政府ではなく自民党に設置された日本成長戦略本部が、5月28日に強い経済の実現に向けた提言案を示した。このうち、成長投資や危機管理投資の財源については「つなぎ国債」によるとしている。この「つなぎ国債」、あまり聞き慣れない言葉かもしれないが、報道ベースの説明では、償還財源を予め法律で定めてから発行するものとされている。「国債という借金の償還は税収によって行われるのだから当たり前ではないか。」と考える方が多いのではないかと思うが、皆さんが想定する国債とこの「つなぎ国債」なるものは別物である。
まず、いわゆる国債は、建設国債と特例国債(4条国債)に分けられ、この「つなぎ国債」も後者の一種ではあるが、税によって特定の政策の財源が確保されるまでの「つなぎ」として発行されるという点が大きく異なる。別の言い方をすれば、償還財源ありきで発行されるということであり、借換債によって償還され、現金償還は行われない、いわゆる国債とは全く別物というのはこういうことである。
ちなみに、「つなぎ国債」という言葉は正式な言葉ではなく、便宜上の言葉である。
さて、この「つなぎ国債」の何が問題なのかと言えば、①償還財源が確保されていることが前提であることに加え、②今回の提言における「つなぎ国債」の償還財源は消費税等の増税によることが想定されていると考えられることである。成長投資や危機管理投資を行ったのに、その分を増税で回収するというのでは、強い経済の実現は望むべくもなく、せっかくのそうした投資の効果が減殺されてしまうことになりかねない。
くれぐれも「つなぎ国債」という言葉に惑わされたり、騙されたりしないように。