Josef K / It's Kinda Funny (1981) | 極私的洋楽生活

 

 

 

 

梅雨の季節を迎えている
水という生命の源を与えてくれる
天恵であることを別として
とりわけ自分は雨が嫌いだ
 
 
革底の靴が好きで
大概雨によりダメージを食らってしまうこと
洗車をした後なのに無残な雨跡が残ること
傘に昔から縁がなく
すぐ無くしてしまう癖があること
どれも本当にくだらない理由で
申し訳ないのだけどやっぱり雨が嫌いだ
 
 
このジョセフKの曲は
何故か雨の季節になると聴きたくなる
 
 
淡々としながらドタドタしたリズム
ダミ声のなげやりな
メロディも甘美さもないボーカル
冷たくも綺羅びやかな
やたら響く音色のギター
 
 
各々が混ざり合って独特の雰囲気を
醸し出している
その醒めた無彩色の気怠い雰囲気が
自分の中で雨に想う風景とシンクロする
 
 
ジョセフKは「ポストカードレーベル」
スコットランドのこのレーベルは短命だったが
アズテックカメラ
オレンジジュースというネオアコの
看板バンドを排出した事で有名である
 
 
ポップで色彩感豊かな前出の2大バンドに比べ
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドや
テレヴィジョンに通じる
どこかアンチマーケット的で
棘のある音が商機を奪った感がある
 
 
カフカの『審判』の主人公の名前に
由来するというバンド名も
文学的で難解なイメージという壁を
作ってしまったのではないか
 
 
スタジオアルバムとしては
この曲を含む一枚だけを残して解散
その存在は日の差さない
梅雨空の下にあったようだと思う
 
 
アルバムを通して聴くと
かなりクールながら疾走感のある曲も多く
カッティングギターはグルーヴ感のない
無機質なトーンに支えられ
かなりかっこいい音が満載である
 
 
いいアルバムだと思う

 

 

 

 

from album
[The Only Fun in Town]
 
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