今回の内閣改造は何のため・・・?
高市内閣は、9月17日に内閣改造を行う方向である。何か失点があったわけでもなく、支持率も高い状態が続いており、9月13日投開票の沖縄県知事選挙は自民党が推薦した古謝玄太候補が15万票近くの差をつけて、現職の玉城デニー候補に圧勝したこともあり、むしろ勢いづいている状況での内閣改造であるので、注目を浴びたり、支持率上昇に繋げたりするための人事というわけではない。
また、よく内閣改造と言えば、入閣待機組の処遇のためという側面もあると言われるが、実力・能力を重視し、高市政権の掲げる責任ある積極財政推進体制の維持、強化を重視する高市総理の人事では、当選期数や入閣待機組かどうかはあまり重要性を持たないようだ。
人事は高市総理の熟慮次第
高市総理はご自身で熟慮を重ねて人事を決めるという傾向が強いので、直前まで組閣に関する正確な情報は出てこない可能性が高いと言われている。初めての組閣の際にも、閣僚就任の呼び込みがあったものの、何を閣僚として担当するのかについては高市総理の口から初めて聞くこととなった閣僚もいたぐらいである。
したがって本稿執筆時点で出てきている情報の真偽のほどは分からない。しかし、そうしたものの中で非常に気になるのが、今回ついに入閣することがほぼ確実となった、連立相手である日本維新の会の閣僚がどのポストに就くか、である。
日本維新の会からの入閣候補者は相応しい人物なのか?
現段階での報道ベースの情報では、入閣するのは馬場前共同代表でも藤田現共同代表でもなく、中司宏衆議院議員(大阪11区、3期)だと言う。元枚方市長ところもあって名前が上がったのではないかとの話もあるようだが、中司議員は枚方市長時代に清掃工場建設工事を巡る談合事件で、入札妨害罪で逮捕され、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪が確定した人物。執行猶予付きで、それも終了してはいるものの、言ってみれば前科者であり、そもそもこの段階で入閣させるのに相応しい人物と言えるのか。
維新の大臣に「改革」を担当させていいのか?
さて、問題のポストであるが、内閣府特命担当大臣であろうと言われており、日本維新の会が改革にこだわっていることから、改革に関する担当ではないかとされている。改革と名のつく担当は行政改革、そして規制改革である。日本維新の会は行政改革については小さな政府、行政のスリム化を、規制改革については規制緩和の推進を訴えてきている。これらの方向性は、責任ある積極財政を掲げる高市内閣の方向性とは真逆である。
高市内閣が行った政策の転換と維新の入閣
まず、高市内閣では行政組織や定員管理の在り方について、それまでのスクラップアンドビルドの考え方を修正し、これまでの小さな政府路線からの転換が図られている。(「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を改定。詳細については以下の動画で解説。)
https://www.youtube.com/watch?v=3lF8u2ZZ94A&t=40s
次に、規制改革については、現在規制改革をその所掌として担当している城内成長戦略担当大臣は、先の第221回国会(特別会)における経済演説の中で、規制改革に関して次のように述べている。
「主要先進国の経済政策の潮流も、市場原理に過度に依存する新自由主義的発想、すなわち市場の働きに委ね過ぎる考え方から転換しています。例えるなら、天動説から地動説へと世界観が変わるようなパラダイムシフトであります。」
「規制の緩和、強化、明確化といった適正化も含め、必要となる利用者目線の規制・制度改革を徹底してまいります。安全と利便性を両立させ、誰もが安心して暮らし、挑戦できる社会を実現してまいります。」
すなわち、これまでの緩和一辺倒の規制改革から強化や適正化も含めた方向性への転換である。(筆者は規制改革の方向性として、緩和や廃止に加えて強化や新設もあることを以前から強調してきた。詳しくは拙著『ニッポン没落のカラクリ-「改革」という名の売国政策が日本をダメにした』を参照されたい。)
こうした転換が図られているにも関わらず、改革に関するポストに日本維新の会の議員を就けるようなことをすれば、元の木阿弥になりかねない。
「日本列島を強く、豊かに」するためには内閣の基幹部分は替えてはいけない
現状で、規制改革担当の城内大臣も、そして行政改革担当の松本尚デジタル大臣も、いずれも責任ある積極財政を推進する議員連盟関係者であり、責任ある積極財政の推進という観点から、それと整合性を取るべく転換を図っているのである。
そうであれば、規制改革も行政改革も、いずれも高市内閣の基幹ポストであるのだから、現職を替えず、また担当もそのままとするのが、責任ある積極財政で強い経済を創出し、日本列島を強く、豊かにしていくためには、必須の要件なのではないか。
日本維新の会からの入閣には、黄川田内閣府特命担当大臣の担当のうち、以前は初入閣ポストであった消費者担当や少子化担当を切り出し、これらを担当する内閣府特命担当大臣を用意するのが妥当かつ無難なのではないか。
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