PSP preQursorがver.2になったのでダウンロードしてみました。既存のユーザーには無償で提供されます。
公式ページはこちら。
はるか昔に買ったときはsQuadというセット売りだったのですが、今は個別バラ売りしているようです。
開発元のPSPaudiowareはショパンの国であるポーランドのメーカーでGUIはちょっとオモチャっぽいので好き嫌いが分かれるところですが、私は結構好きだったりします。
ちなみにPSPの会社があるのはワルシャワのすぐ南にあるピアセチュノという町で、ワルシャワは大都会ですが、そこから少し離れた郊外の町という感じです(町並みはGoogleMapでも見られます)。
PSPとショパンは関係ありませんが、早速使ってみた感想を書いてみたいと思います。
・アナログプリアンプのシミュレート
ver.2になってアナログプリアンプのシミュレートが付いたのが変更点の1つです。
アナログスイッチOFF
歪みのないクリーンなイコライジングをしたい時はアナログスイッチをOFFにしておきます。
アナログスイッチONで倍音付加
アナログスイッチONでフィルターが掛かる
アナログスイッチをONにすると倍音付加と100HzあたりからHPFフィルターが掛かります。ハイエンドも多少カットされています。
説明書にはアナログプリアンプを模した倍音付加とフィルターが掛かると書いてありますが、結構倍音が出ていて思い切り掛けると良い感じに歪みます。
±15の範囲で可変ですので少しだけ、または思い切り汚すことが出来ますが、歪み方はどちらかというと真空管のように偶数・奇数関係なく出ており音はかなり立ちます。単なるイコライザーというよりはプリアンプ&イコライザーという感じです。位相反転スイッチも付いています。
・MS処理が出来るようになりました。
MS処理でも使えます。
よくMS処理でミックスでもマスタリングでもMSのSのローだけをカットすることがありますが、Sの箇所にスライダーを合わせればお手軽にS成分だけのローをカットすることが出来るので、ローエンドの不要なステレオ感をコントロール出来ます。このスイッチはEQ全体に掛かるので特にミックスでのMSコントロールに活用出来そうです。
M成分とS成分に別の設定を1つEQで行うことは出来ず、S成分をイコライジングしたいときはM成分をイコライジングすることは出来ません。
・グライコのような4バンドEQ+HPF
肝心のイコライザーとしての性能は幾分かトーンコントローラー的な色合いを残していて、自由自在というわけではありませんが、上の画像のようによくミックスで行うハイを伸ばして、不必要に溜まりがちなミッドを削るようなイコライジングは可能であり、使った印象としてはミックスでよく使う美味しいポイントに絞っているように思えます。
HPF:OFF~250
LF:30 Hz, 60 Hz, or 120 Hz
LMF:200 Hz, 350 Hz, 500 Hz, or 900 Hz
HMF:1500 Hz, 2500 Hz, 4300 Hz, or 7200 Hz
HF:10 kHz, 16 kHz, or 25 kHz.
HPF+4バンドのイコライザーですが、選べるポイントは各バンドにつき3~4種類だけで自由周波数を設定出来るのはHPFだけです。
美味しいところは押さえてあるのでこれはこれでOKですが、ローもハイもシェルビングには出来ず、すべてピークディップであり、Q幅もボタンのONとOFFで2段階のみの可変です。あまり自由度は高くなくヴィンテージ系のイコライザーといった感じです。
ヴィンテージイコライザー風なのですが、元になっているモデルはよくわからずPSPのオリジナル設計なのかもしれません。一応アコースティック楽器用のイコライザーという触れ込みですが、極端なセッティングでなければほかにも色々使えそうです。
・サチュレーション機能付き
最終的なアウトプットと共にサチュレーション機能も付いていて、奇数倍音が付加されるテープシミュレーターのように汚すことも出来ます。プリアンプのシミュレーターと合わせ得て使えば、かなり汚すことも出来ます。
・グループ機能付き
ほかのEQとまとめて連動できるグループ機能付きです。
私はあまりこういうのは使いませんが、大量にインサートしてグループ化すれば、DAWのフェーダーのグループ化みたいな感じでEQすることが出来そうです。
・旧バージョンとの比較
旧バージョンと比べると、MS処理が可能になったこと、プリアンプ機能が付いたこと、位相反転スイッチが付いたこと、GUIがカッコ良くなってオモチャっぽさが減ったこと、などがありますが、今風に使えるイコライザーとしてバージョンアップした感じです。
世の中にプラグインメーカーは山ほどありますが、かなり昔にVintage Warmerで有名になったものの、日本ではPSPはあまり知られているメーカーではなく、フックアップさんが日本代理店だった時期もあったようですが、今は撤退しているようです。
個人的にはわりと好きなので、今後も貴重なポーランドのメーカーとして頑張って欲しいところです。
最後までお読み頂き有り難う御座いました。
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