チュートリアルビデオにあるのでご存じの方も多いかもしれませんが、Omnisphereなどのspectrasonicsシンセのパッチ選びで今までやっていなかったのですが、やってみたらとっても便利だった方法があるのでご紹介したいと思います。

 

 

Omnisphereのパッチブラウザの「↑」「↓」のボタン

 

OmnisphereやTrilianに限らず、パッチを選ぶのに「↑」「↓」や「←」「→」のボタンがあり、なお且つそのボタンに対してMIDI LEARNが出来るならどんなソフト音源でも出来ると思うのですが、この「↑」「↓」のボタンをMIDIコンのMIDI CCボタンに割り当てるだけで聴くのがとても楽になります。

 

 

 

 

私はKORGのnano KONTROL2を使っているのですが、マーカー部分の「←」「→」ボタンをOmnisphereのパッチブラウザの「↑」「↓」のボタンに対してMIDI LEARNするだけです。

 

 

GIFを作ってみました。

 

たったこれだけでパッチを順番に聴いていく作業が捗ります。いちいちクリックせずに手元のMIDIコンの「→」ボタンを押すだけなので楽ちんです。

 

 

 

パッチのオートプレイをONにする

 

パッチのオートプレイをオンにしておけば鍵盤を叩かなくても音も確認出来ます。少なくとも音色選びの際は楽な姿勢でいられます。

もっと早くやれば良かった…こんな便利な方法があったとは…。

 

 

説明書をあまり見ないタイプなのですが、omnispereのチュートリアルビデオを見ていたら、便利そうなパッチブラザの機能がたくさんありました。シンセの使い方ならともかくブラウザのチュートリアルなんて必要ないだろうと思っていたら、意外とためになる方法がたくさんあります。

 

 

多分パッチが凄まじく膨大だからこその機能ですが、ほかの音源で調べたところちょっとすぐには見つかりませんでしたが、パッチブラウザの「←」「→」ボタンをMIDI LEARNが出来るならどんなソフト音源でも出来るので、これからは出来るだけ活用してみたいと思います。

 

 


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前回の続きです。


 

プリセットから音を選んでそれをワブらせる方法ですが、一番手っ取り早いのは音源にWOBBLEのパラメーターがある場合です。

 

 

WOBBLEのパラメーターが付いています。

 

例えばTRILIANはパッチによりますが、WOBBLEというパラメーターが付いていて、RATEとDEPTHをコントロール出来ます。

RATEの方をMIDI CCに割り当てればモジュレーションのスピードを演奏中に変えられるのでそのままワブルベースになります。

 

 

ただTRILIANはモジュラータイプのシンセサイザーではなく、あくまで何らかの生音を元に作っていくPCM音源みたいなものなので、モジュラータイプのシンセほどオシレーターのパラメーターをワブらせることが出来ません。

 

 

そもそもTRILIANはオシレーターというよりはサウンドソースと本体に記載されているように純粋なサイン波などから音を作るタイプではなかったりします。

 

しかしだからと言ってワブルベースが作れないのか?というと全然そんなことはなく、弄れるパラメーターもたくさんありますので、ワブルベースをTRILIANでカッコ良く作ることは十分出来ます。

 

 

 

 

さて、段々難しくなっていくのが今回の記事のコンセプトですが、これ以上となるとオリジナリティーが出せると同時にある程度のシンセに関する知識が必要になってきます。ここからは元々ワブル用に作られていないプリセットをワブらせる方法です。

 

 

まずワブルベースの基本原理について考えてみます。

 

シンセの原理の話になりますが、ワブルベースとは結局の所はどんなシンセでも揺らぎを作り出す「ソース」と揺らいで音を変化させる「ターゲット」の2つに対してシンセ上のどの機能を割り当てるか?の問題に過ぎません。

 

 

ワブルベースの原理のイメージ図

 

 

「ソース」の揺らぎのパターンはLFOで作ったり、エンヴェロープのモジュレーションで作ったり、MIDI CCなどで作るのが一般的です。時にはステップシーケンサーで作ったパターンをワブルベースに割り当てることもあります。

 

 

LFO

 

MIDI CC

 

エンヴェロープの手書きモジュレーション

 


ステップシーケンサー

 

 

MIDIコントローラーは何でもOKで、つまみでもスライダーでも、キーボードのアフタータッチでも、Expressionペダルでも、ブレスコントローラーでも、なんでもOKです。

 

 

揺らぎのパターンをどうやって作り出すかは色々ですが、個人的にはLFOを使ったりエンヴェロープを書くことが多いです。

 

 

次に実際に音がワブる「ターゲット」です。種類は実に様々ですが、結局シンセにはオシレーター、フィルター、アンプ、そしてエフェクトしかないのですから、このどれかの中でグワングワン揺れたらカッコ良い音になるパラメーターのどれか?ということになります。

 

最もスタンダードなものとしては音量やカットオフで、プリセットに入っているワブル系の音はこの2つが揺らいでいるのが最も多いです。

 

フィルターを動かして音色をワブらせるのが最も普通です。

 

特にフィルターはワブった感じに与える影響が大きいので、シンセ内蔵のフィルターを使わないで、外部エフェクターを使ったりすることもあります。

 

 

omnisphereのエフェクターであるパワーフィルター

 

 

SoundtoysのFilterFreak


 

やろうと思えば非合理的ですが、普通のパライコでも出来ます。

 

 

ワブルベースにはフィルターが一番効果的ですが、動かしたら面白いと思えるものであればなんでもOKで、そのシンセ特有の機能で面白いものがあれば試して見るのも面白いです。

例えばワブっていない時は動作しないけど、ワブっている時にのみ(LFOの速度が速くなった時のみ)ビットクラシャーが少し掛るなどの複合効果もよく用いられます。

 

 

ビットクラッシャーなどをワブらせるのも面白いです。

 

 

肝心のワブらせ方ですが、一番シンプルなのがLFOでまずベースとなる揺らぎを作り出して、そのLFOのRATEにMIDI CCに割り当てる方法です。

 

 

 

揺らぎの速度はLFOのRATEで決まります。そのRATEをMIDI CCで動かします。

 

①基本となる揺らぎをLFOで作り、②その揺らぎのスピードをMIDI CCで変えるというのが基本です。まず下の画像と音を聞き比べてみて下さい。

 

 

 

 

MP3はこちら

 

画像のMIDI CC#1(モジュレーション)とワブルが同期しているのがポイントです。最初ゆったりとした揺らぎが段々速くなって、また遅くなります。

 

ベースとなる揺らぎはテンポ150で1小節で1回の揺らぎ
 

ワブルベースの周期は基本的にテンポ同期推奨ですが、ここではテンポ150に対して1小節のサイン波のLFO(1/1)を設定しています。MP3も最初はゆっくり揺れています。

 

 

 

MIDI CC#1が増えるに連れて1小節→半小節→4分音符→8分音符…と揺らぎの周期がどんどん細かくなっていきます。

 

このLFOは今回はVCFに割り当てずに、外部のエフェクターに割り当てています。

 

 

LFOではなく、エンヴェロープを使うこともあります。

 

 

 

エンヴェロープの方がより自由自在なカーブを簡単に作れます。やろうと思えばLFOを組み合わせて変則的なカーブを作ることも出来ますが、単にワブルベースを作るならエンヴェロープで複雑なカーブを描いた方が速いです。

 

このカーブをテンポシンクして、ループさせればLFOと同じになり、下のSPEEDがLFOのRATEに相当しますので、ここにMIDI CCを割り当てればLFOでやっていることと全く同じになります。

 

スピードが速くなるとカーブの形はあまり音に反映されなくなりますが(速すぎてわからないので)、遅い時は結構面白いカーブを作ると音にも反映され、LFOよりも興味深い音を作ることが出来ます。

 

 

MASSIVEのステップシーケンサー

 

上の画像はMASSIVEのステップシーケンサーで似たようなカーブを作ったものです。MASSIVEでもomnisphereでも、ほかのシンセでもその機能さえあれば同じ事が可能です。結局のところ揺らぎのパターンをデザインして、それをフィルターなどにアサイン出来ればなんでもOKなわけです。

 

 

フィルターにはHPF、LPF、BPFなど色々ありますが、好きなものを読み込んで、カットオフをグリグリ動かしてカッコ良いものを選べばOKです。

 

 

LFOの揺らぎをパワーフィルターに割り当てています。

 

 

 

今回はHPFとLPFを組みわせたハイブリッドフィルターを選んでいます。Omni上では見ることができませんが、こんな感じのフィルターです。

 

 

HPFとLPFの組み合わせフィルター

 

 

元々の音がどんな音なのか?にもよりますし、出したい効果やフィルターの切れ味やカーブにもよりますが、あまり難しく考えずに好きなものを選べばOKです。

 

 

ここではフィルターのカットオフ(周波数が減衰する)にLFOをアサインしていますので、要するにイコライザーのつまみをグリグリ動かしているような感覚です。アナライザーでどんなカットが行われているのか見てみましょう。

 

 

 

カットオフが低いとローカット

 

 

カットオフ最大だと1kHzあたりが強調される

 

LPFとHPFの複合ですが、個別にレゾナンスの調整が出来ないシンプルなタイプなのでちょっと画像ではわかりにくいものの、特定の周波数がカットされたり、ブーストされたりしてフィルター(イコライザー)の効果がカットオフのツマミの位置によって変わります。

 

この2枚の画像は最低→最大ですが、この周期をグーーリーーグーーリーーからグリグリグリグリグリと、さらにグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリとツマミ回す代わりにLFOに割り当てたモジュレーションホイールを動かすわけです(モジュレーションホイール=速度)。

 

 

ハードウェアシンセでやろうと思えば手動でも出来ます(ツマミが壊れそうですが…)。

 

 

omnisphereは非常にフィルターが充実していて、ここまでフィルターが充実しているシンセは珍しいというくらい充実しています。

LPF、HPF、BPF、スペシャルの4つがあり使い切れないほどです。

 

 

BPF一覧

 

 

HPF一覧

 

 

LPF一覧

 

スペシャル一覧

 

 

このほかに外部エフェクターのフィルターもありますし、サードパーティーのフィルターもあります。DTMならでは素晴らしい環境と言えます。

 

 

 

ギターでいうトレモロエフェクターのように音量をワブらせることもあります。

 

 

 

多分NAMMかなんかの動画だと思いますが、Spectrasonicsのお兄さんが動画でアンプにエンヴェロープを書いてワブルベースを作っています。

 

 

 

シンセ自体は何でも良かったのですが、今回はomnisphereを使いました。シンセサイザーで大事なのは仕組みをちゃんと理解して、それを音に反映させることです。ここで述べたパラメーターさえあればどんなシンセにでも応用出来るはずです。

omnisphereは使い方も簡単ですし、音色パッチも凄いことになっているのでコスパは滅茶苦茶高いモンスターシンセと言えます。

 

 

安いシンセだとパラメーター自体が少なかったりするのでシンセ単体ではワブルベースが原理的に不可能だったりしますが、プリセットしか使わない方はまず手持ちのシンセを使いこなすことから始めると良いかもしれません。

 

 

最近はSERUM、AVENGER、FALCOM、Massive、Sylenth1、Spire、u-heのDivaなど老舗からニューフェイスまで色々あり、正直全部買い切れないくらいたくさんのメーカーからたくさんのシンセサイザーがリリースされていますが、(減算シンセなら)基本原理はどれも同じで、あとはそのシンセ特有の自由度の高さや固有の機能などが購入のポイントになります。

オシレーターの数や種類や音質も色々ですし、フィルターの質と量、搭載されているエフェクターの種類、アサインの豊富さなども色々です。

 

 

この辺はメーカーが鎬を削っているわけですが、私はDJではないですし、シンセ一筋というわけもないのですが、マジで使いこなせる人がいたらぶっちゃけ減算系はMASSIVEくらいあれば、大体行けるんじゃないの?と思ったりもします(MASSIVEは優秀なので)。

 

 

 

最近のメーカーはシンセのことをよく分からない人に、豊富なプリセットでカッコ良いデモを聴かせて購買意欲をそそるようなスタイルが多いですが、実際に新しいシンセを買えば今までに無い音が出る側面もありますが、個人的にはやっぱりしっかり理解して使った方が最終的な曲のクオリティーに反映されるのではないかと思っています。

 

 

ただシンセの使い方の習得に時間を掛けられない、興味もあんまりない、でもカッコ良いシンセの音が欲しいというニーズもやっぱりあったりしますので、そんな時は色んなシンセの色んなプリセットを買うのもありだと思います(NEXUS2とかお勧めです)。特に有名な人が作ったプリセットは勉強にもなりますので純粋に教材としてもお勧めです。

 

 

 

次回に続きます。

 


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間が空いてしまいましたが、前回ダブステップのリズムの作り方を書きましたので、今回はダブステップの最も特徴的なワブルベースの作り方について私になり思うところを書いてみたいと思います。

 

 

〇ワブルベースの作り方

わざわざこのページを検索して辿り着く方に説明の必要はないかと思いますがWobbleとは「ぐらつく」とか「震える」という意味で、ダブステップの象徴的なサウンドの1つです。

 

 

シンセの音作りについては出来る方はとことん出来ますし、ワブルベース自体も決して複雑なことをしているわけではないのですが、むしろこういうブログをご覧になる方はどちらかというと初心者の方が多いのではないかと思いますので、そういった方が現実的にさっさとダブステップを(というか今回はワブルベースを)作るにはどうしたら良いのかという視点から考えてみます。

 

 

楽が出来るところはとことん楽して、音色作りに掛る時間と労力を作曲に使い作品が出来ればOKという見地から始めて、最後に自分で作るというにはどうするか?と考えていきましょう。

 

 

1.ワブルベースのプリセット集や音源を買う。

音楽をやっている方が全員が全員シンセサイザー大好きという訳ではなく作家志望の方がEDMの要素を持つボーカル曲を作るためにdubstep風味を取り入れたい、でもシンセでゼロから音作りはしなくてプリセットを選ぶだけ、という方も当然いらっしゃるでしょうし、BGMでダブステップの依頼が来ることもあります。

 

 

流行している以上無視は出来ませんので、作品として形を残すため、あるいはコンペなどでは無限に時間を掛けられるわけではなく、むしろ超高速で形に仕上げなければならないのでいちいちゼロからじっくりシンセで音色を作り込むということもあまりないのではないかと思います。

 

 

 

sonivox Wobble(ワブルベース専用音源です)

 

ワブルベースについて何もわかってなくても、これだけ流行しているものですから、 1つのビジネスフィールドとして専用の音源や専用のプリセット集が既にたくさん出ています。

 

 

 

1番手っ取り早いのはやはりそういったものを買って単純にプリセットとして使うという方法です。シンセの音作りに関しては何の上達も見込めませんが、音楽制作の速さ、クオリティーの高さ、無駄な?労力の軽減という意味では結構有益な方法です。


sonivox Wobbleはなんとワブルベース専用の音源でブラックフライデーで228円だったので買ってみました。投げ売りされるような音源ですのでそこまで素晴らしいクオリティーか?と問われれば回答に困ってしまいますが、228円なら駄菓子と変わらないような値段ですので別に期待はずれだったとしても全然OKな価格です。実際は結構使えます。

 

 

たくさんプリセットが入ってますし、ワブルベースのコツを掴んでいる方にとってはプリセットからさらに音を作り込んでいけますので、相当お得な音源と言えます。

 

 

またNI社のMASSIVEArturia社のMoog Mini Vなどのソフトシンセをお持ちの方はネットでプリセット集を探すという手もあります。

 

 

Free Complextro/Dubstep Bass Patches for Massive Vol. 2

 

AudioBombsというサイトでMASSIVEのダブステップ用のフリーパッチが公開されており、こういったフリーのプリセット集はネット上にたくさんありますので、勉強という意味でもお勧めです。

 

 

ただこの手のものはやっぱりちゃんと値段が付いて販売されているものの方がクオリティとしては高いことが多く、 オススメなのはreFXから出ているVENGEANCE SOUNDSETSです。Sonicwireでも検索すればプリセット集はたくさん出て来ます。

 

 

VENGEANCE SOUNDSET DUBSTEP VOL.4

 

VENGEANCE SOUNDSET DUBSTEP SOUNDSET

 

VENGEANCE SOUNDSET DUBSTEP VOL.4

VENGEANCE SOUNDSET DUBSTEP SOUNDSET

 

VENGEANCE SOUNDSETSに限った話ではありませんが、そこそこ値の張るMASSIVE用やMini V用のプリセットはクオリティーも高く、他人と被ってもOK且つ金銭的に余裕があるなら検討の余地ありです。

 

 

Dubstep Salvation

 

Producer Loopsなどの有名サイトで手持ちのソフトシンセのプリセットを探せば大手ではないかもしれませんが、結構カッコ良いプリセット集が売っていたりします。例えばDubstep SalvationはWAVEファイルとMASSIVEプリセットの複合パックですが、1000円ちょっとなので使えそうならそこまで財布に厳しいというわけではありません。似たような商品はそれこそ山のようにあって、古いものは割引されていたりしますので、こちらも勉強用の素材としても有益です。

 

 

色々な商品がありますが、プリセットを使うだけというならなんといってもNEXUS2です。自分で音を作り込まず手っ取り早くプリセットを選ぶだけで良い音を得るというコンセプトなら、多分NEXUSが一番なんじゃないかと思います。

 

 



NEXUS2は最初に購入しただけでもおまけでエキスパンションパックがいくらか付いてきますが、膨大なジャンルのエキスパンションがリリースされていて、ダブステップも当然カバーされています。

DUBSTEP-ELECTRO VOL.3
 

 






私もNEXUS2を使用していますが、実際に自分でワブルベースを作れる方でもNEXUSを使っている人はたくさんいるでしょうし、よくDTM系の雑誌でも〇〇のアーティストが使っている、というような記事で登場するシンセ?です。

 

NEXUS2はPCM音源なのでMASSIVEやMoog Mini Vのようなモジュラータイプと違って、何らかのシンセで作られた音を波形として録音して使うタイプです。ドラムやピアノやヴァイオリンなどの音を録音して鍵盤に貼り付ける音源と同じタイプなので、音作りの自由度は低くプリセットからの改変というのは出来ないわけではないのですが、総菜みたいなものなので元の音からかけ離れた音色には出来ません。

 

 

しかしクオリティーが非常高いので愛用者も多いシンセです。実際の音楽製作では音作りに多分に時間を取られることが多く、作家さんのコンペのようにクオリティー+スピードが必要な場面では多いに力を発揮するはずです。

 

 

値段はちょっと高めですが、NEXUS2と欲しいエキスパンションを買えば動画と同じ音が出ますので、クオリティーの高い音が欲しいけれど作曲に集中したいからシンセはプリセットで…という方にとっての最強ツールかもしれません。

 

 

一般的な音を自分で作るという意味でのシンセではありませんが、他人と音が被っても良いならNEXUS2はおそらく一番楽が出来て、一番汎用性があり、一番クオリティーが高い音源だと思われます。


 

昔はシンセは自分で音を作ってこそ、という風潮がありましたが今はそんなでも無いように思えます。むしろ作曲と音源制作者が分業して、それぞれがそれぞの領分で高いレベルを発揮すれば良いようにも思えます。

 

 

トータルで見れば自分で作れるようになった方が良いのは言うまでもありませんが、仮にシンセサイザーの予備知識がない初心者の方がゼロから勉強を始めて(始めた方が良いのですが)、それなりの音を作れるようになるには時間も労力も掛ります。

 

 

楽しみ方や目的は人それぞれですので、音色のオリジナリティーや他人と被ることのが構わないならプリセットや音源を買ってそれっぽい音を出して曲を作るというのも一つのスタイルとしてはありでしょう。勉強の素材としても有益なのは言うまでもありません。

 

 

ただ有名なシンセのプリセットだとゲームやアニメなどで「あっ…、これあのシンセのプリセットの音だ…」と気付くことがたまにあります。私なんかでも気付くくらいですから、きっと世の中には有名シンセのプリセット使うと気付かれてしまうことがあると思われます。

 

 

2.プリセットをワブル用に改変する

 

プリセット厨と自作の中間の位置するような使い方が、カッコ良いプリセットを見つけてそこから自分なりに改変するというやり方です。

 

シンセの使い方の知識自体は簡単に手に入りますので、実際問題この方法を使っている方が一番多いのでは無いかと思われます。私もよくやります。

 

 

プリセットはそのまま使っても全然OKですし、むしろ使うためにメーカーが用意し、また別売りで販売しているものですので、ガンガン使っていくのは当然ですが(時間短縮にもなりますし)、このプリセットのここはもうちょっと〇〇な方が…というケースはよくあるので、その部分だけを補整するということは誰によらず多いはずです。

 

 

カッコ良いシンセベース(シンセリード)の音を見つけたらそれをワブらせてワブルベースにしてしまえば、少なくとも他人と音が被る心配はほとんどゼロになります。

手間もそんなに掛りません。

 

 

ワブルベースと言っても実際は音が揺らいでいるだけですから、シンセの何のパラメータをどんなふうに揺らしているのか?がわかればどんな音でもワブルベースにすることができます。

 

 

これにはある程度まではシンセサイザーに関する知識が必要になり、また自分の使っているシンセの操作にも精通していないといけません。

 

 

長くなりましたので、次回に続きます。

 

 


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以前某生徒さんに教えて頂いたのですが、IMSLP(国際楽譜ライブラリープロジェクト)に自分のページを作れるとのことで、ちょっと試しにやってみました。

 

 

IMSLPは元々著作権の切れたバッハの楽譜を全部集めるというプロジェクトから始まったものですが、今や膨大な著作権切れの楽譜ライブラリーとなっています。

 

こちらのページに手順がありますが、日本語のページもあり多少手間取りましたが自分のページを作ることが出来ました。

まだやっていない方で自分の作品をネット上に残してみたいという方は是非参考になさってみて下さい。

 

大概は著作権切れの古い楽譜をスキャンしたものですが、演奏家さんが自分の演奏を著作権フリーで聴けるようにアップロードする方もいらっしゃるようです。

 

演奏家として録音を投稿する方法に手順がありますので、演奏家さんも多いに自分の演奏を資料として残すことに参加出来るようです。

 

 

レッスンでショパンのピアノソナタ第2番のアナリーゼを行っているのですが、あるピアニストの生徒さんからリピート記号部分が何処に戻るかは疑義があるというお話を聞かせて頂きました。

 

 

多分ピアニストさんの間では有名な話なのだと思いますが、私なりに思うところを書いてみたいと思います。

 

話は提示部のリピート記号が何処に戻るのか?という問題なのですが、私はずっとよく出版されている楽譜の通りに最初の気分的な序奏を飛ばして第1主題の所からリピートだと思っていました。

 

実際にそのように演奏されているCDや動画はたくさんあり、楽譜もそうなっているものがたくさんあります。

 

 

ドイツの初版(Breitkopf und Härtel, n.d.[1840]. )

 

 

 

02:10辺りからリピート部分(上の楽譜のように弾いています)

 

 

wikiによると

多くの楽譜では第4~5小節の間(ドッピオ・モヴィメント)にリピート開始の縦線があるが、これはドイツ初版に基づいている。しかしその底本となった筆写譜では複縦線になっていて、冒頭から繰り返すようになっている。自筆譜(現存せず)が底本となったフランス初版でもリピート開始ではなく通常の縦線であるから、ドイツ初版の誤りである可能性が高い。

と書いてあります。

 

これについてちょっと考えてみます。

 

○譜面からの考察

怪しいときは直筆譜を見るというのが私がいつもすることですが、見られないものの方が世の中には圧倒的に多くショパン本人の自筆譜についても失われているそうですが、Adolf Gutmann (1819-1882)という人が書いた写譜があり、そちらを確認してみるとリピートマークではなく複縦線に見えます。

imslpで確認出来ます。

 

 

 

 

 

拡大

 

 

上段は複縦線にリピートマークのようなものが見えますが、これはどうみても紙を重ねたときにインクが滲んでいるだけのように見え(8分音符の連桁も見えますし)、下段には何もないように見えます。

 

 

ドイツのブライトコプフ・ウント・ヘルテルから出た初版はこの写譜を元にしているそうですが、これはたしかにかなり怪しいです。この初版を底本にして出している出版社もたくさんあるので、上の動画のように弾いているピアニストもたくさんいるようです。

 

 

しかしこれは個人的にはただの複縦線なんじゃないのかと思います。というかどうみても複縦線でしょう。インクが乾く前に紙を重ねたせいで下の紙のインクがにじんでリピートマーク?のように見えるだけです。

 

ショパンに限った話ではありませんが、本気で勉強する曲は直筆譜を見るのがお勧めです。また直筆でなくても、例えばベートーヴェン本人が出版の際に校訂した楽譜があったりしますので、こういった出版社のエディションは信頼に値します(少なくとも本人がOKを出しているので)。

 

 

○和声的からの考察

冒頭に戻ると考えるとリピートがドミナントモーションになる。

 

和声的には冒頭に戻ると考えるとドミナントモーションになるというのも冒頭に戻ることを私が支持する理由の1つです。もっとも絶対に提示部のリピート部分がドミナントモーションにならなければならないという理由はなく、そうなっているものも、なっていないものもあるので絶対的な根拠にはなりませんが、こう考えたほうがしっくり来ます。

 

 

第2主題はソナタ形式の通例通り平行調で最後はⅤのⅤ7→Ⅴ7でスタンダードに終わり、冒頭は単音なので和声付けに意見が分かれるところだと思いますが、異名同音を読み替えればレ♭・ファ♭・ラ♭=D♭m、もしくはド#・ミ・ソ#=C#mになり、ここではD♭mと考えると提示部最後のA♭7D♭mでⅤ7→Ⅰと繋がります

 

 

提示部はリピートする場合としない場合があり、する場合は1括弧、2括弧と別けて書くことが多く、音を変えて繰り返す場合と展開部に入る場合とで別の譜面を書くことによって繋がりがよくなるように調整されます。ショパンも1括弧、2括弧と別けて書いています。

 

 

 

ここではまずショパンの和声感覚について整理してみたいと思いますが、古典和声ではドミナントモーションを大切にし、これが和声の中心原理となっています。ショパンの和声はもちろんロマン派的ではありますが、後期ロマン派の面々に見られるほど発展的な和声ではなく、古典和声が通用する部分がほとんどです。

 

 

旋律や和声がピアニスティックな書法とともに多彩な半音階や偶成に彩られ、それがショパンの魅力になっていますが、彼が生きた時代を考えると初期ロマンから中期の前半くらいで、ベートーヴェンが死んだのが1827年で、ショパンが生まれたのが1810年なのでベートーヴェンと17年も被っています。

 

 

ベートーヴェンが40歳の時にショパンが生まれている計算になるので、ロマン的な和声を感じさせつつも土台はまだまだ古典にある世代だと思いますし、実際楽譜はそうなっていると感じます。つまりドミナントモーションを大事にする、悪く言えばドミナントモーションに囚われている世代であるので、ドミナントモーションしているかどうかは割と重要なファクターとして考えて良いのではないか?と言うのが私の意見となります。

 

 

既に述べたように提示部のリピート部分がドミナントモーションにならなければならないという理由はなく、なってるのが多いけど、なってないのもあり、一概に言えないのが現状です。

 

 

ベートーヴェンのピアノソナタ第1番第1楽章

 

例えばベートーヴェンのピアノソナタ第1番第1楽章ではリピートがドミナントモーションになっていません。第2主題で平行調に転調してその主和音で終わり、主調に戻っています。これは1括弧、2括弧がない初期の作品で、段々ベートーヴェンは提示部をリピートする場合は1括弧、2括弧を書くようになっていきます。

 

 

ベートーヴェンのピアノソナタ第3番第1楽章

 

ベートーヴェンのピアノソナタ第3番第1楽章では1括弧、2括弧があり、ちゃんと上手く繋がるようにドミナントモーションになっています。

 

普通一般に考えればドミナントモーションした方が和声的な繋がりは滑らかになりますが、ソナタ形式に提示部を繰り返すときは必ずドミナントモーションしなければならないなんてルールはありませんし、音楽は自由であるはずですので、色々な形があって良いはずです。実際ありますし。

 

 

ただ時代ごとの様式や作曲家ごとの傾向はあり、この時代なら、この作曲家のこの時期の作品なら○○だろうという推論は出来ます。出来ることは出来るのですが、一切の例外なくいつも同じ事をしているわけではなく新しいことに挑戦したり、色々なパターンがあったり、曲に雰囲気や表現したいものによってやり方を変えるのは当然であり、統計を取ってみたところであまり意味のない行為のように思えます。

 

 

じゃあショパンはどうなのか?というとこの場合は「ソナタ形式の提示部のリピート部分」という条件付きでリピート記号の部分がドミナントモーションになっているかどうかを統計を取ってみるのも一つの資料にはなりますが、ほかの部分がそうだからと言って今回の部分もそうであるという絶対的な理由にはなりません(ある程度の根拠にはなりますが…)。

 

 

ショパン ピアノソナタ第3番第1楽章

 

ショパンは性格的小品が多くソナタ形式の数は絶対数として少ない上に、さらに提示部で繰り返ししている箇所となるとかなり限定されますが、一応ピアノソナタ3番を見てみると、やはりドミナントモーションしています。

 

まぁ3番でしているからと言って問題の2番の箇所もそうだという証拠にも根拠にもならないわけですが、ショパン全体の和声感としてはドミナントモーションを土台にしているので、問題の箇所もドミナントモーションと考えてもいいんじゃないか?つまり冒頭にリピートマークするのではないか?という風に思っているわけです。

 

 

 

○偉い人の意見を参考にする

こういう問題は必ず著名なピアニストがコメントを出しているはずで、雑誌などでツィメルマンやアルゲリッチやポリーニがCDでどう弾いているか?何かコメントを出していないか?は参考になります。

 

出典はわかりませんが知恵袋で、ポリーニが冒頭にループすると言っているという記載があるのでおそらくポリーニはそうなのだと思います。

 

私などよりも何百何千倍も勉強しているポリーニみたなスーパーピアニストが言うならそうなんじゃないかと考えるは普通だと思いますし(むしろポリーニが言うなら間違いない)、たくさんやっている人は難しいことはわからなくても感覚・勘でなんとなくそう思うという人は結構いたりしますので偉い人の意見も大切だと思います。

 

 

○自分の意見を持つことが大切

ドビュッシーのシランクスという無伴奏フルートの曲があるのですが、これも長年アクセント記号とディミヌエンド記号が間違えられていたという笑い話があり、自分で色々調べたり、和声的・作曲技法的な見地から検討することが大切だと思います。

 

それが他人と違っても、仮に間違っていたとしても、自分で明確な理性的な説明が出来るのは強みになるはずですし、なんとなくボンヤリそうだと思っているだけよりも、よっぽと素晴らしいです。

 

間違っていた場合でも方向性が間違っているだけで、音楽をちゃんと解釈・理解する力があるということになりますし、私は作曲する側なのでピアノはからきしですが、やはりちゃんと勉強しているピアニストさんの方が明らかに良い演奏をするので、多くの楽器演奏者さんが音楽に対する解釈を「心を込めて弾く」みたいな感覚的・抽象的なアプローチではなく(それも重要ですが)、作曲家目線で理知的に音楽を理解・解釈する人が増えたら良いな思っています。少なくとも日本の音楽教育レベルの向上の一助にはなるはずです。

 

 

 


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ぼちぼち「サァー」っというホワイトノイズがうっすらと乗るようになり、潮時かなと思ったのでspl Qureの真空管を交換しました。

 

 

アウトボードの真空管は私の知る限りロシア製のなど安価なものが付いていて、正規代理店のエレクトリさんに真空管交換をお願いした際にもこちらから特に注文を付けなければ、やはり安価なSOVTEK製などで戻ってきます。

 

SOVTEK

 

ネットで検索する限り、TUBE-TECHなどのハイエンドな真空管アウトボードでもSOVTEK製の真空管が使われており、ハイエンドな製品をリリースしているアウトボードメーカーでも少なくとも発売の時点では真空管は全然良いものを使っていないようです。

 

 

私はオーディオオタクではなく、あくまで機材を制作用としてしか考えていませんので、スピーカーで100万円とかスピーカーアンプで200万円とか、ケーブルで50万円とか、そう言うのとは無縁なのですが今回はちょっと考えを変えて、お値段が少し高めのMullardという真空管に変えてみました(高いと言っても知れてますが)。

 

 

Mullard

 


真空管交換に関してはネットで調べても記事は極めて少なく、多分やっている人が少ないからだと思いますが思うように情報が集められません。

 

サンレコなどの雑誌やネットのアウトボード紹介の宣伝サイトでもその機材が真空管であること自体は強調しても真空管のメーカーのことはほとんど見たことがありません。MANLEYやsplやUniversal Audioなどの機材ごとの音の傾向の違いの比較記事があっても真空管のメーカーの違いについては触れられているのを見た記憶がないのは思えば不思議です。

 

 

しかしアウトボードにメーカーやグレードによってピンからキリまであるように真空管にも同じような価格による性能の差があるようです。

 

 

あるようです、というのは私自身は全然真空管の世界に暗く人様に○○は真空管はこうだった、△△真空管はああだったと言えるほど造詣がないのでなんとも言えないからです。

 

 

サウンドハウスさんだとBUGERA だと¥1,280、WATHENだと¥16,800もして、約12倍の価格差があります。アウトボードによく付いているSOVTEKは下の中か下の上くらいな価格帯にあります。

アウトボード関しては基本価格が高いほど音が良いので、多分真空管も同じだと思うのですが普通に考えたら高い方が良いに決まってます。

 

 

コンプでもEQでも真空管を経由してイコライジングしたりブーストしたりする以上、真空管の特性の影響は絶対に受けるはずなので、基本的には質の良い真空管を使った方が良いに決まっていますが、不思議なことにあまりアウトボートの世界では議論されないようです。

 

 

ギターアンプやオーディオマニアの世界のことはあまり詳しくないのですが、両者には比較的真空管愛用者がいるものの(こんなサイトがあります)、ギターの方は全体として真空管アンプを使っている人の割合が年々減っているように思えます。少なくとも10代、20代の若いギタリストたちがアンプは「やっぱり真空管じゃないと駄目だな!」みたいなことは言ってないような気がします(こだわりのある方は使っていると思いますが…)。

 

 

むしろ最近はAmplitubeが~とかBIAS DESKTOPが~みたいな話をしている印象があります。

そもそも真空管自体が音に面白味はあるものの、半導体に比べて寿命、発熱、コスト、省エネ、安定性などで劣るため、一部のマニアにしか人気がないく、多分ビジネスとして成立しないからだと思いますが、日本では製造自体していないのでロシア、アメリカ、中国、スロバキア製のものがほとんどです。

 

 

アウトボードでも別に真空管じゃないと駄目なんてことはなく、むしろ真空管じゃないアウトボードのほうが多く、(要維持費の)真空管であるというだけで購入対象から外れることすらある場合があります。

 

 

真空管の音色については音楽製作の現場ではなくオーディオマニアの方たちの世界で真空管の種類の違いなどは色々と議論されているのですが、正直私は制作側の立場なので観賞の立場からの意見はあまり参考にしにくいのが正直なところです。

 

 

かといって自分で真空管の価格、種類、メーカーによる音の特性について詳しくもなく、経験もなく、まぁ中くらいの値段の買っておけば大丈夫でしょうくらいな適当な感じです。

 

 

元々SOVTEKみたいな安価なものが付いていたなら、別にSOVTEKのままでも良いような気がしますし、むしろ安物の真空管から高価な真空管に変えて音色の傾向が変わるなら嫌がるエンジニアさんも当然いらっしゃると思います。

 

 

ただ高価な20万~50万くらいのアウトボードなのに、真空管だけ激安のローエンドなものが付いているので、例えば20万とか30万のハイエンドなオーディオインターフェイスを使っている人が100円ショップのイヤホンや1000円くらいのPC用スピーカーで音を聞いているような違和感があるだけです。

 

 

アウトボードにお金掛けるなら、真空管もそれに見合ったものが良いのでは?と思わなくもありませんが、高級アウトボードを出しているメーカーが安価な真空管が付けている理由もわかりませんし、そんな気にすることもないのか?と思ったりもします。

 

 

この辺りは私が知らないだけかもしれませんが、真空管のメーカーやグレードによる音色の変わり様というのはほぼ全くレコーディング界隈では話を聞かないので思えば不思議だなぁと思いました。あまり音に違いがないからなのかもしれません(耐久性はわかりませんが…)。

 

 

ちなみに新品のMullardの真空管に変えてからはもちろんノイズはなくなり、音も元のクッキリとした感じになりました。ブーストカットもキレキレの真空管風味があって良いのですが、前のと比べてどうか?と言われるとヘタっていた前のものに耳が慣れていたのでなんとも言えないのが現状です。

 

 

新品の同じ環境でエージングされたものを用意して交換しながら比較したら、なにか意見が出るのかもしれませんが、正直よく分かりません。まぁ値段が高いので多分良い音になっているのでしょう。少なくとも悪くなったとは思いませんし、音に不満があるわけでもありません。良くなっている?かな?多分?きっと?そうだといいね?くらいな感じです。

 

 

例えばギターの安物の弦でも張ったばかりの新品の時はそれなりに良い音がしたりしますので、真空管も使い続けていくと違いが出てくるのかもしれません。私個人としては耐久性があると嬉しかったりします。

 

 

真空管について色々調べていると、前は交換の必要があるのでそれをデメリットのように感じていましたが、今は逆に自分で消耗パーツを定期的に交換出来ることで長く使えるという側面もありますし、真空管(オーディオマニアの方たちは玉というらしいです)によって音の傾向が違うのでそれを楽しんでみるのも面白いかも?と思うようになり、むしろ真空管であることをメリットのように思うようになりました。

 

 

前回の続きです。

 

④リズム的特徴に着目する

 

作曲という範疇の話ですが、世の中にはリズムに強い作曲家がいます。ハーモニーに強い作曲家もいます。たくさんの美しいメロディーをバンバン作れる作曲家もいれば、編曲(オーケストレーション)が滅茶苦茶上手な作曲家もいます。

 

オリジナリティーが強いけれど技術的な側面が弱い作曲家もいればオリジナリティーは弱いけれど技術的な側面が強い職人よりの作曲家もいます。

 

こういうのは色々な人を見る限り先天的な素質であって、まず誰かに何か言われなく自分一人でその方向に勝手に特化していきます。それがプラスに働く場合とマイナスに働く場合がありますが、リズムが弱い場合は自分ではなかなかそれに気付きにくいという側面もあります。

 

色々な楽譜のリズム的なアイデアを研究することは結構大事であり、和声ばかりに気を取られないようにしなければなりません。

 

今回は紹介している譜面が僅か9小節なのでリズムのバリエーションもごく僅かですが、書き出してみました。

 

 

 

 

リズム的特徴が個性的でハッキリしている場合、そのまま使うとパクリであることがバレがちですが、ここではのリズムが基礎になっているのがわかります。最初の3小節は和声なしのユニゾンでで組み上げて、4小節目から緊迫感を増すため音価を縮めた(ごちゃごちゃしているけれどVn1を抜き出しています)が現れて、音高もオクターブ上がります。

 

6小節目からが2倍の音価になったになりリズム的にはと緩和しますが、代わりに今までほとんど動きがなかった和声がコントラリーモーションを伴いながら動くようになり、さらにオクターブ高くなります。最後だけはフィルイン的な要素で異なるリズムが登場します。

 

 

 

 

楽譜に書き込みをいれてみました。

①和音なしユニゾン・中低音域・弦のみ

②和音はあるが属和音で停滞・1octUP・弦のみ

③和声が反行で動く・さらに1octUP・最後はTUTTI

という3段構えになります。

 

9小節を3+2+4でドヴォルザークが考えているのがわかります。

 

和声、リズム、オーケストレーションと色々な要素が絡み合っているのが普通ですが、何処をどんな風にどれと組み合わせてどんな効果を狙っているのを言葉で説明出来るくらい譜面をよく見て理解しておくのは大切です(そうすれば真似が出来るからです)。

ただリズムだけを見るのも大切ですが、リズムだけみてもあまり面白くない場合も多々あります。

 

 

面白いのは下の譜例でしょうか。

16ビートでリズムを補い合うような騒がしいザワザワした印象です。盛り上がりに向けて旋律とアクセントをハッキリ出しつつ、弦パートがうごめいているような感じが一番最初に印象に残ります。

 

 

 

⑤和弦に着目する

 

和声だとか、コントラリー(反行)になっているとか、リズムがどうこうというのは作曲全般の話でポップスやロックでもピアノ曲でも弦楽四重奏でも同じです。

 

オケ特有の問題としては和弦が重要になります。

 

 

1小節目

 

まず最初は中央ドよりも低い中低音域と言って良いような音域で弦のみです。トップにVn1、Vn2、Vlaが重ねられ全体として重心が上の方にあることがわかります。

 

オケ初心者のうちはそれぞれの楽器がどんな音域でどんな風に重ねられているのか?を勉強するのは必須と言えます。適切な、あるいは特別な効果を狙って不適切な音域を用いたり、上手く響き合う配置や典型的な用法のネタ集めはとても重要な勉強です。

 

 

 

9小節目TUTTI

 

 

9小節目のTUTTI部分では弦と木管には嵌め合わせ(または囲い込み)は用いられておらず、積み上げと重ね合わせになっています。ホルンをトランペットが囲い込むようになっており、その下にトロンボーンがいますが、非常にスタンダードな、特にこれと言って語るようなことがないような王道パターンです。

 

スタンダード過ぎてあまり書くことがないのですが、

①属音のtrpが最もよく聞え支配的になるのでほかの楽器はユニゾンを避けている(無意味に埋もれるから)。

②TrbもTrpと似たようなことが言える。特に第1Trb。属音を鳴らしているのは低音を除けばTrpとTrbだけなのに注目(フォルテでの両者は圧倒的にオケ内で強い)。

③HrnとVlaはTrpと被らないようにして内声を充実させる。

④もしtubaがいればCbとユニゾン(12ftのFで行ける。9ftのユーフォでもOK)

⑤当然差音を意識して倍音列に沿った配置になっている

⑥木管は金管に比較して音量が弱いので金管とは重ねず、倍音列の上部を補強するように上の方に配置する。Fgは別。

⑦弦楽器は嵌め合わせではなく積み重ね、木管もそれに近く重ね合わせ

くらいでしょうか。

 

 

後期ロマン派や近代音楽のマーラーやリシャルト・シュトラウスやストラヴィンスキーなどをやっている人から見れば相当シンプルな編成&スタイルでまるで初心者向けの教材のような和弦です。こうやって書き出すと時間が掛りますが、慣れてくれば頭の中で和弦を作れるようになりますので、たくさんのサンプルを集め、自分好みの和弦というものを他人に語れるくらいになるまで色々と勉強することが大切です。

 

 

譜例部分に関しては基本的な王道スタイルですが、王道だからこそ良く響き良く聞え、初学者がよくやるような奇を衒って失敗するケースよりもずっと良いです。

和弦に関しては管弦楽法の基礎が必要ですが、特にTUTTI部分については自分の好きな曲のTUTTIを検討してみると作曲家ごとに個性や手法が違うのでかなり勉強になるはずです。

 

 

管弦楽法の本を紐解けば色々なことが書いてありますが、個人的に最も参考になるのは教科書よりも実際の作品で、特に自分が好きな作品が一番です。管弦楽法に関しては書くことが山ほどありますが、ここでは好きな曲の和弦を書き出して検討することをご紹介するに留めておきたいと思います。

ともあれ本を読んだり、楽譜をアナリーゼしたり、誰かに見て貰ったりして少しずつ自分の経験を蓄積していきます。

 

和弦は極論言えば似たような配置にさえすれば似たような響きになるわけですから、初学者の方には和弦が把握出来るだけでも相当参考になるはずです。

 

 

但し好きな曲の和弦を参考にすると言ってもそれは基礎的な知識があってこそなので、仮に楽器の音域、奏法、特性や和弦の基礎知識がない方がいきなり楽譜だけを見てもやっぱり難しいと思うので、先にある程度の管弦楽法の勉強はどうしても必要になります。

 

 

 

⑥形式と構成とそれに関連するアイデアに着目する

 

ある程度長い曲を作ろうと思ったら音楽の形式や構成について考える必要が当然出てきます。例えばこの曲であればソナタ形式ですが、一口にソナタ形式と云ってもその具体的な構成は千差万別であり、作曲家が最もアイデアを注ぐ部分の1つでもありますので、8小節かそこらの練習課題ならともかく、ちゃんとした曲となりますとやはり全体の構成をしっかり考えていく必要があります。

 

厳格なクラシックと映画音楽のような曲では違いますが、主題展開や推移の作り方、主題の確保の仕方、活用の仕方、再現の仕方、転調の調域ややり方などはまさに作曲の真骨頂とも言える部分であり、ポップスやロックではあまり重視されないクラシック特有の内容ですのでこの部分にノータッチな場合は勉強の必要がどうしても出て来ます。

 

音楽形式はそれだけで1冊の本が出ているくらい多岐にわたる部分ですが、基礎的な事が理解できたら後は実際の曲がどんな風に出来ているのか?を見ていくのがやはり1番お手本になります。

 

好きな曲を途中で止めたりしないで全部最後までアナリーゼし、各部を検討していくことが大切です。

 

 

 


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オーケストラを作りたい方、管弦楽法を学ばれて入る方、あるいは和声・作曲を学ばれている方にこういう所を見て、こういう風に真似ていくと上達するという私なりのアドバイスをしてみたいと思います。

 

作曲のレッスンでは当然管弦楽法やオーケストラの作り方も行っておりますが、いわゆる「管弦楽法」的な本で楽器のことを知るのは当然としても、実際に役に立つのは自分がカッコ良いと感じる曲をお手本にすることだと思います。

 

 

これはロックでもポップスでもダンス音楽でも何でも同じで「芸術は真似から入る」とよく言いますが、自分が良いと思えるお手本を研究するのは何にも増して有益なことです。

 

 

今回はドヴォルザークの第9番新世界の4楽章の冒頭だけをちょっとレッスンで出て来ましたので、簡単に見てみたいと思います。

 

 

 

楽譜はこちらでダウンロード出来ます。

 

 

趣旨としては「ドヴォルザークの9番カッコ良い!こんな感じの曲を作ってみたい!」という初級者、中級者の方がいた場合にどんな風にしたら良いのかを、色々なやり方があると思いますが、ご紹介します。

 

ドヴォルザークの9番が映画音楽の○○になったり、ゲームBGMの△△になったり、テレビドラマの□□になってもやることは同じです。

 

①まず和声分析する

 

何処から入っても良いのですが、まず和声分析して把握します。ポピュラー風に普通にコードとディグリーと調判定が出来るのか?和声進行がちゃんと理解出来るのか?はどんなジャンルでも作曲する上では最低限の土台になります。

 

 

 

 

コードとディグリーをポピュラーの表記で付けてみました。Ⅳ7に/が入っているのは根音省略というオリジナル記号ですが、普通にポップスの理論が理解出来ている方なら問題ないはずです。

 

まずここで躓く方はいわゆるポピュラー理論や和声法をちゃんとやった方が良いというのが私なりのアドバイスで、なぜここでこの和音が出てくる?なぜここで#が付く?コードが取れない、調がわからない、みたいな疑問が出てくる場合は、オーケストラ云々ではなく基礎的な音楽理論の理解度の問題になりますので、そちらの勉強も平行して行う必要があります。

 

最低でも私が以前書いた作曲理論の本くらいのことはわかると作曲は大分楽になるのではないかと思います。

 

コードのことなどを自分ではわかっているつもりでも、いざ実際にやってみると躓く方は意外と多かったりします。

 

 

②和声の骨格を把握する(移調してみる)

いちいち大譜表などに直さなくてもその場でピアノなどの楽器で弾いて(むしろ弾かなくても)和声が把握でき、移調も出来て、自分でも応用出来ればOKです。

 

ここではブログの記事の特性上譜面に直しますが、実際に一人で勉強するときは私の場合は紙に書いたりはしないのですが、時間が経つとその時は覚えていても忘れてしまったりすることが良くあります…。

 

 

骨格(主要な流れ)をKEY-Amに直して書き出してみました。

(何にでもすぐ移調出来るのは結構大切です!)

 

 

 

和声的側面のみにまず限定しますが、面白いなと思う点は次の点です。

 

①まず単音で偽終止を連発

②ドミナントコード上でCA(クロマティックオルタレーション)を含む上行

③5小節目からコントラリーモーション

④特徴的なⅦ7の偶成和音

 

まず①の和音が充実するのは途中からで最初は単音で始まって、徐々に盛り上がっていくのはよくある手法ではありますが効果的と言えます。最初から3和音や4和音にしないで後に取っておくのは王道といえば王道ですが、王道が王道たり得るのはそれだけ素晴らしい効果だからです。

 

②のドミナントコード上での上行はちょっと面白いです。

ポピュラー理論をしている現代人ならスパ8を選んでしまうかもしれません。

 

これは和音ではなく、単なる音階上行ですので別に濁るわけではありませんが、ポピュラー理論では同じ度数のオルタードテンションとナチュラルテンションが同居する響きを嫌います。

G7(9,♭9)みたいな和音はないわけですが、この考えが現代人が音階上行を行うときに踏襲されていることが多い気がします(すべてではありませんが)

 

つまりドヴォルザークは♭9th→9th→3rdと進んでいますが、これは同じ度数のオルタードテンションとナチュラルテンションが同居しているため、♭9th→#9th→3rdにした方がこの問題が発生せずに済みます。

スパ8を知っていて、同じ度数のオルタードテンションとナチュラルテンションの同居を良しとしない現代の理論を知っていたらスパ8を選んでしまいそうです。

 

 

しかし別に同時になっているわけではありませんので濁っているわけではありません。最後のCAは帳尻合わせで入れられた音なので別として、この辺りは彼の個性や時代を感じます。

 

 

最後に半音階を入れているのはジャズでいうところのビバップドミナントを連想します。クラシックでは普通にある音使いで珍しくもないですが、これはこうしないと属音に到達するために音符の数が合わないからでしょう。

 

 

③のコントラリーモーションについてはクラシックらしく反行進行と呼んだ方が良いのかもしれませんが、基本と言えば基本ですが、扇が開いて響きにスペースを作るための基礎手段です。実際にコントラリーモーションで広がったあとに管楽器が空いたスペースにドバっと入ってきて一気に盛り上がりをみせます。

 

 

 

④についてですが、下行ラインはメロマイっぽいものの導音をそのまま根音と見做して短調におけるⅦ7という和音を使っているのは面白いです(副属7ではないから)。

 

これによって一旦は明るくなるように感じます。そして楽譜の続きの第1主題で再び短調に戻るのでコントラストがよく効いています。

ポップスやロックではほとんど見かけない用法です。このこういった偶成和音の用法がドヴォルザーらしいです。

 

ドヴォルザークはとにかく表情豊かでメロディックであり、和声的にもリズム的にも面白い部分が

たくさんあるので個人的には大好きです。

 

 

 

③早速実践

ドヴォ9-4を見て得た知識を元に現代のポップス・ロックで使えそうな感じでコード進行のスケッチだけ作ってみます。

 

 

MP3はこちら

6小節目は正確にはFmM7→F→G/Fです。

 

注意したのは下記の点です。

・コントラリーっぽく扇が広がる。

・特徴的なⅦ7を使う

・そのままだとパクリなのでⅣmM7を挿入

・最後のバス上行はドヴォルザークの考えによる

 

まるパクが目的では無く、色々なテクニックを加味して元ネタから離れていくようにすることも大切です。最後の♭9th→9th→3rdというバスの動きはドヴォルザークから引用していますが、♭9th→#9th→3rdと違う雰囲気が合って良い感じです。

 

これはさすがにドヴォ9-4の丸パクリじゃんとは言われないと思いますが、Ⅶの用法は似ている(これをしないと今回の趣旨に反する)ものの、ドヴォルザークに学びつつ、ドヴォルザークから離れるというコンセプトになります。

 

コントラリーも扇が広がるようにしてあります。

 

 

 

1分かそこらのやっつけ仕事ですが、和声やポピュラー理論を学ぶ利点はこういったことを即座に出来るようになることです。作曲中に色々悩むのは大切なことであり、必要なことでもありますが、たくさんの良いお手本を知っているのは決してマイナスにはなりません。

特に仕事でやるならバリエーションの多さは大切になります。

 

 

勉強中の方には特に気に入ったものはこうやって自分なりに消化していくことをお勧めします。過去にあった出来事をどれだけ覚えているかはむしろ記憶力の問題であって音楽の能力の問題ではないのですが、こうして自分で何かアクションを取ってみると記憶に残りやすいですし、自分の作曲ノートみたいのに残しておけば何かの時に役に立つはずです。

 

 

あまり時間を掛けても良くないので、さっさと済ましてしまうのがポイントで、これは作曲ではなく、言い方は悪いですがパクリみたいなものなのでどちらかというと作業的な側面があります。

逆に言えば知識や技術さえあれば誰でも出来る内容なので、才能やセンスはあまり問われません。自分の引き出しを増やすのが目的なので、作るものは自分だけが理解できる大雑把で適当なもので良いのです。

 

 

しかし初心者が最初から高度な曲を作れるはずもないので、こういった真似から入り、少しずつ自分なりの考え方を形作っていくのは良い練習だと思っています。最初から何でもかんでも出来るような天才肌の人は例外として、私のような凡人はこうやって何かの曲を聞いていいなと思ったら把握しておくようにしています(忘れるものも多いですが…)

 

 

次回に続きます。

 

 

 


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作曲レッスンでベートーヴェンのピアノソナタのアナリーゼをしているのですが、初期が終わったので中期を次にやる予定です。

生徒さんからすれば全部やるのは無理ですし、またその必要もないと思われますので中期のピアノソナタ作品群の中からいくつか選曲してもらうつもりでいます。

 

 

文章だけでは駄目で楽譜をよく検討する必要がありますが、その取捨選択のために中期のソナタにはどういう曲があるのか簡単にまとめてみました。私からすればレッスンのための資料みたいなものですが、ベートーヴェンのピアノソナタ研究をなさっている方の参考になれば幸いです。

 

好きな物を選んで構わないのですが月光、ワルトシュタイン、熱情などがお勧めです。

 

 

中期のベートーヴェンのピアノソナタ考察のための曲選。

前置き・初期のまとめ
初期において「第7番op.10-3」や「第8番悲愴op.13」で初期の傑作と呼ばれるピアノソナタを書いた後に「第9番op.14-1」、「第10番op.14-2」と比較的小規模なソナタを頂上まで登った登山家が山の尾根を降るように書いた後、「第11番op.22」と再び規模の大きいソナタを作って彼のピアノソナタ作品の傾向における初期を締めくくります。

 

中期は第11番から、もしくは第12番からと見做す研究者がいますが、ここではピアノ作品の性質上11番からと見做して中期の作風を研究します。

 

以下選曲のために超絶簡略且つ、独断と偏見で特徴を述べてみますので選曲の参考になさって下さい。かなり主観が入ってますので異論反論多いにあるかと思いますが、あくまで一つの意見として述べています。

 

特に形式においては一応書いてありますが、ソナタ形式のようなロンドソナタ形式のようなどっちか判断に迷うようなものもあり、その断定は勉強なさる方の判断にお任せしたい次第です(ちゃんとレッスンでは説明しますが…)。

 

第2期前半

第12番「葬送」op.26(31歳頃)
 

第1楽章:変奏曲
第2楽章:三部形式のスケルツォ
第3楽章:全作品中唯一の葬送行進曲
第4楽章:無窮動的ロンド形式


初期から中期への過渡期。第1楽章はソナタ形式による男性的で力強い曲を置くのでは無く、変奏曲&アリアという女性的な優しい感じを出しています。
また全曲通しての一貫性というよりは全楽章は羅列的に感じます。

 

丁度この頃、op.18の最初の弦楽四重奏を書いています。制作時の年齢は数年に渡って書かれている場合もあり、一応完成した時点での年齢を書いています(正確なことがわからないものもあります)。


13番「幻想曲風ソナタ」op.27-1(31歳頃)
 

*3楽章を終楽章の序奏とみなして全体を3楽章構成ととらえる場合もあります。

第1楽章:三部形式(アンダンテとアレグロの対比でちょっと異色の複合三部形式)
 *アタッカ
第2楽章:三部形式のスケルツォ

 *アタッカ
第3楽章:短い緩徐楽章

 *アタッカ
第4楽章:アレグレットのロンドソナタ

 
完全に初期の作風(スダンダードな古典性)を脱却している作風です。アタッカで切れ目無く演奏されるために従来のソナタの最初と最後の曲の対比という2本柱概念ではなく、全体で1つの作品としてまとめようとしているのが特徴です。重心は3楽章に配置されています。
 

第14番「月光」 op.27-2(31歳頃)
 
第1楽章:三部形式のアダージョ、緩徐楽章・序奏的
 *アタッカ
第2楽章:繋ぎの三部形式のスケルツォ
第3楽章:メインのプレスト、ソナタ形式
 
13番がやや実験的だったのに対して試みが上手く成功しているのが14番「月光」です。第1楽章はイントロ(プレリュード)的なニュアンスがあり、次に舞曲で繋いで、最後にメインのプレストでクライマックスというスタイルです。第1楽章の単純音型の連続はそのままバッハの前奏曲を連想させます。
テンポもアダージョ→アレグレット→プレストと段々速くなって盛り上がります。有名な曲なのでアナリーゼにお勧めです。
 
 

第15番「田園」op.28(31歳頃)

第1楽章:アレグロのソナタ形式
第2楽章:複合3部形式のアンダンテ 緩徐楽章
第3楽章:複合3部形式のスケルツォ 舞曲
第4楽章:ロンドソナタ形式のプレスト
 
従来の古典性から脱却して新しい境地を求めていたベートーヴェンが田園では一旦古典的な楽章配置に戻っています。しかし主題構成やその展開方法、また形式の構成は初期よりも発展的且つ新しい手法が見られます。
 

16番 op.31-1(32歳頃
 
第1楽章:アレグロのソナタ形式
第2楽章:アダージョの複合3部形式 緩徐楽章
第3楽章:ロンドソナタ形式のプレスト

悪化していく聴力に悩まされハイリゲンシュタットの遺書を書いたのは32歳頃です。
このソナタは成熟したソナタ形式でスケルツォは省かれています。楽章配置は古典的ですが、内容は顕著な中期の作風の1つと言えます。
 
 
17番「テンペスト」 op.31-2(32歳頃
 
第1楽章:ソナタ形式
第2楽章:展開部なしのソナタ形式
第3楽章:運動性の強いソナタ形式
 
全楽章ともソナタ形式を基礎に置いて作られている点がポイントです。また第3楽章の徹底的な音型の運動性を展開させた曲は中期の特徴の1つであり、この曲は特によく成功している例です。op.31の3曲の中では一番ドラマチックで面白い試みをしています。
 
 
18番 op.31-3(32歳頃
 
第1楽章:ソナタ形式
第2楽章:ソナタ形式のスケルツォ
第3楽章:メヌエット
第4楽章:タランテラを連想させる運動性のプレスト ソナタ形式
 
狩りとも呼ばれることがあります。4楽章ですが緩徐楽章を欠いています。ほかの曲に見られるような幻想的スタイルではありませんが、変則的楽章配置です。
 
 
第19番 op.49-1(25,6歳頃初期に分類)
第20番 op.49-2(25,6歳頃初期に分類)
この2つのソナタは出版されたのは1805年(35歳)ですが、作られたのは1775年~1796(25~26歳)で出版番号順は後ですが、作られたのはもっと前です。2つのやさしいソナタと副題が付いていて、弟子のためのピアノ教育に書かれた?とも言われています。中期の作品ではありません。
 
 
第2期後半
21番「ワルトシュタイン」op.53(34歳頃
 
*2楽章と3楽章をまとめて2楽章構成ととらえる場合もあります。ここでは2楽章判断
第1楽章:ソナタ形式
第2楽章:ロンド形式
 
1802年(32才頃)にハイリゲンシュタットの遺書を書くまで精神的に追い詰めらていたベートーヴェンですが、精神的危機を乗り越えて中期の傑作の森と呼ばれる時期が始まります。
ワルトシュタインとかヴァルトシュタイン(ドイツ語: Waldstein)とか呼ばれますが、力強く英雄的な楽想です。
 
 
22番 op.54(34歳頃
 
第1楽章:メヌエット風主題を持つロンド的形式。
第2楽章:運動性を持つ複合3部形式のアレグレット。
 
ワルトシュタインと熱情の間にある2楽章の曲でソナタなのにソナタ形式を持っていません。
他の曲に見られるような短い緩徐楽章がアタッカで繋がれるために1つの楽章と考えられるのではなく、純粋に2楽章となっています。
 
 
23番「熱情」op.57(36歳頃
 
第1楽章:形式、展開の優れた技法を持つソナタ形式
第2楽章:変奏曲形式のアンダンテ(循環)
 *アタッカ
第3楽章:ソナタ形式のプレスト(循環)
中期の最高傑作の1つで本人も相当出来が気に入っていたらしく、生涯を通じて書き続けてきたピアノソナタも熱情の後は次の第24番(op.78)まで4年間は一旦筆を置いています。
循環形式の活用や主題の充実、展開・構成の美しさなど優れた部分がたくさんあります。中期で1曲しか勉強しないならこれをお勧めします。
 


まとめ
 
wikiだと中期は13番から始まり26番で終わっていますが、個人的にはそんなにはっきりと区分できる物ではないと感じています。もちろんどんな判断も明確な根拠があれば正当性はありますが、同じく反論も可能です。
第1期と第2期の間に過渡期があって、第2期と第3期の間にもやはり過渡期があり、ときには第2期に入ってから第1期の作風に戻ったりすることもあり、明確に○○番までが初期が終わり、○○番からが後期というのは言えないこともないのですが、そんなに地面に線を引くようなハッキリとした分類は個人的にはしにくいと感じています。
 
24番からは部分的に後期の作風が混じってくるように感じていますし、熱情以降4年間ピアノソナタを書かなくなり一旦一区切りという風にも取れますので、ここでは23番までを明確な中期として残りは後期に回したいと思います。
 
難しい部分ですが、この辺りは一通り目を通して自分なりの考えや判断を持つと良いように思えます。音楽に限った話ではないかもしれませんが、偉い先生が書いた本でも意見が違っていることはよくあり、解釈は人それぞれですので詳細に検討せずにざっと見るだけでもかなりのことがわかりますから(例えそれが偉い先生と違っても)自分なりの考え方を持てるようになるまで色々と勉強してみるのが一番良いのではないかと思います。
 
またガチンコで勉強なさっている方はベートーヴェンのピアノソナタだけでなく同時に作られていったほかの作品(弦楽四重奏、交響曲、序曲etc…)や伝記を読んで彼の生活の出来事や人間関係を見ていくと面白いのでお勧めです。
 
あるいはベートーヴェンだけがすべてではありませんので、ベートーヴェンはほどほどにして広く浅くほかの色んな作曲家(ショパンやドビュッシーなど)を見ていった方が時間の有効活用という意味では良いかもしれません。
 
 
中期は2、3曲好きなものを取り上げてさっさと後期も済ませてしまい、別の曲を勉強するというやり方もありだと思います。
 
 

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