ナジェンダ・フォン・メック婦人(仮名です、チャイコフスキーの有名なパトロン)が学生のためのレッスン費用を(まずは実験的に6回=3ヶ月分)負担して下さることになったので6回分の無料レッスン生(高校生以下且つ、未成年のみ)を若干名募集致します。

高校生以下の未成年の方で無料でDTM作曲レッスンを受けたいという希望をお持ちの方は下記要件をお読みになってから、審査に必要なデータを添えてメールにてご連絡下さい。(6回分レッスン致します)。

条件は婦人と話し合って決められたものですが、募集して下さった方全員が受講することはおそらく不可能なので、駄目でも恨まないで下さい。



婦人からは学生のためにある程度のレッスン代を頂いていますが、まずは実験的にやってみる感じです。

 

おそらくレッスン内容は作曲理論や和声、対位法などの基礎的な内容になると思われますが、基本的に生徒さんの御希望の内容を行います。


【目的】
経済的に自立していないが、作曲を学びたい優秀な学徒(高校生以下の未成年限定)への支援。
但し一定以上の作曲レベルに到達している方のみに限ります。
 *下記の審査方法をお読み下さい。


【募集資格】
■年齢などについて
・高校生以下(または18歳以下)であること
・安定したネット環境があること(skypeのIDを予め取得して下さい)
・パソコン、DAWなどDTM環境を持っていること
・将来プロの作曲家を目指していること 
 趣味や別の職業を目指している場合はご遠慮下さい。

・私としては将来的に劇伴(BGM)のお仕事を目指してらっしゃる方が望ましいです。

・年齢、身分を偽る方はいないと思いますが、もしかしたら高校生以下であることを確認出来る何か(学生証など)を提示して頂くかもしれません。その場合は提示をお願いします。



【募集期間】

2017年11月23日まで(定員になり次第終了)
 

【定員・形態・期間】
・募集若干名(審査あり、1~2名)
・skypeでのレッスンのみ
・2週間に1回の3ヶ月分です。

 

【審査方法】
・審査があります。落ちても恨まないで下さい。審査は婦人と私が致します。データ形式という特性上、返却は致しません。また審査以外には使いませんのでご安心下さい。

 

自作の①ピアノ小曲(2分~3分程度)、②器楽ソロ(VnやFlなど)+伴奏楽器の小曲(2分~3分程度)の2曲の【譜面(手書きでもソフト浄書でも可)】【MIDIかMP3を提出】して下さい。MP3などだけで譜面がないものや編成などの条件に沿わない作品は不可です。曲に関する簡単な解説もあると有り難いです。

 

手書きの譜面はスキャナーで画像データ化して下さい。スキャナーはコンビニのプリンターでも出来ます。PNG,JPG、PDFなどでページ順番がわかるようにお願いします。

 

 

譜面のみの場合は可としたいのですが、「MIDIが作れない」=「DTMでの音楽製作環境がない」ということになりますので、市販のDAWソフトがなければフリーのDAWなどを活用するようにして下さい(今日の音楽製作においてはDAWは必須という理由からです)。

 

譜面は重要な審査基準です。DAWのスコア画面をそのままスクショしただけの譜面とは呼べない譜面、読みにくい・汚い・譜面は減点対象になります。

 

 

目的は最低限の楽典レベルの知識の確認や最低限のメロディーやコードを自分で作れるか?を計るためです。

 

 

【簡単な音楽歴など】

氏名、年齢、音楽のご経験や使用音楽ソフトなど簡単にメールに記載して下さい。



【音楽について】
・すべてのメジャースケールとマイナースケールを完全に暗記していること。
・各種コードネ-ムを暗記していること。

・一般的な音楽理論や和声法や対位法に関しては未習得で構いません。


【回数・日時】

70分・1コマ・月2回を予定しています。

日時は原則的にこちらの要望でお願いします(相談可)。

今回は6コマ分(3ヶ月)のみですので、6コマ行った時点で一旦打ち切りになる予定です。
 

 

【メールアドレス】

http://uyuu.jp/lesson.html

上記のサイトにメールアドレスが記載されています。

件名を【作曲レッスンの件】などにして頂ける助かります。

迷惑メール設定などで送受信が上手く行かない場合が

  ありますので、予めご注意下さい。

 

【応募に必要なものまとめ】

・メールに氏名、年齢、音楽のご経験や使用音楽ソフトを記載

・ピアノ小曲と器楽ソロ(VnやFlなど)+伴奏楽器の小曲のMP3かMIDIデータと譜面(手書きかFinare Notepadなどで作ったもの)


 

【通知】

原則通知は2017年11月23日以降になります。早めに定員になった場合はそれ以前になるべくご返信し、このブログ内でも告知致します。

 

審査における夫人とのやりとり、また送られてきた作品の確認などで、返信に時間が掛かることがあります。

 

高校生以下且つ、18歳未満のみ方でご興味がおありの方はご連絡下さいませ。

 

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ミックスの超基本であるフェーダー操作ですが、特に難なく出来る方と上手く行かない方がいらっしゃり、1つのヒントになればと思うのでたくさんある手法の1つとしてVUメーターを使った方法ご紹介します。

 

 

VUメーター

 

スタジオやエンジニアさんの個人宅にお邪魔するとたまに見かける音量レベルを計測するためのVUメーターですが、昨今のDTMでは「プラグインのコンプとかでリダクション量を見る目盛り」というイメージが強いです。1176やLA-2Aを始めとするヴィンテージ系でもお馴染みです。

 

 

 

UAD-2のLA-2AのVUメーター

 

 

商業的なコストの問題なのか、あるいは設計におけるコンセプトなのか高級器以外のアウトボードでは針式のVUメーターはほとんど見かけません。(高級器でも針式でないものはたくさんあります)

 

 

 

個人的Focusriteが好きで愛用しているのですが、RED3やRED1は針式のVUメーターですが、廉価版のMixMasterは針ではなくLED式です(規格は不明)。

 

 

Focusrite RED1とRED3は針式のVUメーターです。

 

 

Focusrite MixMasterはLEDタイプです。

 

 

 

VUメーターは音響機器のメーターリング規格として昔から使われているものですが、「コンプのゲインリダクションを見るだけ」なら別に針でもLEDでも構わないのですが、ミックスで音量レベルを見るときはVUの方が好きだったりします。

 

 

物理的なVUメーターは今でも購入することは出来ますが、場所も取りますし、プラグインでもフリーから安価なものまで色々出ていますのでプラグイン版がお勧めです。

 

 

 

今回は難しいことを抜きにしてVUメーターのDTMにおける使い方をご紹介します。

 

 

個人的に上げられるDTMでのミックスでのメリットは2つあり、1つはバスが破裂するのを防ぐことが出来る(マスタリング前に丁度良いダイナミクスの2mixを用意出来る)こと、もう1つはトラック間のフェーダー調整の目安になる点です。

 

 

VUメーターはDAWに最初から入っている場合はわざわざ買う必要はありませんが、フリーソフトでもシェアウェアでも何でも良いと思います。

 

 

私はPSPのPSP TripleMeterを使っています。フリーソフトもあります。

 

プラグインにもVUメーターが付いているのものが多いので、お持ちのプラグインにVUメーターが付いているという方も多いと思うのですが、専用のものは色々カスタマイズ出来るので専用のものがお勧めです。専用ではないサミングプラグインなどのメーターは見た目は針式で、中身はピークメーターのものがあるようです。

 

 

リファレンスレベルの設定

 

リファレンスレベルは簡単にいうとVUメーターのゼロの位置がDAWのピークメーターに対して幾つになるか?を設定する部分です。

 

 

規格は色々あるようですが、私が使っているPSPのリファレンスレベルは初期値で-18dBです。

 

 

-14dBFSに設定しています。

 

今のように過剰な音楽を破壊してしまうような音圧の曲が一般的になる前の時代は-18dBでも良かったのかもしれませんが、私は普段-14dBで作業し、音圧が高めにミックスの時点で作業するときは-12dBにしています(マスタリングではなくミックスで、です)。

 

 

しかしミックスで大きめの音でモニタリングするだけであって、マスタリングで結局は音を大きくするなら別に-14dBでも-12dBでもやってもいい気がします。現代なら-14dBが普通かな?と思います。

使ってらっしゃる方はみなさん-20dB~-10dBの間でそれぞれ自分なりの基準があるようです(DTMでのミックスの話です)。

 

 

色々難しい規格があり、さらに私はPSP製品しか知らないためほかのソフトだと設定方法は異なるかもしれませんが、PSP製品は「Reference Level 〇〇dBFS」という風に設定することが出来て、これはVUメーターの0dBの位置がピークレベルの-14dBに相当するという意味になります。

 

 

とても簡単に言うとVUメーターが0dBの位置でもDAWのクリップランプが点灯する0dBまでは14dBの余裕がありますよ(厳密にはちょっと違う)、という意味になります。

 

 

なので、VUメーターで0dBを超えてもDAWでクリップが発生するまでは余裕がかなりあって、VUメーターにも0dBを超えて+3dBまで赤いゾーンの目盛りが用意されています。


 

 

青丸の0dBuの位置を最大値と考えます。

 

実際に作業するときはこのVUメーターの目盛りの0dBを最大値と考えて作業していきます。

 

しかし前述の通り、0dBを超えてしまってもデジタルのピークレベルと違いヘッドルームが「Reference Level=-14dBFS」なら(おおよそ)14dBの空きがありますので、あまりシビアに考える必要はありません。

 

 

メーターにはレッドゾーンとして+3dBまでありますので、少しオーバーするくらいなら大丈夫です。

 

 

ただ、難しい規格の話を省いていますが、ちょっとだけ付け加えておくとVUメーターの針は通常300ms以下の瞬間的な音量には反応せず、また高音よりも低音に敏感に反応します。

 

 

ですので例えばキックとハイハットなら聴覚上は同じくらいに聞こえても針の振れ方は全然違ったりするという特徴を持っています。

 

 

つまりVUメーターで0dBだったとしても300ms以下の瞬間的なピークにはメーターは反応していないため、実際は多くの場合メーターが0dBの位置なら、本当はもっと大きなピークが発生しているということになります。

 

 

瞬間的なピークを捉えることが出来ない仕様なので、こういった現象はアタックの強い楽器の場合はよく発生します。

 

 

オーディオIFのOUTPUT設定

 

実際に使うときには、ミックスするときのセッションファイルに市販品の作品を読み込んで、VUメーターの針が0dBが最大の位置になるくらいまでDAWのフェーダーを下げて調整します。

 

 

音圧の大きい曲だと、かなりフェーダーを下げないとメーターが振り切れてしまうと思いますが、気にせずにフェーダーを下げて下さい。

 

次にオーディオIFの物理的なツマミの位置を自分が作業しやすい位置に調整します。

 

 

マスタリング済の作品の音量レベルに合わせてミックスするとバスが破裂してしまうことがあるため、VU基準で行うことをお勧めします。音圧は後でいくらでも上げられます、

 

これをやらないとミックスでバスが破裂してしまうことがあります。

 

実際のメリット

これが一体に何の役に立つのか?DAWのピークメーターで赤いランプが付かないようにすれば良いんじゃないのか?と思われるかもしれませんが、実際そのとおりであり、そもそも絶対にメーターリングがVUである必要もないのですが、トラック間のバランス取りで役に立つことがあります。

 

サンレコやDTMマガジンやミックス関連のネットの情報などを漁っているとキックが-3dBになるようにすると上手くいくとか、ベースが-5dB~-6dBにすると良いとか、エンジニアさんなりのノウハウがありとても参考になりますが、実際には千差万別であり、人によって言うことが違ったり、ジャンルごとによってアプローチが違うというのが私個人の経験と見解です。

 

 

そこで「何の参考にもならない」と思いますが、一例としてVUメーターの動きをスクショしてみました。

 

 

PSPのVUメーターはピークの箇所をDAWのクリップランプのように目印を付けてくれる機能があり、スクショ画像では左側のメーターに青丸を付けて付けてありますが、メーターに沿った赤い短い線が目安になります。

 

 

ハウス系

Reference Level -12dBFS

 

 

「何の参考にもならない」という言葉の意味は曲によってアプローチやトラックの音作りが違うからです。しかしVUメーターとにらめっこしながらそのピーク(針の位置の最大)とラウドネス(針の動き方)を把握しておけば、様々な曲に取り組むときにそれが指標になり、ミスしにくくなります(ボーカルとキックは-3dBくらいなど感覚的に上手く行ったときの数値を覚えておきます)。

 

 

Masterは0dB付近になるようにミックスを仕上げていくことは既に述べましたが、ちょっとくらいオーバーしても全然平気です。アコースティック系の作品などダイナミクスの幅が大きめの曲は+3dBまで触れてしまっても良いように思えます。

 

 

逆にロック系やダンス系の楽曲はコンプを強めに使うため、あるいはシンセサイザーなど最初からダイナミクスの変化があまりないトラックを使うため針の動きの幅があまりないので私はジャスト0dBを狙っていくようにしています。

 

 

キックは3dBになっているのは雑誌などで見かける情報通りで、ベースが5dBなのも同じです。

 

そして肝心のボーカルなのですが、キックと同じくらい(-3dB)になるようにしてあります。

 

Backingというのはドラム系とベースとボーカルを除いた伴奏楽器ですが、これらすべてがミックスされて丁度0dBになるくらいにするとバスが破裂することもなく、ボーカルやキックなどの音量バランスを視覚的に判断して調整することが出来ます。

 

 

メーターは嘘を付きませんので、視覚的に確認することが耳で聞いたバランス感覚の補助に多いになるわけですが、大切なのはやっぱり耳で聞いた印象であるのは言うまでもありません。

 

 

本当はVUメーターなしでやるべきであるとも思います。実際にミックスが上手な方でVUメーターを使っていらっしゃない方もたくさんいるはずです。

 

 

VUメーターは補助ですし、またここで提示されているのはあくまでこの曲の場合であって、実際には実に様々なバランス関係があるのでどんな時にどんなメーターの動きが良いのかは一概には言えません。

 

 

つまり既に述べた通り「何の参考にもならない」わけですが、自分でベストバランスだと思ったミックスを常にVUメーターで確認しつつ数値を覚えておくことで経験値が溜まっていくので、経験を積むほどミスをしにくくなるわけです。

 

 

 

ポップス系

Reference Level -14dBFS

 

Masterは0dB付近なのは言うまでもありませんが、今度はKickが小さいです。ベースは-5dB付近で、まぁ一般的ですが、キックの低音感を埋める代わりに歪んだディストーションギターの5・6弦のリフが曲を支えているので、ALL GTのVUメーターが-4dB~-5dBとかなり大きめです。

 

つまりキックとベースだけが低音を担うのではなく、ギターの低音弦も低音を支えるグループに加わっているわけで、こうなってくるとギターが入って来る分だけベースやキックの役割は相対的に軽くなります。

 

スネアはVUメーターでは計測しにくく、針の反応は鈍いです。耳で聞いての調整がポイントになりますが、針の反応が鈍いということを知ってほしくて敢えて図を載せました。

 

ボーカルはやはり-3dBくらいです。全部合わせて0dBくらいになります。

 

特に重要なキックですが、ポップスに限らずキックの重心が高いのもありますし、低いのもあって一概には言えません。

 

実際にVUメーターを使ってらっしゃる方から見れば、こんなメーターのスクショは意味がない、と言われてしまいそうですが、仰る通りで私もその通りだと思う反面、何か初心者の方のヒントになればと思って一応載せています。

 

 

VUメーターは低音に敏感に反応するため、同じキックでも低音成分が少なくてビーターのバチッ!と当る音が強調されているパーカッシブなキックだとメーターの反応が弱いです。

 

逆にドゥン!ドゥン!ドゥン!みたいなハウスやトランスやユーロビートで聞こえてくるような重低音キックはよく反応します。

 

両者は耳で聞いたときのバランスを同じにしても必ずしもVUメーターの反応は同じになりませんが、大体の目安とし-8dB~-3dBくらいにしておけば良いかな~という感じです。

 

 

トランス系

Reference Level -14dBFS

 

キックがドゥン!ドゥン!ドゥン!みたいなジャンルは低音をキックが支えてベースはどちらかというと低音の補強は補助的で、ベースラインを聴かせようとしているミックスがよくありますが、このVUメーターを見るとまさにそんな感じです。

 

キックはマイナス4dB(または-3dB)くらいですが、ベースのVUメーターが-8dBくらいとあまり触れていません。

 

ボーカルは-3dBくらいです。あとはバッキング担当のトラックが多いとどうしても音量が大きくなりますが、そのぶんベースがやや小さい感じでしょうか。

やはり全部合わせて0dBを目指します。

 

 

〇ボーカル大きめ系

Reference Level -14dBFS

 

アニソンに多いように思いますが、ボーカルに焦点を当てているミックスはボーカルが単純に大きく仕上げられているためほかの楽器が相対的に小さく聞こえます。

 

その声優さんのファンの方にとってはやっぱりギターなどのほかの楽器よりも声優さんの声こそが価値あるものだと思いますので、そういう傾向になるのかもしれません。

 

 

それは別に悪いことでもなんでもなく、そういうコンセプトなので一概には言えませんが、ボーカルが-1dBくらいまで針が振れるのに対して、ほかの楽器がすべて控えめです。

 

天井は変わらないので、ボーカルを大きくしようとすれば、それ以外が相対的に小さくなるのは当然ですが、結局はミックスにおけるコンセプトやアプローチの問題であり、ここでもやはり「何の参考にもならない」という言葉通り、絶対的な基準を示すことが出来ないわけです。もっと違うVUメーターの動きをしている曲はたくさんあります。

 

 

また全く同じ曲でもボーカルをもっと小さくして、その分オケを大きくすることも出来ますし、それはそれでありだと思います。

 

もしご自身でこれらのVUメーターのどれかと同じ針の動きを目指したとしても、楽器やトラックごとの音作りが違うので、必ずしもベストバランスになるとは限りません。というかならない可能性の方が高いと思います。あくまで目安です。

 

 

しかしこのように感覚だけで調整している音量レベルを視覚化できるというメリットは実際の作業ではかなり大きいはずです。耳が疲れていてもメーターリングによってそれを補えますし、中級者以上の方でも慣れない環境で作業するときに感覚的に聞こえ方が違っても、メーターが同じなら大丈夫という安心感があります。

 

まとめ

 

冒頭に述べた通りVUメーターはトラック間のフェーダー調整の目安になるだけであって、絶対的な基準になるわけではありません。あくまで目安です。しかし初心者の方にとっては例え目安でも何もないよりはずっとマシかもしれないと思い、スクショ画像を載せました。

 

ただ、もしミックスの初心者の方がこの記事をご覧になった時に「キックは常に-3dBにあたりすれば良いんだ!」とか「ベースは-5dBにすればOKなのか!」と思い込んで欲しくないので、色々例を出しました。実際の作業はそんな単純な話ではありません。

 

 

ボーカルが-3dBなのは大体普通だと思いますが、ボーカルが大きい曲もありますし、VUメーターは常に揺れています。

ほとんど揺れない場合もあれば、大きく揺れる場合もあり、そのあたりも曲によって違うので一概には言えません。人によっても考え方は違うと思います。

 

 

またガチガチにコンプを掛けてほとんど針が動かないようなトラックと-10dBから0dBまでダイナミクスが幅広く動くトラックを同じに考えることが出来るはずはないわけで、その辺りは耳で聞いたバランス感覚がものを言います。

 

 

合計を0dBになるようにミックスするのはすべてにおいて共通する基準ですが、キック1つ、ベース1つとっても、元の音色やイコライジングやその曲での役割によって立ち位置は千差万別であり、アプローチやジャンルごとのスタンダードも色々で一概には言えません。

 

 

ロック系のビーターの音がバチッ!っとしたキック、ダンス系のドゥン!ドゥン!という重低音のキック、ジャズのボスッ!という丸みのあるキック、あるいは同じジャンルでのアプローチは様々でこれも一概には言えません。

 

これはあらゆるジャンルのあらゆる楽器に言えます。

 

 

DTMの作曲レッスンでミックスのレッスンもよくやらせて頂いていますが、コンプでもEQでも大体の曲に共通する「ノウハウ」みたいなのがあり、それを教えて差し上げているのですが、そうすると人によっては「そればかり」になってしまう方もいます。

 

 

例え話ですが飲み物といえば水しか知らない方がいたとしましょう。

 

ある日コーヒーを知ったことでコーヒーを愛飲するようになりますが、どんな時でもコーヒーしか飲まないというのは、やはり考えものだと思います。

 

和菓子なら日本茶が良いかもしれませんし、洋菓子なら紅茶が良いかもしれません。ハーブティーも良いですし、半発酵のウーロン茶や健康に良い言われるゴボウ茶やマメ茶も人によっては良いかもしれません。

 

つまりケースやニーズによって(ミックスの処理は)変わってくる、ということが言いたいわけです。

 

 

初心者であればあるほどノウハウを知ることで上手にはなるのですが、単純に考えて攻撃的なヘヴィメタルと優しい感じのバラードのミックス処理が同じなわけはありません。

 

 

目安はあくまで目安なのですが、トラック間の音量バランスもそれぞれではありますが、やはりVUメーターの針の「位置「と「動き」がヒントになっていることに変わりはありません。

 

 

またマスタリングのために残しておきたいダイナミクスというのがやはりあって、その基準を明確に示してくれるのが私にとってはDAWのクリップランプが付く直前の0dBではなく、VUメーターで、VUメーターでの0dBを基準に仕上げておくとマスタリングで丁度良いダイナミクスを保った2mixに個人的にはなっています。

 

 

小さすぎてもどうかと思いますし、逆にミックスでガチガチにコンプレッサーがかかっていて、まるで半分マスタリングした後のような2mixはやりにくいです。

 

 

VUメーターは音楽製作の世界で長年使われてきたものであり、今でも物理的なVUメーターを使ってらっしゃるエンジニアさんやスタジオはあります。

 

 

プラグインなら無料(もしくは安価)ですし、耳だけで上手くいかないのであれば、それを補助するツールとして個人的にはお勧めしたいです。ProtoolsみたいにDAWでVU表示が出来たりするのもありますし必ずしもお金を出して買う必要があるわけではありません。

 

またこの記事が面白いかったので紹介します。

 

最後までお読み下さいまして有り難う御座いました。

 

 



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デジタルプラグインイコライザーの決定版のように私が勝手に思っているDMG AudioのEQuilibriumですが、プラグインのイコライザーでどれか1つだけお勧めは何ですか?と質問されたら、やはりEQuilibriumを勧めたいです。

 

 

安いイコライザープラグインを幾つも買うより、ちょっと奮発してEQuilibriumのような本気で使えるEQを買ったほうが絶対に賢いと思うので、私なりに雑感を書かせて頂きます。

 

 

〇EQのカーブについて

 

 

マニュアルを読む限り、EQuilibriumの設計に当って徹底的に有名な高級イコライザーの研究を行っているようで、純粋なデジタルイコライザーとしても素晴らしいですが、アナログカーブのモデリングとしても魅力的です。

 

 

 

 

ピークやシェルビング、HPF,LPFなどおよそイコライザーで必要になる全ての機能が揃っていますが、どんなカーブにするのか?を選ぶときに「4kg」「110」「550」「88」「32」「250」など何処かで見たことあるような数字からカーブを選んでいきます。

 

 

この数字は実際のイコライザーの名称に使われている数値で、任意の数値を選ぶことで、そのイコライザーと同じカーブを使うことが出来ます。

 

 

SSL 4000G

 

 

Sony Oxford OXF-R3

 

 

Focusrite ISA 110

 

 

API 550b


Neve 88RS

 

 

Harrison 32 C

 

Sontec 250EX

 

Pultec EQP-1

 

 

これらの多くが(知りうる限り全部)プラグイン化されており、特にSSL、API、Pultec、NEVEなどはWAVESを始めとする多くのメーカーがモデリングしていますし、Sontec250ではなくSontec432が近年IKmultimediaからリリースされています。

 

 

 

T-Racks Master EQ432

 

 

 

プリセットのUnits

 

EQuilibriumは自分で好きなだけEQポイントを加えることが出来るのですが、Unitsというプリセットがあって実機と同じバンド数のプリセットを選べば、実機と同じ構造で扱うことが出来ます。

 

 

プリセットになくても、Sontec 250であれば、画像を見る限り5

バンドのピークディップ、両端はハイシェルフとローシェルフ切り替え(もちろん実機を使ったことはありません)なので、同じ構成にすれば、なんとなくSontec 250ごっこが楽しめます。

 

 

 

Sontec 250っぽい構成に出来ます。


 

IKの432もなかなか素晴らしいですが、EQuilibriumでSontec250ごっこするのも負けてはいません。

 

 

イコライザーにとっての最も重要であるカーブですが、これはあらゆるイコライザーにとってその個性となり得る部分です。

 

OZONE7では通常のカーブのほかにPropotinal Qという選択肢があり、API系のEQのカーブをモデリングしているようです。

 

 

OZONE7のEQ画面

 

Propotinalとは均整の取れたという意味ですが、デジタルプラグインでありつつも、アナログEQのカーブをリスペクトしているということだと思います。OZONEはAPI系だけでEQuilibriumみたいにたくさんあるわけではありませんが、個人的にはノーマルの設定だけでなくPropotinal Qもかなり活用しています。

 

 

要するにカーブごとに「味」というか「個性」があって、それが大切な要素の1つであると言いたいわけです。これがすべてではないのは言うまでもありませんが、PultecやNEVEやAPIなどのEQが愛用される理由は「カーブが魅力的だから」という理由も多いにあると思います。

 

EQuilibriumにはこれらヴィンテージのモデリング以外にもDMGが最適化カーブがたくさんあり、把握するのが大変なほどです。

 

 

〇直列か並列か選べます

 

 

正確には「すべて直列」か「ピークだけ並列」か「ピークとシェルビングの両方とも並列か」を選べます。

 

 

日本ではあまり知られていないだけで海外のプラグインメーカーに優秀なものがたくさんあると思いますが、ユーザーが自分で並列回路か直列回路を選べるのは相当珍しいのではと思います。

 

 

 

直列

 

 

並列

 

カーブも音も直列と並列で変わります

 

 

直列だとEQ処理する箇所が被った場合に、前のカーブの影響に後ろのカーブの影響が多く、並列だと小さくなります。

 

実際に全く同じ設定で直列と並列の設定を切り替えてみるとカーブが変わってしまいます。


 

小学校の理科の実験でやる豆電球の直列と並列と同じイメージです。電気の代わりに音が流れて、光の強さがEQの効果の強さというイメージでしょうか。

 

 

〇IIRとFIRについて

 

 

 

EQuilibriumの良いところはユーザーがカスタマイズして使えるところですが、カスタマイズ出来る設定が多すぎて「??」となってしまう部分も多く、その1つがIIRとFIRです。

 

 

IIRは無限インパルス応答フィルタ、FIRは有限インパルス応答フィルタを意味するデジタルフィルターの用語でフーリエ変換を勉強していると出てくる用語ですが、この部分は説明書を読んでパラメータの意味がわかっても、音にどう反映されるのかよくわからず、とりあえず説明書にはこう書いてあります。

 

(原文)

It’s extremely low CPU usage, but you have no control over phase. For almost every usage in tracking and mixing, IIR without Digital+ compensation is the way to go.

 

(意訳)

(IIRモードは)位相に関しては関知しないけど、CPU消費は極めて低い。トラッキングやミックスで使うならほとんどいつも「Digital+ compensation」なしのIIR(無限インパルス応答フィルタ)がいいですよ。

 

IIR+Digital+ compensationなしの設定(直列)

 

 

というわけで、私を含めてIIRは無限インパルス応答フィルタ?FIRは有限インパルス応答フィルタ?って何がどう違うの?イコライジングにおいて音にどう影響されるの?振幅特性と位相特性って何?という方はトラッキングやミキシングでは「無限インパルス応答フィルタ+Digital+ compensationなし」で使うことが推奨されています。

 

 

では「Digital+ compensation(デジタル補償・補整)」は一体何なの?ということになるのですが、

 

 

(原文)

For channels that need the extra edge, turn up the Digital+ compensation until going a step higher ceases to make audible change. 

Digital+ Phase will use the Digital+ compensation to correct both phase AND magnitude. 

 

(意訳)

追加でEQのキレが欲しいなら、聴いて違いがわかるまでDigital+ compensationの数値を上げて下さい。

Digital+ PhaseをOnにしてDigital+ compensationの数値を上げていくと(波形の)位相と振幅の両方を(数値に合わせて)補整します。

 

 

IIR+Digital+ PhaseはOn、Digital+ compensation 最大値512

 

イコライザーの勉強をしていると「位相(phase)」と「振幅(magnitude)」という言葉が良く出てくるのですが、ここまで来るとちょっと専門的で学術的な意味で明確に理解しているわけではありません。

 

 

位相特性というのは入力時と出力時の位相のズレによる音の違い?、振幅特性というのは言葉通りEQカーブの特性?だと思いますが、周波数応答におけるズレを補整するというらしいです(違うかも…)。

 

 

専門用語が増えてくるので説明書を読んでも、それが音にどう影響するのかがよく分からないのがこの辺りであり、要するに入力される波形とEQuilibriumで作るカーブとの間で発生するデジタル上の位相のズレ?みたいなものを補正するもの(だからDigital+compensation)ということのようになんとなく思っています。

 

 

この点においてはじっくり検証したわけではないので、なんとも言い難いですが、ミックスで使う上ではトラックによって数値を変えてもそこまで大きな変化としてわからないものも多く、作り出すイコライジングカーブによっても違います。

 

 

確かに音の違いを感じることは出来ますが、どちらが良いか?と言われると回答に困る違いで、正直ミックスで使うだけなら説明書に書いてあるとおり「無限インパルス応答フィルタ+Digital+ compensationなし」で良いんじゃないかとも感じています。

 

 

アナログイコライザーはすべてIIRであり、FIRはプラグインにおけるリニアフェイズEQのようなデジタル処理の領域で行うものと理解しているのですが、EQされた箇所の位相のずれをDigital+ compensationで補整したとしても、普通に使うだけならそこまで強烈に違いがわからないのが現状です。

 

 

音の違いを確認する目的で、EQポイントを過剰に増やしたり、あり得ないくらいブースト&カットしたり、Q幅を極限まで狭めたりするなど普通のミックスでやらないようなことをしたときに位相のずれの補整の度合いによる音の変化は聞こえてくるのかもしれませんが、3バンドや4バンドでの常識的なイコライジングでは気にするほどではないと個人的には感じています。

 

 

ただCPUパワーに余裕があればDigital+compensationやDigital+ PhaseをONして使っても良いと思います。

 

 

FIRはかなり難しく、設定出来るパラメータも非常に多くなります。デジタルEQを詳細にカスタマイズするマスタリング向けのEQ設定のように感じています。

 

 

 

FIRモードはEQの様々な特性を自分好みにカスタマイズ出来るわけですが、これはハッキリ言ってよほど詳しい方を除けば普通に使うならメーカー側が通常使用に最適化しているIIRで使ったほうが賢いように思えます。

 

 

「Phase」「Impulse Length」「Impulse padding」「Window Shape」を設定することが出来て、リニアにしたり、アナログ特性にしたり、解像度をコントロールすることが出来ます。

 

 

 

 

Impulse Length 1024の場合

 

 

Impulse Length 16384の場合

 

 

Impulse Length 262144の場合

 

説明書ではImpulse Lengthの数値を上げていくとインパルス応答?波のようなうねりが消えていき、解像度が高くなるとのことですが、その分CPU付加は高くなり最大値になると激重(私の持っているプラグインの中では最大)になります。

 

 

FIRモードで解像度や窓関数やリンギングに関する設定を行えるのですが、これはイコライザーの設計な内部構造に詳しい方でないと思うように使いこなすのは難しいようで、例えばいくつかの高級アウトボードイコライザーの内部構造に詳しい方が、EQuilibriumの設定を実機と近づけたりすることで似たような効果を求めたり、よりアナログ的なサウンドにオリジナルカスタマイズしていくためのモードでしょうか。

 

ある程度まで自分好みのイコライザーを作れる反面、パラメーターの知識が必要になります。

 

 

 

AnalogueモードでImpulse Length 131072、Impulse padding ×8、Window Shape Hammingの設定

 

設定出来る数値を上げていけばいくほど解像度は高くなり音も変化していきますが、どんどん重くなっていきます。最大値だとパラメーターを弄っただけでそれが適応されるまで数秒間固まってしまうほどです。

 

 

マスタリングで使うときはカスタマイズして使うのも面白く、上の画像のような設定で使うこともあります。

 

 

この辺りは正直手に余り、何をどうすればどういう風に音が変わっていくかという問題を突き詰めていくにはまずイコライザー設計の基礎知識が必要であり、さらにEQuilibriumの音を良く聞いて判断していく必要があります。

 

 

FIRは最低限説明書を読んで、聴いてこれが良いと思う設定で使えばそれで良いように思えますが、おそらく多くの方は「そういう細かい専門的なことは設計者やプログラマーに任せて、性能の高いEQが欲しい」と思いますので、自分で設計者側の立場になって勉強してまでイコライザーを使いたいという方は少ないのではないかと思います。

 

 

だからこそ、色々なメーカーが色々なイコライザーを開発・販売して、ユーザーは内部構造や専門知識に明るくなくても「音を聴いてで判断して」私たちはそれが実機であれプラグインであれ、イコライザーを自分の好みで選んでいくわけで、それをカスタマイズ出来るEQuilibriumは特殊な立ち位置にあるイコライザーであると言えます。

 

 

 

アナログの歪みを除けばEQuilibrium1つで多くのイコライザーの特性を再現出来る超優れもののイコライザーであり、これ1つあればイコライザーはなんとかなるように思えます。極めて優れているのでほかのデジタルイコライザーでEQuilibriumに匹敵するのはそんなに多くはないはずです。

 

難しい側面もありますが、メーカーが推奨するように普通にIIRモードで好きなアナログEQのカーブを組み合わせて使うだけで十分音の良いEQなので、難しいことはいいから普通にクリアで高品位なEQが欲しいという方にもお勧めです。

 

 

ほかにもGUI、その他に関してもかなりカスタマイズすることが出来ますが、その辺は説明書を見ればわかるのでご興味がおありの方はこちらを参照して下さい。

 

 

最後までお読み頂き有り難う御座いました。

 

 



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AD

ベートーヴェンのピアノソナタ全曲を理解するために、じっくり、ゆっくり楽譜に目を通していますが、とりわけ個人的に興味深いのが最後のピアノソナタです。

 

1楽章はソナタ形式ですが、対位法的でしかも声部の入り方はまるでフーガのようです。あくまでフーガのようであって、フーガとは違いますが、バッハなどに見られるバロック期の対位法技術を古典に立脚して作った名曲と言えます。

 

 

バロック的ではない、対位法を実際に活かした作品のサンプルとしても非常に有益です。

 

 

 

 

楽譜 imslpへのリンクはこちら

 

〇序奏

序奏は主題と大きく関わるものではなく、気分的なものです。ハ短調は彼にとって特別な意味を持つ調ですが、8番の悲愴を連想させるような書法です。

 

この部分はとても美しいですが、ベートーヴェン風の古典和声に彩られているものの、特に述べることはありません。

 

 

冒頭

 

ⅤのⅤの和音から開始しますが、序奏部は下記のように分類したいと思います。

 

【序奏】

第1部 1小節目~11小節目

第2部 12小節目~18小節目

 

 

〇第1主題

オクターブの無伴奏で示されるわずか2小節のこの主題は大楽節を基礎とする古典的な主題というよりは、バロックのフーガ(バッハの鍵盤フーガ)に近い主題構造になっており、この時期のベートーヴェンの対位法への傾倒が顕著に表れています。

 

 

単旋律なので和音は付けられませんが、なんとなくそれっぽく付けてみました。特に上の譜例の4小節目は単旋律だとこんな風に聞こえるというだけで、正解?は次の確保の部分で明確な和声を伴って表れています。

 

また冒頭のソラシドーミ♭ーシーの最初の1回は強調するために反復しているだけで、主題の正規の構造ではないように思えます。

 

再現部ではこのフェルマータを伴う強調部分は再現されないというのが最大の根拠ですが、古典以降は主題を強調するために冒頭、中間、結尾を重複することがよくあるからです。

 

 

真の意味で主題と呼べるのは弱起の1拍とそれに続く2小節で、そのあと直ぐさま主題は展開されていきます。

 

 

このような主題は古典的な意味での主題ではなくバッハの鍵盤フーガに見られるようなバロック的な意味での主題で、大楽節の構造を持たないこと、無伴奏で和声伴奏を伴わないことなど、ほとんどバッハを連想させるような主題と言えます。

 

 

その後の展開もいわゆる、彼の初期、中期に見られるような典型的な古典様式とは趣が異なっており、分類すると以下のようになります。

 

第1主題の提示  18小節目~21小節目

第1主題の確保1 22小節目~28小節目

第1主題の確保2 29小節目~35小節目

第1主題の展開  36小節目~49小節目

 

 

第1主題の確保1開始(24小節目~)

 

主題提示のあと、即座に結尾の音型が展開して確保兼推移のようなオクターブのフレーズが連なっていきます。ここでも和声伴奏はなく単旋律です。

 

 

第1主題の確保2 29小節目~

 

 

29小節目から初めて和声を伴った第1主題が提示されます。和声を伴いつつも、対位法的な手法を維持しつつ、そのまま主題の展開部に入ります。

 

 

第1主題の展開  36小節目~50小節目

 

2重に確保されたあと、今度は展開部に入ります。多くの場合、次は第2主題が予測されますが、期待を裏切って第1主題の冒頭の音型から開始した2声対位法での展開が始まります。

 

 

対位法であることを除けば、こういった第1主題を特に大事にする特徴はハイドンと似ているかもしれません。

 

〇第2主題

 

第2主題は調がやや不明瞭?で、KEY-A♭ではなくKEY-E♭のようにも見えます。

 

少なくともアナリーゼ的にはどちらとも取れなくはないのですが、再現部ではより和声がわかりやすくなっており、そちらと照らし合わせるとKEY-A♭と解釈するのが妥当です。

 

「第2主題は短調のソナタ形式なら平行調のKEY-E♭が普通だろう?」と思われる方は、再現部を実際に弾いて頂くとKEY-A♭になっている理由がわかるかと思います。

 

第2主題がどんなキーで提示されるかは長調・短調問わず「基本的なパターン」はあるものの、この世のすべてのソナタがそれに準じているわけではありません。言うまでもなく自由な調で提示されるソナタ形式の第2主題はたくさん存在します。

 

 

とはいえ、短調では平行調で提示されることが多いのも否定出来ないわけですが、これはベートーヴェンなりの聴き手への「ひっかけ」なのかもしれません(私は彼の意図通り?ひっかかりました)。

 

 

第2主題も第1主題同様に大楽節を基本とした構造を持っておらず僅か3小節のみで、直ぐさま細かい連符音型で確保されて、推移に移り変わっていきます。

 

 

続きの構造を下記のように分類したいと思います。

 

 

第2主題の提示  50小節目~52小節目

第2主題の確保  53小節目~55小節目

推移          56小節目~57小節目

提示部終止     58小節目~69小節目(反復あり)

 

 

 

推移  56小節目~57小節目

 

 

〇終止

 

提示部終止     58小節目~69小節目(反復あり)

 

終止は第1主題の冒頭音型を駆使して作られていきます。特に述べることはありません。

 

 

全体として対位法的であり、第1主題に重きが置かれて第2主題の扱いが軽いです。

 

第2主題は提示も確保も短く、展開されることもないため単なる推移的な扱いのようにも見えないことはありません。一応ソナタ形式であることを守るため「型」には当てはめていますが、「一応やっといたからね」的な軽い扱いです。

 

提示部をまとめると以下のようになります。

 

 

第1主題の提示  18小節目~21小節目

第1主題の確保1 22小節目~28小節目

第1主題の確保2 29小節目~35小節目

第1主題の展開  36小節目~49小節目

第2主題の提示  50小節目~52小節目

第2主題の確保1 53小節目~55小節目

推移          56小節目~57小節目

提示部終止     58小節目~69小節目(反復あり)

 

 

 

いつもは和声分析を書くのですが、今回は勉強なさっている方ご自身でお願いしたいと思います。

 

 

この後は当たり前ですが、展開部→再現部と続きます。変則的なのでかなり面白く是非見て欲しいのですが、記事にするのは別の機会にしたいと思います。

 

 

特に再現部の扱いは勉強になるのでお勧めです。

 

 

今回はいつもと違う切り口で記事を書いてみたのですが、アナリーゼの段階としては①和声分析が出来る、②構造分析(今回やっていること)が出来るの2段階で、さらに③の第3段階として作曲者の意図や主題展開のされ方などを見ていくのが私なりのアナリーゼのやり方です。

 

 

今回は②の構造や形式に焦点を当てています。

 

 

しかしその前にコードが取れない、ディグリーが付けられない、調がわからない、という方はまずはそこからスタートです。ポピュラー理論の見地からですが、以前に私が書いた作曲の基礎の本のような教科書的なもので勉強すると良いかもしれません。

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断片的な和声がちゃんと取れるようになったら、今度はもう少し大きな視点から「形式」や「構造」を見ていきます。今回のようにどの部分が主題で、確保で、推移でと見ていくわけですが、これはある程度の慣れや単なる理論を超えた音楽への理解が必要になってきます。

 

 

第3段階は作曲技法の内容で、使われているあらゆる技法を理解し、自分でも応用出来るレベルに噛み砕いてしまうことです。

 

 

どの主題がどんな風に展開されているのか?、どんな提示や推移や確保の方法なのか?伴奏との関係性や転調など、etc…、をちゃんと理解することで作曲でも応用出来ますし、演奏も違ってくるのではないかと思います。

 

 

演奏家さんにとっては和声分析は出来なくてもいいかもしれませんが、②の構造や形式、③の作曲技法の使われ方(主題が何処でどう展開されているかなど)は弾く上で重要になるのではないかと思います。

 

 

こんな感じでベートーヴェンソナタを見ていくと、彼の進歩、彼の考えが少しずつ伝わってきますし、特に形式においてはかなりというか相当参考になります。

 

 

例えばポップスならAメロ→Bメロ→サビのような構造で、クラシックのソナタなら第1主題→第2主題→終止→展開…、ロンドならA→B→A→C→A→D→Aなど色々あるわけですが、形式や構造といった建築的な思考においてベートーヴェンは本当によく出来ていて、これはロマン派の作曲家たち、引いては現代の作曲家たちにそのまま応用しても良いくらい良く出来ています。

 

 

実際にロマン派音楽は和声的、管弦楽的、器楽技術的にはかなり発展しましたが、形式的にはほかの分野ほど発展していません。

 

 

ベートーヴェンの32番のソナタは2楽章制で1楽章がソナタ形式で2楽章が変奏曲であり、典型的な古典性とは決別していますし、その構造的な中身もロマン派や近代音楽と比べてもそんなに遜色はありません。

 

 

例えばラヴェルは古典派の作曲からそのまま形式を拝借していることを告白していますし、ドビュッシーもかなり努力して新形式の創立をしましたが、結局は色々な形式をミックスしているだけで、本当の意味では新しい形式とは言えないように思えます。

 

 

「りんごジュース」と「人参ジュース」を混ぜて、「りんご人参ジュース」を作ったら、たしかに「りんご人参ジュース」新しいかもしれませんが、要するにりんごと人参をミックスしているだけであって、真の意味での新しさはないという意味です。

 

 

ロマン派になると交響詩だとか、1楽章のソナタだとか、形式のミックスなど色々登場してきますが、ベートーヴェンが音楽の歴史の中の形式という側面で行った仕事は本当に偉大だと思います。

 

 

和声的には原則として古典和声の範疇を出ていないのは当然ですが、ベートーヴェンで最も参考になるは作曲技法や形式であり、この点は未だにスコアを勉強し続けても、まだまだ新しい発見があります。

 

 

私自身が形式において新しい側面を発見することが苦手という意味もありますが、現在勉強中の学生さんにもベートーヴェンの勉強はとてもお勧めです。

 

彼を土台にロマン派音楽は花咲いている部分も多々あるわけですから、先に手を付けておくと、とても勉強になるのではないと思います。

 

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iZotopeからフリーのステレオイメージャー「Ozone Imager 」がリリースされました。

 

公式はこちら

 

WAVESのS1がステレオイメージャーでは一番有名どころかもしれませんが、Ozone Imagerは普通に音像を広げたり、狭めたりするだけなら十分に使うことが出来ます。

 

3種類のGUIで音像をチェック出来ます。

 


 

width(幅)は±100%で完全なモノラルから、ワイドなステレオサウンドまで作ることが出来ます。

 

個人的にはWAVESのS1の出番が多いのですが、ただ広げたり狭めたりするだけならOzone Imagerにはアナライザーが付いているので便利かもしれません。

 

「ただ広げたり狭めたりするだけ」じゃない使い方があるのか?と言いますと、下の画像のようなパンニングです。

 

 

 

VSLのpowerpanとWAVESのS1ですが、パンニングしつつステレオのバランスを作っていくやり方もミックスではあるわけですが、フリーソフトであるOzone Imagerはそこまで出来ないものの、S1などで左右均等に広げたりするだけの時は、広がりを視覚的に確認する場合に後段にアナライザーを入れたりするので、Ozone Imagerならその手間はありません。

 

 

Ozone ImagerのStereoizeパラメーターは左右の位相をずらしてステレオ感を強くするもののようです。強めに掛けるとコーラスエフェクトのようになり、エフェクターの一種としてオートメーションで使ってみるのも面白いかもかもしれません。

 

 

iZotopeは私もたくさん使っていますが、精度の高い優秀なプラグインが多く気に入っています。

 

 

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昔作った曲をたまにyoutube用に楽譜付き動画を作っているのですが、【ジヴェルニーの庭】というピアノ曲のyoutube版を作りました。

 

 

第1楽章「モネと花たち」

 

 

第2楽章「睡蓮の池」

 

 

2楽章形式のピアノ曲です。修業時代の曲は今聴くと不出来な部分もありますが、そこまで出来の悪いでなければまたぼちぼちアップロードしていく予定です。

 

 

第1楽章はモネがジヴェルニー庭を睡蓮の池に向って散歩して進んでいく様子を、第2楽章は有名な睡蓮を描写しています。

 

 

ジヴェルニーとはモネが晩年を過ごした場所の地名です。

私は絵画芸術が好きで少しばかり自分でも絵を描いたりしますが、視覚情報(具体的には色彩)と音楽が結びつくことがよくあり、これはその辺りの作品の1つです。

 

色聴をもう使わないでおこうと思ったのですが、最近はまた使うようになってきました。

 

 

http://jams-parisfrance.com/info/giverny_claudemonet/

ジヴェルニー「モネの家と庭園」

 

彼は晩年大金持ちになって自分の家の中にたくさんの花や日本橋や大きな池のある立派な庭園を造り、ほとんど自分の家や庭の中にある題材にしか取り組まなくなりますが、中でも有名なのが睡蓮シリーズや庭の花々を書いた絵です。

 

 

ジヴェルニーの庭(1902年)

 

 

睡蓮(1907年、ブリヂストン美術館にあるはず)

 

 

 

京橋のブリヂストン美術館(現在閉館中)にモネの睡蓮があるのですが、学生時代に何度か見に行ったり、モネの絵は海外の美術館からの貸し出し展覧会でよく見ることが出来るので、ジヴェルニーの庭を題材にした絵の方は実物を何度も見たことはありますが、フランスのモネが住んでいた家(ジヴェルニーの庭)には行ったことがありません。

 

 

音楽修行の内容の変化とともに興味も移り変わって、今はとっくにもっと違うものに興味を持つようになっていますが、私の場合は絶対音楽よりも、むしろ外部から何らかの刺激を受けて音楽を作ることが多く、ソナタやフーガなどを好むのとは対照的に、どうしても印象主義的な作り方が合っているようです。

 

 

とはいえ、やはりベートーヴェンやバッハのような作品が好きなので、今はそういった古典を土台にもっと自分なりのやり方を盛り込めるように目下努力している最中です。

 

フィナーレで清書するのは結構大変なのですが、またたまに新作が出来たらブログに書き込ませて頂きます。

 

 

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昨今のミックスやマスタリングでDAWやデジタルプラグインを完全に排除した環境で作業している方はゼロだと思いますが、個人的にはコンプレッサーにプラグインとアウトボードの差を感じるもののイコライザーもかなり違うと感じています。

 

 

デジタル全盛の時代ですが、ことDTMに関してはまだまだアナログ機器の入る余地はあり、ここぞというメイントラックへの処理、ちょっとした味付け、馴染まないトラックへの対処、マスタリングにおける質感付加目的etc…、などでまだまだ出番があります。

 

 

spl Qure

 

Qureは真空管イコライザーでそこまで高級器というわけではなく、中の下くらい?な印象ですが、プラグインで行うよりもずっと良い結果を得られることが度々あります。

 

 

ソフト音源の音はモノによって、平べったい、冷たい、ミックスに馴染まない、etc…、要するに使いにくい音のものもあるのですが、真空管機材を通すと良い意味で歪むというか、馴染むというか、使いやすい音になるので、一体内部でどんな処理を行っているのか不思議だったりします。

 

そんなに良いソフト音源でなくても、こういったアウトボードを通すと良い音になるように感じるから不思議です。

 

 

もちろん真空管がすべてではなく、高級アウトボードであれば個性が異なるだけで・・・・・・・・・どれも納得の音色になるのですが、これは歪みが生み出す人間の聴覚特性への謎でしょうか。

 

 

プラグインイコライザーにも素晴らしいものはたくさんあり、特にDMG AudioのEQuilibriumが素晴らしいですし、UADにも大好きなイコライザーはありますが、EQuilibriumは完全デジタルなので歪みに関してはそもそもそういう用途ではないですし、UADのアナログモデリング(APIなど)はプラグインの中ではかなり好きですが、やはり実機とは印象が違います。

 

 

DMG Audio EQuilibrium

 

 

アウトボードの様々な回路を通るときに音が変わるのか、それとも真空管でブーストするときに加わる歪みがカッコ良いのかわかりませんが、ブーストしても全然いけるのでアウトボードのEQは(プラグインに比べてかなり面倒ですが)気に入っています。

 

 

EQでブーストした時のイメージ図

 

(真空管でなくても)アナログ機器でブーストするということは、それがマイクプリのように音全体に対してであれ、イコライザーのように特定の周波数だけに対してであれ、歪みが加わるわけですが、いわゆるアナログ感という意味では真空管が一番分かりやすいです。

 

 

ブーストすればその周波数だけに特に歪みが加わりますが、カットだけでもイコライザーから音が出力されている以上、OUTPUTのツマミを弄らなくても歪んでいるはずです。

 

 

真空管イコライザーと言っても、イコライザー回路に真空管は使わずに単にOUTPUT部分だけに真空管を使って、「真空管イコライザー」という名称で販売している機材もあるようですが、特定の周波数であれ、音全体であれ、その歪む量や歪み方がポイントの1つのようです。

 

 

100万円くらいするマスタリングスタジオで見かけるようなイコライザーはもっと凄いことになっていると思いますが……。

 

 

QureのほかにForcusriteのRED2というイコライザーを使っているのですが、回路図を見たことがないため直列なのか、並列なのか、どんな内部回路や部品なのかなどは全く知りませんし、回路図を見てもあんまり理解出来ないのですが、素人意見としては普通にブーストしたりカットしたりするだけなのに、何がどうしてそこまで音が違うのか不思議です。

 


どなたか工学に詳しい方に回路図や部品解説を聴きつつ、ご教授願いたいくらいです。

 

 

真空管で動くイコライザーと言っても、値段はピンキリで真空管であるかどうかよりも、値段で音が決まると思っていますが、わかりやすい個性的な音として出番が結構あり、ミックスは完全にプラグインだけれど、マスタリングは(手間がそれほどでもないので)アウトボードを使ってみたいという方はお勧めだったりします。

 

 

真空管機材をモデリングしたプラグイン、または真空管そのもののプラグインは昨今山ほどありますが、価格帯によってピンキリで特に高級器は真空管と言っても、いわゆる雑な真空管っぽくないクリーンな音だったりしますが、前世紀の遺物とも言える実用性という意味ではすっかり規模縮小した真空管ではあるものの、まだまだ当分音楽業界から消えることはなさそうです。

 

 

いつか将来、プラグインの再現性がもはや実機と完全に区別が付かなくなり、世界中のスタジオからアウトボードが消える未来が来るまではきっと少なからずニーズがあるのではないかと思います。

 

 

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今アナリーゼの本を書いているのですが、色々な内容を体系立てて整理していく中で理論上名称のないコードスケールをどうしようかと迷っています。

 

以前書いた作曲技法の本でも特別の名称を持たないコードスケールであるにも関わらず、実際の作品ではよく出てくるスケールについて述べていますが、知りうる限り広範囲に整理してまとめようとすると、ほかにもいくつか登場します。

 

 

例えばファリャの「恋は魔術師」の中に出てくる「火祭りの踊り」を見てみましょう。

 

 

 

譜例は動画の16秒辺りから

 

クラシック音楽というとバッハ、ベートーヴェン、モーツァルトを始めとするドイツ系・オーストリア系が最強で、あとはヨーロッパ圏の様々な国にボチボチ有名な作曲家が点在する感じですが、日本ではあまりスペインの作曲家は注目されていないように思えます。

 

スペインと言えば、ファリャ、グラドナス、サラサーテ、ロドリーゴなどが有名ですが、ドイツ、オーストリア、ポーランド、フランス、ロシアなどに比べると影が薄い感じでしょうか。

 

 

問題の?「火祭りの踊り」のフレーズですが、グラドナスやファリャといった本場のスペインの作曲家だけでなく、ビゼーのようなフランス人の作った作品でも登場するスケールで、ポピュラー理論を理解なさっている方に分かりやすく言うならばスパニッシュ8スケールの♭13thが♮13thになったスケールになります。

 

 

 

スパニッシュ8♮6と呼んでいます。

 

名前がないと困るので便宜上、今書いているアナリーゼの本ではスパニッシュ8♮6と呼んでいますが、ポピュラー理論に出てくるスパニッシュ8の♭13thが半音上がっています。

 

 

音階としてはスペインを題材にした作品でよく登場しますし、私自身もBGM制作でスペイン系の曲を作るときに使いますが、よく考えると、私の知りうる限りですが、名前がないように思えます(私が知らないだけでひょっとしたらあるのかもしれない)。

 

 

ラヴェルやドビュッシーもスペインを題材にした作品をいくつも書いていますし、このスケールはビゼーもよく使うのでなじみ深いのですが、ポピュラー理論では無視されています。

 

 

今現在ポピュラー理論と呼びうるものはジャズのスウィング期からバップ期に掛けて形成されたものですが、おそらくアメリカのジャズマンたちはあまり重要なスケールと見なさなかったか、単に知らなかったのか、民族音階として除外したのか、とにかく理由はわかりませんが、放置されています。

 

 

こういう普通に色々な作品で使われているのに名前がないスケールがほかにもあって、クラシックの和声法とポピュラー理論の両方をご存じの方は「そう言われればたしかにいくつもあるな…」と思われるでしょう。

ご自身で作曲する方にはこういったケースは少なからずあるように思えます。

 

 

この辺りはアナリーゼの本の中でどう解説したものかと思案しているのですが、とりあえず勝手に命名して、実例と共に説明することにしました。

 

 

クラシック和声ではコードスケールという考え方をせずに、すべて転位と変位で考えるためコードスケールに置き換えて考えるとこういったことが起きてきます。

 

しかし個人的にはコードスケールは非常に合理的な考え方であり、ロマン派以降のクラシック作品はむしろ出身キーを重視するコードスケールで考えた方が分かりやすいものもたくさんあるため、今書いているアナリーゼの本でも一応和声の説明も軽くしつつ、(調性の曲であれば)コードスケールですべての曲を解釈するというコンセプトで進めています。

 

少し先になると思いますが、書き上がったらまたブログで告知させて頂きます。

 

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独学で作曲を学ばれる方へのアドバイスシリーズですが、今回はアナリーゼと作曲のアイデアについてです。

 

 

作曲の初学者の方は作曲に苦戦して途中で製作が止まってしまう、あるいは製作のペースが非常に遅い、ということがよくあります。

 

理由は色々あると思いますが、まず1つは単純に音階や和音といった土台に加えて、一般的な意味での音楽理論(色々なコード進行や旋律の作り方)をしっかり理解していないケースです。

 

 

これはたくさん作曲の本が出ていますし、私自身も書いていますが、普通に読み進めていけば誰でも理解出来ると思います。先生を見つけるのも簡単でしょう。

 

 

いわゆる勉強、座学に入る範疇ですが、これは主にインプットの側面で自分の内部に外部からの知識や技術を詰め込む作業であり、創造的とは言えません。人それぞれ進歩の速度は異なるでしょうが、必ず努力報われる分野と言えます。

 

 

もう一つはそういった基礎的な内容はある程度、または完全に理解しているのに作曲が止まってしまう場合です。

 

 

音楽の基礎理論や作曲技法が完璧に理解出来ているのであれば、それは初心者とは言い難いですが、アウトプットの側面である作曲において単純にアイデアが浮かばないというようなケースで作曲が止まってしまう場合は、たくさんアナリーゼして真似て作っていく方法をお薦めします。

 

 

真似というとパクリ・盗作のようでイメージが悪いですが、過去の大家たちの作品やヒットソングやBGM楽曲をよく聴いて、その音楽的内容を理解し、そこに使われているアイデアや精神性を汲み取って自分の作品でさらに良いものとして活かすという方法は、多かれ少なかれ誰もがやっていることではないかと思います。

 

 

バッハやモーツァルトやベートーヴェンやヒットソングやBGMを無視する必要は何処にもなく、むしろ私としては初心者の人ほど多いに学ぶべきだと思いますし、そこから得た着想を活かせるように努力するべきです。

 

 

そのまま使ったら単なるパクリになってしまいますので、変更を加えていくべきですが、ここでは以下の内容を作曲の初心者の方に対してのアドバイスとして書かせて頂きたいと思います。

 

まず筆が何時間も止まってしまうようであれば、その続きのアイデアを過去の大家に求めるべきです。

 

 

そうしてしまうと完全なオリジナルではないわけですが、人によっては何日も、何週間も、何ヶ月も作曲が止まってしまう方もおり、そんなに長い期間止まってしまうくらいなら、何か続きを作る良いヒントがないか探してみた方が有益かもしれません。

 

 

もちろん露骨なパクリには反対ですが、かといって初心者段階にある方がいきなり誰の真似でもないオリジナルをスラスラ書けるわけもないため、自分を初心者だと思ううちはある程度までは勉強だと割り切って、自分が素晴らしいと思う作曲家の影響を受け入れるべきです。

 

 

例えば、ある初心者の方がバラード調の遅い曲を作っていたとしましょう。

途中までは作れたけれど、続きが思いつかないという場合に手が止まってしまいます。

 

 

もちろん作曲において悩むことは重要ですし、熟慮の必要があるのは言うまでもありませんが、例えばショッピングモールの様々なお店が建ち並ぶ場所でたくさんのお金を持っていて「何を買おうか?」と悩むことと、何もない荒地でお金も持たずにこれからどうしたら良いのか悩むことは、同じ悩むでも全く意味が違います。

 

 

作曲で言うなら、続きの展開をどうしようか有り余るアイデアの中からどれにしようか迷うのと、続きが全く思いつかなくて迷うのは全く意味が違います。

 

 

過去の大作曲家たちも多かれ少なかれ悩んだはずですが、それはおそらく作曲の初心者がぶつかるような悩みではなく、もっと高度で、複数の選択肢の中からどれを選ぶかで悩んだり、凡人には思いつかない部分で悩んでいたのかもしれません。

 

 

いずれにしても、作曲の初心者の方がこのようなケースで手が止まってしまった場合、自分が今作っている曲と類似する曲を探して、それがどのように作られているのかを出来るだけたくさん見てみましょう。

 

 

 

ベートーヴェン ピアノソナタ1番2楽章の8小節目から

楽譜の箇所は38秒あたり

 

スコアへのリンク

 

上の譜例はベートーヴェンのピアノソナタ1番の2楽章の途中部分です。最初の8小節の最後はドミナントで半終止して、続きがどうなっているのか?を見てみることは自分が止まってしまっている曲の続きをどうするのかを知るヒントになります。

 

この部分から得られるアイデアは以下の3つです。

 

①半終止の後はドミナントペダルで次の8小節がスタートする。

②Ⅴ→Ⅰ2の繰り返し。

③旋律と内声の動きが反行している。

 

もし自分が作っている曲のそれまでの部分でペダルを使っているならアイデアが被ってしまいますが、そうでないなら次の展開をペダルにするというのは変化があって面白いかもしれません。

 

またそれまでの部分が和音がコロコロ変わる変化の大きい和声(コード進行)なら、次はⅤ→Ⅰ2の繰り返しのような単純な響きの変化の少ないもので、曲調を一旦落ち着かせるのもそれまでとの変化があって面白いです。

 

反行のアイデアはアイデアというほどのものではありませんが、色々な場所で活用できるはずです。

 

 

もし私が作曲の初心者で途中で行き詰まって、続きをどうしようか…?と悩んだらこのように適当に楽譜をパラパラと開いて、そこで使われているアイデアを流用すると思います。

 

 

困ったときに初めて楽譜を見るのではなく、普段からアナリーゼを行って様々な作品に触れるべきですが、このようにしていけば作曲のアイデアにおいて膨大な引き出しを得ることが出来ます。

 

 

続きが思いつかなくて悩み手が止まってしまうのではなく、たくさんアイデアがあり過ぎてどれを使おうか迷ってしまうわけです。

 

 

そしてこれを流用したとしても、パクリだとは思いません。

曲の途中からペダルが使われている作品は山ほどありますし、具体的な内容ではなく、曲の大雑把な展開の概念を参考にしているのであって、「途中からドミナントペダルを使うのはベートーヴェンのパクリだ、盗作だ」というのはいくら何でもあり得ない話です。

 

 

普段から色々な作品に目を通すことで、こういったアイデアは自分の中にどんどん溜まっていくはずなので、初心者の方ほどたくさんのパターンを知って欲しく思います。

 

 

もちろんただ聴くだけではなくて、作曲する立場から曲に接する必要があります。

 

電車の中でMP3プレーヤーを聴くだけで、どんどんアイデアが溜まっていくというような夢のような能力があれば別ですが、普通は楽譜がないと無理でしょう。

 

 

また楽譜を見ても意味がわからない、という段階の方もいらっしゃると思います。

 

その場合は基礎的な内容に立ち戻る必要があります。いわゆる音楽理論の基礎がないと楽譜を見ても意味がわからないことが多々あると思いますので、基礎から勉強です。

 

 

もちろん他人の曲を無視して、自分一人だけで作曲を進めて困ったことは一度もない、というのであれば、それはそれで素晴らしいことですが、単なる思いつきやその場の勢いやノリだけで、大して考えもせず無計画で人生を生きていくことが賢くないように、作曲もその場の思いつきや勢いだけで無計画に作っていくのはあまり高等なやり方とは言えません。

 

 

ひらめきは大切ですし、勢いも大事ですが、その場限りの衝動や思いつきだけに頼って物事を進めていくのは、あまり賢い生き方とは言えないように作曲でも同じと言えます。

 

 

それは過去の大家たちの作品を見れば一目瞭然です。

 

 

一言で言うならちゃんとした知識や技術を元に良く考えて行うべきであって、思いつきや衝動のみを重視し、それを人生(作曲)の中心におくのはあまり良くありません。確固たる知識と技術と熟慮と経験と思考方法があったほうが絶対に良いはずです。

 

 

 

 

音楽理論なんて勉強したくない、他人の曲なんて聴きたくない、聴いたり、勉強したらそれに影響を受けてパクリになってしまうのが恐い、なんて方もいますが、様々な作曲技法をしっかりと身につけてそれを超えていくというのが正しいあり方であり、過去の大家たちがしてきたことです。

 

 

そもそもクラシック音楽の大家や現役でプロとして活躍している方たちの作品を無視する必要は何処になく、逆に積極的に自分よりも優れている人たちの作品から学ぶ姿勢が大切です。

 

 

そしてそれには曲を聴いたり、楽譜を見て自分の作曲で応用出来るように理解する能力、つまりアナリーゼの能力が必要になるわけですが、最も簡単な曲から最も難しい曲まで誰の何の曲を見ても理解出来ないことがないレベルのが最終的な理想です。

 

 

理解の速度も楽譜を読む速度も速ければ速いほど、限られた時間を有益に使うことが出来ます。

 

 

 

前述のベートーヴェンのピアノソナタくらいなら誰にでもわかるかもしれませんが、ロマン派や近代音楽や国民楽派たちや、今時のヒットソングやアニソン、あるいは映画やゲームやアニメのBGMなどには高度な音楽がたくさんありますので、音楽への理解度は高い方が有利です。

 

 

個人的には正しくアナリーゼ出来るなら、少なくとも真似は出来るわけで、真似にならないようにするにはそこに自分のオリジナリティーを挟んでいく必要があるわけですが、まずは正しくアナリーゼ出来るだけの知識と技術が初心者の方には優先的に必要になります。

 

 

悩んで止まるくらいなら、どんどん自分よりも優れている作曲家の作品を参考にしましょう。そうなると100%オリジナルではないかもしませんが、初心者のうちは仕方ないことです。

 

 

勉強だと思って割り切って、逆にたくさんの曲からたくさんのことを学び、たくさんの作品を作ってたくさんの知識と技術と経験を増やしていくことの方が、いつまでも悩んで立ち止まっているよりも遥かに有益です。

 

 

アナリーゼはずっと続けて欲しいですが、そのうち自分なりの作曲のやり方が身に付いてきたら段々と他人への依存度が減っていくはずです。

 

 

初心者が見るのと、プロの作曲家が見るのでは見えているものが違い、大切なことを見落としてしまうことがあるかもしれませんが、経験とともにアナリーゼ能力も上達するでしょうし、誰かに習うことでアナリーゼの考え方や見方や応用の仕方を学ぶことも出来ます。

 

アナリーゼはアナリーゼである種の技法と呼べなくもないので、これはこれで習得にある程度の努力が必要かもしれません。

 

 

まとめると初心者のうちは悩んで長時間手が止まるくらいなら、どんどん他人の優れた作品に学んで(真似でも良いから)作った方が良い、

そしてそのためにはアナリーゼ(音楽理論や作曲技法)への理解が必要なので、基礎的な音楽理論や作曲技法をどんどん学ぶことをお勧めします。

 

特にこういった基礎的なことは若いうちに、出来れば学生のうちに終わらせてしまうべきです。

 

作曲する行為自体はとても大切ですが、それと同じくらい音楽理論や作曲技法の土台を固めることも大切です。

 

 

最後までお読み頂き有り難う御座いました。

 



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「独学で作曲を学ばれる方へ」シリーズで今回は移調練習を取り上げてみたいと思います。

 

本当に一人で勉強していると、将来必要になるであろう内容になかなか辿り着かないこともあるのですが、その中でも特にないがしろにされているのがこの移調練習だと思います。

 

 

昔の作曲家には彼らの移調能力の凄さを伝える逸話がいくつも残っていますが、現代の作曲家でも移調能力が必要なのは変わらず、この能力はある程度の長いスパンでの訓練が必要になるので出来るだけ速いうちにそこそこの能力を獲得しておくと後で楽が出来ます。

 

色々なやり方がありますが、鍵盤があれば独学で可能な簡単な練習をいくつかご紹介します。

 

 

■旋律の移調練習

 

 

移調練習の最終目標は何の曲でも即座にすべてのキーに移調できるようになることです。

 

上のフレーズはブラームスのヴァイオリンソナタ1番の第1主題ですが、固定ドで読むとレーレーレードシソレーー、ミーミミーソとなります。

 

 

移動ドで読んだ場合

 

これをそのまま固定ド(音名唱法)で読むのではなく、移動ドで読みます。

 

KEY-Gでレは5番目の音ですので、KEY-Cに直すとソになります。要するにハ長調に移調して読み直します。

 

移動ド(階名唱法)でこのフレーズを読むとソーソソーファミドソー、ラーララードという風になりますが、このように移動ドでフレーズを読んで(あるいは暗記して)すべてのキーに鍵盤を弾きつつ移調します。

 

移調するときに固定ドで音名を言いながら歌っても良いですが、何のキーで歌っても移動ドで読むのが望ましいです。

 

前回の一日一曲と同じで毎日続けるのが望ましいので、一日十分でも十五分でも時間を取って継続していくのが上達のコツです。

 

 

練習してみたい方はこのブラームスのフレーズをまず移動ドで覚えたら、KEY-Cから半音ずつ上げて同じように鍵盤を弾きながら移動ドで音名を言いつつ歌ってみましょう。

 

12のキーすべてで間違えることなく出来るようになるまで練習します。

 

フレーズそのものは何でもOKで、自分が覚えられる長さであれば本当に何でも構いません。

最初のうちは臨時記号のないものを推奨しますが、慣れてきたら臨時記号や転調を含むものをやってみましょう。

 

これが上手く出来ないということは、単純にメジャースケールやマイナースケールを覚えていないということにもなりますので、復習が必要な方はスケールから見直してみましょう。

 

■コードの移調練習

 

単旋律の移調練習は比較的簡単ですが、慣れてきたら今度はコード進行ごと移調します。

 

最初はディグリーネームだけでボイシングを無視した移調でも構いません。

 

CAmDmGというコード進行はディグリーに直すと

ⅥmⅡmですので、これをあらゆるキーに移調します。

 

興味がある方は早速やってみて下さい。鍵盤で実際に弾きつつ、すべてのキーに難なく移調出来るようになるのが目標です。

 

 

慣れてきたら、ちゃんと譜面を用意して、譜面を丸ごと移調するようにします。ボイシングを変更せずに、DAWでコピー&ペーストしてずらすように移調します。

 

まずはダイアトニックコードのみで開始して上達してきたら副属7やSDMなどの借用和音を入れていきます。

難易度が上がりますが、実際の作品では言うまでもなく借用和音は一般的に使われるものですので、借用和音ありで練習する必要があります。

 

 

■両手の移調練習

 

さらに慣れてきたら大譜表のピアノ譜面をそのまま移調してみましょう。すべてを移動ドで覚えて、どんなキーに移調しても弾けるようにひたすら練習します。

 

 

メロディーやコードを移調出来る人にとって、これは結局は同じことなので特に難しくないはずです。

 

 

■移調によるメリット

 

移調が出来るようになることで得られるメリットは山ほどあります。

基本的に初心者の方に対してのアドバイスですが、まず様々なキーで作るということに抵抗がなくなるはずです。

 

よくKEY-D♭の曲をKEY-Cで作ってDAWで半音上げるような真似をする方がいますが、こういったこと本当に作曲において上達したいなら止めるべきです。

 

KEY-D♭もKEY-Cもあるいはそれ以外のキーもすべてはただずれるだけで同質のものですので、同じように扱えるようになるべきです。

 

 

また作曲における転調能力も向上します。KEY-D♭の曲をKEY-Cで作ってDAWで半音上げるような方はおそらくKEY-D♭をKEY-Cほど自由に扱えないので、この2つのキー間における自由な創意工夫溢れる転調はほとんど不可能なはずです。

 

習熟度によりますが、苦手なキーが多いほど転調や借用和音の発想は狭く限定されたものになり、つまりコード進行やメロディーの可能性は乏しいということになります。

 

一つのキーで作るとしても様々な借用や部分転調はカッコイイ曲を作るためには絶対に必要なので、それらの可能性も移調の上達とはずに広がってくるはずです。

 

 

作曲ではなくアナリーゼの側面での上達も見込めます。苦手なキーはそれだけで譜面を読みにくく、さらにそこに借用や転調が加わってくると余計にその曲のコード進行や和声が理解出来ないという方は多いので、それらの解消にも繋がります。

 

良くレッスンでもやりますが、難しい曲で生徒さんが自力でアナリーゼ出来ない曲でも全部KEY-CやKEY-Amに直すと出来たりすることもあるので、これは単純に移調能力の欠如の問題と言えるでしょう。

 

 

オーケストラスコアを読むときにも特に管楽器パートで音型が得られます。移調能力はそのままA管やB♭管の譜面を読む能力とイコールですでの、譜面を読むのが速くなるはずです。

 

アルト記号やテノール記号、和声でよく出てくるソプラノ記号もある意味で移調記号みたいなものですので、圧倒的に速く読めるようになるはずです。

 

 

移調能力は基礎的な範疇に分類され、特別な技術というよりは単なる音楽への慣れの問題であり、練習すれば誰でもKEY-Cと同じくらいすべてのキーを扱えるようになるはずです。

 

 

 

ピアノの伴奏者の方などは超人的な移調能力を持った方がいらっしゃいますが、そこまで行かなくても何かアナリーゼのために譜面を見たり、作曲しているときにささっと移調出来る能力があれば、ミスも減り作曲の速度も向上し、借用和音や転調という意味で和声の豊かさ・可能性も広がるので良いこと尽くめです。

 

 

実際には移調の練習方法は様々な練習があり、ここで述べた方法は自宅で一人で出来る簡易な方法ですが、楽器を習っている方は先生に相談したり、さらに詳しい勉強方法を調べてみると良いと思います。

 

 

しかし、私が見てきた限りでは余裕で移調が出来るレベルの高い方とほぼ全く出来ない方の二極分化しているように見えますので、慣れていない方はまずは簡単なメロディーやコード進行(和声)を全部のキーで移調する練習から始めると良いのではないかと思います。

 

 

これは作曲の基礎に相当する部分ですが、とても大切なことですので是非頑張ってみて下さい。

 

 

 



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