ!80年代のシンセポップで流行った無機音とソウルフルな有機音ボーカルの掛け合わせはそれに比べると何と安易な事かと思ってしまいます。
 

 

この後のアルバムでゴドレイ&クレームは袂を分かち、10ccはサウンドメイキングの才能を失いメロディ勝負で続けていく訳ですが、残念ながら片肺飛行という印象はまぬがれずその後はシュリンクして行ったように思います。このアルバムはそうした意味でも10ccの一番素晴らしい才能が調和し、発揮できた最高で最後のアルバムだったのでしょう。
 

 

仲が良かったころのスタジオライブで「人生は野菜スープ」を聴きながら本日は締めたいと思います。



それでは、また。

 


Life Is A Minestrone












 

 

 

 

 

 

 
1984~5年頃だったと思うが記憶が定かでない
ラジオで「日本のインディーズ」
というような特集番組があった
どんなバンドが出ていたか思い出せないけれど
メジャーデビュー前の米米クラブと
このゼルダだけは強烈な印象があった
 

曲も鮮烈だったが(アシュラとこれの2曲)
特に昔見た「スローターハウス5」という
不思議な映画へのオマージュを感じて
自分の脳裏にその名が刻まれた
ブンガク的な背景とガールズバンドならではの
フェミニンな浮遊感覚と
多様な音楽性との融合は
なかなか面白く新鮮だった

 

 
1986年
「ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け」という
高橋源一郎の小説にインスパイアされた
映画を見た
 

舞台は「スローターハウス」という名の酒場
時代や国籍、実在も架空も
まったく関係ない登場人物に扮した
三上博史や真行寺君江、石橋蓮司
原田芳雄などの豪華キャストたちがおりなす
ハチャメチャでカオティックな映画だった
その映画のヤマ場でバンドとして
登場するのがゼルダだった
スローターハウスの演奏と同時に進行される
ギャングたちの襲撃の段取りが印象的だ
 

 

 
 
 
スローターハウス(屠殺場の意)
というキーワードは
自分にとってわりと思い出深いものとなった
これ以降のゼルダはよく知らない
ボーカルのサヨコは
自分と確か同い年だったな
 
 
 

 

 

from album
 [Carnaval]
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