WAVES J37 Tapeを購入しました。山ほどテーププラグインが存在する昨今はメーカーも鎬を削っている状態で、様々な付加価値を持ったテーププラグインがありますが、WAVES J37 TapeはAbbey Road Studiosにおいて1965年に購入され、1969年に新しく別の8トラックテープレコーダーが導入されるまではほぼすべての録音にこのJ37が使用されていたそうです。現代人からみるとAbbey Road Studiosのヴィンテージサウンドの典型とも言えるものです。

 

 

デジタル時代に入って久しく今ではデジタルとアナログの良いところと悪いところがハッキリしてきてDTMの世界でもそういった知識が普及してきました。

 

テープマシンプラグインはデジタル製作におけるアナログ感を追求する、またはデジタル臭さを払拭する典型的なプラグインとして最も典型的且つ人気のあるものでフリーウェアからシェアウェアまでよりどりみどりです。

 

 

 

WAVES  J37 Tape

 

個人的にはUAD-2のStuder® A800をテープマシンとしては愛用していますが、このJ37はA800よりもさらに古いマシンですので、A800よりもよりレトロな感じを出すのに適しています。

 

 

 

 

数多くのテープマシンを世に出したStuder社のスタジオクオリティーのテープマシンはいくつもありますが、J37は今日人気を誇っているものの中でも最も評価の高いテープマシンの1つです。

 

テープマシンそのものの用法は特段難しくはないのですが、今回はテープマシンの歴史から今日私たちがVSTでどれを選んだら良いのかという基準のヒントになりそうな記事にしてみます。

 

 

〇VSTから見るテープマシンの歴史

 

 

一口にテープマシンと言っても様々な時代や国を経て改良されてきました。デジタル時代に入ってめっきりテープの需要は激減し、プラグインでしか見たことがないという人も多いのではないかと思います。

 

とはいえ初期のものとデジタル化が始まる直前のモデルでは精度や機能や音質などにかなり隔たりがあります。そこで私が使っている範囲でVSTのモデルになっている実機の年代を調べてみました。

 

単に綺麗な音が欲しいならそもそもテープマシンを使う必要はありません。わざわざテープマシンを選択するときは少なからずアナログ的な歪みやローファイ感や丸み・厚みなどが欲しい場合です。そしてそれをテープ感と呼んで良いのであれば、基本的に年代が古くなるほど顕著になり、現代に近付くほど薄くなっていきます。

 

 

露骨にテープ感を出したい時もあれば、マスタリングなどで綺麗な音で少しだけテープ感を足したいという時もあると思いますが、それぞれのテープマシンが一体いつ頃に作られたモデルを元にしているのかがわかると選択時の参考になります。

 

 

テープのVSTはたくさんありますが私が愛用しているもののリストです。

 

・Ampex 350/351(1953~) WAVES Kramer  Tape

・Studer J37(1964~) WAVES J37(1964)

・StuderA80 RC(1980?~*年代については後述) Slate Digital VTM 

・Ampex ATR-102(1976~) UAD-2 Ampex® ATR-102

・Studer A800(1978~) UAD-2  

・Studer A800Studer A827(1989~) Slate Digital VTM

 

 

こうしてみるとWAVESは比較的古い時代のテープマシンをモデリングしており、UADやSlate Digitalはどちらかというと新しいテープマシンをモデリングしています。音もそれに沿った印象を受け、古い物ほどローファイ、新しいものほどハイファイという感じになります。

 

 

・古いタイプ

 

WAVES Kramer Master Tape

 

Ampex350

 

 

Ampex社のwikiに書いてありますが、WAVES Kramer Master TapeのモデルとなっているAmpex350は1953年(昭和28年)販売開始とかなり古く、Kramer Master Tapeの音も現代のマスタリングでハイファイな音を求めるにはちょっと難しい劣化の激しい甘い音になります。

 

 

時代を考えれば当然ですが、逆にこの時代のレトロな?音というか如何にも古いテープというサウンドを得たいならむしろこういう昔のモデルの方が効果がわかりやすいです。

 

 

WAVES  J37 Tape

 

 

 Studer J37

 

 

J37 TapeはStuder社のモデルでAmpex350に比べたら10年以上も遅れた1964年(昭和39年)以降になりますが、もっと後の時代のものに比べたら十分ヴィンテージと呼んで良いのではないかと思います。歴史的な一台でもあります。

 

 

 

・後発のタイプ

 

後発と言っても現在から見ればアナログテープマシンというカテゴリー自体が古いです。デジタル機器と比較するなら多かれ少なかれテープはローファイいっても良い、というよりは録音の形式が全く異なるのですが、デジタル化直前のモデルはそれなりにハイファイな音でレトロな音とはとても言えない綺麗な音で録音可能な機種も存在します。

綺麗だけれども暖かみのあるクオリティーの高いテープマシンの音は現代でもそのまま通用する音であり、また必要でもあり、だからこそたくさんのテープマシンのVSTがあります。

 

 

 UAD-2 Studer® A800 Multichannel Tape Recorder

 

 

Studer A800 MKIII

 

UAD-2で人気のStuder A800ですが、本機は1978年(昭和53年)と比較的新しいモデルです。音もそこまでローファイではなく、ほどよくテープ感を感じさせてくれます。

 

現代のDTMの観点からだと使っても違いがわからないレベルの綺麗さではテープを使う意味が減じてしまいますが、このくらいの時代のものが個人的には典型的なレトロ感を求めるのではなく、あくまで実用に耐えうるという意味で好ましく感じます。

 

 

この時代のものはヴィンテージ?とは言っても現役で使えるモデルがまだまだたくさんあります。

 

 

 UAD-2 Ampex® ATR-102 Mastering Tape Recorder 

 

 

 

 Ampex ATR-102

 

 

Ampex ATR-102は1976年(昭和51年)で前述のStuder A800とほぼ同時期です。マスタリング用のテープマシンとして名高く今でも一部のスタジオでは使っている人がいらっしゃいます。

 

テープマシンの技術が円熟し、その集大成とも言えるような素晴らしい機種です。

 

 

 

 

 

Slate Digital VTM(2台のテープマシンをモデリング)

 

 

Studer  A80 RC

 

 

Studer  A827

 

Slate DigitalのVTMStuder  A80 RCStuder  A827をモデルにしているとマニュアルに書いてありA827がマルチチャンネル用、A80 RCが2チャンネルマスタリング用です。

 

Studer A827は1989年(平成元年)と最も新しいモデルで、音はかなりハイファイです。今回の中では一番新しいモデルです。

 

 

もう一つのStuderA80 RCに関しても調べてみたのですがこちらは正確な年代がわかりませんでした。A80はMark I ~ IVまであるかなりのロングセラー商品であり、一番最初のモデルは1970年ですが1989年まで様々なバージョンが生産されており、その間にかなりの数のマイナーチェンジをしています。

 

 

具体的な年数はわかりませんでしたがカタログリストを見た感じとしてはRC自体が後期のモデルなのでおそらく1980年代のモデルなのではないかと思われます。

同じプラグインの中の2つの設定なので1989年(平成元年)のStuder  A827と近しい時期と考えられ、少なくとも音からも70年代のものとは思えません。

 

 

英語サイトのwikiっぽいページにも具体的な年数はわからないと書かれています。

 

 

このようなデジタル時代直前のモデルはそこまでヴィンテージとは言い難く、ギリギリ平成モデルもありますから今の音楽に使用することが出来ますし、実際にしている方もいらっしゃいます。

 

 

特に如何にもなレトロ効果を求めるのではなく、普通にマスタリングの一環として使っても程好くアナログ感を加味してくれるモデルです。

 

 

WAVESはJ37やAmpex350のような骨董品のようなマシンをモデルにしているので如何にも昔のテープサウンドという感じですが、UAD-2やSlate Digitalは比較的新しいモデルなのでコテコテのテープというよりは程好いアナログ感を出してくれます。

私個人としてはこのように時代区分で使い分けています。

 

 

ほかにも特定の機種のモデルではなく、単にテープマシンというだけのプラグインもたくさんありますが、実際のところは特定のモデルを求めるのは半分くらいは趣味で、むしろ大切なのはテーププラグインのパラメーターや効果をちゃんと理解しているかどうか?適切な狙った設定に出来ているかどうか?が大切なポイントだと思います。

 

 

実機のテープそのものを今でもリアルタイムで使っている方はほとんどいないと思われますので、使い方もなんとなく…という感じだと十分な効果を引き出すことが出来ません。場合によってはマイナス効果にすらなってしまうこともありますが、適切な設定で使えば現代の音楽の中でもテープマシンの立ち位置は十分にあると個人的には感じています。

 

 

 

 

〇時代だけでは語れない

 

たしかに古いものはそれなりの音がしますし、新しいものも同様ですが、テープの様々な設定の問題を無視することは出来ません。

意図的に劣化した音やハイファイな音を設定次第である程度まではコントロールが可能です。

それはデジタル時代のDAWにおいてビットやサンプリングレートを調整してローファイサウンドやハイファイサウンドを作るのと同じです。

 

時代的な傾向はあくまで要素の一つ(とても重要なものですが)に過ぎません。本体が古ければ限界はありますが、使い方の方が遥かに大切です。

 

 

 

〇劣化してしまえばどれも一緒?

 

特定のモデルのエミュレーションではなく、秘密にされていたり、ただテープというだけのプラグインも多数あります。こういったプラグインで劣化させた場合と特定のモデルのテープの違いは劣化の度合いが強烈になればなるほどわかりにくくなってきます。

 

マスタリングでそのまま通用するクオリティーはやはりそれなりに良いものが欲しいですが、そうではなく単に効果音的に極端に使うならどんなテーププラグインでも大して変わらないようにも思えます。

 

 

〇J37の立ち位置は?

 

こうして時系列で並べてみるとJ37の立ち位置は古いモデルであり(1964年)、音もやっぱりそんな感じです。設定出来るパラメーターが多く色々な音を作ることが可能なので汎用性は高く出番は多々あります。

 

A800よりもレトロだけれど、Kramer Tapeよりは現代よりというかというとどっちもヴィンテージな感じです。Kramer Tapeの方がどうしても古いせいかハイ落ち、ロー落ちが若干強いです(もちろん設定次第です)。

 

 

ともあれテープマシンは根本的な使い方を理解しているかどうかが一番大切なので、製造年代による音の傾向を知った上で設定を追い込んでいくのが大切です。

 

 


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ドレミファソラシドという音名の起源については有名な話なのでご存じの方も多いと思いますが、今回のお話を理解するための前提になるのでちょっとおさらいしてみましょう。

 

ドレミファソラシの起源はグレゴリオ聖歌の「洗礼者聖ヨハネの誕生」の中の「聖ヨハネ讃歌」が由来になっています。 

 

 

「聖ヨハネ讃歌」

 

これは現代の私たちの知るヘ音記号で読めます。すなわち上から2本目の線がファの位置になります。

 

Ut queant laxis 

Resonare fibris

Mira gestorum 

Famuli tuorum 

Solve polluti 

Labii reatum 

Sancte Ioannes.

 

この歌詞の頭文字を取って「Ut re Mi fa Sol la」という名前が付きました。Utはドに変化しましたが残りはそのままです。Utはフランスの教科書では見かけますが、それ以外ではドになったのは

Giovanni Battista Doni(1593年- 1647年頃)というイタリアの音楽学者がUtでは発音しくいということで自身の名前の「Doni」のDoを取ってUtをDoに変更したと言われています。

 

 

肝心の「Ut re Mi fa Sol la」というシを除く音名の考案は11世紀のグイード・ダレッツォによってなされたと言われています。ダレッツォは今日私たちが使う記譜法や音名の原型を考案した人物で中世イタリアの著名な音楽家です。

 

 

楽譜を見れば最後の行のシを除いて、すべての歌詞と音高が一致しているのがわかります。

 

 

ずっと不思議だったのはなぜシの音だけが2つ単語の頭文字の組み合わせなのか?そしてメロディーの音符がシではないのか?でした。なぜダレッツォはシにだけ音名を付けなかったのでしょうか?この理由は三全音が忌避されていたからですが、シに対して音名が付けられたのはwikiを読む限りはフランドルのAnselmoなる人物によって付け加えられ、これはおそらく16世紀ということです。

 

少なくとも11世紀に考案されたのは「Ut re Mi fa Sol la」であり、「Si」は500年間も名前を持たずにいたわけです。

 

ここまでが有名な話です。

 

〇なぜシは名前がなかったか?

 

ソルフェージュを行うには音名は欠かせません。音名がなければソルフェージュ自体が成り立たないわけですが、クセジュ文庫から出ているソルフェージュ(ジャン・ポール・オルシュタイン著・絶版)によれば、シの音が音楽理論の中で確固たる位置を占めるのにほかの音に遅れて500年も必要だったのはファとシの間に悪魔の音程、あるいは音楽の悪魔と中世で忌み嫌われた三全音が出来るからということです。これはよく知られており、ヘキサコードのドラミファソラというのは中世の音楽の原理として有名です。

 

 

たしかに三全音は中世の音楽においては絶対的に嫌われ、対位法でも厳しい禁則によって嫌われています。ファシだけでなく、ファソラシとかシラソファという三全音を意識させる旋律は対位法でも禁則ですが、16世紀になると今日我々が呼ぶところのドミナントモーションがハーモニーの中で席を占めるようになり、不協和→解決という響きの変化が音楽の支配的要素になりました。

 

ドミナント(支配する)という言葉の通り、バロック、古典や初期ロマンの音楽まではまさにドミナントモーションが音楽の中心原理となり、その後の音楽はそれを如何に変化させたり、避けたり、隠蔽したり、変則的に応用したりするかという部分が和声法の発達の一大コンセプトになりました。

 

いずれにしてもドミナントモーションにどういう態度を取るか?がその作曲家の和声スタイルにおいて最も重要なテーマになったわけです。

 

すなわちシの音は16世紀にドミナントモーションが一般化するに差し当たって名前がなければ困るということで聖ヨハネ讃歌のSancte Ioannesの文字から約500年遅れてシと命名されました。

 

 

Ut queant 、Resonare、Mira~という流れならSancte Ioannessでも良くないか?と思うのですが、とにかくシという名前になっています。こうしてヘキサコードにシが加わってドレミファソラシという今日我々が知るダイアトニックが完成したわけです。

 

ファシという音程は確かに悪魔の音程ではありましたが、シの音は導音であり音楽理論において極めて重要な位置ですので、導音に名前を付けないわけにはいかなかったのでしょう。

 

#・♭が付く音名の中でシ♭のことだけをドイツ語でB(ベー)と呼ぶのもシは忌避されており、代わりにシ♭を使うのが一般的だったからです。

 

 

〇悪魔の音程(ファシ)への忌避感

 

今日のJポップやロックなどを聴いているとファシという悪魔の音程は普通にメロディーに出て来ます。そこまで露骨にファシ!ファシ!ファーシ!みたいに強調されるわけではありませんが、アイドルソングなどではメロディーの流れの中でファシは特に問題なく使われています。

 

もちろん私は現代人ですから三全音だなとは思っても、悪魔の音程だ!音楽の悪魔だ!気持ち悪い!などとは思いません。特になんともなく聞き流してしまいます。

 

しかしまだこの風潮が残っていた時代、すなわちバロック時代にはやはり忌避すべきものであったようでジャン・ポール・オルシュタイン著のソルフェージュにはバッハの曲にはこれを意図的に避けようとしている箇所が見られると書かれています。

 

これを読んでたしかにそうだなと思いました。全部が全部そうではありませんがたしかにバッハはそういう傾向があり、私はずっとそれをバッハ個人の和声法の趣味嗜好、つまり単なる彼の好みだと思っていました。

 

 

バッハ インヴェンション第1番の最後 シの上行が赤で下行が青

 

 

ファとシは三全音ですが、シが許されるようになった理由はそれがドミナントモーションに必要だから、言い換えれば導音だからです。第7音が下がり、導音が上がることによってドミナントモーションが成り立ちます。すなわち悪魔の音程の一員であるシの音が許されるのは導音として上行するから存在を許されるのであり、それがシの音が使える大義名分です。

 

 

救急車が信号無視や法定速度違反をして許されるのは急病人を少しでも速く病院に運ぶという大義名分があり、それが法律によって認められているからです。緊急事態でなければ救急車だろうがパトカーだろうが消防車だろうが交通ルールは守らねばなりません。

 

 

つまりシの音が上行する導音という大義名分を失ったときは話が変わってきます。その大義名分がなければ悪魔の音程が許されないという中世の風習はバッハにも残っているとはっきりわかるのが上の譜例です。

 

 

バッハのインヴェンションの例ではたしかにシの音が下行する時はシ♭になっていて旋律中に出て来ないように配慮されています。特に上の楽譜の最初の小節の左手ではシラソファというもしシに♭が付いていないなら中世の音楽において許されざる三全音を強調したフレーズになってしまいます。

 

上行するときはシですが、下行するときはシ♭にするというのはバッハ個人の趣味嗜好の問題ではなく悪魔の音程に対する忌避という中世の風習から来ているというジャン・ポール・オルシュタインの主張はたしかに私にとって納得出来るものでした。

 

 

和声的な視点からバッハの曲を見るときに多くの部分でこれに納得することが出来ます。ポイントはあくまで導音として出てくる場合ですが、バッハ的な曲を作りたいならこれを無視してはいけないとすら言えます。

 

 

全部が全部そうではありませんが、こういった風習はドミナントモーションが普遍的な物になるにつれて徐々に忘れられていき、近代ではむしろある部分においては積極的に使っているほどです。現代のポピュラーではそんなことがあったことすら完全に忘却されていますが、三全音を聞いて気持ち悪い、不安げな印象はBGMでは多用されあらゆる箇所で聴くことが出来ますし、私も一種の音楽効果として使います。

 

 

このように音楽作品が慣例に縛られる例はなにも作曲に限った話ではありませんが、非常に面白かったので記事にしてみました。話のネタとしては興味深い内容だと思います。

 

 

 


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前回の記事でエコーチェンバープラグインであるWAVES Abbey Road Chambersについて述べましたが、今回は同じAbbey Road Collectionの中にあるAbbey Road Reverb Platesについてです。

 

 

当時のAbbey Road Studiosでは3つのエコーチェンバーを運用しており、そのプラグイン化が前回の記事のものですが、複数あるミキシングルームのスケジュールが競合することが多く当時はこの3つしかないエコーチェンバーの取り合いがしばしばあったそうです。

 

 

また後付でリバーブをつけるというテクニックの重要性が高まるとともにリバーブシステムの拡張が必要になり、当時としては最新の技術であるドイツのEMT社(Elektro Mess Technik)のプレートリバーブであるEMT140を1957年に4台購入し、そのプラグイン化をWAVES Abbey Road Reverb Platesでは使うことが出来ます。

 

 

プレートリバーブのプラグイン化は相当数行われていて、特にUAD-2のものが評価が高く、近年ではSLATE DIGITALのLustrous Platesも有名です。密度の濃さが売りで、多くのデジタルリバーブのプリセットの中にもたくさん入っています。

 

 

WAVES Abbey Road Reverb Plates

 

 

 

EMT140

 

 

 

〇プレートリバーブのおさらい

 

 

プレートリバーブは特にボーカルと相性がよく使っている人もたくさんいらっしゃると思うのですが、今回はプレートリバーブの中身や原理を簡単におさらいするところから始めてみます。

 

 

サイズはおよそ縦1.2m、横2.5m、幅30cmの鉄板で作られた箱で部屋を丸ごと1つ必要とするエコーチェンバーに比べればはるかにコンパクトです。言ってみれば壁、床、天井すべてが鉄板の小さな部屋とも言えます。

EBAYで売っているページを見ると重さは190kgもありますので、とんでもない重さです。

 

 

方法としては鉄板空間の中に設置しているトランスデューサーで音を鳴らし、それを再度録音するのですが、この鉄板空間の中に大きなプレートがバネでぶら下げてあり、音の反響によるプレートの振動をピックアップで拾います。バネでぶら下げるのはプレートを振動しやすくするためです。

 

 

中はこんな感じです。

 

 

本体の振動を拾うという意味ではアコギのピエゾピックアップが似ているかもしれません。基本は響きっぱなしなのですが、残響時間をコントロールするためにダンパー機能が付いていて、プレートを押さえつける強さで残響時間をコントロールすることが出来ます。

 

 

ギターなら振動する弦を指で押えたり、ピアノならそのまま内部のダンパー機能に例えることが出来ます。

 

ピアノのダンパー機能

 

 

ピアノはダンパーペダルの踏み具合でフェルトのダンパーがどれくらい弦に触れるかをコントロールし、ハーフペダルで響きのコントロールを行いますが、似たような機能がバネでぶら下がっているプレートにも付いています。

 

 

ダンパーの当り具合で音の響き(波線や波紋)が変わるのを視覚化出来ます。

 

 

それまでのエコーチェンバーとの最大の違いはこのダンパーの設定によって残響時間を様々な音楽のニーズに合わせて簡単に変更できるという点です。

ダンパーが触れなければ最大の響きが得られ、強くダンパーを押さえつければ短い残響が得られます。

 

 

このコントロール出来る残響時間という要素は現代のミックスでは当たり前過ぎる要素ですが、当時としては非常に画期的でした。

 

 

〇プレートリバーブがなぜ人気か

 

プレートリバーブはボーカルに合う!みたいな記述を本やネットで見かけることがありますが、これについて考えてみましょう。

 

 

プレートリバーブが登場する前はエコーチェンバーしか一旦ドライと録音したボーカルに後付けで残響を付けるという方法がなく、Abbey Road Studiosのような世界最大級の大手スタジオでも僅か3つしかエコーチェンバーを持っているのみでした。

楽器やアンプ本体に内蔵しているという点ではスプリングリバーブというものがありました。

 

可搬性はゼロ、場所も取り、システムも大きく、一度作られた部屋の残響の変更は簡単ではありません。

 

 

デジタル演算によって残響を人工的に作り出すというシステムが1970年代の後半に開発されるまでは、エコーチェンバーとプレートリバーブが音楽におけるリバーブの主力でした。

 

 

スプリングリバーブというバネを使ったリバーブをセンドエフェクトとして使う本格的なAKG BX20などの機材もほぼ同時期の1959年に登場したのですが、こちらは如何にもバネっぽい音で自然な響きというよりは「びよ~ん」という感じがエンジニアたちにギターを除けばボーカルを含む汎用的な後付けリバーブとしてはそこまで好まれなかったようです(ギターアンプやオルガンなどには1940年くらいから内蔵されていたそうです)。

 

 

バネのサイズを複数用意して、従来のバネっぽさをかなり軽減しているAKG BX20などが有名ですが、業界全体を結果から見ればスプリングリバーブはプレートリバーブほど大ヒットはしませんでした。

 

 

エコーチェンバーを自分のスタジオに用意するにはかなりの財力が必要ですし、スプリングリバーブはギターアンプなどに内蔵されているいわゆる如何にもバネっぽいリバーブで汎用性は低いと判断されたのかもしれません。


 

 

エコーチェンバーは無理でもプレートリバーブなら価格的もスペース的にも導入できるという中規模以下のスタジオにとってはそれがほとんど唯一の後付けでリバーブを付加する方法であり、必然的に当時の音楽のリバーブはプレートリバーブにならざるを得ませんでした。

 

 

 

中規模以下のスタジオにとってプレートリバーブは非常に画期的な商品であったはずであり、Abbey Road Studiosのような世界的な大手スタジオでも数の拡張という意味でプレートが導入され、デジタルリバーブの登場まではほとんど唯一の手段として用いられることで、普遍的な残響の付け方という位置づけをプレートリバーブは確立していきました。

 

 

 

ですのでボーカルのリバーブにプレートが人気というのは、音そのものが好ましいというよりは「それしか方法がなかった」という意味合いが強いように思えます。もっとほかの選択肢があれば違った方法を取ったエンジニアはたくさんいたはずです。

 

 

 

普通に考えれば畳より大きいくらいの鉄板製の小さな部屋の中の残響というのは現実的に我々が普段音楽を聴く環境ではありません。実際に響いているという点では本物ですが不自然な空間であるとも言えます。

 

 

 

純粋に自然さという意味ではエコーチェンバーの方が圧倒的に自然な残響ですし、現代のプラグインなら著名なホールやスタジオのコンボリューションリバーブの方が現実の残響現象に即しているという点では圧倒的に自然です。

 

 

こういった点から考えるとボーカルなどに自然な残響が欲しいという意図があった場合に現代人の我々がプレートを積極的に選択するのは少し違ってきます。

 

 

 

たしかにプレートの残響は滑らかであり、また歴史的にも上記のような経緯からボーカルのリバーブ=プレートリバーブみたいな状況が作られざるを得ませんでしたので、プレートリバーブが人気なのはわかりますが、現代ではプラグインが色々あるわけですから純粋に各リバーブの個性を見極めた上で選択していくのが今風の考え方だと思われます。

 

 

 

またプレートリバーブが人気な理由はほかにもあって、音楽そのものが必ずしも自然な残響を求めなくなったということもあると思われます。特に実験的なロック音楽ではそういう傾向は強かったでしょうし、音楽性の多様化という点でよりエフェクティブな音色が受け入れられるようになるにつれて、リバーブの自然さは良いことというよりも、やもすれば面白味のない普通のサウンドと受け取られてしまうこともあったはずです。

 

 

不自然な空間を作り出すというプレートが逆にそれまでにない特殊なリバーブを生み出すという新しい音作りに一役買ってきたわけです。

 

 

 

〇パラメーター

 

プレートリバーブのプラグインそのものは非常にたくさんのメーカーからリリースされており、別にWAVES Abbey Road Reverb Platesの専売特許というわけではないので、特に説明の必要はないと思われますが、Abbey Road Reverb Platesにはいくらか面白い部分もあります。


 

クロストークと4種類のプレート

 

プレートは4種類から選べます。4つのプレートはそれぞれ独自の改造やセッティングがなされており、同じダンパーの設定でも4つそれぞれ残響時間が異なります

加えてピックアップで拾った音を増幅するアンプも4つとも異なり、DRIVEのつまみによる歪み方が違います。実際に使ってみたところAタイプが一番歪みます。

 

 

クロストークはリバーブをステレオ・モノラルをコントロールするパラメーターです。右にいくほどステレオ入力の和、つまり残響がモノラルに近付いていきます。

 

 

 

ダンパーは11種類

 

 

メーター上の数字は異なるダンパーの位置でリバーブタイムではありません。説明書によれば0~10段階で約1秒から5.4秒です。4つのプレートの種類によってダンパーの位置と残響時間は一致せず、耳で聞いた感じで残響の長さをコントロールします。ダンパー段階別の具体的な数字を教えてくれないのは当時のエンジニアたちの使用状況を再現したいからでしょう。


 

 

EQ部分

 

EQは2バンドでテリブルが4000kHzのハイシェルフ固定、ベースカットが4タイプありカットなしから1000HzまでのHPFです。融通はあまり効かないので後段に自分の好きなEQを挿すのもありです。

 

 

 

その他

 

ドライブはピックアップで拾った音を増幅するアンプで発生する歪みのコントロールで、アナログはハムノイズの混入量です。このあたりのパラメーターが如何にもヴィンテージなリバーブを作り出すポイントのように感じます。

 

 

 

〇まとめ

 

やはりほかのAbbey Road Collectionシリーズのプラグインと同じで「代用が出来ない唯一のプラグイン」というよりは趣味的なプラグインになってきます。決め手はAbbey Road Studiosの当時の機材やシステムに魅力を感じるかどうかです。好きな人は大好きで、どうでも良い人にとっては興味の対象にならないでしょう。

 

 

UAD-2のEMT140を持ってるけど買った方が良い?と聞かれたらAbbey Road Studiosに魅力を感じるならありだけど、機能や音的には画期的とは言い難いです。

純粋に音の方向性としては個人的にはUAD-2の方が好みです。汚すだけならほかのプレートリバーブの後段に歪み系プラグインを挿せば事足ります。

 

 

 

Lustrous Platesは持っていませんが、プレートの種類にロジウム、 ベリリウム、コルボマイト、イリジウムなどの素材が選べ、音作りの可能性や自由度という点ではAbbey Road Reverb Platesは現代最先端のプラグインには叶いません。

 

 

 

このプラグインはAbbey Roadの協力の元にAbbey Roadが監修して作られているわけですから当時のヴィンテージの質感については折り紙付きで、その部分に魅力を感じるかどうかです。始めてプレートリバーブを買う人にはあまりお勧め出来ないかもしれません。

 

 

どういう内部処理をしているのかは明らかにされておらず、オーバーサンプリングされているのかどうか(多分なし?)、ビットはいくつか?、などもわかりませんが、TGやEMIなどのAbbey Road 系のプラグインが好きならお勧め出来ます。

 

 


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WAVESのAbbey Roadシリーズプラグインは結構学ぶところがありまして、今回は単なるプラグイン紹介ではなく1940年~1976年代くらいのabbey road studiosにおいてリバーブを付けるためにどのような手法が用いられていていたのか?そしてそれを現代のプラグインで再現するにはどうすれば良いのか?などを述べてみたいと思います。

 

 

abbey road studiosはEMIの関連スタジオとして潤沢な資金をバックボーンにアーティストやエンジニアにの要望に答えてオーダーメイドで制作機器を自作してきましたが、そこには現代の我々から見ても学ぶべき面白い手法がいくつも存在します。 今回はAbbey Road Chambersについて述べてみたいと思います。

 

 

WAVES Abbey Road Chambers

 

簡単なおさらいになりますが、既にレコーディングされた素材にリバーブをかけるにはいくつかの方法があります。 現在最も主流なのがプラグインによるデジタルリバーブで、これは過去に存在した(今でも使っている方はいらっしゃる) Lexicon 224や AMS のRMX 16などの外部の実機、もしくはそれをプラグイン化したものや実機の存在しないデジタルプラグインでリバーブをかける方法です。 

 

 

コンピューターで動く以上はコンボリューションリバーブも演算リバーブも共に0と1の世界で動作するという点では同じですが、パソコンのプラグインとして動作するリバーブや専用のデジタルリバーブ機器が生まれる前は、別の記事で紹介したいと思いますが、プレートリバーブやエコーチェンバーと呼ばれる残響用に用意された特別な空間内で音を鳴らして、それを再度録音するという非常に面倒くさい方法作業していました。

 

 

タイル貼りの専用の部屋の中にスピーカーとマイクを入れて録音し直す。

 

 

最も最初期のエコーチェンバーは壁に石のタイルが貼ってあるよく響くトイレの中にスピーカーとマイクを設置して、それをエコーチェンバーとして使っていた言われます。

 

それではあんまりだということで段々とエコーチェンバー専用の部屋を用意するようになり、また壁の材質、部屋の形、スピーカやマイクの位置や種類、あるいは反響を抑制する様々な装置など工夫が凝らされていきます。

 

いずれにしても可搬性ゼロの大掛かりな装置であり、リバーブ用に1つ部屋を潰し、再生・録音用の機器を設置するというのは個人レベルではかなり難しく、ある程度大規模な商業スタジオでしか後付けで残響を付けるという方法は行えませんでした。

 

 

Abbey Road Chambersには上の画像のタイル張りの部屋の他に以下の2つの部屋が用意されています。

 

 

鏡張りの部屋

 

 

石壁の部屋

 

空間そのものを理想的な残響を得る装置にセッティングして後付けで人工的なリバーブを一切使わないという手法はポップス・ロックの世界ではあまり用いられませんが、クラシックの世界ではホールそのものを理想的な響きにすると言う概念は今でも用いられており多くの著名なホールは理想的な残響を得られるように最初から設計されています。

 

 

オーケストラ音源やドラム音源の制作ではそのような理想的な残響が最初から付いているスタジオやホールで収録されることがよくあり、Superior drummerの収録で用いられたAvatar StudiosやSpitfire AudioのAIR Studiosなどが有名です。

 

 

 

〇メリット

・昔懐かしのリバーブを得る手法

・残響が極めて自然であること

 

同じことを自分の家庭環境で用意しろと言われたら大変ですが、プラグインで行える以上はデメリットは何も存在しません。

 

最大のメリットは音が自然という点だと思われます。逆にいえば不自然で実験的なリバーブを作れないのがデメリットと言えばそうかもしれません。

 

後述するOcean Wayもそうですが、計算によって作り出される人工リバーブではなく、実際にスタジオで音が響いているわけですから部屋鳴りの好みの問題はあっても、自然か不自然かと問われれば極めて自然です。ミックスでボーカルやギターが上手く馴染まないという問題を抱えている場合に残響の不自然さが原因なら、(好みや設定の問題が大きいですが)こういった自然な残響を得るプラグインを使うことで解決する場合もあります。

 

 

Abbey Road Chambersが普通のコンボリューションや演算リバーブと違う点は、実際に使われていたAbbey Road studiosの有名なエコーチェンバーであること、マイクやスピーカーの種類や位置などを(ある程度ですが)変更できること、 そして一番興味深いのが単なるリバーブプラグインではなく当時のAbbey Road studiosが使っていた ルーティング・手法を再現している点です。最後の点が一番勉強になります。

 

 

〇ルーティング

 

UAD-2にはCapitol Chambersという同じエコーチェンバープラグインがあり、また似たようなコンセプトにOcean Way Studiosがあります。違いはOcean Wayの方はリバーブチェンバーではなくあくまでスタジオのコンボリューションを利用したリバーブまたはリマイキングプラグインに固執していることで、Abbey Road Chambersのように専用のリバーブチェンバーや当時のエンジニアの手法まで再現していない点です。

 

 

 

内部ルーティング

 

Abbey Road Chambersは実際にエコーチェンバーで使われていた当時のAbbey Road studiosのシステムをそのまま再現しているのが個人的にはそそります。

 

それは上の図のルーティングで下記のような手法です。

 

 

原音

ディレイ

EQ補整+テープエコー+アンプの歪み+AM・FM変調

EQ

RS127とRS106で補整

エコーチェンバー

ディレイ音とリバーブ音のDRY+WET

原音とのDRY+WET

 

 

エコーチェンバーに音が入る前にテープエコーを使っていて、原則エコーチェンバーに入る音はディレイ音やRS127などのEQや真空管アンプを通した音になります。

 


S.T.E.E.D. (Send. Tape. Echo. Echo. Delay.)と呼ばれるディレイセクション

 

プリEQ、テープエコー、真空管アンプのドライブ、AM・FM変調などがあり、これはWAVESのH-DELEYのようなコンセプトです。がっつり歪ませたり、テープエコー特有のワウ・フラッター効果も得られます。

 

エコーチェンバーに入る音は100%ディレイ音というコンセプトで、もちろんディレイ部分を使わない選択肢がありますが、ミックスでもディレイをセンドでリバーブに送ったりするのはよくあるものの、先にがっつりディレイでアナログ的な音を作り込んでから残響を付けるという手法の効果の面白さに多いに感動しました。

 

私はもっとふんわりやっていたのでAbbey Road studiosのがっつり行う手法は新鮮に感じます(歴史的には70年前くらいの方法なのですが)。

 

 

Abbey Road ChambersのS.T.E.E.D.を自分で再現する

 

これをAbbey Road Chambersなしで再現しようと思えば出来なくもありませんし、それは実際にミックスで私たちがやっていることでもあります。

 

Abbey Road Chambersを使うメリットは当時のAbbey Road studiosの手法をそのまま再現しているのを使えるという点であり、単純な音楽的な効果としては手持ちのプラグインで似たような効果やさらに発展的な効果も出すことが出来ます。

 

 

リバーブを独立して使っても良いですが、S.T.E.E.D.のようにがっつりアナログサウンド化したテープエコーを送ると良い感じになりますので、これはミックス勉強中の方にお勧めでもあります。

 

 

〇EQ

RS106とRS127

 

 

SoftubeのRS127

 

RS106 バンドパスフィルター

 

 

RS127はプラグインでも有名なEQでSoftubeからリリースされています。RS106はエコーコントロール用に製作された?バンドパスフィルターです。

 

 

RS106はプラグイン化されていないようですが、ただのバンドパスフィルターですので似たようなカーブを作ることが容易いです。

 

 

〇エコーチェンバー部分

 

エコーチェンバーの設定

 

■スピーカーは2種類

・スピーカーはCHAMBER2のみローエンドのないALTEC製かフルレンジのB&W製かを選べる。

 鏡張りの部屋と石作りの部屋はALTEC製のみ。

・スピーカーをCHAMBER2のみ壁に向けて鳴らすことによって反響を得るか、マイクに向けて流すことによって反響を抑制するかという選択肢が選べる。

 鏡張りの部屋と石作りの部屋は壁に向けて鳴らせない。

 

ALTEC製はローエンドのない軽い音ですが、そもそもローエンドはEQで切ってしまうのでこれで全然困りません。

 

 

■・マイクはCHAMBER2のみスモールダイアフラムのやや明るい音のNeumann KM-53sかフラットなSchoeps MKH-2から選べる。

鏡張りの部屋と石作りの部屋はマイク選択不可

 

・マイクをCHAMBER2のみ壁から離すことによってよりダイレクト音を多く収録し残響を減らすか、壁際にマイクを寄せることによって残業を多めに収録しスピーカーからも遠い音を得るか、柱の陰にマイクを隠してより自然な残響を得るという三つの選択肢が選べる。

鏡張りの部屋と石作りの部屋はNEARかFARのみ

 

スピーカーの方向やマイクの位置は特に重要で、好みの残響をある程度までは調整することが出来ます。選択出来る幅が少なく手抜き感が否めなせんが、あまり細かく設定しても顕著な違いはおそらくあまりなく、WAVES側で大きな違いの出るセッティングに限定してあるのでこれで十分とも思います。

 

 

 

スピーカを壁に向け、マイクも壁に寄せると反響音が多めになる(良く響く)

 

 

スピーカをマイクに向け、マイクも壁から離すと反響音が少なくなる(あまり響かない)

 

 

大きなコンセプトは上の図のような感じです、実際はもっと乱反射が起こっていますが、スピーカーの向きとマイクとの距離で残響の音を作っていきます。直感的でわかりやすい点も好感が持てます。

 

 

 

 

〇肝心のリバーブタイムは?

0.5倍~1.5倍まで変更可能

 

肝心のリバーブタイムですが、実際に部屋で音を鳴らすという性質上、残響時間は現実の環境そのままになります。但し昨今のコンボリューションリバーブがそうであるように伸ばしたり、縮めたりすることがある程度出来ますので、これも実用に耐えうるパラメーターと言えます。具体的な長さはマニュアルには書いてありませんでした。

 

 

 

 

 

〇まとめ

 

オーケストラに使うようなタイプではなくポップスやロック系に似合うプラグインで、デジタルリバーブやプレートリバーブが出るまでの、おそらくは1940~1950年のAbbey Road studiosの主力リバーブです。

1957年にAbbey Road studiosはEMTのプレートリバーブを購入したと別のところに書いてあるので、それ以前、またはそれからもしばらくの間はこのリバーブが使用されていました。

 

 

デジタルリバーブの登場でエコーチェンバー(プレートリバーブもですが)はコストや運用の面で衰退していき、今では後付けで残響を付けるという用途では実務で使われることのないリバーブ方式ですが、極めて自然なリバーブが特徴であり、そのルーティングやセッティングによる音作りなども一般的な演算やコンボリューションリバーブよりも自由度が高く、なかなかそそるプラグインです。個人的にはAbbey Road studiosの理想的なエコーを付けるための方法論にそそられました。実際上手くいっています。

 

 

逆に不自然ではあっても実験的な音作りが好きな人にはあまり好ましくないかもしれません。現実には絶対にあり得ないようなデジタルリバーブ特有な不思議サウンドは作れません。ポップスやロック系のドラム、ギター、ボーカルなどで自然な残響を得るのにマッチするタイプです。

 

 

私がヴィンテージ好きというのもありますが、もはや溢れかえっているリバーブプラグインの中では久々に有用なありよりありのリバーブプラグインで、今後も多用することになりそうなお気に入りの戦力となりました。

 

 

動作は複数のプラグインの集合体のような感じですので一般的なリバーブプラグインと比べると多少重いかもしれません。

 

 

また既に紹介したようにAbbey Road studiosという部分に拘らなければ手持ちのディレイ、真空管、テープエコー、モジュレーション、イコライザー、リバーブなどを組み合わせれば近しい音を作るのは不可能ではありませんし、似たようなことはミックスの基本テクニックでもありますが、Abbey Road studiosのエコーに対するコンセプトそのものは現代に生きる私たちにとって有用であることは間違いありませんので、是非とも参考にして頂ければ幸いです。

 

 


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WAVES EMI TG12345 Channel Strip

 

WAVESからリリースされているAbbey Road Collectionの1つであるEMI TG12345 Channel Stripを買いました。

 

 

1970年代のAbbey Road Studios


ご存じの方も多いと思うのですが、Abbey Road Studiosでは母体のEMIにある有名なRecording Engineer Development Department(レコーディング・エンジニア開発部)というのがあって、潤沢な資金でエンジニアやアーティストの要望に沿ったコンソールやプラグインなどを自分の所で使う機材を自分たちで作っていました。

 

 

その頭文字を冠したREEDシリーズが有名でこちらもプラグイン化されており、同じくWAVESから発売されていますが、REDDコンソールが1チャンネルに複数の真空管を使った贅沢なコンソールだったのに対して今回購入したTG12345はソリッドステートになり、後発(といっても1970年代)

なだけあって使い勝手はREDDコンソールより増しています。

 

RS127やRS135などがSoftubeからリリースされていますが、こういうのがそれなりの数がありUADやWAVESなどの複数のメーカーがプラグイン化を行っています。

 

 

 

TG12345のwiki(英語)

 

 

TG12345 コンソールは今ではSONYの子会社になってしまったEMIが1970年代に作ったコンソールで「TG〇〇〇」や「EMI」という名前を冠したアウトボードやプラグインは今でもたくさんあって人気があります。

 

 

現代の我々がプラグインとして使うには関係の無い部分(コンソールのチャンネル数やIN/OUTの数など)は別として、純粋にアナログ的なサウンドやEQやコンプの質感はまさにヴィンテージです。

 

 

 

近年のプラグイン界は個人的に様々な製品が飽和気味になっている反面、かなり円熟してきたとも感じています。驚くほどクオリティーの高いプラグインも多数ある中でWAVESのAbbey Road Collectionのプラグインはどっちかというと半分というか3/4くらいは趣味みたいな感じでヴィンテージ好き、アナログサウンド好き、Abbey Road やEMIが好きという人向けのように感じています。

 

 

もちろんビートルズなど世界的なミュージシャンがAbbey Road Studiosで製作を行ってきたわけですから実用に耐えうるものではありますが、緻密さやクオリティーの高さを求めるならもっと別の選択肢がたくさんあるのが今のプラグイン業界です。

 

 

好きな人は大好きだと思いますので、どんなプラグインなのかをご紹介したいと思います。

 

 

〇デフォルト状態

 

アンチエイリアス処理と20Hz以下にHPFが掛かります。

 

一番右端にHPFが入っているのがわかります。これはアナログプラグインなので倍音がたくさん入ることによる折り返しノイズを防ぐためと思われます。こういったアンチエイリアス処理は多くのプラグインに見られますが、デジタル固有の折り返しノイズをあまり気にせず使うための現代における対策です。20Hz以下もLPFが入ります。

 

 

 

通しただけで倍音が入ってアナログ的な質感になります。

 

1970年代のアナログコンソールなのでかなり歪みます。こういった質感がヴィンテージモデリングプラグインの味であり、良さでもあります。デジタルの冷たい・薄っぺらい感じを払拭する一助になります。

 

 

〇3バンドのEQ

 

 

 

EQは3バンドですが、ハイ(TREBLE)とロー(BASS)は5kHzと50Hz固定で自由度はかなり低いです。PRESENCEのみが可変ですが、Q幅が変更出来ず全体としては半分トーンコントローラーみたいなニュアンスを持っています。

 

これはSSLが登場するまでの多くのコンソールに言えることであり、こういった(現代人から見れば)不自由さがヴィンテージなサウンドのポイントであると個人的には思っています。不便というよりも個性として使うところにこの手のプラグインの持ち味があります。

 

 

TREBLEのブースト時は5kHzのピーク。

 

 

TREBLEのカット時は5kHzのシェルビング。

 

 

BASSはpultecタイプでブーストカットともにシェルビングです。

 

BASSはマニュアルには50Hzとありますが、4kHzあたりからの緩~いシェルビングです。ハイ(TREBLE)もロー(BASS)も周波数を変えられず、Q幅も弄れませんので、もの凄くざっくりした音作りしか出来ません。

 

「低音が足りないな~。BASSを上げよ!」とか「ちょっとキンキンするな~。TREBLEを下げよ…」みたいな感じです。周波数もQ幅もシェルビングかピークディップなどのタイプも何も弄れない現代のパラメトリックEQに慣れている人にとってはあり得ないほどの不便さですが、1970年代のEMIコンソールはこれしか出来なかったわけです。

 

 

もちろん録音の段階で別のアウトボードを使って音作りは当然していたでしょうし、必要に応じて外部アウトボードも使用してはずですので、コンソール内蔵のEQがすべてではありませんが、このあまりにもざっくりした感じがヴィンテージの風味です。

 

 

唯一弄れるのがPRESENCEで50Hz~10kHzの固定Q幅のピークディップです。プラグインは数値が1Hz単位ですが、実機はスイッチ式で8ポイントからしか選べません。低い方は500Hzと800Hzですが、650Hzを狭いQ幅でカットしたい、というようなことは当然出来ないわけです。

 

 

 

PRESENCEは50Hz~10kHzのピークディップです。

 

こういった不便さを現代人の私はヴィンテージの持ち味と受け取ることが出来ますが、当時のエンジニアたちにとってはEQによる音作りの限界でもあったわけで、これを打破したSSLコンソールが多くのエンジニアに支持されたのは当然と言えば当然です。積極的な音作りが出来ないというのは現代の音楽を知っている人間からみると致命的な欠陥に見え、それを行いたいという願望を持っていた当時のエンジニアたちと音楽製作業界全体がさらなる自由度を求めてSSLコンソールにシフトしていったのは道理と言えます。

 

 

 

この不便な使い勝手でそのまま製作を進めると追い込みきれないサウンドになりますが、それがこういったプラグインの良さであり、また悪さでもあります。どうしてもというところはデジタルEQを併用すればどうとでもなるので、色々組み合わせて使うのが現代のDAWでの製作では現実的です。

 

 

〇コンプ&リミッター

 

 

使わない、コンプ、リミッターモードの3つがあります。

 

 

コンプモードはレシオが2:1でアタックが 1 ms、

リミッターモードはレシオが7:1でアタックが 1 msです。

2つのモードのレシオとアタックは固定なので変更が出来ません。

 

ざっくりとした音作りしか出来ないので、コンプはほかに1176や670やRS124などを別途使って音を作ると当時の製作に近くなるのではないかと思います。

 

 

 

HoldとRECOVERY

 

Hold=スレッショルドでHoldを右に回していくとコンプが掛かります。コンプやリミッターモードにすると圧縮回路に入る信号が増幅され低音も増す仕様なのでHoldが50くらいの位置が開始点と思って使っています。

 

 

RECOVERY=リリースで1~6段階あり、1から順に100ms, 250ms, 500ms, 1sec, 2sec, 5sec.の6段階です。

100ms以下のリリースタイムが設定出来ないので、やはり細かい音作りには向きません。

 

 

 

 

サイドチェインとパラレルコンプ

 

これはおそらく実機にはなかったであろう機能ですが、90Hzのハイパスサイドチェインが付いている点とパラレルコンプ機能が付いている点が使い勝手を良くしています。現代のプラグインでは珍しくもない機能です。便利なので多用しています。

 

コンプで潰した分はOUTのフェーダーで取戻します。

 

 

ルーティングを決められます。

 

最も重要なのはコンプ→EQなのかEQ→コンプなのかのルーティングですが、こちらも変更することが出来ます。これも必須の機能です。

 

 

〇メーターリング

 

左右がVUと中央がPEAKメーター

 

メーターリングはキャブリレーションを変更可能でデフォルトでは0VU=-18dBです。あまり精度はアテにならずおまけみたいな感じです。

 

 

 

 

メーターの動きが独特。

 

 

INとOUTはほかのメーターでも確認出来ますし、本体のものでも良いのですが、ゲインリダクションを確認するときにメーターが0dBを下回ってしばらくしてから0dBに戻る、あるいは針が1秒ほど停止するという仕様なので現代的なコンプに慣れているとわかりにくいはずです。

 

Holdを振り切っての一般的な入力レベルのゲインリダクションはMAXで6dBくらいですが、針の動きが個人的には全然当てにならないは実機がそのものそうだからプラグインでも真似ているということなのでしょうか。

 

わかりにくいと言えばわかりにくいですが、この不便さがヴィンテージらしくて良いと思ったりもします。耳で聞けばどんな感じかも大体判断出来ますし、そもそも細かく追い込むようなコンプではなくざっくりとした味付けのものなのでこれで良いのかもしれません。

 

1970年代に実際にAbbey Road Studiosで使っていたエンジニアも大雑把な微調整として使っていたはずです。このへんもSSLに比べると使い勝手が悪いと言えばそうなのですが、時代を考えれば当然と言えます。

 

 

こういう部分に文句を言うのは電気がまだ発明されておらず電灯がない時代は不便だったろうなぁ~というのと同じで、当時はそうであったのだからそれが当時の音を感じさせる特徴なわけで、ヴィンテージが好きなら受け入れて使うのが個人的には良いと思っています。
 

オイルランプやランタンを敢えて使っているレストランやバーなどもあったりしますが、単純に明るくするなら蛍光灯やLEDの方が便利なのですが、オイルランプやランタンの柔らかい光にも味があって人気があるのと同じです。出力は弱いし熱くなるし費用も嵩みますが、好きな人は好きなわけです。

 

 

こういった点を「不便なだけ」と断じるならヴィンテージ系のプラグインを使う意味は半減します。単純に便利さ・緻密さだけを追うなら現代のデジタルEQの方が何十倍も優れています。不便なのが味であり、そこに良さがあるわけです。

 

 

もちろん程度問題であり、50年前の音楽と現代の音楽製作の手法は全然違うので100%当時のやり方は出来ないわけですが、ある意味で懐古趣味というか最初に半分というか3/4くらいは趣味みたいな感じと述べたのはそのような意味があります。

 

 

 

〇DRIVE

 

 

薄い緑がDRIVEは半分の状態、ピンクがDRIVEがゼロの状態

 

DRIVEは使うとしたらかなり控えめに使わないと、強烈に歪みます。またDRIVE量とともにハイ落ちしていきます。

 

薄い緑がDRIVEを半分回した状態、ピンクがDRIVEなしの状態です。エグイ音に簡単になりますが、極端過ぎてあまり用途がなく、歪みを意識してコントロールしたい場合はほかの便利系プラグインを用いることが多いです。

 

 

〇その他

 

 

 

 

・MS、ステレオ、デュオ(マルチモノ)の切り替え

・ホワイトノイズの付加

・モニターの切り替え(モノラル、ステレオ、Lのみ、Rのみ)

・スプレッド(左右の広がり)

・チャンネルセレクト

などがあります。

 

 

CH SELECTはLRの微妙な違いを出します。

 

以前の記事のプラグインアライアンスのTMTではありませんが、左右別々のチャンネルをモデリングしているのでステレオで使う場合はずれがあります。

 

 

コンプを掛けたときの設定によって1dBくらい左右でずれる。

 

 

コンプも右と左の回路が違うせいで酷いときは1dBくらいずれます。完全にモノラルに聞えるステレオソースだとずれているのが聞いてわかりますので、「う~ん」となるのですが、これがヴィンテージです。

 

 

 

全トラックにTG12345の Channel Stripを挿せば1970年代のAbbey Road Studiosごっこが出来るわけで、CLA MIXHUBみたいな感じですが、現実的には小回りの効くデジタルプラグインと併用して使うのが一般的です。

EQやコンプには触れないで質感を出すために使うこともあります。

 

 

こうして改めてまとめてみると火を付けるときにライターを使わずに敢えてマッチを使うようなレトロ感がありますが、個人的には好きです。WAVESのAbbey Road CollectionはDTM初心者の方にはお勧め出来ず、Abbey RoadやEMIが大好き、ヴィンテージ大好きな人向けのプラグインですが、デジタルというフィールドででアナログ感を追求するという現代のDAWによる音楽製作にはちゃんと立ち位置のあるプラグインと思っています。

 

 


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生ドラムではなく、電子ドラム(というかリズムマシン)として最も有名なものはTR-808(1980年)とTR-909(1983年)で、このTR系リズムマシンは現代でも根強いファンがたくさんおり、実機のリメイクやプラグイン化などDTMをやっていれば必ずと言ってお世話になることのある機種です。

 

 

同じく1980年代に一世を風靡しつつも現代ではすっかり忘れ去られた電子ドラムのSIMMONS Drumを今回は紹介したいと思います。

 

 

音楽は00:59~から

 

なんというかレトロな1980年代の音色です。こちらはTR系と違って実際の電子ドラムセットなので実際にドラムを叩ける人出ないと活用出来ない点や置き場所にスペースを取るのが難点です。

 

また実際にドラムを叩ける人はどうしても本物の生ドラム指向になり、電子ドラム系の音が欲しい人はテクノやハウス系に流れていき、そういった人たちはドラムの生演奏をあまりしないので時代と共に廃れていきました。

 

 

この六角形のドラムがトレードマークです。

 

 

 

このSIMMONS DrumはVST音源化されていてTR系のリズムマシンと違って汎用的ではありませんが、BGMにおいてある特定の雰囲気を出すには持っていても良いかもしません。

 

 

VSDSX VST SIMMONS SDS-V Extended Drum Synthesizer

 

 

 

公式サイトではたくさんのデモ曲を聞くことが出来ますが、なんというか思い切り80年代サウンドで、逆に今のソフト音源ではこういう音を作りにくいもの凄くニッチなドラム音源です。ある意味で一周回って逆に新しいと言えるかもしれません。

 


 

現代のドラムパッドで実際に叩いている動画です。

 

 

 


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今回はあまり日の当らないLA-3Aについてその用途を考察してみたいと思います。

FETでは1176、真空管ではFairchild 670が一番有名ですが、光学式ではなんと言ってもLA-2Aです。

 

 

UAD-2 Teletoronix LA-2A

 

LA-2Aは光学式特有の優しい、柔らかい、ヌルいとも言えるようなコンプの掛かり方と回路後段のアンプゲインに真空管を使っていることからアナログ的な歪みを加わるということで特に人気があり光学式コンプの代表みたいに言われています。

 

光学式特有のコンプレッションは特にボーカルなどに好まれますし、ITBでは特にアナログ感を求めて歪みの成分を好むのでLA-2Aのような真空管をアンプに使っているアナログ風味の機材に人気が出やすいです。

 

 

 

UAD-2 Teletoronix LA-3A

 

Waves CLA-3A

 

LA-2AとLA-3Aの最大の違いはよく知られているようにアンプ回路が真空管なのか、ソリッドステートなのかです。

またLA-3Aは小型化されラックマウントではなくなり価格帯も下がっています。製造者も元祖TeletoronixではなくUreiが商標を買い取って作ったものになります。なので設計図はLA-2Aを参照しているのでしょうが、厳密な意味ではTeletoronix LA-2Aの制作者であるジム・ローレンス作とは言えません。

 

 

〇歪み特性

 

最大のポイントである歪み特性を比べた図を見てみましょう。

 

水色がLA-3A茶色がLA-2Aです。水色の方が歪みが少ないです。

 

条件は共に同じでゲインリダクションが7dB掛かるようにし、入力レベルも揃えています。

こうして見比べてみるとLA-2Aに対してLA-3Aの方は2倍音は同じくらい出ていますが、水色の線の3倍音は控えめで、4倍音はさらに控えめで、5倍音以降はLA-2Aがそれなりに出ているのにLA-3Aの方は確認出来ないほど小さくなっています。

 

 

これはソリッドステートをアンプゲインに使っているからですが、ミックスではどんな時でも歪めばOKというものではなく、このように歪みが少ない方がクリーンなまま光学式コンプを使えるのでソースによってはLA-3Aの方がマッチするということも当然あります。

 

 

これ以上倍音を加えて歪ませたくないけれど、優しい、柔らかい光学式のコンプの掛かり方が欲しい時に最適です。

 

 

〇位相歪み

 

WavesのLA-2A・LA-3Aでは3A方が大きく低域で位相歪みが発生しています。

 

LA-3Aの方が廉価版のような立ち位置のせいなのか低域に位相歪みが大きいです。しかし周波数としては20Hz以下なので耳で聞くサウンドにはほとんど影響はありません。

 

〇Kneeカーブとレシオ

 

コンプレッションカーブはほぼ同じでどちらもソフトニーです。

 

レシオやニーカーブにおいてはほぼ一緒です。

 

 

〇アタックとリリース

視覚的にはわからないレベルで一致しています。

 

LA-2Aのアタックタイムは公称20msですが、実際に実験してみてもカタログスペック通りです。LA-3AとLA-2Aの間にアタックタイムの違いは見られません。

 

 

〇スペクトラムへの影響

LA-3Aは10kHzから軽くハイシェルフしています。

 

通すだけでイコライジングカーブに僅かに影響があります。LA-3Aの方が10kHzあたりから2dBほどのシェルビングによるブーストがあり、20Hzからもロー落ちしますが、それほど問題になる量ではありません。

 

この点に関してはLA-2Aの方がリニアであると言えますが、可聴周波数や実際に使う分にはそこまで大きな差とは言い難いです。補整EQでなんとでもなるレベルでしょう。

 

 

〇まとめ

 

上記の検証結果からわかることはコンプレッションのみに焦点を置いた場合は両者にはほぼ違いが無いということです(多少LA-3Aはハイが上がるだけ)。

冒頭に述べた通りLA-2AとLA-3Aの違いはアンプに真空管か、ソリッドステートを使っているかだけであり、コンプレッションの回路はどうやら同じなようです。

 

 

ミックスでの使い分けはプラグインの場合、アナログ感を付加するという目的で強い歪みが欲しいか、欲しくないかという点が判断基準になります。位相歪みがLA-3Aの方が大きいですが、低域と言っても20Hz以下が問題となるレベルであり、これは人間の可聴周波数を超えた低音なので問題にはならないと思われます。

またボーカルなどで使う場合でもHPFを入れるなら尚更問題にはなりません。EQカーブへの影響の僅かであって気になるならEQで補整を入れれば済むレベルです。

 

 

LA-2Aばかり使ってLA-3Aをあまり使っていらっしゃらない方はこうして検討するとLA-3Aにも使い所があるのがわかると思います。

 

 


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比較的初心者向けのアドバイスなのですが、最終的に2ミックスが完成した際に市販品に比べて音像がぼやけていたり、透明感が損なわれる理由の一つとしてミックスバスが破裂しているというケースが存在します。

 

ドラムグループ、ギターグループ、シンセグループ、ボーカルグループ、あるいはマスターバス(マスターフェーダー)何でも構いませんが、バスに集合するたくさんのオーディオシグナルが一つ一つのトラックでは割れていなくてもバスに入った時点でトラックに対して、あるいはバスコンプやトーンコントロール用のプラグインに対して過大入力になっているというケースは初心者のセッションでよくあります。

 

 

Waves CLA MixDown

 

 

Waves V comp

 

例えばWaves CLA MixDownやV compを見てみましょう。 これらのプラグインには針式のメーターにIN・OUT・GR3つのスイッチが付いていますが、これは決して飾りで付いているわけではなくそれぞれのレベルを図るために用意されています。

 

 

今回問題としたいのは入力レベルつまりメータースイッチをINにした時の場合です。V compの説明書には「アナログでの理想的な入力レベルは0~+5 dBUであり、これをデジタルに直すと-22~-17 dBFSの範囲となる」という趣旨のことが書かれています。 つまり針が0dB に近づくような範疇では過大入力になって理想的な性能を発揮できない、少なくとも設計段階ではそのように作られているということです。

 

 

例えばV compをマスターバスに入れる場合に既にピークメーターが0dBFSに届いていて、それをコンプやリミッターで潰さないとクリップランプが付くようなレベルの場合は明らかに過大入力になります。

 

その場合にV compのINのメーターを見ればメーター上の赤いランプが付いて針も振り切れているでしょう。

GRやOUTが適正レベルでもINが過大入力の場合は音質に影響がある場合が多いです。

 

 

NEVE2254
 

V compの-22~-17 dBFSの範囲というのは現代人の私からすると「ちょっと小さくない?」と感じますが、V-compのオリジナルであるNEVE2254が作られたのが1970年代ですので、それを思えばこのくらいが規定レベルであることに納得がいきます。

 

 

Waves CLA MixDownのメーター部分

 

Waves CLA MixDownのInput部分

 

 

CLA MixDownの理想的な入力レベルに関する具体的な数字は述べられていませんが、インプットフェーダーの上にあるランプが黄色の状態が良いとされています。メータと照らし合わせてみればだいたいの数字を述べることもできますが、緑色は入力レベルは小さ過ぎる、赤色は入力レベルが大き過ぎるというざっくりとした判断基準です。

 

 

針式やLEDのメーターでInputレベルを見られる場合は少なくとも0dBには届くのは限界上限なので、余裕を持って-6~-12dBくらいにするのが良いと個人的には考えています。

 

 

もちろんWavesやUADなどはマニュアルに理想的な入力レベルが書かれていることがあり、例えばUAD-2のTeletronix LA -2Aは「-12dB FSの内部リファレンスレベルで動作しています。」と書かれていて、ここが歪み始める手前のポイントとなります。

 

 

UAD-2 Teletronix LA-2A

 

こういう知識があれば敢えてオーバードライブさせたり、しなかったりというミックス上の判断基準を持つことが出来るわけですが、何も考えずに(何も知らずに)常時過大入力してしまうとミックスの各所で意図しない歪みが大量に発生し、それが積もり積もって最終的なマスターアウトでは濁っているという結果になってしまうことがあります。

 

 

市販品に比べて自分のミックスは透明感がない…という理由の1つはここにあるかもしれません(ほかのケースもあり得ます)。

 

 

アナログ機器のモデリングではマニュアルに規定や理想の入力レベルが書かれていたり、またメーターが付いていたりするのですが、デジタル系のプラグインの場合はそういったことが何もわからない場合があります。

 

 

規定レベルに関してはアナログ同様に考えればまず間違いないと思いますが、入力レベルはそのバスに挿すプラグインの前にメーターリングソフトを入れれば解決します。

 

 

愛用のPSPメーター

 

「メーター」→「バスに挿すプラグイン」という順番にするだけで入力レベルを監視出来るのでとても便利です。

 

 

ミックスが濁る=歪んでいるというケースの場合は、ミックスバスで破裂しているか、そもそも個々のプラグインの用法が不適切というケースがほとんどです。元音がそもそも濁っているというケースがありますが、プラグインを適切に使えるなら大体の問題は解決出来ます。

当たり前のことですが、マニュアルを読むこと、上手な使い方を本や上手な人から学ぶこと、自分でも経験を積むこと、こういったことの積み重ねが1つ1つは小さくても全体に大きな影響を与えています。

 

 

 


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Plugin AllianceのセールスポイントであるTMT機能をまだ使ったことのない方のためにGIFを作ってみました。

 

この機能が出て久しいのでご存じの方も多いと思いますが、TMT機能とはTolerance Modeling Technologyの略で直訳すると許容範囲内の誤差をモデリングした技術という意味になり、つまるところコンソールなどの同じモジュールがある複数ある場合に1つ1つの個体をモデリングしたものです。

 

 

1chごとに個別にモデリングしているのがTMT機能です。

 

マスタリング用のEQなどのシビアなアウトボードでは左右の完全なマッチングが求められますが、例えばモノラルのアウトボードを2つ購入した場合にパラメーターの値を同じにしても出力やゲインリダクションなどの値は一致しないのが普通です。

 

Plugin AllianceのTMT機能

 

私もいくつかモノラルのアウトボードを2つ買ったことがありますが、パラメーターの位置を全く同じにしても音量は揃いません。ですのでステレオで使う時はモニター側のメーターリングソフトを見て合わせていました。

 

シリアル番号が連番であれば使用部品が近い?ので多少はこのズレも少ないと言われていますが、なんとも言えません。

 

 

コンソールの場合も然りでPlugin AllianceのSSL4000EやFocusrite SCなどは72ch分を個別にモデリングしているわけですが、すべて微妙にEQなら周波数の位置やゲインの量、コンプではゲインリダクションの掛かり方がチャンネルごとにズレています。これが良いことなのか、悪いことなのかは色々な意見がありますが、厳密にマッチングされたマスタリング機材ではないのでむしろ厚みを出すための良い意味でのズレになっているように思われます。

 

だからこそPlugin Allianceもこの実機の振る舞いをモデリングしているわけで個人的には有意義な機能だと感じています。

 

SSLだけでドラムの音を作ったりする場合もなんだか良い結果になっている気がします。

 

 

WAVESのSSLやUADのSSLにはTMT機能はなく、またPlugin Allianceでも1つしか使わない場合は力を発揮しません。あくまで実際の卓でミックスしているのと同じようにすべて(あるいは複数)のチャンネルをSSL(やほかのTMTコンソール)にした場合に意味のある機能になります。

 

まず下記のEQ設定をみて下さい。

 

Plugin AllianceのSSL4000EのEQ部分

8kHz=+3dB(Bell)

3kHz=-3dB

280Hz=-3dB

200Hz=+3dB(Shelf)

 

設定は見たままですが、SSL4000Eの黒ノブで上記の通りになっています。

これを1~72まで順番に切り替えていきます。

 

左上の数字(1~72)がTMTの数字です。EQカーブが微妙にずれていきます。

 

TMTの数字を切り替えていくとEQのカーブが全部微妙にずれていくのがわかります。個体差と言えばそれまでですが、意外と結構ずれていて「こんなにずれてんの?大丈夫?」と思うほどです。

 

上のGIFの青とピンクの線はLとRの線(1chと2ch)が別々に出ているわけですが、ステレオで使うときですら左右はマッチングされていないことになります。

 

 

Focusrite RED2

 

何千万円もするSSLコンソールですらこうなっているのでは自宅で使っているFocusrite RED2もLRのバランスが揃っているとはとても思えません。多分マスタリングを謳っている機器以外は全部こんなものなのかもしれません。

 

いや、マスタリングを謳っている機器でも実際にこうやって分析してみるまでは信じられないまであります。もちろんそれなりには揃っているでしょうが、果たしてデジタルEQのように100%マッチングかどうかはアナログ部品である以上怪しそうです…。

 

 

RED2の立ち位置は決してマスタリング機器ではないのでSSLコンソール同様に左右が結構ズレていると考えるのが妥当でしょう。しかし、実際に使っていてズレているから困るとか嫌だとか思ったことは一度もありません。

 

SSLコンソールでミックスするエンジニアさんもステレオ素材を扱うことは当然あるでしょうし、このように微細な個体差は実際に製作する上であまり問題にならないようです。むしろばらけているのが良いのかもしれません。

 

 

こうしてみるとレコーディングやミキシングにはアナログ機器が入り込む余地はまだまだあるけれど、マスタリングはデジタルの方が良いんじゃないかとますます思う次第です。

 

デジタルEQやデジタルコンプであれば意図的にそういう風に作られていない限り左右のマッチングは絶対ですし、メンテナンスも必要ないわけで、厳密で緻密なステレオマッチングはプラグインの方が性能においても対費用効果においても圧倒的に有利です。

 

 

逆にミックスではこのような個体差が音の厚みを生む原因の1つと考えられるので、TMTのような機能は重宝するのではないかと思います。個人的にはUADプラグインにも付けて欲しいです。

 

 


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前回の続きです。

 

 

 

〇実際に比較してみます。

 

SSLコンソールは幾つかのメーカーがプラグイン化していますが、今回はWAVES、Plugin Alliance、UAD-2の3つのSL 4000 Eプラグインを用います。

 

 

WAVES製

 

 

Plugin Alliance(Brainworx)製

 

 

UAD製

 

同じEシリーズでもEQのローバンドのノブが「茶色」「黒」「オレンジ」と3色あり、wikiによれば茶色のものは4000 シリーズ開発当初からの周波数特性となっているタイプでQ幅が割と広めで緩やかなカーブを持ちオレンジはパルテックタイプと呼ばれ、PULTECのEQP-1Aなどの周波数特性となっていて、黒はニュー・スタンダードタイプと呼ばれ、初期モデルとパルテックの中間的な周波数特性になっており、Q幅が3種類の中では一番狭いタイプになります。

 

 

WAVES製は黒ノブ

 

 

Plugin Alliance製は茶と黒を切り替え可能

 

UAD製は茶と黒を切り替え可能

 

プラグイン化に当ってPultecタイプのオレンジノブは「DTMならPultecをそのまま使えばいいじゃん」ということなのか、除外されています。

ということでSSLらしさを持っている一番古い茶色のノブと、ニュースタンダードの黒いノブがUAD製とPlugin Alliance製では切り替えられるようになっています。WAVESのSSLはもうかれこれ10年以上は経ってる気がしますが、古いモデルなだけあってEQタイプの切り替えは出来ず黒のニュー・スタンダードタイプのみになっています。

 

 

 

SELECTボタンでノブが茶色と黒に変わります。

 

 

茶ノブのUAD製と黒ノブのWAVES製の比較
 

茶ノブのUAD-2製と黒ノブのWAVES製の比較してみました。まず200Hzを6dBブーストする設定にしていますが、UAD-2の方はHPFをオフにしていても20Hz以下のランブル音をカットするように設計されています。

 

 

まず最初に両者とも200Hzを6dBブーストしているのですが、ピンクのWAVES製の方は黒ノブのニュー・スタンダードモデルで狭いQ幅を持っているとの触れ込みの通りでわりとピーキーです。

 

UAD製の茶ノブの初期モデルはQ幅が広く緩やかな特性になっており、6dBブーストしてもQ幅が広い分を相殺するためか実質4dBしかブーストされていません。

 

 

8kHzのブーストもWAVES製の黒ノブの方がピーキーでUAD製の茶ノブの方は緩やかです。やはり6dBブーストしても実質4dBしかブーストされていませんが、Q幅が広いためトータルでブーストされた面積・領域(という表現が正しいかどうかは別として)は同じくらいです。

 

 

実際にこうして見るとレトロな茶ノブと現代的な黒ノブの違いが顕著であり、ミックスでもEQのバリエーション違いで異なるサウンドを作ることが出来ます。

 

ヴィンテージよりなサウンドが欲しいなら茶ノブを、より現代的な音にしたいなら黒ノブを、という選択肢が選べます。

 

 

〇黒ノブは現代的?

 

初期モデルの茶ノブの緩やかな感じは前回の記事のAPIやPultecタイプのように1960年代までの半分トーンコントローラーみたいなEQの特性を受け継いでいると言えるかも知れません。ヴィンテージとまでは言えないかもしれませんが、それよりのサウンドを出してくれます。

 

APIやPultecなどの甘美などのように比喩されるEQ特性はどちらかというと茶ノブのような緩やかにQ特性に依存する部分が大きいからです。

 

初期の茶ノブはそれまでの時代の流れに沿って保守的な設計がなされているわけですが、Q幅の狭いよりアグレッシブな音作りが出来る黒ノブのEQ特性は後発のGシリーズになってからも受け継がれ、新しい時代のスタンダードになりました。

 

実際 Chris Lord-Alge Signatureや彼の様々なEQプラグインのプリセットを見れば狭いQ幅を活用したアグレッシブな音作りがなされているものもあり、こういうのはSL 4000 Eの黒ノブ以降のEQでないと出来ないわけです。

 

APIやPultecが甘美ならSSLのEQは攻撃的と言えるかもしれません。実際にSSLが世界中のレコーディングルームに普及する前のロックやポップスの音楽を聴くと、1980年より前のものはたしかに甘い、にぶい、柔らかい感じのミックスが多く、1980年以降はシャキシャキした攻撃的で明瞭なミックスが増えているようにも思えます。

 

1970年とか1960年の音楽から聞えてくる音は現代的な明瞭で攻撃的でシャープな感じがしませんが、これはEQ特性も多いに関わりがあるはずです(アナログ機器の時代なのでほかにも理由はたくさんありますが)。

 

 

両方に価値があると思いますが、「黒ノブは新しい時代のスタンダードになりました」と言ってもそれは1980年代後半くらいの話です。30年も前の話なので現代ではプラグインにおけるデジタルEQこそが新しいスタンダードでしょう。

 

 

 

〇コンソールEQの立ち位置

プラグインとして大人気のコンソールのチャンネルストリップですが、現代のプラグインのデジタルEQはSSLの黒ノブよりももっとアグレッシブな音作りが可能です。

 

 

こんなのとか。

 

こんなのも出来ます。

 

こんな極端なEQや変則的なEQ設定は実機のコンソールで出来ないわけではありませんが、面倒であまりやろうとは思わないかもしれません。

 

単純に小回りが利くという点では現代のデジタルEQの方がずっとアグレッシブです。黒ノブのSSLのEQはその嚆矢であり、そういう意味ではSSLの音というのは1980年代以降から現代のようにプラグインのデジタルEQがプロのエンジニアの実用に耐えうるまで進歩するまでの期間の典型的な音と言えるかもしれません(もちろん現役でもSSLは使われています)。

 

つまり一世代前のヒット曲の典型的なサウンドであり、現在の著名なエンジニアも一世代以上前からのキャリアを積んできた人が多いので当然使い慣れたSSLなどの評価が高いわけです。

 

 

 

しかし昨今のプラグインの進歩は凄まじいものがあり、大型コンソールがないとミックス出来ない時代ではなくなりました。EDM系のプロデューサーならITBの人もたくさんいるはずです。コンソール(+それに付随するEQ)をほとんど使わずに、現代の様々なデジタルEQプラグインを使うという人も多いはずです。FabFilterの Pro-Q やWAVESのH-EQやDMG Audio EQuilibriumなどのプラグインEQだけで済ます人も実際にいます。

 

 

 

少なくともSSLやNEVEなどのコンソールの使い方を覚えないとミックス自体が出来ないわけではありません。プラグインが隆盛しているこの時代においてはSSLやNEVEやREDDやEMIのTGなどのコンソールは懐古趣味かバリエーションを求めるためのサブとして考えている人も多いはずです。

 

 

今でこそパソコンやDAWが普及し自宅で誰でもミックスやマスタリングが出来るようになりましたが、それ以前は個人レベルなら小型のハードディスクレコーダーを使うなどの小規模な環境が関の山でした。

 

ZOOM R16

 

何千万円もする巨大コンソールもエンジニアリングの技術も閉じた世界の極限られた人たちの特殊技能だったのですが(今でもそうですが)、昨今では単純に環境の用意が安価で簡単になり、音楽人口も増えたので、少なくとも自分でやってみようという人は圧倒的に増えました。

 

 

プラグインEQであればガチプロの人と同じものを初心者が購入するのも簡単で、プラグインのバリエーションはよりどりみどりです。

 

 

むしろ現代最先端はプラグインによるデジタルEQによる音作りと個人的には思っています。懐古趣味や歴史的に着実にヒットソングを生み出してきたという裏付けがあるREDD、TG、API、NEVE、SSLなどを使うのは賛成ですし、それっぽい音を簡単に出せるある種のフォーマットとして有益です。

 

 

毎回同じようなミックスになるからそれを打破するためにEQのバリエーションを増やしたいという目的で、それぞれの個性・特性を掴み使い分けていくのも良いと思います。

 

 

 

デジタルEQに個性がないわけではありませんが、APIやPultecやSSLやNEVEのほどわかりやすい個性があるわけではないので、イコライジング上達のための勉強素材や歴史的に支持されてきたある方向性のトーンをお手軽に出すためのフォーマットが昨今のコンソールEQプラグインの立ち位置であり、必需品というわけではありません。

 

 

しかしコンソールEQを研究して得た知見がデジタルEQを使う時に活かされるようになれば(上手な人はそうでしょうが)、ミックスにおけるイコライジングも根本的に上手になってくる側面もあるはずです。

 

 


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